指導経験20年以上のプロ家庭教師。北海道の高校受験に特化。勉強がとても苦手な子の指導が得意です。
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中学3年北海道学力テスト総合A「理科」(2021年)の難易度
私が実際に問題を見た感想ですが、過去の総合ABCの中では、最高レベルのセットだと感じました。
ひとひねりある問題が多数、とくに大問2の電気の問題が難しい。
今回の総合A理科を公立高校入試と比較すると、難しかった2018年と2020年の下位互換バージョンという感じです。
易しかった2019年と2021年なら、今回の総合A理科で90点以上取れたなら、高得点が望めるでしょう。
対策として、標準レベル問題集『教科書ワーク』や『中学 理科 標準問題集』をやりましょう。
完全に吸収できれば、今回の難しい総合A理科でも、80点は行くはずです。
入試のゴールである 『塾技 理科80』が吸収できていれば、満点近く取れるはずです。
中学3年北海道学力テスト総合A「理科」(2021年)の平均点・道コン偏差値SS
<総合A「理科」の平均点と道コン偏差値(2021年)>
55点
※道コンSS50に相当
中上位公立高校を受験するなら、第5回・6回の道コンは必ず受けましょう。
>>★的中率75%★道コン中3第5回・6回の理科の信憑性は高い!高校入試で的中した証拠【画像】
中学3年北海道学力テスト総合A「理科」(2021年)問題・解答・解説
大問1 液体のロウと固体のロウを用いた密度の問題
問1
解答:状態変化
解説:
固体→液体の状態変化は融解、液体→固体の状態変化は凝固です。
問2
解答:液体・・・イ、固体・・・ア
解説:
ア:固体のロウの状態を表しています。
イ:液体のロウの状態を表しています。
ウ:中学理科の範囲では、気体の状態を表していると言えます。
エ:中学理科の範囲では、この状態はありえません。
問3
解答:a・・・ア、b・・・イ
解説:
問題文に「③、④の結果からいえること」とあるので、③と④を読みます。
③から、図1→図2の状態変化により、固体のロウの方が体積[cm3]が小さいことが分かります。
④から、図1→図2の状態変化により、同じ質量[g]のロウでは、固体のロウの方が体積[cm3]が小さいことが分かります。
これを踏まえて問題文を読みます。
・a
密度の単位は[g/cm3]より、分子である質量[g]が大きいほど大きく小さいほど小さい、つまり密度[g/cm3]は質量[g]に比例します。
分母である体積[cm3]が大きいほど小さく小さいほど大きい、つまり密度[g/cm3]は体積[cm3]に反比例します。
「③、④の結果から」同一質量の固体のロウは液体のロウより体積[cm3]が小さいので、密度[g/cm3]は固体のロウの方が大きい(ア)といえます。
・b
問題文に「このことから」とあるので、「a」の結果を基に考察します。
固体のロウを液体のロウに入れると、固体のロウは液体のロウより密度[g/cm3]が大きいので、液体のロウに沈みます(イ)。
大問2 オームの法則(★難レベル★)
問1
解答:図3・・・10Ω、図4・・・50Ω
解説:
問題文に「グラフから求めなさい」とあるので、グラフのみを見て回路全体の抵抗(合成抵抗)を求めます。
オームの法則より、
図3の合成抵抗=2.0V/0.2A=20/2=10Ω
図4の合成抵抗=5.0V/0.1A=50/1=50Ω
問2
解答:回路・・・並列回路、理由・・・回路全体の抵抗が10Ωで、20Ωよりも小さいから。(例)
解説:
問1が本問を解くヒントになっていると判断して考察します。
図3は図2より①、②、④、⑤に接続されていることから、少なくとも20Ωの抵抗が含まれていると言えます。
この実験で用いた抵抗は、20Ωの抵抗器2個、40Ωの抵抗器1個です。
図3の合成抵抗は10Ωと、20Ωの抵抗器よりも小さいです。
並列回路の合成抵抗では、抵抗が太くなり電流の通りがよくなるので、合成抵抗は元の抵抗よりも小さくなります。
よって、合成抵抗が抵抗が小さい方の20Ωの抵抗器よりも小さいので、図3の回路は並列回路であることが分かります。
問3 ★総合ABCの中では過去最高難度
解答:C
解説:
『塾技 理科80』が分かっている前提で話しを進めます。
図2の回路は、以下のように書くことが出来ます。
これより、図3の回路は以下のように書け、合成抵抗が10Ωなので、20Ωの抵抗が区間AまたはBにつながれていることが分かります。
よって、図2と図4より、40Ωの抵抗器は区間Cにつながれていることが分かります。
図2の回路ですが、『中学 ハイクラステスト 理科』に具体的に載っています。余裕があれば、こちらもやりましょう。
問4 ★難
解答:0.05W
解説:
図4の回路の区間Cの抵抗は40Ω、並列部分の合成抵抗は10Ωなので、抵抗の比は4:1です。
区間Cの抵抗と並列部分の合成抵抗は直列に接続されていると見なせるので、抵抗の比=電圧の比が成り立ちます。
回路全体の電圧が5Vなので、並列部分の合成抵抗に加わる電圧の大きさは1Vです。
つまり、②-⑤間につながれている20Ωの抵抗器に加わる電圧の大きさが1Vだと分かります。
よって、②-⑤間につながれている20Ωの抵抗器の消費電力は、
P[W]=(1V×1V)/20Ω=0.05W
大問3 圧力の計算問題(やや難レベル)
問1
解答:1.5N
解説:
容器の質量は50g、容器に入れた水の質量は100gなので、容器全体の質量は150gです。
問題文に「100gの物体にはたらく重力の大きさを1Nとする。」とあるので、150gの物体にはたらく重力の大きさは1.5Nです。
問2 ★やや難
解答:625Pa
解説:
問題文に「スポンジの上に置いたとき」とありますが、これが図1の状況を指すのかは、問題文に書かれていません。
図1の状況であると仮定して、話しを進めます。
容器がスポンジを押す力の大きさは、容器の質量は50g、容器に入れた水の質量は200gで、容器全体の質量は250gから2.5Nです。
図1で、容器がスポンジと触れる面積は40cm2=40/10000m2なので、スポンジにはたらく圧力の大きさは、
圧力[Pa]=圧力[N/m2]=2.5N÷40/10000m2=2.5×10000/40=25000/40=625Pa
問3 ★やや難
解答:8cm2
解説:
問題文に「容器に水を入れずに」とあるので、図2において容器がスポンジを押す力の大きさは0.5Nです。
問題文に「スポンジのへこみは10mm」になったとあります。
「表」を見ると、スポンジのへこみが10mmのとき、容器に加えた水の量が200gです。
容器の質量は50gなので、容器全体の質量は250gでスポンジを押しています。
これは問2の条件と同じで、このときの圧力の大きさは625Pa=625N/m2です。
よって、図2のスポンジと接している容器のキャップの面積[cm2]は
0.5N÷625N/m2=0.5×10000/625cm2=5000/625=8cm2
大問4 電解質の水溶液
問1
解答:名前・・・水素、化学式・・・H2
解説:
中学理科の範囲では、亜鉛と反応するのは酸で、反応によって気体の水素が発生します。
水素の化学式はH2です。
①までで、水溶液AとDは、うすい塩酸かうすい硫酸のいずれかだと分かります。
問2 ★やや難
解答:化学式・・・SO42-、物質名・・・硫酸バリウム
解説:
うすい硫酸はうすい水酸化バリウムと反応し、塩として硫酸バリウムの白色の沈殿が生じます。
化学反応式は以下のとおりです。
H2SO4+Ba(OH)2→BaSO4+H2O
電離式は以下のとおりです。
H2SO4→2H++SO42-
Ba(OH)2→Ba2++2OH–
H++OH–→H2O<中和反応>
Ba2++SO42-→BaSO4<塩が生じる反応>
これより、水溶液Dはうすい硫酸、水溶液Aは塩酸だと分かります。
うすい硫酸H2SO4の電離によって生じる陰イオンは、硫酸イオンSO42-です。
問3
解答:物質・・・非電解質、水溶液C・・・砂糖水
解説:
略。
③の電気分解で加える電圧の大きさが3Vであることは、覚えておきましょう。
2018年の公立高校入試で問われたことがあります。
問4
解答:水溶液Eが青色だったから。(例)
解説:
水溶液BとEは、うすい水酸化ナトリウム水溶液か、うすい塩化銅水溶液です。
両者の最大の違いは、色です。
うすい塩化銅水溶液は、銅イオンCu2+のため、水溶液の色は青色です。
大問5 水素イオンと水酸化物イオンの移動実験(やや難レベル)
問1 ★やや難
解答:イオン・・・b、化学式・・・OH–
解説:
赤色リトマス紙の色を変化させる(青色にする)原因となるイオンは、陰イオンである水酸化物イオンOH–です。
水にとけて電離して水酸化物イオンOH–を生じるのは、Aのうすい水酸化ナトリウム水溶液NaOHのみです。
問2
解答:X・・・オ、Y・・・ウ
解説:
表1の水溶液Cはうすい塩酸HClです。
気体である塩化水素が水に溶けると塩酸となり、電離して水素イオンH+を生じます。
プラス(+)どうしマイナス(-)どうしは反発、プラス(+)とマイナス(-)はくっつくので、水素イオンH+は陰極(-極)へ移動します。
水素イオンH+は酸性の正体であるので、青色リトマス紙の色が赤色に変化します。
問3
解答:ア、ウ
解説:
「表2のdのイオン」は、うすい塩酸(C)が電離して生じる陽イオンであるので、水素イオンH+です。
選択肢の中で、電離するとH+を生じる物質は、アの硝酸(HNO3)、ウの硫酸(H2SO4)です。
大問6 感覚器官(目と耳)と刺激の伝達経路
問1
解答:感覚器官
解説:
略。
問2
解答:部分・・・c、名前・・・網膜
解説:
aは虹彩、bはレンズ、cは網膜、dは視神経です。
目に入った光の像ができる部分は網膜で、倒立実像ができます。
問3
解答:①・・・ア、②・・・ウ
解説:
アは鼓膜、イは耳小骨、エはうずまき管、ウは聴神経です。
問4
解答:ア・・・せきずい、イ・・・運動
解説:
大脳が命令を出すときの刺激が伝わる経路は、以下のとおりです。
大脳→せきずい(腹側)→運動神経→運動器官(本問では筋肉)
手は首より下にあるので、上記の経路で刺激が伝わります。
大問7 花の4要素とルーペの使い方
問1
解答:A
解説:
略。
問2
解答:(外側)BDCA(内側)
解説:
花の基本的な構造は、外側から、がく(B)→花弁(C)→おしべ(D)→めしべ(A)、の順です。
問3
解答:X・・・胚珠、受粉後・・・種子
解説:
略。
問4
解答:①・・・ア、②・・・イ
解説:
ルーペを目に近づけるのは同じです。
観察するものが動かせるとき、観察するものを前後に動かしてピントを合わせます。
観察するものが動かせないとき、顔を前後に動かしてピントを合わせます。
大問8 双子葉類の特徴
問1
解答:
解説:
図2より、維管束が輪状に配列していることから、ホウセンカは双子葉類であることが分かります。
双子葉類の葉の葉脈(葉の維管束)は、解答のとおりです。
ホウセンカは双子葉類であることは、覚えておきましょう。
問2
解答:維管束
解説:
略。
問3
解答:集まる部分・・・Y、名前・・・道管
解説:
略。
問4
解答:双子葉類
解説:
略。
大問9 温帯低気圧と高気圧(気団)
問1
解答:偏西風
解説:
略。
問2
解答:A・・・エ、B・・・ウ
解説:
Aは南高北低の気圧配置より、明らかに夏の気圧配置です。夏は、太平洋高気圧(日本の部分は小笠原気団)の勢いが強いです(Aは選択肢エ)。
Bと高気圧と温帯低気圧が交互にあるので、春か秋であると考えられます(Bは選択肢ウ)。
Cは停滞前線がありますが、梅雨前線か秋雨前線かは不明です(Cは選択肢イ)。
Dは西高東低の気圧配置、等圧線が縦縞になっていることから、明らかに冬の気圧配置です(Dは選択肢ア)。
問3
解答:停滞(梅雨・秋雨)前線
解説:
問2解説参照。
問4
解答:季節・・・冬、理由・・・西高東低の気圧配置になっているから。(例)
解説:
問2解説参照。
大問10 乾湿計を用いた湿度計算と天気図記号(やや難レベル)
問1
解答:気温・・・23.0℃、湿度・・・67%
解説:
図1より、乾球の示度は23℃、湿球は乾球より4℃低いことから、表より、湿度は67%です。
湿球には濡れたガーゼが巻かれており、水が蒸発して気化熱を奪うため、温度が乾球以下になります。
問2 ★やや難
解答:①・・・気温(飽和水蒸気量)、②・・・増えている
解説:
①
午前9時と10時で乾球温度計の示度が変わっていないことから、気温が変わりません。
問題文に「午前9時と10時の理科室の湿度について」とあるので、湿度の要素である飽和水蒸気量が変わらないとも言えます。
②
湿球温度計が2.0℃上がっているので、乾球と湿球の示度の差は2℃になります。
表より、このときの湿度は83%です。
問1で求めた湿度が67%なので、湿度が上がっています。
湿度[%]=水蒸気量[g/cm3]/飽和水蒸気量[g/cm3]×100、飽和水蒸気量[g/cm3]が変わらないので、湿度が上がったとき、水蒸気量[g/cm3]が増えていると言えます。
問3
解答:
解説:
略。