指導経験20年以上のプロ家庭教師。北海道の高校受験に特化。勉強がとても苦手な子の指導が得意です。
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中学3年北海道学力テスト総合A「理科」(2022年)の難易度:昨年より易化
2022年の総合A「理科」の難易度は、「昨年より易化」と評価します。
大問1、2、3が現時点では難問でしたが、それでも北海道公立高校入試「理科」と同レベルです。
昨年は、大問2の電気の問題が本州の難関私立高校レベルでしたが、今年は難易度が抑えられています。
大問4以降は定期テストレベルで、ここを確実に取れたらSS60近くになったのではないでしょうか。
大問1、2、3は国語の問題の色合いが強く、北海道公立高校入試「理科」と内容が似ており、本番の練習として使えるので、必ず復習してください。
逆に、今から本番の問題を軽くやるだけでも、総合ABC対策になります。手始めに、易しかった2019年と2021年と2022年からやるとよいでしょう。
その後、難しかった2018年と2020年に挑戦してみましょう。
中学3年北海道学力テスト総合A「理科」(2022年)の平均点・道コン偏差値SS
<総合A「理科」の平均点と道コン偏差値(2022年)>
57点
※道コンSS50に相当
中上位公立高校を受験するなら、第5回・6回の道コンは必ず受けましょう。
>>★的中率75%★道コン中3第5回・6回の理科の信憑性は高い!高校入試で的中した証拠【画像】
中学3年北海道学力テスト総合A「理科」(2022年)問題・解答・解説
大問1 密度 ★問1と問4がやや難
問1 ★やや難
解答:2.3%
解説:
計算式は、以下のとおりです。
12g/(500g+12g)×100=1200/512=300/128=75/32=2.34375≒2.3%
数値評価がやや難しい問題です。
初っぱなからこういう問題が出て、動揺したかも知れません。
問2
解答:飽和水溶液
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問3
解答:イ
解説:
トマトAとBは食塩水に沈んでおり、トマトCとDは食塩水に浮かんでいるので、密度は「トマトC、トマトD<食塩水<トマトA、トマトB」です。
問4 ★やや難
解答:(図2の状態から、)どちらかが浮かぶまで食塩を少しずつ加える。
解説:
本番レベルの問題です。高得点狙いの子は、この問題を何度も解いて下さい。
問題文より、「甘い(糖度が高い)トマトは水に沈む」「トマトの密度は糖度が高いものの方が大きいものとする。」「トマトAとBでは、Aの方が甘いことがわかった」
とあるので、トマトAの方がトマトBよりも糖度が高く密度も大きいことが分かります。
条件は、④の糖度計を用いないで、図2の状態から判断せよとのことです。
しかし図2では、トマトAとBはともに質量パーセント2.3%(問1より)の食塩水に沈んでおり、このままではどちらが密度が大きいのか判断できません。
そこで、トマトAまたはBの密度を超えるまで、食塩水に食塩を少しずつ加えて食塩水の密度(g/cm3)を大きくしていき、どちらかが浮かべば、食塩水に沈んだままのトマトの方が密度が大きい、すなわち糖度が高いことが分かります。
大問2 音 ★全般的に北海道公立高校入試レベル
問1
解答:(1)・・・ア、(2)・・・ア、(3)・・・イ
解説:
①②:状況を整理すると、図3は図1に、図4は図2に対応しています。図3と図4はコップをたたく強さが同じで、コップに入っている水の量が異なっています。これを踏まえて図3と図4を比較すると、図4は図3と振幅が変わらず振動数が多いことが分かります。つまり、図4の方が音が高いです。図4は図3よりもコップに入っている水の量が少ないので、同じ強さで叩いたとき、コップの水が少ない方が、音が高いと言えます。
③:状況を整理すると、図3は図1に、図5も図1に対応しています。図3と図5はコップをたたく強さが異なり、コップに入っている水の量が同じです。これを踏まえて図3と図5を比較すると、図5は図3よりも振幅が大きく振動数が同じであることが分かります。つまり、図5の方が音が大きいです。これより、コップの水の量が同じとき、コップを強く叩いた方が、音が大きいと言えます。
補足(本番はさらにここまで問われる):図3と図4の比較と図3と図5の比較より、音の高さはコップの水の量に依存し、音の大きさはコップをたたく強さに依存することが分かります。
問2
解答:500Hz
解説:
図3の音の波形の山から山のマス目は、
0.5+1+0.5=2目盛り
1目盛りは0.001秒より、2目盛りは0.002秒に相当します。
よって、図3の音は0.002秒に1回振動しているので、振動数は、
1/0.002s=1000/2=500Hz
問3
解答:1700m
解説:
問題文に「光は瞬間的に伝わるのに対して」とあるので、いなずまが鳴ってから観察者に見えるまでの時間は無視できるほど小さいとみなします。
よって、いなずまが見えてから音が聞こえるまでの時間5.0秒は、いなずまが鳴ってから観察者に音が到達するまでの時間とみなせるので、観察者からいなずままでの距離は、
340m/s×5s=1700m
大問3 オームの法則 ★全般的に北海道公立高校入試レベル
問1
解答:抵抗A・・・10Ω、抵抗B・・・5倍
解説:
グラフより、抵抗器Aの大きさはオームの法則より、
V=IR⇔R=V/I=1.0V/0.1A=10Ω
オームの法則から、抵抗の大きさは電圧の大きさに比例し、電流の大きさに反比例します。
グラフでは、5.0Vにおいて、抵抗器Aの電流の大きさが0.5Aに対して、抵抗器Bの電流の大きさは0.1Aと1/5倍であるので、抵抗器Bの抵抗の大きさは抵抗器Aの1÷(1/5)=5倍です。
問2 ★やや難
解答:2.5V
解説:
図の回路は並列回路で、電流計の位置から電流計の示す値は抵抗器Aと抵抗器Bを流れる電流の大きさの合計です。
問1より、抵抗器AとBの抵抗の比は、
抵抗器Aの抵抗:抵抗器Bの抵抗=1:5
です。並列回路では各抵抗に加わる電圧の大きさが等しいので、オームの法則より、各抵抗を流れる電流の大きさは、各抵抗の抵抗の大きさの逆比となります。すなわち、
抵抗器Aの電流:抵抗器Bの電流=5:1(5+1=6)
電流計は300mAを示しているので、抵抗器Aの電流の大きさは、
抵抗器Aの電流=300mA×5/6=250mA=0.25A
問1より、抵抗器Aの抵抗の大きさは10Ωであるので、オームの法則より、抵抗器Aに加わる電圧の大きさは、
V=IR=0.25A×10Ω=2.5V
並列回路では各抵抗に加わる電圧の大きさが等しいので、電圧計は2.5Vを示します。
問3 ★やや難
解答:180J
解説:
問1より、抵抗器Aの抵抗の大きさは10Ωで、抵抗器Bの抵抗の大きさは10Ω×5=50Ωなので、回路全体の抵抗の大きさ(合成抵抗)をRとすると、
R=(10Ω×50Ω)/(10Ω+50Ω)=500/60=50/6=25/3Ω
よって、回路全体の電力量(消費する電気エネルギーの大きさ[J])をWとすると、
W=V2/R×t=(5V)2/(25/3Ω)×60s=3×60=180J
問4 ★やや難
解答:5倍
解説:
抵抗器Aの消費電力をPA、抵抗器Bの消費電力をPBとおきます。
並列回路なので、各抵抗に加わる電圧は等しいので電圧をVとおくと、消費電力の比は
PA:PB=V/10Ω:V/50Ω=50:10=5:1
よって、抵抗器Aが消費する電力は、抵抗器Bが消費する電力の5倍です。
大問4 イオン化傾向の大小比較の実験(易)
問1
解答:CuSO4 → Cu2+ + SO42-
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問2
解答:(1)・・・亜鉛、(2)・・・電子、(3)・・・銅
解説:
イオン化傾向の大きさは「Mg>Zn>Cu」より、銅(Cu)と亜鉛(Zn)を比べると、亜鉛の方がイオンになりやすいので、硫酸銅水溶液に亜鉛を加えると、亜鉛が溶けて銅が析出します。
溶けるとはイオンになるということなので、この場合は亜鉛原子(Zn)が2個の電子を放出して亜鉛イオン(Zn2+)になり、硫酸銅水溶液中に電離していた銅イオン(Cu2+)が2個の電子を受け取り銅原子(Cu)になります。
これが、硫酸銅水溶液に亜鉛を加えると、亜鉛が溶けて銅が析出するメカニズムです。
問3
解答:D、F
解説:
結果A:金属片Xは銅よりもイオン化傾向が大きい(イオンになりやすい)ことが分かります。
結果B:亜鉛は銅よりもイオン化傾向が大きいことが分かります。
結果C:金属片Xは銅よりもイオン化傾向が大きいことが分かります。
結果D:金属片Xは亜鉛よりもイオン化傾向が大きいことが分かります。
結果E:亜鉛は銅よりもイオン化傾向が大きいことが分かります。
結果F:金属片Xは亜鉛よりもイオン化傾向が大きいことが分かります。
以上より、結果DとFを見ることで、金属Xは亜鉛よりもイオンになりやすい(イオン化傾向が大きい)ことが分かります。
問4
解答:(イオンになりやすい)金属X→亜鉛→銅(イオンになりにくい)
解説:
問3より、解答の通りになります。
イオン化傾向の大きさとして、「Mg>Zn>Cu」は覚えておきましょう。
本問の金属Xは、おそらくマグネシウム(Mg)です。
大問5 中和(易)
問1
解答:ウ
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問2
解答:反応・・・中和、化学式・・・H+ + OH– → H2O
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問3
解答:塩化ナトリウム
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問4
解答:Na+、Cl–、OH–
解説:
実験①と実験②より、完全に中和するときの、うすい塩酸とうすい水酸化ナトリウム水溶液の体積比は、
うすい塩酸:うすい水酸化ナトリウム水溶液=20.0cm3:10.0cm3=2cm3:1cm3=4cm3:2cm3
これより、うすい塩酸4cm3とうすい水酸化ナトリウム水溶液2cm3が完全に反応するので、うすい水酸化ナトリウム水溶液が4cm3(6cm3-2cm3)余ります。
この実験における電離式と化学反応式は、以下のとおりです。
HCl → H+ + Cl–
NaOH → Na+ + OH–
H+ + OH– → H2O(中和反応)
Na+ + Cl– → NaCl(塩ができる反応)
この実験では、中和反応によってH+がすべて反応して、OH–は余ります。
塩化ナトリウム(NaCl)は水溶液中に溶けて、Na+とCl–に電離しています。
よって、水溶液中に含まれるイオンは、Na+とCl–とOH–です。
大問6 被子植物と裸子植物の違い(非常に易しい)
問1
解答:イ、ウ、エ
解説:
花の4要素は外側から順に、がく(ア)→花弁(イ、ウ、エ)→おしべ(オ)→めしべ(カ)、の順です。
問2
解答:A・・・胚珠、B・・・子房
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問3
解答:エンドウ・・・被子(植物)、マツ・・・裸子(植物)
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問4
解答:粒・・・花粉、つくられる場所・・・オ
解説:
雄花のりん片にあるXは花粉のうで、花粉が入っています。エンドウでは、オのおしべで花粉が作られます。
エンドウはおしべがめしべを包み込む構造をしており、他の株と交配せず、自家受粉が行われます。
大問7 セキツイ動物と無セキツイ動物の分類(非常に易)
問1
解答:Aのなかま・・・無セキツイ(動物)、Bのなかま・・・③、⑤
解説:
①ウニは無セキツイ動物のなかまです。厳密に言えば、ウニは無セキツイ動物の棘皮動物に属します。
②ヒトデは無セキツイ動物のなかまです。厳密に言えば、ヒトデは無セキツイ動物の刺胞動物に属します。
③サケはセキツイ動物の魚類に属します。
④タコは無セキツイ動物の軟体動物に属します。
⑤カモメはセキツイ動物の鳥類に属します。
問2
解答:イ
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問3
解答:イワシの卵には殻がないが、ウミガメの卵には殻がある。
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問4
解答:ホニュウ(類)
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
大問8 肺胞のつくりとはたらき(易)
問1
解答:器官・・・A、X・・・肺胞、Y・・・毛細血管
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問2
解答:P・・・酸素、Q・・・二酸化炭素
解説:
図1の右図の毛細血管(Y)において、肺胞に取り入れられた酸素(P)は、血液中の血しょうを通じて赤血球に受け渡されます。
また、細胞呼吸によって生じた二酸化炭素(Q)は、毛細血管→大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺胞と流れ、外に排出されます。
問3
解答:ウ
解説:
食後に栄養分を最もおおく含むのは、ウの門脈です。
消化により、炭水化物はブドウ糖に、たんぱく質はアミノ酸へと分解されます。その後、これらの養分は小腸の柔毛に吸収され、門脈(ウ)→肝臓(B)→心臓へと行き、全身へ送り届けられます。
大問9 圧力
問1
解答:矢印Y・・・垂直抗力、大きさ・・・20(N)
解説:
力Yは垂直抗力なのはよいでしょう。
レンガは水平な台の上で静止しているので、重力(力X)と垂直抗力(力Y)は釣り合っています。
2kg=2000gであり、重力の大きさは1N/100gであるので、垂直抗力(力Y)の大きさは、
垂直抗力(力Y)=重力(力X)=1N/100g×2000g=20N
問2
解答:2力の大きさは等しい、2力の向きは反対である
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問3
解答:カ
解説:
圧力の単位は[Pa]=[N/m2]より、圧力は物体の重さ[N]に比例し、物体が接する面の面積[m2]に反比例します。
よって、物体が接する面の面積[m2]が小さいほど、圧力[N/m2]は大きくなります。
図3では、
面積A=20cm×10cm=200cm2、面積B=20cm×5cm=100cm2、面積C=10cm×5cm=50cm2
面積A>面積B>面積C
であるので、
圧力C(Ⅲ)>圧力B(Ⅱ)>圧力A(Ⅰ)
となります。
なお、圧力の単位[N/m2]より、物体の重さ[N]が変わらない場合、圧力比は面積比の逆比となります。
面積A:面積B:面積C=200cm2:100cm2:50cm2=4:2:1
であるので、
圧力A(Ⅰ):圧力B(Ⅱ):圧力C(Ⅲ)=1:2:4
となるので、圧力C(Ⅲ)の大きさは圧力A(Ⅰ)の4倍、圧力B(Ⅱ)の大きさは圧力A(Ⅰ)の2倍であることが分かります。
問4
解答:圧力・・・1000Pa、個数・・・100個
解説:
圧力Aの大きさは、圧力の単位[N/m2]より、
圧力A=20N÷(200cm2)=20N×100×100/200m2=1000N/m2=1000Pa
大気圧の大きさ=1000hPa=1000×100Paであり、レンガ1個あたりの圧力Aの大きさは1000Pa/個だから、
レンガが1000×100Pa÷1000Pa/個=100個あれば、台にはたらくレンガによる圧力は大気圧と等しくなります。
つまり、レンガを99個追加すればよいということです(入試ではこういう引っかけ問題が出る)。
大問10 乾湿計を用いた湿度計算
問1
解答:11.5℃
解説:
乾球の示度(気温)は14.0℃、湿度は72%であるので、表から乾球と湿球の示度の差は2.5℃です。
よって、湿球の示度は、14.0℃-2.5℃=11.5℃
問2
解答:8.7g
解説:
「【結果】」より気温は14.0℃なので、表から飽和水蒸気量[g/m3]は12.1g/m3です。
「【結果】」より湿度は72%だから水蒸気量は、12.1g/m3×0.72=8.712≒8.7g/m3
よって、空気1m3あたりに含まれる水蒸気量は、8.7gです。
問3
解答:(1)・・・露点、(2)・・・水蒸気
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問4 ★引っかけ問題
解答:9℃
解説:
問2より、この日の昼休みの水蒸気量は8.7g/m3で、気温は14.0℃です。
よって、問2の表から、気温が8℃以下になれば飽和水蒸気量が水蒸気量8.7g/m3より小さくなり、水蒸気が凝結して水滴となり、霧が発生します。
本問では「何℃より低かった」かが問われているので、「9℃より低い」が答えになります。