ぼくがお笑いを始めて10年たちました。その間、「一発ギャグをやって」とか「面白い話をして」と言われたことは枚挙に暇がありません。今日もどこかで売れない芸人が、心ない要求をされています。
その要求に対し、応える芸人もいれば、無視する芸人もいます。行動は芸人によって異なりますが、共通して考えていることは「この人とは距離を取らなければいけないな」です。
しかし、お金持ちはそういうことを言いません。会食ならば会計を支払いますが、「面白いことやって」などと言いません。それが、失礼なことだと認識しているのでしょう。プロフェショナルに対し、商品を気軽に求めてはいけないと分かっているのです。

『お金持ちがしない42のこと』 P16より

 

「お前は生意気だ。お前は大成しない。お前のような人間が成功するわけがない。不快だ。お前は私達の話をちゃんと聞いていない。お前は私達のいうことを、もっと聞かなければならない。お前はクズだ」
そう叫んで、Bは帰っていき、Aが後を追いました。こうしてぼくは、自分のシェアオフィスで、呼んでもいない来訪者に罵られてしまいました。
(中略)
ぼくは、成功とはなんなのか考えました。彼女の言う大成。成功していない彼女が言う大成。
「じゃあ、自分は成功しているのか?」と聞かれたらきっと恥ずかしい思いをします。だから、多くの人は「お前は大成しない」などと言いません。
Bの厚顔無恥と迂闊は、彼女の成功の妨げとなるでしょう。お金持ちは、おしなべてそのような発言はしません。いつだって、不快と恐怖を連れてくるのは、無礼で貧しき人です。

『お金持ちがしない42のこと』 P23より