苦労に苦労を重ねて、はじめて幸せは手に入れられるものだと信じている人が、いまだにたくさんいるんだよね。
幸せや成功には、苦労がつきものだというのが常識とされている。
家庭でも、親が「いまがんばらないと、大人になってつらい目に遭うよ」って子どもを脅し、なにがなんでも勉強させようとするわけです。
じゃあ聞くけど、苦労した方が幸せになるんだとしたら、なぜ勉強ばかりしてきた超エリートでも、心の病気になることがあるんだろう?
(中略)
答えは明確だよね。
苦労したからって幸せになるわけじゃない。
実際はその反対で、「人生、苦労して当たり前」と思っている人は、必要のない重圧まで背負い込んでいるだけです。
むしろ、どんどん幸せから離れていくよね。 世間の常識とは違うかもしれないけど、苦労っていらないものだよ。
すごい成功をおさめた人の伝記やなんかを読むと、どれも示し合わせたように苦労話が出てくるけど、はっきり言って、本人にしてみれば「そんなこともあったかな?」程度のことだろうね(笑)。
幸せな成功者って総じて心が軽いものだし、たとえ人生に試練が出てきても、それを楽しんだと思うよ。「でっかい壁も出てきたけど、それを打ち破るのも楽しかったなぁ」って思っているんじゃないかな。
(中略)
実際のところ、成功者の伝記を苦労話に仕立てあげたのは、それを書いた人とか、出版社だと思いますよ(笑)。
大変な苦労を乗り越えて成功したというサクセスストーリーにした方が一般受けしやすいし、本も売れるものだからね。

『斎藤一人 常識をぶち破れ』 p.43より