北海道公立高校入試理科2021年(令和3年)過去問

 

家庭教師のそら

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講評:昨年度より大幅に易化

2021年の北海道公立高校入試「理科」は、昨年度から大幅に易化しています。

 

2013年に現在の出題形式になってから、最も易しいセットだと言えます。

コロナ休校での勉強の遅れを配慮した結果でしょうか。

 

2019年の炭酸水素ナトリウムの熱分解の計算問題や、2020年の金星と火星の位置の問題など、近年は時間内に解答不能な問題が混ざっていました。

今回は、大問2以外は標準レベルで、まんべんなく勉強してきた子なら、高得点が取れたはずです。

 

塾技 理科80』の別冊の問題まで終わらせていたら、満点を目指せたことでしょう。

大問1 小問集合

北海道公立高校入試理科2021年(令和3年)過去問

北海道公立高校入試理科2021年(令和3年)過去問

 

 

問1(1)

(答)オーム

(解説)

単純な知識問題なので、略。

 

問1(2)

(答)進化

(解説)

単純な知識問題なので、略。

 

問1(3)

(答)浸食

(解説)

単純な知識問題なので、略。

 

問1(4)

(答)分子

(解説)

単純な知識問題なので、略。

 

問1(5)

(答)DNA

(解説)

単純な知識問題なので、略。

 

問1(6)

(答)燃料

(解説)

単純な知識問題なので、略。

 

問2<やや難>

(答)ア、オ

(解説)

ア:正しい。地球の中心が物体を鉛直下向きに引く力で、物体どうしが離れていてもはたらく力です。万有引力といいます。

イ:例えばばねの弾性力は、手がばねを押したり引いたりして発生し、物体どうしが接触しています。

ウ:床に接する物体にはたらく力です。摩擦力は垂直抗力に比例し、比例定数は摩擦係数です。

エ:床がおもりを押す鉛直上向きの力で、物体どうしが接触しています。

オ:正しい。

 

問3

(答)ア、ウ

(解説)

単純な知識問題なので、略。

 

問4

(答)0.3g

(解説)

銅の酸化において、過不足なく全て反応する銅と酸素の質量比は4:1です。定比例の法則といいます。

4:1=12:3=1.2:0.3

より、1.2gの銅と過不足なく全て反応する酸素の質量は0.3gです。

 

問5

(答)68%

(解説)

乾球の示度が10.0℃、乾球と湿球の示度の差が2.5℃より、答えが得られます。

 

問6①

(答)胚珠

問6②

(答)胚

(解説)

単純な知識問題なので、略。

 

問7

(答)D

(解説)

右手のグーより、導線を中心に磁力線が同心円状に広がりますが、磁界の強さは導線の中心に近いほど大きいです。

U字形磁石と、考え方は同じです。

大問2 消化酵素(アミラーゼとペプシン)と対照実験(中2・生物分野)<やや難>

北海道公立高校入試理科2021年(令和3年)過去問

北海道公立高校入試理科2021年(令和3年)過去問

 

 

問1(1)①

(答)ア

問1(1)②

(答)ア

(解説)

「表1から」とあるので、実験1の表1を見ると、[1]〜[4]を読んだ後に表1があるので、[1]〜[4]をすべて読みます。

その上で消化酵素Xを特定するのですが、本問は問題文を読むだけで解けてしまう、ボーナス問題です。

 

 

問1(2)①

(答)ベネジクト液

問1(2)②

(答)イ

(解説)

「試験管Aの結果が透明になった」とあるので、表1を見ると、デンプン溶液が透明になったとあり、[3]より、試験管Aはデンプン溶液にヨウ素液が加えられ、青紫色になった状態です。

試験管Aが透明になったのは、だ液などに含まれるアミラーゼが原因で、AとDの対称実験により、だ液のはたらきによりデンプンが分解されたことが分かります。

炭水化物はアミラーゼを通過後、ブドウ糖がいくつか結合したもの(麦芽糖)になります。

ブドウ糖がいくつか結合したもの(麦芽糖)は、ベネジクト液と沸騰石を入れて加熱し、赤褐色の沈殿を確認できれば、だ液のはたらきによりデンプンが分解され、ブドウ糖がいくつか結合したもの(麦芽糖)ができたことが分かり、試験管Aが透明になった理由が分かります。

 

問1(3)①

(答)対照

問1(3)②

(答)(正答例)試験管Cに含まれる消化酵素X,Yの濃度と同じにする。

(解説)

①は対照実験と答えるだけの知識問題です。

②ですが、直前に「試験管A、Bに水1cm3を加えたのは、試験管A、Bに含まれている消化酵素X、Yの濃度を」とあるので、図1の試験管AとBを見て、実験1に「濃度」と書かれていないか確認します。

実験1に「濃度」と書かれていないので、パイナップルに含まれている消化酵素XとYは同じ濃度で、だから同体積の水を加えて、濃度を同じくしたと推測してよいでしょう。

 

問2(1)①

(答)ウ

問2(1)②

(答)イ

(解説)

実験1〜3全てを読んで答える問題ですので、全て目を通して、問題文を読みます。

「試験管C、E、Gの結果について」とあるので、表1の試験管C、表2の試験管E、表3の試験管Gを見ると分かりやすいです。

①は、「試験管Cの液と試験管Eの液には、ともに」とあり、図1より試験管CにはX液とY液が、図2より試験管Eにはパイナップル液、つまりX液とY液が含まれています。

問1(1)より、X液はデンプンを分解する消化酵素アミラーゼ、Y液はタンパク質を分解する消化酵素ペプシンが含まれているので、答えはウです。

②は、試験管Gのはなしをしており、図3より試験管Gにはパイナップル液つまりX液とY液が含まれているのですが、表3を見ると青紫色とあるので、デンプンが分解されていません。

つまり、デンプンを分解する消化酵素アミラーゼがありません。

しかし、スキムミルク水溶液の色が透明になっていることから、タンパク質を分解する消化酵素ペプシンが含まれていることが分かります。

以上より、答えはイです。

 

問2(2)

(答)イ

(解説)

本セットで最も難しい問題です。

表2と表3より、試験管EとGの違いは、デンプン溶液の色が変化したかしなかったかですので、デンプンを分解する消化酵素アミラーゼが含まれているX液に着目します。

①:正しい。試験管EとGそれぞれにX液を入れ、実験1[3]の操作を行うことで、試験管Eのパイナップル液にはX液が含まれているが、試験管Gのパイナップル液にはX液が含まれていないことが分かります。

②:X液に着目しなければならないので、不適です。

③:正しい。試験管EとGそれぞれにX液とY液を入れ、実験1[3]の操作を行うことで、試験管EとGが表1の試験管Cと同じ結果になるので、試験管Gのパイナップル液にはX液が含まれていないことが分かります。

④:実験1[4]の操作は、タンパク質を分解する消化酵素ペプシンが含まれているY液を調べる操作で、X液を調べることが目的なので不適です。

※消去法で②と④を消して解きましょう。時間内にこの問題を解くのは、無理があります。

大問3 塩酸・硫酸と水酸化バリウムを用いた中和の問題(中3・化学分野)<易>

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北海道公立高校入試理科2021年(令和3年)過去問

 

 

問1(1)①

(答)水素

問1(1)②

(答)水酸化物

(解説)

①:「[1]において」とあるので、本文イントロ部分と実験1[1]を読んで解きます。BTB溶液が黄色くなるのは酸性の水溶液で、酸の性質を示すのは水素イオンです。

②:「[2]において」とあるので、実験1[2]までを読んで解きます。BTB溶液が緑色になるのは中性の水溶液です。酸性から中性になったので、水素イオンと水酸化物イオンが反応して、互いの性質を打ち消し合ったからです。水酸化バリウムの化学式はBa(OH)2で、電離すると水酸化物イオンOHが生じます。

 

問1(2)①

(答)イ

問1(2)②

(答)ア

(解説)

問1(2)③

(答)ア

(解説)

フェノールフタレイン溶液は、アルカリ性の水溶液を特定する指示薬です。

実験1[2]より、うすい塩酸40cm3とうすい水酸化バリウム水溶液30cm3で中性になるので、それ以上うすい水酸化バリウム水溶液を加えると中和が起こらなくなり、アルカリ性の水溶液になります。

フェノールフタレイン溶液は無色から赤色に変化します。

 

問1(3)

(答)ウ

(解説)

中和の知識を用いた、国語の問題です。

実験1[4]までをていねいに読みます。

実験1[4]は、うすい硫酸40cm3にうすい水酸化バリウム水溶液20cm3を加えた実験です。

うすい水酸化バリウム水溶液20cm3を加えていくと中和が起こり、塩として硫酸バリウム(白色)の沈殿が生じます。

加えたうすい水酸化バリウム水溶液が20cm3になると、中和点に達して、硫酸バリウム(白色)の沈殿が0.5gまでに増加して

以降うすい水酸化バリウム水溶液を加えても硫酸バリウムの質量は増加しません。

これより、答えはウです。

 

問2(1)①

(答)Ba2+

問2(1)②

(答)Cl

問2(1)③

(答)BaCl2

(解説)

実験1[2]と実験2[1]〜[3]をすべて読む必要があります。

図1より、ビーカーBでは、うすい塩酸とうすい水酸化バリウム水溶液の中和反応が起こっています。

電離式と化学反応式を書くと、

HCl→H++Cl

Ba(OH)2→Ba2++2OH

H++OH→H2O

Ba2++2Cl→BaCl2

2HCl+Ba(OH)2→BaCl2+2H2O

以上より、答えが得られます。

なお、実験2[2]より、ビーカーBでは電流が流れたことから、塩化バリウム(BaCl2)は水に溶ける物質で、水溶液中ではバリウムイオン(Ba2+)と塩化物イオン(Cl)に電離しているため、電流が流れたことが分かります。

 

問2(2)①

(答)イ

問2(2)②

(答)(正答例)イオンがほとんどなくなった

(解説)

ビーカーAでは、うすい塩酸とうすい水酸化バリウム水溶液の中和反応が起こっています。

電離式と化学反応式を書くと、

H2SO4→2H++SO42-

Ba(OH)2→Ba2++2OH

H++OH→H2O

Ba2++SO42-→BaSO4

H2SO4+Ba(OH)2→BaSO4+2H2O

この中和反応で生じる塩である硫酸バリウム(BaSO4)は水溶液で沈殿し水に溶けないため、水溶液中にイオンが無いため電流が流れません。

問われているのは、「ビーカーAの水溶液に電流が流れなかった理由」なので、②に沈殿すると書いたらダメです。

大問4 大気圧と力のつり合い(中1・物理分野)<問2がやや難>

北海道公立高校入試理科2021年(令和3年)過去問

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問1(1)①

(答)0.6

問1(1)②

(答)0.0012

(解説)

実験1[2]と[3]より、スプレー缶に入れた空気の質量は、105.9g – 105.3g=0.6gです。

密度の単位[g/cm3]より、空気の体積は500cm3、質量は0.6gなので、密度は、0.6g/500cm3=6/10×1/5×100=1.2×1/1000=12×1/10000=0.0012g/cm3

0.0012に10000をかけて12になることを確認してください。

 

問1(2)①

(答)イ

問1(2)②

(答)イ

問1(2)③

(答)ア

(解説)

大気圧の知識問題です。解説は省略します。

 

問2(1)①

(答)ア

問2(1)②

(答)ア

(解説)

問題文に「実験の結果から」とあり、実験2[3]に「表はこのときの結果をまとめたものである」とあるので、表より答えを判断します。

実験2[1]からゴム板は正方形であるので、面積は一辺の長さの2乗から、長さが増えると面積も増加します。

表より、長さが増加つまり面積が増加すると、はがれたときのおもりの重さ[N]も増加しているので、両者は比例の関係にあることが分かります。

②<やや難>

単なる単位計算の問題ですが、多くの子にとって難しい問題だったかもしれません。

単位面積あたりのおもりがゴム板を引く力の大きさの単位は、[N/m2]です。

ゴム板Aでは、36N/(0.03m)2=62/(0.03)2=(6/0.03)2=2002

ゴム板Bでは、64N/(0.04m)2=82/(0.04)2=(8/0.04)2=2002

ゴム板Cでは、100N/(0.05m)2=102/(0.05)2=(10/0.05)2=2002

と、単位面積あたりのおもりがゴム板を引く力の大きさはすべて等しいことが分かります。

 

問2(2)

(答)90(N)

(解説)

単なる単位計算の問題ですが、多くの子にとって難しい問題だったかもしれません。

大気について触れられているのは、実験2[3]です。

100000Pa=100000N/m2で、ゴム板Aの表の面の面積は(0.03m)2なので、ゴム板Aの表の面全体が大気から受ける力の大きさは、

100000N/m2×(0.03m)2=100000×3/100×3/100=10×9=90N

 

問2(3)①

(答)イ

問2(3)②

(答)ウ

(解説)

本セットで2番目に難易度の高い問題です。

本問は国語の問題かつ、範囲縮小された中3物理の力学的エネルギー保存の法則の知識を用いた問題です。

変わるもの、変わらないものをはっきりさせます。

「ゴム板の変形が無視できるほど小さく」とあるので、表の面が大気から受ける力の大きさX(鉛直上向き)は変わりません。

しかし、「さらにおもりを増やすと、天井と接している裏の面がさらに小さくなった」とあるので、天井からはがれた裏の面が大気から受ける力Y(鉛直下向き)は大きくなります。

おもりを増やしたとき、おもりがゴム板を引く力Wが明らかに大きくなります。

このことから、

X(一定の値)=W(増加)+Y(増加)+Z(減少)

となるので、この式から答えが得られます。

中3物理の力学的エネルギー保存の法則の知識があれば、文章を注意して読むことで、時間内に解答可能な問題です。

学校の授業を真面目に受け、定期テスト対策を怠らなかった子が報われる、良問だと思います。

大問5 地震の計算問題(中1・地学分野)<非常に易>

北海道公立高校入試理科2021年(令和3年)過去問

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問1

(答)液状化現象

(解説)

単純な知識問題なので、略。

 

問2①

(答)ア

問2②

(答)15

(解説)

「図について」とあるので、図と図に触れた文章が書かれた実習1を読みます。

これより、ゆれXは初期微動(P波)で、ゆれYは主要動(S波)だと分かります。

図より、ゆれXは3マス分続いたことが分かり、6マスが30秒から1マスは5秒より、3マスは15秒です。

 

問3(1)

(答)4(km/s)

(解説)

「表について」とあるので、表と表に触れた文章が書かれた実習1を読みます。

地震の問題は表をタテに読む、のが鉄則です。

B地点とC地点をタテに読むと、ゆれYは40km(56km – 16km)を10sで進んでいるので、速さ[m/s]は、

40km÷10s=4km/s

 

問3(2)グラフ

(答)

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(解説)

解答用紙を見ると、グラフの縦軸はゆれXの継続時間(秒)、横軸はゆれXがはじまった時刻です。

座標で表すと、B地点は(2,10時26分52秒)、C地点は(7,10時26分57秒)、D地点は(11,10時27分01秒)より、3点を記入し直線を書いて終了です。

やることは難しくありませんが、値が細かいのでケアレスミスに注意してください。

 

問3(2)時刻

(答)10時26分50秒

(解説)

問3(1)より、ゆれYの速度は4m/sです。

B地点において、ゆれYが震源からB地点に到達するのに要する時間は、16km÷4m/s=4sです。

これより地震発生時刻は、10時26分54秒 – 4秒=10時26分50秒

 

問4

(答)18(秒後)

(解説)

地震の計算問題の、ザ・典型問題です。

ゆれXの速度は、B地点とC地点より、40km÷5s=8km/sです。

これより、震源距離が80kmの地点にゆれXが到達するのに要する時間は、80km÷8km/s=10秒です。

そこから4秒後に緊急地震速報が各地に伝わったのは、地震発生から10+4=14秒後です。

E地点の震源距離は128km、ゆれYの速度は4km/sより、地震発生からE地点にゆれYが到達するのに要する時間は、128km÷4km/s=32秒です。

これより、E地点で緊急地震速報が伝わってから、32秒 – 14秒=18秒後にゆれYが始まったことが分かります。

 

問5

(答)震度は地震による観測地点のゆれの大きさを表し、マグニチュードは地震の規模を表す。

(解説)

単純な知識問題なので、略。