指導経験20年以上のプロ家庭教師。北海道の高校受験に特化。勉強がとても苦手な子の指導が得意です。
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>>的中率60%以上!今年度の北海道公立高校入試「理科」はここが狙われる!家庭教師のそらの予想出題分野
中学3年北海道学力テスト総合C「理科」(2020)の難易度
2020年の総合C理科の難易度は、総合ABCの中ではやや難だと感じました。
しかし、家庭教師のそらオススメ問題集の、『高校入試 入試問題で覚える 一問一答 理科』と『中学総合的研究問題集 理科』をやり込めば、8割〜8割5分取れたはずです。
入試のゴールである『塾技 理科80』をある程度読んだ子なら、いつも通りラクに満点が取れたはずです。
総合ABCの理科は、3月の公立高校入試問題と比較したら、かなり易しいことに注意してください。
今回の試験で高得点が取れた子は慢心せずに、引き続き知識の吸収に励んで下さい。
中学3年北海道学力テスト総合C「理科」(2020)の平均点・偏差値
道コンによると、2020年の総合C「理科」の平均点と偏差値は以下の通りです。
<総合C「理科」の平均点と偏差値(2020)>
30点(50点)
※道コンSS50に相当
※()内は100点満点で換算した点数
中上位公立高校を受験するなら、第5回・6回の道コンは必ず受けましょう。
>>★的中率75%★道コン中3第5回・6回の理科の信憑性は高い!高校入試で的中した証拠【画像】
中学3年北海道学力テスト総合C「理科」(2020)問題・解答・解説
大問1 気体の性質
問1
解答:ウ
解説:
①の実験で発生する気体は、二酸化炭素です。
ア:酸化銀(Ag2O)の熱分解により、銀(Ag)と酸素(O2)が発生します。
イ:化学反応式は、FeS+2HCl→FeCl2+H2、より、水素が発生します。
ウ:正しい。炭酸水素ナトリウム(重曹)を加熱すると熱分解が起こり、気体として二酸化炭素が発生します。
エ:水酸化ナトリウム水溶液を電気分解すると水が電気分解され、水素と酸素が発生します。ナトリウム原子はイオン化傾向が大きいため、水が電気分解されます。
問2
解答:・水にとけやすい(例)、・水溶液はアルカリ性である(順不同)
解説:
図1を見て、アンモニアの噴水実験だと即座に判断できるようになりましょう。
次に問題文を読んで、この仮定が正しいことを確認します。
②の実験では、アンモニアが発生するので、仮定が正しいことが分かります。
アンモニアは水に非常にとけやすい(20℃の水1cm3に702cm3とける)気体です。
スポイトで少量の水をフラスコ内に入れると、フラスコ内のアンモニアが水に一気に溶けこみ、気圧が下がってフラスコ内に水が吸い上げられます。
アンモニアが水にとけると、NH3+H2O→NH4++OH–、という化学反応が起こり、水酸化物イオンが生じるため、水溶液はアルカリ性を示します。
問3
解答:気体・・・CとD(順不同)、方法・・・(黄色の)塩化コバルト紙をつける。(例)、結果・・・赤色(桃色)に変化する。(例)
解説:
点火用電極で点火すると、爆発が起こって袋の中に水滴ができたことから、水素が酸化されて水が生じたことが分かります。化学反応式は、
2H2+O2→2H2O
です。
実験①〜④の中で水素と酸素が発生するのは、水素は④の気体D、酸素は③の気体Cです。
水の指示薬として、塩化コバルト紙があり、塩化コバルト紙は青色から赤色に変化します。
なお、この化学反応は燃料電池と同じで、この実験では水が持つ化学エネルギーが音や光エネルギーに変化しています。
大問2 中和とイオン数の変化
問1
解答:名前・・・こまごめピペット、使い方・・・ウ
解説:
略。
問2
解答:H++OH–→H2O
解説:
中和が起こる反応なので、水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH–)が反応して水が生じます。
塩が生じる反応は、この場合、Na++Cl–→NaCl、です。
問3
解答:塩
解説:
BTB溶液の色が緑色なので、中和点に達しています。
このとき水溶液中には、水と塩のみ存在し、この反応で生じる塩は塩化ナトリウムです。
酸であるうすい塩酸(HCl)の陰イオンは塩化物イオン(Cl–)、アルカリである水酸化ナトリウム水溶液の陽イオンはナトリウムイオン(Na+)です。
塩が生じる反応は、この場合、Na++Cl–→NaCl、です。
塩化ナトリウムは温度を下げても溶解度があまり下がらないので、再結晶として水溶液を蒸発させる方法をとります。
塩化ナトリウムの結晶は、無色・立方体状です。
問4
解答:水素イオン・・・イ、水酸化物イオン・・・ウ
解説:
この実験に関係するイオンは、水素イオン、水酸化物イオン、塩化物イオン、ナトリウムイオンです。
水素イオンは、中和が起こらなくなると増えないので、イオン数の変化は選択肢イです。
水酸化物イオンは、中和が起こらなくなると増えるので、イオン数の変化は選択肢ウです。
塩化物イオンは、数が変化しないので、イオン数の変化は選択肢アです。
ナトリウムイオンは、水酸化ナトリウム水溶液を1回加えると1個増えます(原点を通る傾き1の直線)。
大問3 オームの法則と抵抗の比
問1
解答:イ
解説:
図1の回路は、並列回路です。
ア:直列回路の内容です。
イ:正しい。
ウ:直列回路の内容です。
エ:ありえない内容です。
問2
解答:0.15(A)
解説:
グラフより、回路全体の電流が0.45Aのとき、電源の電圧は3Vです。
並列回路より、抵抗器Xに加わる電圧の大きさは3V、抵抗値は20Ωなので、抵抗器Xを流れる電流の大きさはオームの法則より、
V=IR ⇔ I=V/R=3V/20Ω=0.15A
問3
解答:10(Ω)
解説:
問2より、抵抗器Yに加わる電圧の大きさは3V、流れる電流の大きさは0.45A-0.15A=0.30Aです。
ゆえに、抵抗器Yの抵抗値はオームの法則より、
V=IR ⇔ R=V/I=3V/0.30A=30/3=10Ω
<別解>
並列回路では、抵抗の比=電流の逆比となるので、抵抗器Yの抵抗値をRとおくと、
20:R=0.45-0.15:0.15=0.30:0.15=2:1=20Ω:10Ω
R=10Ω
問4
解答:0.2(A)
解説:
直列回路より、回路全体の抵抗(合成抵抗)は、20Ω+10Ω=30Ω
オームの法則より、回路全体を流れる電流の大きさは、
V=IR ⇔ I=V/R=6V/30Ω=0.2A
大問4 溶解度 (入試レベル)
問1
解答:水が蒸発して溶媒の量が減ったため、塩化ナトリウムがとけきれなくなったから。(例)
解説:
①で、Aは水が蒸発しないので、ナトリウムイオンと塩化物イオンが水分子と衝突して拡散し続けるため、変化がないように見えます。
しかしBは、水が蒸発するため、塩化ナトリウムが水にとけきれず再結晶が起こって、塩化ナトリウムの結晶が析出します。
グラフより、20℃の水100gに塩化ナトリウムは約37gまでとけるので、塩化ナトリウム30gがギリギリとける水の質量は、100×30/37≒81gとなり、数日間で19g(100g-81g)の水が蒸発したことが分かります。
問2
解答:再結晶
解説:
略。
問3
解答:イ
解説:
水100gにとけた物質を10℃まで冷やして析出する結晶は2種類なので、グラフより、ミョウバンと硝酸カリウムが析出したことが分かります。
しかし塩化ナトリウムの結晶は析出していないので、「同じ質量」は、約22g〜36gとなり、選択肢イが該当します。
問4(やや難)
解答:17(g)
解説:
硝酸カリウムの質量は200×0.25=50gより、水溶液中の水の質量は200g-50g=150gです。
硝酸カリウムの溶解度(100gの水にとける限界の質量)は22gなので、1.5倍の質量150gの水にとける限界の質量は、22g×1.5=22×(1+0.5)=22+11=33gです。
硝酸カリウムは50g投入されているので、とけ残りが17g(50g-33g)発生します。
大問5 発熱反応と吸熱反応
問1
解答:物質名・・・硫酸バリウム、化学式・・・BaSO4
解説:
化学反応式は、
H2SO4+Ba(OH)2→BaSO4+2H2O
より、硫酸バリウム(BaSO4)の白色の沈殿が見られます。
なお、この反応は中和反応で、中和熱が発生するため発熱反応です。
問2(やや難)
解答:336(J)
解説:
単位は、4.2J/g・℃より、エネルギー[J]は
4.2J/g・℃×50g×1.6℃=4.2×8×10=42×8=336J
問3(やや難)
解答:a・・・ア、b・・・イ
解説:
この反応は吸熱反応です。
つまり、周囲の熱エネルギーを奪うので、反応後の化学エネルギーは、反応前の化学エネルギーより大きいです。
大問6 地層(柱状図)
問1
解答:火山の噴火。(例)
解説:
凝灰岩は、主に火山灰が堆積してできた岩石で、他の堆積岩とは異なり、岩石を構成する粒が角張っています。
火山灰は、火山の噴火により火山噴出物のひとつで、火山ガスと混ざって火砕流の原因となります。
問2
解答:砂岩(の層)
解説:
図1より、地点Yの標高は60m、地点Xの標高は50mより、地点Yの10m下が地点Xの柱状図の最上面となり、①より砂岩の層であることが分かります。
これより、①が地点X、③が地点Y、②が地点Zであることが分かります。
問3
解答:54(m)
解説:
地点Pの柱状図④の凝灰岩の層の上面は、地点Yの柱状図③の地下18mにあるので、柱状図③の地下6mから柱状図④が始まると言えます。
図1より、地点Yの標高は60mより、地点Pの標高は54m(60m-6m)です。
問4
解答:
解説:
図1より、地点Qは地点Zの5m下なので、柱状図②の5m下から地点Qの柱状図がスタートします。
よって、柱状図②の5m〜15mを作図して、解答が得られます。
大問7 プレートテクトニクス
問1
解答:太平洋(プレート)
解説:
太平洋プレートと北アメリカプレートの境界付近には日本海溝(深さ約8000m)が、北アメリカプレートとフィリピン海プレートの境界付近には相模トラフ(深さ約4000m)が、ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界付近には南海トラフ(深さ約4000m)があります。
問2
解答:エ
解説:
略。『塾技 理科80』に載っている図そのものです。
問3(やや難)
解答:ア
解説:
プレートの境界付近で地震や噴火が多いので、選択肢ウとエは不適です。
選択肢イは大地震が発生しやすい場所で、選択肢アのように震源はもう少し広く分布します。
問4
解答:津波(例)
解説:
略。
大問8 刺激の伝達メカニズムと伝達速度
問1(やや難)
解答:7.6(m/秒)
解説:
求める単位はm/sです。
時間[s]は、⑤より5.0sです。
距離[m]は、1人当たりの信号が伝わる距離が2.0mと仮定しており、実験の参加人数が20人なので、信号が伝わる距離は(20人-1人)×2.0m/人=38mです。
よって、信号が伝わる速さは、38m/5.0s=7.6m/s
問2
解答:脳で判断するのに時間がかかるから。(例)
解説:
通常の刺激の電気信号は必ず大脳を通り、大脳で判断してせきずいを経由して、運動器官へと電気信号が伝達され行動を起こします。
これに対して、反射は刺激の電気信号が大脳を通らないため、刺激を受けてから行動を起こすまでの時間が短くなります。
この実験では感覚器官である手は首より下にあるので、刺激の電気信号は行きと帰りでせきずいを通ることも抑えて下さい。
問3
解答:①・・・感覚(神経)、②・・・せきずい、③・・・脳、④・・・運動(神経)
解説:
意識して起こす反応は大脳を経由します。
刺激の電気信号の流れは、この実験では、
感覚器官→感覚神経→せきずい(背中側)→大脳→せきずい(腹側)→運動神経→運動器官
です。
大問9 生物の分類
問1
解答:セキツイ(動物)
解説:
略。
問2
解答:タンチョウ、シマヘビ
解説:
Aはセキツイ動物、Cは魚類・両生類・ハチュウ類・鳥類です。
Cのうち、魚類と両生類は水中に殻のない卵を、ハチュウ類と鳥類は陸上に殻のある卵を生みます(乾燥防止のため)。
Cのうち、ハチュウ類はシマヘビ、鳥類はタンチョウです。
問3
解答:胎生
解説:
略。
問4
解答:X・・・外とう膜、Eのなかま・・・軟体(動物)
解説:
無セキツイ動物は、まず外骨格の有無で分類し、さらに外とう膜の有無で分類します。
観点Xによって軟体動物であるイカと、それ以外に分類されているので、解答のとおりとなります。
大問10 体細胞分裂の観察実験
問1
解答:染色体
解説:
略。
問2
解答:14(本)
解説:
体細胞分裂では、染色体が2倍に複製された後、図3のように細胞質分裂が起こり、分裂後の細胞は母細胞と染色体数が同じくなります。
図3の染色体数が14本なので、図2のCの体細胞分裂(母細胞)の染色体数も14本です。
問3
解答:細胞分裂をして細胞の数が増え、その細胞が大きくなることによって成長する。(例)
解説:
Aは根の成長点(根端分裂組織)より、図2Aのように細胞分裂が盛んに行われています。
分裂した細胞は成長点より上の部分で成長するため、B→Cのようになります。
大問11 遺伝
問1
解答:①・・・A、②・・・Aa
解説:
交配は、以下のとおりです。
AA(丸形の純系)×aa(しわ型の純系)→Aa(雑種第一代 F1)
丸形の純系の体細胞はAA、生殖細胞(エンドウは被子植物より精細胞と卵細胞)の遺伝子型はAです。
しわ形の純系の体細胞はaa、生殖細胞の遺伝子型はaです。
問2(やや難)
解答:イ、ウ(順不同)
解説:
F1どうしの交配により、雑種第二代F2が生じます。
交配は、以下のとおりです。
Aa×Aa→AA(丸)、Aa(丸)、Aa(丸)、aa(しわ)
丸:しわ=3:1、AA:Aa:aa=1:2:1
ア:F2の形質は2種類、遺伝子の組み合わせは3種類です。
イ:正しい。F2の個数比はAA:Aa:aa=1:2:1⇔Aa:(AAとaa)=2:2=1:1より、F2の約半数の種子は子の遺伝子型Aaと同じです。
ウ:正しい。
エ:同じさやに、丸形としわ形の形質の種子が混在しています。
問3(やや難)
解答:Aa(と)aa(順不同)
解説:
子に丸形としわ形の両方が現れているので、片親の遺伝子型は必ずAaに、もう片親の遺伝子型はAaかaaになります。
Aa×Aaでは丸:しわ=3:1となるので、
Aa×aa→Aa、Aa、aa、aa
丸(Aa):しわ(aa)=2:2=1:1
となります。