指導経験20年以上のプロ家庭教師。北海道の高校受験に特化。勉強がとても苦手な子の指導が得意です。1回70分授業で、毎月の授業料は16,000円(月4回)〜30,000円(月12回)のみ、不透明な追加料金は一切ありません。
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中学3年北海道学力テスト総合B「理科」(2020)の難易度
2020年の総合B理科の難易度は、総合ABCの中では標準レベルだと感じました。
入試のゴールである『塾技 理科80』をある程度読んだ子なら、30分かからずに満点が取れたでしょう。
総合ABCの理科は、3月の公立高校入試問題と比較したら、かなり易しいことに注意してください。
今回の試験で高得点が取れた子は慢心せずに、引き続き知識の吸収に励んで下さい。
中学3年北海道学力テスト総合B「理科」(2020)の平均点・偏差値
道コンによると、2020年の総合B「理科」の平均点と偏差値は以下の通りです。
<総合B「理科」の平均点と偏差値(2020)>
36点(60点)
※道コンSS50に相当
※()内は100点満点で換算した点数
中上位公立高校を受験するなら、第5回・6回の道コンは必ず受けましょう。
>>★的中率75%★道コン中3第5回・6回の理科の信憑性は高い!高校入試で的中した証拠【画像】
中学3年北海道学力テスト総合B「理科」(2020)問題・解答・解説
大問1 圧力と浮力(中1・物理)
問1
解答:0.5(N)
解説:
問題文に「100gの物体にはたらく重力の大きさを1Nとし、」とあるので、重力の大きさは100gあたり1Nです。
問題文に「物体A、Bはともに質量が50gで」とあるので、物体Aにはたらく重力の大きさは0.5Nです。
問2
解答:
解説:
垂直抗力とは、物体にはたらく鉛直上向きの力です。
物体Aは、重力と垂直抗力の2力がはたらき、2力がつり合うことで静止しています。
重力は、作用点が物体の中心、作用線が物体の中心を通る物体に垂直な線、力の大きさが5マス(0.5Nに相当)です。
垂直抗力は、机が物体Aを押す力なので、作用線が物体の中心を通る物体に垂直な線、作用点は作用線と机との交点、力の大きさが5マス(0.5Nに相当)です。
以上より、答えが得られます。
問3
解答:1.5(倍)
解説:
物体Aが机を押す力=物体Aにはたらく重力の大きさ=0.5N、物体Bが机を押す力=物体Bにはたらく重力の大きさ=0.5N。
物体Aが机に加える圧力を圧力A、物体Bが机に加える圧力を圧力Bとします。
圧力の単位[N/m2]に留意して以下のような比例式を立てます。
圧力A:圧力B=0.5N/(2cm×2cm):0.5N/(3cm×2cm)=1/4:1/6=6:4=3:2
圧力A=圧力B×3/2=1.5×圧力B
以上より、圧力Aは圧力Bの1.5倍になります。
ここで、図1の物体A、Bが机に触れる面積について比を立てると、
物体A:物体B=2cm×2cm:3cm×2cm=2:3
圧力A:圧力B=3:2より、
面が受ける垂直方向の力が同じ場合、圧力比と面積比は逆比(大きさが逆になる)という関係が成り立ちます。
問4(難)
解答:ア、理由:物体Bにはたらく浮力が大きいから。(例)
解説:
図2のてんびんは、支点から物体までの距離がともに等しいので、物体Bが物体Aに加える力と、物体Aが物体Bに加える力が等しいので、てんびんは水平を保ちます。
仮に、水の密度を1.0g/cm3(4℃の水)とします。
物体Aの体積は8cm3(2cm×2cm×2cm)より、物体Aをこの水に完全に沈めた場合、物体が押しのけた水の体積は8cm3、8cm3の水の質量[g]は、1.0g/cm3×8cm3=8gです。
100gの物体にはたらく重力の大きさを1Nと仮定すると、8cm3の水の重さ[N]は、1N/100g×8g=8/100N=0.08Nとなるので、物体Aに働く浮力の大きさは0.05Nとなります。
また、物体Aがてんびんを鉛直下向きに引く力は重力と浮力の合力となるので、0.5N-0.05N=0.45Nです。
物体Bの体積は12cm3(3cm×2cm×2cm)より、物体Bをこの水に完全に沈めた場合、物体が押しのけた水の体積は12cm3、12cm3の水の質量[g]は、1.0g/cm3×12cm3=12gで、0.12Nに相当します。
アルキメデスの原理より、物体Aに働く浮力の大きさは0.12Nです。
物体Bがてんびんを鉛直下向きに引く力は重力と浮力の合力となるので、0.5N-0.12N=0.38Nです。
物体Aがてんびんを鉛直下向きに引く力(0.45N)>物体Bがてんびんを鉛直下向きに引く力(0.38N)で、支点から物体までの距離がともに等しいので、てんびんはアのように傾きます。
大問2 水の電気分解と燃料電池(中2・化学)
問1
解答:電流を流れやすくするため。(例)
解説:
純粋な水(H2O)は分子をつくる物質で、このままでは電気(電流)が流れにくく、電気分解をすることができません。
そこで、電気(電流)を流しやすくするために、水酸化ナトリウム(NaOH)を少量加えます。
水酸化ナトリウムは、水に溶けると、ナトリウムイオン(Na+)と水酸化物イオン(OH–)に電離する、電解質の物質です。
水中にイオンがあると電気(電流)が流れるので、水に水酸化ナトリウムを加えると、電気(電流)が流れて、電気分解をすることができるようになります。
問2
解答:カ
解説:
まず、「+どうし−どうしは反発するが、+と−はくっつく」ことを必ず押さえましょう
水の電気分解の化学反応式は、以下の通りです。
2H2O→2H2+O2
水素(H2)のイオンは水素イオン(H+)で、水素イオン(H+)は+に帯電しているので、−極(陰極)に引きつけられ、−極(陰極)から水素(H2)が発生します。
酸素(O2)のイオンは酸化物イオン(O2-)で、酸化物イオン(O2-)は−に帯電しているので、+極(陽極)に引きつけられ、+極(陽極)から酸素(O2)が発生します。
水の電気分解の化学反応式の、水素(H2)と酸素(O2)の係数の比は2:1より、
水の電気分解により発生する水素(H2)と酸素(O2)の体積比や分子数の比は2:1となります。
水素(H2)は酸素(O2)の2倍発生します。
水素と酸素はともに水にとけにくい気体であるため、捕集できる量は、体積比と同じ2:1となります。
水素が発生したことの確認は、水素が可燃性をもつことを利用して、火のついたマッチを近づけると、「ポン」と音を立てて燃えることで分かります。
以上より、気体Aは酸素で図の左側の電極は陽極、気体Bは水素で図の右側の電極は陰極で、
2H2O→2H2+O2
の化学反応式より、水分子(H2O)2個が、気体Aの分子(O2)1個と気体Bの分子(H2)2個に分かれたと言えます。
問3
解答: 化学反応式:2H2+O2→2H2O 装置:燃料電池
解説:
水の電気分解の化学反応式は、以下の通りです。
水→水素+酸素(2H2O→2H2+O2)
この反応では、水に電気エネルギー[J]を加えて水素と酸素が発生しています。
エネルギーは移り変わります。
加えられた電気エネルギーは化学エネルギーに移り変わるので、水の電気分解により発生した水素と酸素は、水より化学エネルギーが高いです。
水の電気分解後、装置から電源を外して-極と+極をつなぐと、水素と酸素の化学反応によって発電します。
このような装置を燃料電池といいます。
燃料電池の化学反応式は、以下の通りです。
2H2+O2→2H2O+電気エネルギー
水素と酸素の化学エネルギーが、電気エネルギーに移り変わるので、発電します。
燃料電池は、発生する物質が水だけであり、環境にやさしいエネルギー源です。
大問3 銅の酸化(中2・化学)
問1
解答:銅が空気中の酸素と結びついたから。(例)
解説:
銅の酸化の化学反応式は、
銅+酸素→酸化銅(2Cu+O2→2CuO)で、
銅が過不足なくすべて反応したときの質量比は、Cu:O2:CuO=4:1:5、です。
酸化とは酸素が化合する化学反応なので、銅が空気中の酸素と結びつくことで、酸化銅の質量は銅より大きくなります。
問2
解答:CuO
解説:
問1解説参照。
問3
解答:
解説:
銅と結びついた物質は酸素です。
化合した酸素の質量は質量保存の法則より、反応後の物質の質量(g) – 銅の質量(g)となります。
以上より、表の値を用いてグラフをプロットして完了です。
(補足)
銅の酸化の化学反応式は、
2Cu+O2→2CuO
銅が過不足なくすべて反応したときの質量比は、Cu:O2:CuO=4:1:5、です。
Cu:O=4:1なので、酸素の質量は銅の1/4倍です。
問4
解答:5(:)1
解説:
「反応後の物質」は酸化銅、「銅と結びついた物質」は酸素です。
銅が過不足なくすべて反応したときの質量比は、Cu:O2:CuO=4:1:5、です。
よって、CuO:O2=5:1 です。
大問4 陽イオンと陰イオン(中3・化学)
問1
解答: ①・・・原子核、②・・・中性子
解説:
原子核には陽子と中性子があり、その周りを電子が回っています。
陽子は+の電気、電子は-の電気で、原子は陽子と電子を同数ずつもっており、それらが互いに電気を打ち消し合うため電気を帯びていません。
問2
解答:イ、ウ(順不同)
解説:
ア:化学変化では、反応の前後で原子の数と種類は変わりません。
イ:正しい。イオンになるなどの条件がなければ、電子と陽子の数は等しいです。
ウ:正しい。電子と陽子の電荷がつり合うことで、原子は電気的に中性となります。
エ:ウの説明より不適です。
問3
解答:陽イオン
解説:
電子を失うと、原子は+の電気を帯びた陽イオンになります。
問4
解答:ウ イオン式・・・Cu2+
解説:
原子が電子を2個失うと、2価の陽イオンになり、原子記号の右上に2+がつきます。
選択肢の中で、2価の陽イオンになる原子は、銅(Cu)のみです。
反応式は、
Cu→Cu2++2e–
と書けます。
大問5 化学電池(中3・化学)
問1
解答: 気体・・・水素、+極・・・銅板
解説:
イオン化傾向の大きい亜鉛板から発生した電子2個は銅板に移動し、塩酸が電離して発生した水素イオンが受けとり、気体の水素が発生します。
銅板には電子2個が移動するので、亜鉛板が-極、銅板が+極です。
亜鉛は銅よりイオン化傾向が大きいから、亜鉛板が-極であるとも言えます。
問2
解答: ①・・・Zn2+、②・・・電子(e–も可)
解説:
問1解説参照
反応式は、
Zn→Zn2++2e–
問3
解答:イ、オ(順不同)
解説:
ア:エタノール水溶液は非電解質の水溶液より、電流が流れません。
イ:電池の2要件を満たすので、正しい。
ウ:アと同様の理由で、不適です。
エ:電池はイオン化傾向の異なる2種の金属が必要なので、亜鉛板2枚では電流が流れません。
オ:電池の2要件を満たすので、正しい。
大問6 植物の蒸散量の測定(中1・生物)
問1
解答:蒸散
解説:
蒸散は植物の気孔で行われる現象です。
問2
解答:葉の表側より裏側に気孔が多いから。(例)
解説:
蒸散量を求める式は
B:葉の裏側+茎=3.3g/4h
C:葉の表側+茎=1.2g/4h
BとCの比較により、この植物の気孔は葉の裏側に多く分布していることが分かります。
問3(難)
解答:ア
解説:
蒸散量を求める式は
A:葉の表側+葉の裏側+茎=4.2g/4h
B:葉の裏側+茎=3.3g/4h
C:葉の表側+茎=1.2g/4h
B+C – A=(葉の裏側+茎)+(葉の表側+茎) – (葉の表側+葉の裏側+茎)=茎
B+C – A=3.3g/4h+1.2g/4h-4.2g/4h=0.3g/4h
以上より、4時間での茎からの蒸散量は0.3gとなります。
大問7 化石(中1・地学)
問1
解答: 年代・・・イ、化石・・・示準(化石)
解説:
示準化石であるフズリナがあるので、古生代に堆積した地層であることが分かります。
問2
解答:ウ
解説:
示準化石の条件はウ、示相化石の条件はイです。
問3
解答: つくり・・・等粒状(組織)、でき方・・・エ
解説:
花こう岩は深成岩です。
深成岩はマグマが地下深くでゆっくりと冷え固まってできる火成岩なので、粒がぎっしり詰まったつくりをしています。
このつくりを等粒状組織といいます。
大問8 地震(中1・地学)
問1
解答: P波・・・初期微動、S波・・・主要動
解説:
略。
問2
解答: X 理由・・・初期微動継続時間が長いから。
解説:
震源距離は初期微動継続時間に比例するので、初期微動継続時間が最も短い地点Xが、震源距離が最も小さいです。
問3
解答:3.4(km/s)
解説:
地震発生時刻が13:30.10、S波到着時刻が13:30.55より、S波は45秒で153km進みます。
単位に注意してS波の速度を計算すると、
153km/45s=17/5=3.4km/s
問4
解答:ハザードマップ(災害予測図)
解説:
略。
大問9 湿度の測定(中2・地学)
問1
解答: 気温・・・16(℃)、湿度・・・69(%)
解説:
図1より、乾球の示度(気温)が16℃、湿球の示度が13℃、乾球と湿球の示度の差が3℃であることが分かります。
よって図2より、湿度は69%です。
問2
解答:気温が上がり飽和水蒸気量が大きくなったから。(例)
解説:
湿度の公式において、分子の空気中に含まれる水蒸気量が変化しなかったことから、分母の飽和水蒸気量が大きくなっています。
飽和水蒸気量は気温が上がると大きくなるので、解答例のとおりになります。
問3(難)
解答:183(g)
解説:
入試本番レベルに匹敵する難易度です。
26℃における飽和水蒸気量が24.4g/m3で、その40%が水蒸気量なので、
水蒸気量=24.4g/m3×0.4
室温が変わらず湿度が65%になったときの水蒸気量は、
水蒸気量=24.4g/m3×0.65
両者の差が水蒸気量です。
24.4g/m3×0.65 – 24.4g/m3×0.4=24.4g/m3×0.25=24.4g/m3×1/4=6.1g/m3
部屋の体積が30m3なので、水蒸気量(g)は
6.1g/m3××30m3=61×3=183g
大問10 植物の有性生殖(中3・生物)
問1
解答:2.4(g)
解説:
水溶液30gの8%(0.08倍)が砂糖の質量なので、
30g×0.08=3×0.8=2.4g
問2
解答:c
解説:
a:被子植物−単子葉類、です。
b:被子植物−単子葉類、です。
c:裸子植物なので、これが正解です。
d:被子植物−双子葉類−離弁花類、です。
問3
解答: ①・・・胚珠、②・・・胚
解説:
略。
問4
解答:イ
解説:
卵細胞Aは体細胞が減数分裂してできた生殖細胞で、染色体数が体細胞の1/2倍です。
卵細胞の核と精細胞の核が合体してできた受精卵Bは、体細胞と同じ染色体数です。
よって、BはAの2倍の染色体数なので、B=2A⇔A=1/2Bとなります。
大問11 遺伝(中3・生物)
問1
解答: ①・・・無性生殖(栄養生殖)、②・・・有性生殖
解説:
①:ジャガイモAの身体の一部からジャガイモBが発生しているので、無性生殖(栄養生殖)をしています。
②:異なる株同士を掛け合わせて、新たな個体が生まれているので、有性生殖をしています。
問2
解答:イ
解説:
ア:①は無性生殖より、ジャガイモAとBは全く同じ染色体を持ちます。遺伝子は染色体の中にあります。
イ:アより、正しい。
ウ:異なる株同士を掛け合わせているので、遺伝子はすべて異なるとは確実には言えません。
エ:ウより、不適です。
問3
解答: 方法・・・①、理由・・・親と子の遺伝子が同じなので、同じ形質が現れるから。(例)
解説:
「同じ品質」=「同じ形質」なので、無性生殖を行います。
無性生殖の利点は、子が親と同じ遺伝子を持つので、親と全く同じ形質を持つことです。