指導経験20年以上のプロ家庭教師。北海道の高校受験に特化。勉強がとても苦手な子の指導が得意です。
>>ブログ記事一覧(目次)
>>5教科・偏差値別オススメ問題集一覧
>>的中率60%以上!今年度の北海道公立高校入試「理科」はここが狙われる!家庭教師のそらの予想出題分野
中学3年北海道学力テスト総合C「理科」(2019)の平均点と難易度
私が指導している生徒さんの話をまとめると、今回の総合Cの理科の平均点は30〜35点ほどだったみたいです。
私が実際に問題を見た感想ですが、難易度は「易」です。
3月の本試験と比較したら、かなり易しいです。
(参考)2019年の理科本試験
(参考)2018年の理科本試験
先に紹介した、『中学総合的研究問題集 理科』をしっかり読み込めば、今回の総合Cの理科は9割は取れたはずです。
入試のゴールである『塾技 理科80』をある程度読んだ子なら、30分ほどで満点が取れたでしょう。
中学3年北海道学力テスト総合C「理科」(2019)問題・解答・解説
次に、中学3年北海道学力テスト総合Cの「理科」の問題・解答・解説を紹介します。
大問1 身のまわりの物質(中1・化学)
問1 答 固体A:オ、質量:31.48g
磁石につくのは、鉄・ニッケル・コバルトです。
すべての金属には3つの性質(金属光沢、熱伝導性・電気伝導性、展性・延性)がありますが、磁石につくのはすべての金属に共通する性質ではありません。
この鉄の体積が4cm3、鉄の密度が7.87g/cm3と与えられているので、単位に注意して計算すると、
7.87g/cm3×4cm3=31.48gとなります。
固体の体積をどうやって測定したのか?
おそらく、メスシリンダーに一定量の水を入れ、そこに鉄を沈めて、両者の体積差から鉄の体積を測定したのでしょう。
メスシリンダーの測り方(2つ)についても抑えておきましょう。
問2 答 ア、イ
ある密度の液体において、密度が液体より小さい固体を入れると液中に半分浸かって浮き、密度が液体と等しい固体を入れると液中に浮き、密度が液体より大きい固体を入れると沈みます。
問題の表より、水の密度が1.00g/cm3と与えられているので、4℃における水の密度(最大の密度)であることが分かります。
この1.00g/cm3の水(液体)に浮くためには、密度が1.00g/cm3未満である必要があります。
表より、密度が1.00g/cm3未満の固体は、ポリプロピレンと氷です。
水は4℃のとき体積が最小になり、密度(g/cm3)が最大になります。氷が表面から氷るのは、4℃以下になると密度が小さくなって浮くためです。
表にあるポリプロピレンとポリスチレンはプラスチックです。
ポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)は密度が1.00g/cm3未満で、4℃の水(密度1.00g/cm3)に浮きます。
ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリスチレン(PS)は、燃やすとすすが出ます。
燃やすと、PETは少々のすすを、PSは激しく燃えて多くのすすが出ます。
問3 答 イ
単なる単位計算の問題です。
固体Bの密度は、7.36g/8cm3=0.92g/cm3より、表から氷であることが分かります。
問4 答 カ
問題文②より、固体Bの氷(密度0.92g/cm3)は液体Cに沈むことから、液体Cの密度は0.92g/cm3より小さいエタノールであることが分かります。
問題文③より、液体Dは液体Cであるエタノールに混じり合ったことから、食用油であることが分かります。
エタノールは石油由来の物質で油です。水と油は混じり合いませんが、油どうしは混じり合います。
大問2 物質の成り立ち(中2・化学)
問1 答 ア、エ
ア:正しい。鉄(Fe)と硫黄(S)はともに1つの原子で構成されているので単体です。
イ:本問において、鉄と硫黄が化合すると硫化鉄(FeS)が発生します。硫化鉄(FeS)は2つ以上の原子で構成されているので、化合物です。
ウ:有機物は燃やす(酸化する、酸素と化合する)と水と二酸化炭素が発生します。鉄は燃やすと酸化鉄(酸素と強く結びつく)に、硫黄は燃やすと有毒で空気の約2.2倍である二酸化硫黄(亜硫酸ガス)が発生します。
エ:正しい。
オ:硫黄は無機物ですが、金属ではありません。
問2 答 イ
鉄と硫黄の反応は発熱反応なので、火を止めても反応で発生した熱で連鎖的に反応が進みます。
発熱反応として、塩化アンモニウムと水酸化ナトリウムからアンモニアが発生する反応などがあります。
アンモニアが発生する反応には熱が必要(吸熱反応)な場合が多いですが、この場合、水酸化ナトリウムの溶解熱によって熱が発生するため、反応が起こったら熱を加えなくても連鎖的に反応が進みます。
問3 答 ウ
国語の問題です。
鉄と硫黄の化合の化学反応式は、
Fe +S→FeS
です。
③より、加熱しなかった試験管Bには鉄があるため磁石につきますが、試験管Aは鉄と硫黄が過不足なくすべて反応して(※)、すべて硫化鉄になったため磁石につきません。
※鉄と硫黄が過不足なくすべて反応するときの質量比は7:4。試験管Aには鉄3.5g、硫黄2.0gが含まれており、質量比は3.5:2.0=7:4より、試験管Aにある鉄と硫黄は過不足なくすべて反応して、硫化鉄のみ存在しています。
④より、試験管Aには硫化鉄のみ存在し、硫化鉄は塩酸と反応して硫化水素が発生します。硫化水素は卵の腐ったような特有の臭いがします。試験管Bには鉄と硫黄が含まれていますが、塩酸と反応するのは鉄のみで、鉄と塩酸が反応すると無色無臭の気体である水素が発生します。
③と④より、加熱しなかった試験管Bと加熱した試験管Aでは、性質が異なるため、鉄と硫黄が反応して別の物質になったと判断できます。
この問題は、生物の分野の問題で使う「対照実験」の問題です。
問4 答 残っている物質:鉄、残った質量:1.5g
鉄と硫黄が過不足なくすべて反応するときの質量比は7:4です。この比を0.5倍すると、鉄:硫黄=3.5:2.0より、硫黄2.0gが過不足なくすべて反応すると、鉄3.5gが過不足なくすべて反応することが分かります。
問題では鉄5.0gと硫黄2.0gが与えれているので、未反応の鉄が1.5g(5.0g-3.5g=1.5g)存在することが分かります。
大問3 物質の成り立ち(中2・化学)
問題文より、
①
酸化銀の熱分解です。
化学反応式は、Ag2O→4Ag+O2 で、黒色の酸化銀から銀白色の銀が発生します。
②
石灰石(炭酸カルシウム)と塩酸が反応すると、二酸化炭素が発生します。
化学反応式は、CaCO3+2HCl→CaCl2+CO2+H2Oです。
③
塩化アンモニウムと水酸化カルシウムが反応(吸熱反応)すると、アンモニアが発生します。
化学反応式は、2NH4Cl+Ca(OH)2→CaCl2+2NH3+2H2O です。
④
炭酸水素ナトリウムの熱分解です。
化学反応式は、2NaHCO3→Na2CO3+H2O+CO2 です。
⑤
鉄と塩酸が反応すると、水素が発生します。
化学反応式は、Fe+2HCl→FeCl2+H2(塩化鉄(Ⅱ))です。
問1 答 方法:火のついた線香を近づける、結果:火が勢いよく燃える
①の酸化銀の熱分解では、気体である酸素が発生します。
酸素の確認方法は、解答例のとおりです。
水素は、火のついたマッチを近づけると「ポンッ」と音を立てて燃えます。
酸素は自身は変化しませんが、水素は燃えて(酸化して、酸素と化合して)水が発生します。
問2 答 ウ
石灰石(炭酸カルシウム)にうすい塩酸を加えると二酸化炭素が発生しますが、炭酸水素ナトリウムを加熱しても二酸化炭素が発生します。
問3 答 発生した液体が加熱部に流れて試験管が割れるのを防ぐため。
塩化アンモニウムと水酸化カルシウムを加熱すると、塩化カルシウム(固体)と水(液体)とアンモニア(気体)が発生します。
試験管を傾ける理由は解答例のとおりです。
炭酸水素ナトリウムを熱分解すると水が発生するので、同様の理由で試験管を傾けます。
なお、アンモニアは空気より軽い(密度が小さい)こと、水に非常によくとける(20℃の水1cm3に702cm3とける)ことから、上方置換法で捕集します。
問4 答 X:2、Y:CO2、X:H2O
炭酸水素ナトリウムの熱分解の化学反応式は、以下のとおりです。
2NaHCO3→Na2CO3++CO2+H2O
大問4 電流とその利用(中2・物理)
問1 答 ①:イ、②:ア、電気帯びた小さな粒:電子
まず、プラス(+)どうしマイナス(−)どうしは反発し、プラス(+)とマイナス(−)は引き合うことを抑えて下さい。
クルックス管に電圧をかけるとマイナスの電気を帯びた電子が−極から+極に向かって放出されます。
このときの電子の流れを陰極線といい、陰極線は蛍光板や十字板で確認できます。
実験より、十字板の影ができたことから、電子は−極から発生することが確認できます。
問2 答 エ
電子はマイナスの電気なので、−極から+極に向かって放出されます。
電極Aを+極にすると、電子は放出されません。
この実験からも、電子は−極から発生することが確認できます。
電子がマイナスの電気を帯びていることを確認するには、電子の通り道に別の電極を置き電圧を加えます。
大問5 運動とエネルギー(中3・物理)
問1 答 3J
仕事[J]=加えた力[N]×移動距離[m]です。
加えた力[N]は台車の重力による斜面方向の分力で、移動距離[m]はA点からB点までの斜面の長さです。
加えた力[N]も移動距離[m]も問題文で与えられていません。
代わりに斜面の高さが与えれているので、仕事の原理を用います。
仕事[J]=加えた力[N]×移動距離[m]=台車の重力による斜面方向の分力[N]×A点からB点までの斜面の長さ[m]=台車を真上に持ち上げる力[N]×A点からB点までの高さ[m]=台車にかかる重力[N]×A点からB点までの高さ[m]=1000g×1N/100g×30×1/100m=10×3/10J=3J
問2 答 92cm/s
1秒間で50打点するので、0.1秒で5打点です。
テープ1枚が5打点なので、テープ1枚は0.1秒[s]に進んだ距離[cm]で、テープ1枚は速さ[cm/s]を意味します。
図2のテープの長さは9.2cmであったので、速さ[cm/s]は、単位に注意して、9.2cm/o.1s=9.2×10cm/s=92cm/sとなります。
なお、東日本の周波数は50Hzで、記録タイマーは1秒間で50打点するため、5打点ごとにテープを切ります。
西日本の周波数は60Hzで、記録タイマーは1秒間で60打点するため、6打点ごとにテープを切ります。
いずれも、テープ1枚を0.1秒[s]に進んだ距離[cm]としています。
問3 答
解答例のとおり、平行四辺形を作り、台車の重力による斜面方向の分力と垂直方向の分力を作図します。
台車の重力による斜面方向の分力は、台車にかかる重力と垂直抗力による合力となることも抑えておきましょう。
また、台車の重力による斜面方向の分力の大きさ[N]は、相似比を用いて、斜面方向の分力=重力×高さ/斜辺 と表すことができます。
大問6 運動とエネルギー(中3・物理)
問1 答 B
エネルギーは移り変わり、エネルギーの総量は変わりません。
図1で小球がアの位置にあるときは静止しているので、位置エネルギーのみ持ちます。
小球がアからオに移動するとき、位置エネルギーは運動エネルギーや、空気の抵抗によって熱・音エネルギーに移り変わります。
しかし問題文で「摩擦や空気の抵抗は考えない」とあるので、位置エネルギーはすべて運動エネルギーに移り変わることがわかります。
位置エネルギーと運動エネルギーの2つを合わせて力学的エネルギーといい、
位置エネルギー+運動エネルギー=力学的エネルギー=一定
です。
エネルギーは移り変わり、エネルギーの総量は変わらないため、摩擦や空気の抵抗は考えない場合、力学的エネルギーが一定に保たれながら、物体の状態に応じて、位置エネルギー⇔運動エネルギーと移り変わります。
図1で小球がアの位置にあるときは静止しているので、位置エネルギーのみ持ち、位置エネルギー=力学的エネルギーで、選択肢AかBに絞られます。
選択肢の罫線を用いると、力学的エネルギーの大きさは2で、
位置エネルギー+運動エネルギー=力学的エネルギー=常に2
となります。
選択肢Aは、力学的エネルギーが2より大きくなっているので誤りで、答えはBとなります。
問2 答 位置:C、理由:小球が持つ力学的エネルギーは一定だから。
図1で小球がアの位置にあるときは静止しているので、位置エネルギーのみ持ちます。
小球をアの位置から離すと、くぎがあろうが無かろうが、同じ位置エネルギーの高さまで振り子が振れます。
理由は解答例のとおりです。
問3 答 小球の質量を大きくする。
図1で小球がアの位置にあるときは静止しているので、位置エネルギーのみ持ち、
位置エネルギー=力学的エネルギー
となります。
100gの物体にかかる重力の大きさを1Nとすると、
位置エネルギー[J]=重力[N]×高さ[m]=質量[g]×1[N]/100[g]×高さ[m]
1[N]/100[g]=一定で、高さ[m]=一定のとき、位置エネルギーは小球の質量[g]のみに依存します。
小球を離す位置をアのまま、つまり高さ=一定のとき、位置エネルギー=力学的エネルギーの大きさを大きくするには、小球の質量を大きくする必要があります。
なお、図1において、アでは位置エネルギーを持ち、イでは高さが基準点なため運動エネルギーのみ持ちます。
小球の質量を大きくするとアでの位置エネルギーが増えるので、イでの運動エネルギーも増え、速さが増えます。
しかし、振り子の糸の長さが変わらないので、小球が往復するのにかかる時間(周期)は変わりません。
これを振り子の等時性といい、振り子の周期は糸の長さのみに依存します。
大問7 大地の変化(中1・地学)
問1 答 イ
川の上流では川の流れが急なため、浸食が盛んに行われV字谷という深い谷ができます。
川の中流や下流では川の流れが緩やかになり、堆積作用によって扇形の地形の扇状地ができます。
河口付近では川の流れがより緩やかになり、堆積作用によって三角形の低い土地の三角州がつくられます。
問2 答 Xの部分:石基、無色鉱物:②、⑤
岩石のうち、マグマ(地中にある)が冷えて固まった岩石を火山岩といい、火成岩と深成岩に分類されます。
図2は、石基(X)と斑晶があることから、マグマが地表や地表付近で急に冷えて固まってできた火成岩であることが分かります。
火山岩と深成岩を構成する鉱物として、無色鉱物のセキエイとチョウ石(規則正しく割れる)、有色鉱物であるクロウンモ(規則正しく割れる)・カクセン石・キ石・カンラン石・磁鉄鉱があります。
無色鉱物と有色鉱物の含有量によって、岩石の色が左右されます。
無色鉱物の割合が多い花こう岩(深成岩)や流紋岩(火山岩)は白っぽい岩石です。
無色鉱物の割合が多いと二酸化ケイ素の含有量も多くなり、マグマの粘り気が強く温度が低くなり、火山は爆発的噴火をしドーム状になります。昭和新山や有珠山や雲仙普賢岳は、爆発的噴火によってできた火山です。
問3 答 回数:2回、岩石:凝灰岩
岩石には、マグマが冷えて固まった火成岩、堆積してできた堆積岩、熱や圧力で変化した変成岩があります。
堆積岩には、火山灰や軽石などが堆積してできた凝灰岩があり、凝灰岩の存在によって過去に火山活動があったことが確かめられます。
問4 答 90m
柱状図を把握するために、カギ層として凝灰岩を用います。
B地点において、凝灰岩の上面の標高は、100m-14m=86mです。
問題文より、「この地域の地層は水平に一定の厚さで積み重なっている」という条件が与えられているので、
C地点における凝灰岩の上面の標高も、B地点と同じ86mです。
C地点には凝灰岩の層が2つありますが、B地点でも20m以上深くボーリングしたら凝灰岩の層が2つあるはずなので、2つある凝灰岩の層のうち上の層で考えます。
C地点の標高をxmとおくと、C地点における凝灰岩の上面の標高はx-4(m)で、これが86mと等しいことから、
x-4=86⇔x=90m
となります。
大問8 大地の変化(中1・地学)
問1 答 化石:示準化石、生物の特徴:ア、ウ
問題の図の化石は、アンモナイトです。
アンモナイトは中生代の化石で、示準化石です。
示準化石は、地層が堆積した当時の年代を知る手がかりとなる化石です。
示準化石となるには、短い期間に栄えて絶滅したこと、世界の広範囲で発見されていることの2点が必要です。
問2 答 生物の名前:アンモナイト、地質時代:イ
問1解説参照。
問3 答 岩石:石灰岩とチャート、方法:塩酸を加えて気体が出るかどうか。
石灰岩は、貝・サンゴ・フズリナ(古生代)などの石灰質(炭酸カルシウム)が堆積してできた堆積岩です。
炭酸カルシウムは、塩酸を加えると二酸化炭素が発生します。
チャートは、ホウサンチュウ・ケイソウなどのケイ酸質(二酸化ケイ素)が深海で堆積してできた堆積岩です。
チャートは非常に固いですが、塩酸を加えても二酸化炭素が発生しません。
大問9 動物の生活と生物の変遷(中2・生物)
問1 答 アミノ酸
タンパク質は胃液に含まれる消化酵素であるペプシンによってペプトンに、すい液に含まれる消化酵素であるトリプシンによってポリペプチドに、小腸の壁に含まれる消化酵素であるペプチターゼによってアミノ酸に分解されていきます。
アミノ酸は小腸の柔毛の毛細血管に吸収され、門脈→肝静脈→心臓の大動脈から全身の細胞に組織液を通じて送り届けられ、細胞呼吸の材料として使われます。
問2 答 器官:A、物質:尿素
アミノ酸は細胞呼吸によって燃やされ(酸化して、酸素と化合して)、生命活動に必要なエネルギーを得ます。
アミノ酸には窒素(N)が含まれるため、アミノ酸が燃えると、水と二酸化炭素とアンモニアが発生します。
アンモニアは非常に有毒な物質なため、そのままでは排出されず、肝臓で尿素に変えられ、門脈→肝静脈→心臓の大動脈→じん動脈と行き、尿として排出されます。
問3 答 じん臓
Eの器官はじん臓です。
じん臓にはじんうがありますが、じんうはじん臓を構成するので器官ではなく組織です。
問4 答 ア、エ
解答例のとおりです。
大問10 生命の連続性(中3・生物)
解答用紙を見て、
「うゎ、マルバアサガオを用いた優性の法則の例外の問題かな?やだな〜」
と思えたらよく勉強している証拠です。
総合ABCでそんな高級な問題が出題されるはずがなく、実際に問題を読むと、エンドウを用いた遺伝の問題の知識で難なくとけることが分かります。
問1 答 対立形質
エンドウの丸い種子としわの種子は、同時に現れることがありません。
このように、同時に現れることのない形質を対立形質といいます。
対立形質をもつ純系の親どうしを交配させて得られる子は、すべて優性形質のみが現れる法則を優性の法則といい、このときに現れなかった形質を劣性形質といいます。
問2 答 分離の法則
解答例のとおりです。
体細胞の染色体が間期に2倍に複製され、染色体が増えることなく2回減数分裂することで、生殖細胞にの染色体の数は体細胞の半分になります。
なお、生殖細胞のうち、被子植物は精細胞と卵細胞、動物は精子と卵と呼びます。
問3 答 ①:イ、②:キ
①
雑種第一代(F1)の形質が問われています。
AA×aa→Aa、Aa、Aa、Aa→遺伝子型はすべてAaとなり、優性形質となる遺伝子Aが含まれ、実験から子はすべて赤花であったことから、純系の赤花の遺伝子型はAA、純系の白花の遺伝子型はaaであることが分かります。
②
雑種第二代(F2)の形質が問われています。
Aa×Aa→AA、Aa、Aa、aa→遺伝子型はAA(赤色)、Aa(赤色)、aa(白色)
赤色:白色=3:1、AA:Aa:aa=1:2:1
となります。
問4 答 赤花の数:白花の数=5:1
この問題のみ、本番レベルです。
AA(赤色)、Aa(赤色)を組み合わせていきます。
AA×AA→AA、AA、AA、AA→遺伝子型はすべてAA(赤色)
AA×Aa→AA、Aa、AA、Aa→遺伝子型はAA(赤色)、Aa(赤色)
Aa×Aa→AA、Aa、Aa、aa→遺伝子型はAA(赤色)、Aa(赤色)、aa(白色)
以上より、遺伝子型AA(赤色)が3つ・Aa(赤色)が2つで赤色の個数は5つ、遺伝子型aa(白色)が1つより、赤花の数:白花の数=5:1となります。
大問11 生命の連続性(中3・生物)
問1 答 柱頭から胚珠に向かってのびる。
ホウセンカはアブラナと同じ双子葉類で、胚珠が子房に包まれている被子植物です。
被子植物では、花粉がめしべの柱頭に付くと、花粉管が胚珠にある卵細胞に向けて伸び、花粉管から2個の精細胞が送られ、受精します(有性生殖)。
受精すると、胚珠は種子に、子房は果実に、卵細胞は胚になります。
問2 答 精細胞
問1解説参照。
問3 答 7本
被子植物の有性生殖において、おしべのやくにある花粉母細胞(核相2n)から成熟花粉(核相n)がつくられます。この成熟花粉が、精細胞に相当します。
核相2nとは、n種類の染色体が2本ずつあるという意味です。
ホウセンカの体細胞の染色体の数が14本であったことから、14=2×7で7種類の染色体が2本ずつあることが分かります。
生殖細胞では染色体の数が半分になることから、生殖細胞には7種類の染色体が1本ずつあり、染色体の数は7×1=7本です。
問4 答 イ
受精後、受精卵は胚になり、胚が体細胞分裂をくり返して胚珠が種子になります。