人間の脳は、頭を使わない単純作業をしているときのほうが、思考しやすいようにできています。
だから、わざわざ考えるための時間を確保しなくても、歩いているときや電車に乗っているとき、お風呂に入っているとき、あるいは、料理中にひたすら玉ねぎを刻んでいるときなんかに、いろいろ考えることはできるのです。

『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』 P21より

 

仕事に頭を使いすぎると、成果物がマニアックになりすぎる。そういうことが起こりやすいというわけです。
やっぱり頭は使いすぎないほうが仕事は成功しやすい。だから、使える時間全体の2割くらいに留めたほうが仕事で成果は出やすい気がします。
ある程度バカになる──なんて言ったら感じ悪いかもしれませんけど、あまり頭を使わないで受け止める人の感覚になって取り組んだほうが、世間で広く受け入れられるものができるに違いないと思っているのです。
もしも仕事に行き詰まったら、いっそ遊びに頭脳のほとんどを使って、その余力で仕事をするくらいに考えたほうが、じつは、ちょうどいいのではないでしょうか。

『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』 P39より

 

自分の能力に自信がある人ほど、自分の頭でなんとかしようとするものです。
でも、じつは、自分の頭でなんとかしようとしないほうが、むしろ時間的にも内容的にも、うまくいくことが多い気がします。自分の能力だけでなんとかしようとするのが、まず基本的に間違っているんじゃないかと思うわけです。
同様に、自分自身のセンスや経験値に頼りすぎるのも危険だと思います。
たとえば、若い女性向け商品の開発会議で「この新商品はピンク色にしたい」とプレゼンするとします。
その場合、「私の経験と直感です」という主観的根拠で主張するのと「原宿の写真をたくさん並べてみたら、ピンク色の洋服を着た女性が一番多かったからです」という客観的根拠で主張するのでは、圧倒的に後者のほうが説得力は強いでしょう。
自分の中にあるセンスや経験だけ持ってきても、他人を説得することはできないのです。
自分の能力に自信がある人ほど、陥りがちなところですね。

『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』 P80より