先ほど、人生には解決できない問題は起こらないと言いました。
ところが、ほとんどの人は、なかなか問題解決ができず、悩んでいらっしゃいます。
それは、ふだん、脳を鍛えていないことも原因の一つですが、それ以外に、
「答えは一つしかない」または「一つしかない答えを一度で出さなくてはならない」
と思い込んでいるからです。
(中略)
一人さんは「数学以外の答えは無限にある」と常々、言っています。

『斎藤一人 悩みはなくせる』 より

 

“いいこと”を教わって、その時点で「よし、自分もやってみよう!」ってなる人も、もちろんいるでしょう。
そういう人は、私からしたら「ふつう以上」、優秀な人です。
そして、「一回でもやれた」というだけで「成功者なんだ」って、私は思っているんです。
(中略)
結局、その人、その人、それぞれの行く道というのがあるんです。
その人がちゃんと考えて、自分なりの進み方でそれぞれの“成功の道”を歩いていくものなの。
それを、たとえば私があなたのことを「ダメなヤツだ」と決めつけちゃうと、私から「ダメだ」という波動が出て、それをあなたがキャッチした場合、あなたは本当にダメになっちゃうんですよ。  だから、私は言うんです、「できないのがふつうなんだよ」って。
(中略)
たとえば、毎日、自分の部屋を掃除するのは無理でも、「三日に一回は、やろう」とか、「やってみようかな」とか、ゆるやかな成功の道を歩き出す。
たった一歩だけでも上等なの。
どんな形でも成功の道を歩き出せたとき、その本人にとっては、これ以上の喜びってないのだから。

『斎藤一人 悩みはなくせる』 より

 

日本という国は競争主義です。小学校に入ると同時に、友だちと競争させるんです。友だちと比べられちゃう。競争相手になるのです。
学校に行けば試験の結果が発表されて、点数の差を見せられる。
社会に出ていったら今度は、収入の差が出てきます。お金持ちか、そうでないかで、周囲の扱い方も変わってきます。
親は当然、子どもに苦労をさせたくなくてお金持ちになってもらいたい、そのためにはまず、いい学校に行くために勉強をさせます。
すると、子どもは親の期待に応えようと、一生懸命勉強をして、たとえば、小学校でいちばんの成績をとり、いい中学校に入ったとします。
でも、その学校でいちばんになる人は一人しかいないのです。
いちばんになれなかった、元・成績優秀者の子どもたちは、全員、重荷を背負うんです。
「親の期待に応えられなかった」という重荷です。
それでも“いい子”は勉強を頑張って、いい高校に入ろうとします。
そして、その高校でもまた競争させられるんです。
さらにその次は、いい大学。いい大学の次はいい会社へ、というふうに続いていくのです。いい会社に入ったら入ったで、同業他社との競争だとか出世競争だとか、競争は終わらない。そこでも、出世コースに乗れるのは、限られた人間です。
出世コースから外れると「自分はダメな人間だ」という重荷を背負ってしまう。
(中略)
なかなかやれない人は、ものすごく重い荷物を背負っている場合がほとんどです。
(中略)
ですから、たとえば「私は三日でやめちゃって、続かないのよ」っていう人は、そのことで責められたことがずいぶんあるんだと思います。

『斎藤一人 悩みはなくせる』 より