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中学3年北海道学力テスト総合B「理科」(2019)の平均点と難易度
私が指導している生徒さんの話をまとめると、今回の総合Bの理科の平均点は30点ほどだったみたいです。
私が実際に問題を見た感想ですが、難易度は「易」です。
3月の本試験と比較したら、かなり易しいです。
(参考)2019年の理科本試験
(参考)2018年の理科本試験
先に紹介した、『中学総合的研究問題集 理科』をしっかり読み込めば、今回の総合Bの理科は9割は取れたはずです。
入試のゴールである『塾技 理科80』をある程度読んだ子なら、30分かからずに満点が取れるでしょう。
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中学3年北海道学力テスト総合B「理科」(2019)問題・解答・解説
次に、中学3年北海道学力テスト総合Bの「理科」の問題・解答・解説を紹介します。
大問1 身のまわりの現象(中1・物理)
問1 答 入射角:b、反射角:c、屈折角:f
光は直進しますが、密度の異なる物質(媒質といいます)に入射すると、屈折します。
入射光線と法線(問題の図2のbとcの間の線)とのなす角度を入射角、屈折光線と法線とのなす角度を屈折角、反射光線と法線とのなす角度を反射角といいます。
本問では、入射角がbになります。
反射の法則により、反射角は入射角と等しいので、反射角はcになります。
光は空気から密度の高いガラスに入射するので、屈折角は入射角より小さくなります。よって、入射角はfです。
問2 答 入射角=反射角
反射の法則とは、入射角と反射角が等しくなる法則のことです。
問3 答 ウ
密度の高いガラスから密度の低い空気中に光が入射すると、屈折角は入射角より大きくなります。
『塾技 理科80』に載っている「車輪の図」を知っていれば、簡単に分かります。
問4 答 全反射
密度が高い物質から低い物質へと光が進むとき、入射角<屈折角となりますが、入射角を大きくしていくと、屈折角が90°になり、すべて反射します。これを全反射といいます。
図3では、光はガラス面に対して垂直になるため直進し、入射角=0°ですが、半円形ガラスを傾けると入射角が大きくなっていくので、やがて全反射します。
なお、全反射がちょうどおこる入射角を臨界角といい、ガラス→空気は約42°、ガラス→水は約49°です。
臨界角の知識がないと解けない問題が、北海道公立高校入試に過去に出題されています。
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大問2 物質の成り立ち(中2・化学)
問1 答 ガラス管を水中から出す
試験管内部の空気がガスバーナーで熱せられ気圧が高い状態ですが、火を消すと気圧が下がり、外気が取り込まれます。
ここでガラス管が水中にあると、水が逆流して、加熱された物質(炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムの混合物、あるいは炭酸ナトリウムのみ)が急冷され、試験管が破損し、飛び散り危険です。
なので、ガスバーナーの火を消す前に、ガラス管を水中から出します。
蒸留の操作でも同様の理由で、ガスバーナーの火を消す前に、ガラス管を水中から出します。
問2 答 水上置換
解答のとおりです。
炭酸水素ナトリウムの熱分解により、二酸化炭素が発生します。
二酸化炭素は水にとけにくいため、水上置換法で捕集できます。また、二酸化炭素は空気の重さの約1.5倍と空気より重いので、下方置換法でも捕集できます。
なお、二酸化炭素は水にわずかに溶け、炭酸水となります。
二酸化炭素が水にとけると、「CO2+H2O→H++HCO3–」と電離するので、炭酸水は酸性です。
問3 答 方法:試験管Bに石灰水を入れ振る、結果:白濁
二酸化炭素の確認法については、解答例のとおりです。
二酸化炭素が水にとけると炭酸水(酸性)になりますが、石灰水=水酸化カルシウム(アルカリ性)より中和が起こり、塩として水に溶けにくい炭酸カルシウムが発生するため、白濁します。
この液体に二酸化炭素を通し続けると、炭酸カルシウムが水に溶けやすい炭酸水素カルシウムになり、透明な水溶液になります。
問4 答 エ
「火のついた線香を入れる」ときたら、酸素の有無を確かめる実験です。
線香の火が消えたことから、発生した気体は酸素でないことが分かります。
なお、「マッチの火を近づける」ときたら、水素の有無を確かめる実験です。
この場合、水素は酸化されて水になります。
大問3 身のまわりの物質(中1・化学)
問1 答 CO2
解答例のとおりです。
炭酸水素ナトリウムにうすい塩酸を加えると、二酸化炭素が発生します。
炭酸水素ナトリウムを熱分解しても、石灰石(炭酸カルシウム)にうすい塩酸を加えても二酸化炭素が発生します。
問2 答
炭酸水素ナトリウムを加える量を増やすと、発生する二酸化炭素の質量は増えます。
しかし、うすい塩酸の体積が30mlと一定なので、発生する二酸化炭素の質量は頭打ちになります。
問題文の表において、「反応後のビーカー全体の質量(g) − 加えた炭酸水素ナトリウム(g)」より、問題の表に点を打っていくと、解答例のとおりになります。
問3 答 3.4 g
表より、うすい塩酸の体積が30mlが過不足なくすべて反応すると、二酸化炭素が1.7g発生することが分かります。
炭酸水素ナトリウム1.0gが過不足すべて反応すると二酸化炭素が0.5g発生するので、二酸化炭素が1.7g発生するするときの炭酸水素ナトリウムの質量をxとして比例式を立てると、
1.0:0.5=x:1.7 ⇔ 0.5x=1.7 ⇔ x=1.7×2=3.4g
となります。
化学の計算問題は、「過不足なくすべて反応する部分」に着目すると解けます。
問4 答 2.0 g
問3より、うすい塩酸30mlが過不足なくすべて反応すると、炭酸水素ナトリウムが3.4gが過不足なくすべて反応し、二酸化炭素が1.7g発生します。
同じ濃度のうすい塩酸60mlからは、炭酸水素ナトリウムが3.4g×2=6.8gが過不足なくすべて反応し、二酸化炭素が1.7g×2=3.4g発生します。
これより、炭酸水素ナトリウム4.0gは過不足なくすべて反応したことがわかります。
炭酸水素ナトリウムが3.4gが過不足なくすべて反応すると二酸化炭素が1.7g発生するので、炭酸水素ナトリウム4.0gが過不足なくすべて反応したときに発生する二酸化炭素の質量をxと起き比例式を立てると、
3.4:1.7=4.0:x ⇔ 4.0:x=2:1 ⇔ x=4.0×1/2=2.0g
となります。
大問4 化学変化とイオン(中3・化学)
問1 答 気体:水素、電流:B
亜鉛は銅よりイオン化傾向が大きいので、亜鉛はうすい塩酸にとけZn2+となり、電子を2つ放出します。
放出された電子は銅板に移動します。
塩酸HClは電解質なので、H+とCl–に電離します。
マイナスとプラスはくっつくので、銅板に移動した電子2個をH+が受け取り、水素(H2)が発生します。
マイナスどうしプラスどうしは反発します。
亜鉛から電子(-の電気)が放出され銅に移動するので、亜鉛板が陰極(-極)、銅板が陽極(+極)です。
電流と電子の移動の向きは逆向きとなるので、電流は銅板から亜鉛板(問題のAの向き)に流れます。
電流は+極から−極に流れるプラスの電気であることを覚えましょう。
問2 答 ア:Zn、イ:Zn2+
亜鉛は銅よりイオン化傾向が大きいので、うすい塩酸に溶け、解答例のとおりZn2+となり、電子を2つ放出します。
溶けるとは、イオンになることです。
問3 答 a:イ、b:ア
電流が流れるためには、イオン化傾向の異なる金属かつ電解質の水溶液が必要です。
砂糖水とエタノールは水中で分子として存在するので、電解質の水溶液ではありません。
なお、2種類の金属のイオン化傾向の差が大きいほど、電圧が大きくなり、オームの法則より電流が大きくなります。
大問5 化学変化とイオン(中3・化学)
問1 答 ア、イ、ウ
問題文より、うすい塩酸10mLとうすい水酸化ナトリウム10mLで完全に中和することが分かります。
最初はうすい塩酸10mLのみあり酸性(BTB溶液が黄色)なので、酸性→中性(BTB溶液が緑色)まで、中和が起こっています。
水溶液がアルカリ性(BTB溶液が青色)になると、中和が起こりません。
問2 答 H+ + OH– → H2O
酸性とは、水中にH+があるがOH–が無い状態です。
アルカリ性とは、水中にOH–があるがH+が無い状態です。
酸性とアルカリ性の性質を互いに打ち消し合うとは、H+とOH–が反応して水(H2O)になる反応のことです。
中和が起こると、必ず水と塩ができます。
塩は、酸の陰イオンとアルカリの陽イオンが反応してできます。
問3 答 ウ
水素イオン(H+)は中和が起こっているあいだ減り続けるので、ウのグラフとなります。
アのグラフは中和が起こらなくなると増えるので、水酸化物イオン(OH–)です。
エのグラフは数が一定なので、塩酸が電離してできる塩化物イオン(Cl–)です。
なお、塩酸の電離式は「HCl→H++Cl–」、水酸化ナトリウムの電離式は「NaOH→Na++OH–」で、H+とNa+とOH–との係数の比がすべて1:1なので、グラフの傾きの絶対値が等しくなります。
水素イオン(H+)の数が半分になると、ナトリウムイオン(Na+)の数と等しくなることも抑えましょう。
大問6 植物の生活と種類(中1・生物)
問1 答 咲かない:胞子、咲く:種子
花が咲く植物は種子植物で、花が咲かない植物は種子をつくらない植物(シダ植物とコケ植物)です。
シダ植物は胞子で前葉体をつくり(無性生殖)、精子と卵が受精して(有性生殖)なかまを増やします。
コケ植物は、雨の日などに雄株の精子が雌株にいき受精して(有性生殖)、雌株の胞子のうから胞子が乾いて飛び散ることで仲間を増やします(無性生殖)。
シダ植物とコケ植物は、仲間の増やす順序が異なりますが、胞子で仲間を増やす点が共通しています。
問2 答 ア、エ
Aはスギゴケなので、コケ植物です。
コケ植物特有の特徴は、根・茎・葉の区別がなく体の表面で水を吸収すること、雄株と雌株に分かれている場合が多いことです。
また、コケ植物の根は仮根で、身体を地面に固定する役割をしています。
シダ植物は根・茎・葉の区別(維管束)があり、根で水を吸収します。
シダ植物の茎は地下茎で、葉は地上に出ている部分全体が1枚の葉です(葉柄と葉芯からなる)
問3 答 ①、②
問題文より、裸子植物のはなしをしています。
裸子植物には、マツ、イチョウ、ソテツなどがあります。
スギナはシダ植物(胞子体がつくし)、サクラは被子植物−双子葉類−離弁花類です。
問4 答 イ、ウ、エ
Dの分類基準は、胚珠が子房に包まれているです。
EとFは子葉の枚数で分類しているので、双子葉類または単子葉類です。
Fがツツジなので、Fは双子葉類、Eは単子葉類です。
単子葉類は、子葉が1枚、葉脈が平行脈、茎の維管束が全体に散らばり、ひげ根です。
大問7 大地の変化(中1・地学)
問1 答 主要動
解答のとおりです。
問2 答 初期微動継続時間
解答のとおりです。
問3 答 4倍
地震が発生すると、速さの異なるP波とS波が同時に発生します。
P波は縦波で、波の進行方向と振動方向が同じなため、S波より速いです。
S波は横波で、波の進行方向と振動方向が垂直なため、P波より遅いです。
観測地点に最初に到達するのはP波で、このときの揺れを初期微動といいます。
P波が到達してからS波が到達するまでの時間を初期微動継続時間(P-S時間)といい、初期微動継続時間は震源距離(=震央距離)に比例します。
S波が到達したときの揺れを主要動といいます。
観測点Aの初期微動継続時間は5秒、観測点Cの初期微動継続時間は20秒で、初期微動継続時間の比が1:4なので、震源距離の比も1:4となります。
ゆえに、観測点Cの震源距離は観測点Aの4倍です。
問4 答 震度:ア、規模:マグニチュード
震度は揺れの大きさで、観測点により異なります。
波は減衰するので、震源距離が短い観測点Aの方が揺れが強く、震度が大きくなります。
地震の規模を表す尺度をマグニチュードといい、震度とは異なり一つの地震で一つの値となります。
マグニチュードは2大きくなるとエネルギーが1000倍になるので、マグニチュードが1大きくなるとエネルギーは√1000=10√10≒32倍となります。
大問8 天気とその変化(中2・地学)
問1 答 断面:ア、名前:寒冷前線
寒冷前線の断面図の問題です。
図2は温帯低気圧で、南西の方向から見ると、前線面の左側が寒気、右側が暖気です。
低気圧はコリオリの力のため反時計回りに風が吹き込みます。
それゆえ、寒気が左側から暖気の下にもぐり込み、暖気を垂直に押し上げ、激しい上昇気流を生じるため、積乱雲が発生し、前線付近50〜60kmに激しい雨を降らせます。
寒気が暖気の下にあるのは、冷たい空気は沈み、暖かい空気は上昇する性質があるからです。
問2 答 ①:偏西風、②:北(北西)、③:低く
北緯30〜60度付近で吹く西寄りの風を、偏西風といいます。
日本は北緯20〜46度の間にあり、上空に偏西風が吹くため、温帯低気圧が西から東に移動します。
温帯低気圧の移動により、地点Xが図2から図3に移り変わった場合、寒冷前線が通過しています。
寒冷前線が通過すると、暖気から寒気に変わるため、気温が下がります。
また、風が南寄りから北寄りに変化します(低気圧の上空からの図を見れば明らか)。
問3 答 積乱雲
問1解説参照。
大問9 天気とその変化(中2・地学)
問1 答 露点
解答例のとおりです。
問2 答 水蒸気量を増やす
図は雲ができるメカニズムを確かめる実験です。
ピストンを引くとフラスコ内部の気圧が下がり、フラスコ内部の空気が断熱膨張して気温が下がり、空気が露点に達してフラスコ内が白く曇ります。
このとき、フラスコ内の水蒸気量が多いほど露点が上がり、フラスコ内の空気の温度を大きく下げなくても露点に達し、白く曇りやすくなり、実験がやりやすくなります。
ゆえに、少量の水を丸底フラスコに入れたのは、フラスコ内部の水蒸気量を増やすためです。
水滴が発生しやすくするために、線香の煙を入れることもあります。このとき、線香の煙が凝結核の役割をなします。
問3 答 a:ア、b:ア、c:イ
問2解説参照。
大問10 生命の連続性(中3・生物)
問1 答 ア
細胞の観察手順の問題です。
植物は、根の成長点(根端分裂組織)で細胞分裂が盛んに行われるので、根の先端から5mmほどの部分を切り取ります。
その後、酢酸で固定(細胞を生きた状態に近いまま殺す)し、塩酸で細胞壁間の接着物質を溶かし、細胞どうしを離しやすくします(解離法)。
次に、酢酸オルセイン溶液や酢酸カーミン溶液で染色(ここで固定もできる)し、プレパラートを作り、ろ紙ではさんで軽く押しつぶし、細胞どうしの重なりをなくし、観察しやすくします(押しつぶし法)。
問2 答 対物レンズ:a、視野:エ
対物レンズは、長いほど倍率が大きくなります。接眼レンズは、短いほど倍率が大きくなります。
倍率が高くなると、視野が狭く暗くなります。
暗くなるのは、光が当たる範囲が狭くなるからです。
顕微鏡の倍率(接眼レンズの倍率×対物レンズの倍率)が2倍、3倍・・・となると、視野と明るさは1/4倍、1/9倍・・・になります。
問3 答 エ→ア→イ→ウ→オ
植物の体細胞分裂の順序についての問題です。
間期(エ)で染色体が複製され2倍になり、核膜が消失し(ア)、染色体が赤道面に並び(イ)、染色体が半分ずつ両極に移動し(ウ)、細胞板が中央から細胞質を分裂し(オ)、細胞質分裂が起こります。
大問11 生命の連続性(中3・生物)
問1 答 胚
解答例のとおりです。
問2 答 栄養生殖
解答例のとおりです。
問3 答 イ、ウ
無性生殖とは、受精せずに仲間(子)を増やす増やし方です。
無性生殖には、
1個体が2個体以上に分かれて増える「分裂」(ウ)、
親のからだの一部に突起ができ、それが大きくなって親から分かれて増える「出芽」、
根や茎や葉の一部から新しい個体が生じて増える「栄養生殖」(イ)、
があります。
問4 答 有性生殖:キ、無性生殖:イ
有性生殖では、減数分裂により、精子と卵(動物の場合。被子植物では精細胞と卵細胞)ができます。
この場合、自家受粉によりAaどうしを掛け合わせると、Aとaに分かれて精子と卵ができます。
Aとaが組み合わされ、AAとAaとaaの遺伝子をもつ子が発生します。
遺伝子の組み合わせは、中3数学の式の展開「(a+b)(c+d)=ac+ad+bc+bd」を使えば、簡単に求められます。
無性生殖では、親と全く同じ形質をもつ子ができるので、Aaの遺伝子をもつ子のみが発生します。