こんにちは、個別指導塾まさです。

 

今回は、2012年に行われた北海道公立高校入試の理科の過去問を解説していきます。

 

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個別指導塾まさ

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大問1 身のまわりの物質(化学分野・中1)

問1

(答)(1)水、(2)二酸化炭素、(3)ア

砂糖は有機物(C、H、Oから成る物質)なので、酸化する(燃やす)と二酸化炭素(CO2)と水(H2O)が発生します。

(1)

塩化コバルト紙が青色から赤色に変化したことから、集気びんの内側についた液体は水であることが分かります。

(2)

石灰水が白く濁ったことから、二酸化炭素が発生したことが分かります。

石灰水が白く濁るのは、石灰水(水酸化カルシウム)(アルカリ性)と二酸化炭素(酸性)が反応すると、中和が起こり水に溶けにくい炭酸カルシウムの塩ができるからです。

炭酸カルシウムに二酸化炭素を通し続けると、炭酸カルシウムが水に溶けやすい炭酸水素カルシウムとなり、再び透明な水溶液となります。

「石灰水が白く濁る=二酸化炭素」だけでは、今の難しい理科の問題は解けませんよ。

(3)

(1)(2)から、砂糖を燃焼させると水と二酸化炭素が発生しているので、砂糖は有機物であることが分かります。

 

問2

(答)(1)C、(2)Cu、(3)CO2

実験2は、酸化銅の還元のはなしをしています。

酸化銅の炭素による還元では、以下のような化学反応が起こります。

2CuO + C → 2Cu + CO2

この反応と実験方法は知っていて当たり前。

さらに突っ込んで、還元に必要な炭素量のグラフ、酸化銅の水素による還元についても押さえてください。

 

問3

(答)エ

金属に共通する性質は、以下の3つです。

①金属光沢(選択肢ウ)、②延性・展性(選択肢イ)、③電気伝導性・熱伝導性(選択肢ア)

金属に共通しない性質は、「磁石につく」ことです。

鉄・ニッケル・コバルトなどは磁石につきます。

大問2 大地の変化(地学分野・中1)

図1の柱状図に火山灰の層(凝灰岩の層=かぎ層)がありますが、柱状図の深さ、採取した場所の標高が不明なので、2つの柱状図は水平なのか傾いているのかは分かりません。

 

問1

(答)エ

教科書に書かれている内容です。

こういう問題に対処できるよう、教科書も必ず2〜3読してください。

 

問2

(答)(1)ア、(2)イ

図2の写真より、Wの火山灰はXの火山灰より白っぽい鉱物(セキエイ、チョウ石)の割合が多いことが分かります。

白っぽい鉱物の割合が多いと二酸化ケイ素の割合も多くなるので、火山灰の元であるマグマの粘り気が大きく、噴火は爆発的噴火となります。

黒っぽい鉱物割合が多いと二酸化ケイ素の割合も少なくなるので、マグマの粘り気が小さく、噴火はおだやかとなります。

 

問3

(答)ウ

層XとZ、層WとYは繋がっています。

地層が堆積した順序は、層D,G→層X,Z→層C,F→層W,Y、です。

以上から、層Cは層Dよりも後に堆積したことが分かります。

大問3 動物の生活と生物の変遷(生物分野・中2)

問1

(答)(1)軟体、(2)イ

セキツイ動物と無セキツイ動物の違いは、背骨があるか無いかです。

無セキツイ動物は、外骨格の有無で区別し、次に外とう膜の有無で区別します。

外とう膜がある動物を軟体動物と言い、イカやアサリなどが該当ます。

 

問2

(答)

AとBのちがい:ウ

CとDのちがい:ア

AとBですが、イカとイワシ(魚類)はえら呼吸でウミガメ(ハチュウ類)とペンギン(鳥類)とクジラ(ホニュウ類)は肺呼吸という違いで分けられています。

両生類は、子はえら呼吸、親は肺呼吸をします。

CとDですが、イカとイワシ(魚類)とウミガメ(ハチュウ類)は変温動物、ペンギン(鳥類)とクジラ(ホニュウ類)は恒温動物という違いで分けられています。

なお、魚類と両生類は卵生(水中)、ハチュウ類と鳥類は卵生(陸上)、ホニュウ類は胎生です。

体の表面の違いも押さえてください。

 

問3

(答)骨格の基本的なつくりが同じである。

相同器官の特徴については、問題文ごと暗記しましょう。

形とはたらきが異なる理由は、それぞれの生活環境に応じて、生存に適したからだの作りを獲得してきたためだからです。

大問4 身のまわりの現象(物理分野・中1)

問1

(答)1080Pa(N/m2)

単位に注意して計算するだけです。

圧力(Pa)=圧力(N/m2)=2.7N(5cm×5cm)=2.7N/(5/100m×5/100m}=(2.7×100×100)/(5×5)N/m2=2.7×100×4=1080N/m2

 

問2

(答)(a)イ、(b)ア、(c)2.5

物体は水中では、上下左右から水圧を受けます。

左右の水圧は等しいので打ち消し合いますが、下面の水圧は上面の水圧より大きいので、物体は上向きの力を受けることになります。

この力のことを浮力といいます。

実験[1]でばねばかりの値は2.7Nですが、実験[3]で0.2Nを示したことから、浮力の大きさは2.5Nと分かります。

 

問3

(答)ウ

アルキメデスの原理より、浮力は物体が押しのけた液体の重さに等しいです。

液体の重さは質量に比例し、液体の質量は液体の密度と体積で決まります。

この問題では、直方体の体積は一定なので、液体の質量は液体の密度を大きくすることで増大し、液体の重さも増大して浮力が大きくなります。

大問5 生命の連続性(生物分野・中3)

問1

(答)イ、オ

中学理科において、無性生殖は、分裂、出芽、栄養生殖の3つに大別されます。

選択肢イは分裂、選択肢オは栄養生殖です。

選択肢ア・ウ・エは、有性生殖です。

選択肢アは、裸子植物の有性生殖のはなしです。

雄花のりん片にある花粉のうから出た花粉が雌花のりん片にある胚珠に付着して受粉し、翌年の春から夏にかけて受精し、胚珠は種子に、雌花はまつかさになります。

選択肢ウは、被子植物の有性生殖のはなしです。

めしべの柱頭に花粉が付着して受粉し、花粉から花粉管が伸びて精細胞(2個)を卵細胞に運び受精し、胚珠は種子に、子房は果実になります。

被子植物は胚珠が子房に包まれているので、種子は果実の中にあります。

選択肢エは、動物の有性生殖のはなしです。

雄の体細胞が減数分裂して精子が、雌の体細胞が減数分裂して卵ができ、受精して子が発生します。

 

問2

体細胞分裂の様子について問われています。

間期で染色体が2倍に複製→核膜と核小体が消失→紡錘体が形成され染色体が赤道面に並ぶ(細胞A)→縦裂面で分裂し両極に半分ずつ移動(細胞B)→細胞質分裂(細胞C)

という流れです。

 

問2

(答)(1)ウ、(2)イ

(1)

問1より、細胞Cの染色体の数は、細胞Bの片方の極の染色体の数と等しくなることが分かります。

(2)

精細胞は、体細胞が減数分裂してできます。

精細胞の染色体の数は、体細胞の半分です。

体細胞の核ひとつ当たりの染色体の数は、X本です。

ゆえに、精細胞の染色体の数はその半分のX/2本と分かります。

なお、精子と精細胞、卵と卵細胞をまとめて生殖細胞といいます。

精子と卵は動物の生殖細胞、精細胞と卵細胞は被子植物の生殖細胞です。

大問6 身のまわりの物質(化学分野・中1)

問1

(答)18%

質量パーセント濃度は、溶質(溶けている物質)の質量と、溶媒(溶かすもの)の質量に着目して立式します。

溶質(溶けている物質)の質量は22g(30g−8g)、溶媒(水)の質量は100gなので、質量パーセント濃度は以下のように計算できます。

質量パーセント濃度(%)=22g/(22g+100g)×100=18.03・・・%≒18%

 

問2

(答)(1)ウ、(2)結晶

選択肢アの結晶は硝酸カリウム、選択肢イの結晶はミョウバン、選択肢ウの結晶は食塩(塩化ナトリウム)です。

いずれも、無色であることに注意してください。

 

問2

(答)(1)イ、(2)ウ

(1)

結晶が析出する温度が問われているので、実験内容を溶解度曲線に合わせます。

60℃・水200g・溶質50g→60℃・水100g・溶質25g

以下のように棒グラフをスライドさせると、ミョウバン(ビーカーB)が最も早く(最も高い温度で)結晶が析出することが分かります。

 

(2)

(1)のグラフより、10℃において、硝酸カリウムとミョウバンは一部結晶が析出していますが、食塩は結晶が析出しておらず、全て溶けていることが分かります。

なお、この問題ではどの物質がどの溶解度曲線なのか図に書かれていますが、硝酸カリウムと食塩(塩化ナトリウム)の溶解度曲線の形は覚えましょう。

再結晶の方法は、硝酸カリウムは温度による溶解度の変化が大きいので冷やす、食塩(塩化ナトリウム)は温度による溶解度の変化が小さいので水を蒸発させます。

この知識があると、実験[3]の意味が分かるはずです。

大問7 電流とその利用(物理分野・中2)

問1

(答)(1)化学、(2)位置

火力発電と水力発電のメカニズムは、問題文ごと暗記しましょう。

原子力発電は、ウランの核エネルギーを水蒸気の熱エネルギーに変えてタービンを回して発電します。

 

問2

(答)(1)ア、(2)ほぼ同じであるが表面温度は蛍光灯のほうが低いこと

まず、以下の式を押さえてください。

消費電力P(W)=消費電力P(J/s)=電流I(A)×電圧V(V)

電力量W(J)=電気エネルギーW(J)=消費電力P(W)×時間t(s)

投入した電気エネルギーは、光エネルギーと熱エネルギーに移り変わります。

この場合の変換効率とは、投入した電気エネルギーが、どれだけ光エネルギーに変換されているかです。

白熱電球Aと蛍光灯Cは同じ明るさなので、光エネルギーが同じです。

しかし、白熱電球Aは蛍光灯Cより表面温度が高いので、熱エネルギーは白熱電球Aの方が大きいです。

つまり、投入した電気エネルギーは、白熱電球Aの方が大きいです。

白熱電球Aは投入した電気エネルギーが大きいですが、蛍光灯Cと同じ光エネルギーなので、変換効率は白熱電球Aの方が低いと言えます。

 

問3

(答)7200J

電力量W(J)=電気エネルギーW(J)=消費電力P(W)×時間t(s)

より、

電力量W(J)=電気エネルギーW(J)=40W×180s=40J/s×180s=7200J

大問8 地球と宇宙(地学分野・中3)

問1

(答)(1)地球、(2)木星、(3)ア

地球型惑星は、水星—金星—地球—火星、です。

木星型惑星は、木星—土星—天王星—海王星、です。

地球型惑星は質量や体積は小さいが、岩石でできているため密度が大きいです。

木星型惑星は質量や体積は大きいが、ガスでできているため密度が小さいです。

水星—金星—地球—火星—木星—土星—天王星—海王星、それぞれの惑星の特徴を押さえてください。

 

問2(1)

(答)位置:E、時刻:イ

図の金星は左側が欠けているので、明け方東の空に見えます(明けの明星)。

明けの明星のとき、金星はE〜Gの位置にいます。

夕方西の空に見える(よいの明星)とき、金星はB〜Dの位置にいます。

金星の欠け方から、このときの金星の位置は地球の近くにあります。

ちなみに、金星はこのとき最も明るく見えます(最大光輝)。最大光輝は、DとEです。

また、地球から金星の軌道に対する接線上に位置するCとDのとき、金星が太陽から最も離れて見え、最も長い時間見ることができます。

 

問2(2)

(答)(a)B、(b)イ、(c)イ

(a)

金星の公転周期は0.62年より、0.62年で360°反時計回りに公転します。

比例式を立てて、1年では360°と約240°反時計回りに公転します。

0.62:360=1:x⇔0.62x=360⇔x=360/0.62=(360×100)/62≒6×100=600=360+240

これから、金星の位置はBとわかります。

(b)(c)

金星がBの位置にあるとき、夕方西の空に見えます(よいの明星)。

金星がD→Bに公転するにつれ、地球から観測できる金星の見かけの大きさと明るさが小さくなっていきます。