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今回は、2022年に行われた、兵庫県公立高校入試「理科」の問題・解答・詳しい解説を公開致します。

 

※難問が多く、非常に難しいセットです。ただし、解答不能な難問は含まれていませんでした。

 

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家庭教師のそら

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大問1 1番 刺激の伝達 ★(2)がやや難、(3)が難

兵庫県公立高校入試理科2022年(令和4年)過去問題

 

(1)

解答:エ

解説:

刺激の判断や命令を行う大脳は、せきずいと合わせて中枢神経です。

 

(2) ★やや難

解答:イ

解説:

図2は正面にせきずいの腹側があるので、左側の手がBさんの右手、右側の手がBさんの左手です。

首より下に感覚器官がある場合、刺激は、感覚器官→感覚神経→せきずい(背中側)→大脳→せきずい(腹側)→運動神経→運動器官、の順で伝達します。

 

(3) ★難

解答:ウ

解説:

「となりの人に右手をにぎられてから別の人の右手をにぎる」とあるので、刺激を受けて大脳で判断して行動を起こす人が対象で、それは、AさんとJさん以外の8人です。

1回目:(2.59-0.20)秒/8人=2.39/8[秒/人]

2回目:(2.40-0.20)秒/8人=2.20/8[秒/人]

3回目:(2.33-0.20)秒/8人=2.13/8[秒/人]

(2.39/8+2.20/8+2.13/8)÷3=6.72/24=0.28秒/人

 

(4)

解答:オ

解説:

反射では、刺激の伝達信号が大脳を通らず、大脳での判断がありません。

ア:大脳が「感動した」と判断しているので、刺激ではありません。

イ:大脳が「目覚まし時計が鳴った」と判断しているので、刺激ではありません。

ウ:「地震のゆれを感じた」と大脳が判断しているので、刺激ではありません。

エ:条件反射であるので、大脳が判断しているため、刺激ではありません。

オ:正しい。

 

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大問1 2番 筋肉のつくり ★(2)が難、(3)がやや難

兵庫県公立高校入試理科2022年(令和4年)過去問題

 

(1)

解答:けん

解説:

単純な知識問題なので、解説略。

 

(2) ★難

解答:①・・・ア、②・・・250N

解説:

力のモーメントについての内容です。あまり見られない出題内容です。

おもりの重さ[N]×作用点から支点までの距離[m](図のA-C)=力点に加える力の大きさ[N](図のB)×力点から支点までの距離[m](図のB-C)

30N×25×(1/100)m=F×3×(1/100)m

F=250N

 

(3) ★やや難

解答:縮む筋肉・・・DとF、ゆるむ筋肉・・・GとI

解説:

うでを伸ばすというパターンが普通ですが、指を伸ばすパターンは滅多に見られません。

指を伸ばすと、指と繋がった筋肉Gがゆるみ、筋肉Dが縮みます。

うでを伸ばすと、筋肉Iがゆるみ、筋肉Fが縮みます。

 

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大問2 1番 火成岩 ★(4)がやや難

兵庫県公立高校入試理科2022年(令和4年)過去問題

兵庫県公立高校入試理科2022年(令和4年)過去問題

 

(1)

解答:ア

解説:

単純な知識問題なので、解説略。

 

(2)

解答:エ

解説:

火成岩Aは無色鉱物が多いこと、火山岩であることから、流紋岩が適切です。

 

(3)

解答:⑤・⑥ア、⑦ア

解説:

火成岩Bは無色鉱物が多いことから、マグマのねばりけが大きく、火山は爆発的噴火をして、溶岩ドームを形成します。

 

(4) ★やや難

解答:ウ

解説:

ア:マグマのねばりけは、チョウ石の割合が20%だと小さく、チョウ石の割合が60%付近では大きいです。

イ:マグマのねばりけが最大のとき、有色鉱物の割合は10%未満です。

ウ:正しい。

エ:マグマのねばりけが最小ではないとき(左よりのとき)、無色鉱物であるチョウ石の割合が40%以上になっています。

大問2 2番 地震 ★(3)がやや難、(4)が難

兵庫県公立高校入試理科2022年(令和4年)過去問題

 

(1)

解答:エ

解説:

①:P波とS波が同時に発生します。

②:正しい。

③:初期微動継続時間は震源距離に比例します。

④:正しい。

 

(2)

解答:イ

解説:

P波の速度[km/s]=(72-60)km/(24-21)s=4km/s

B地点より、地震発生からP波が到達するまでの時間は、60km/(4km/s)=15s。

よって、地震発生時刻は、8時49分21秒の15秒前の8時49分06秒です。。

 

(3) ★やや難

解答:ウ

解説:

S波の速度[km/s]=(72-60)km/(30-26)s=3km/s

地震発生から地点BにP波が到達するまでの時間は、60km/(4km/s)=15s。

地震発生から105kmの地点に緊急地震速報が到達するまでの時間は、15+4=19s。

地震発生から105kmの地点にS波が到達するまでの時間は、105km/(3km/s)=35s。

よって、105kmの地点に緊急地震速報が到達してから、35-19=16秒後にS波が到達します。

 

(4) ★難

解答:エ

解説:

X:北アメリカプレートと太平洋プレートの境界が見えるので、選択肢アです。

Z:Zと逆向きに見ているので、選択肢ウです。

W:太平洋側でフィリピン海プレートがユーラシアプレートに潜り込んでいるので、選択肢エです。選択肢エでは、右側が太平洋側で、ユーラシアプレートが潜り込むため、震源が深くなっています。

Y:Wと逆向きに見ているので、選択肢イです。

大問3 1番 水の電気分解 ★(2)がやや難、(4)が難

兵庫県公立高校入試理科2022年(令和4年)過去問題

 

(1)

解答:ウ

解説:

水酸化ナトリウムは、アルカリ性の水溶液です。

アとイとエは、酸性の水溶液の性質を表しています。

 

(2) ★やや難

解答:エ

解説:

電子オルゴールの+端子(電流が流れ込む)が酸素がある電極X端子に繋がれているので、電流は電極Xから電極Yに流れます。

電流の流れる方向と電子の移動方向は逆向きであるので、電子は電極Yから電極Xに流れます。

電子オルゴールの-端子は水素がある電極Yに繋がれているので、水素が反応しています。

 

(3)

解答:①・②イ、③ア

解説:

図2の装置は、燃料電池です。

燃料電池では、水素と酸素がもつ化学エネルギーを、電気エネルギーに変換しています。

 

(4) ★難

解答:ウ

解説:

水の電気分解の化学反応式は、以下のとおりです。

2H2O→2H2+O2

電気分解により、水:水素:酸素=2:2:1の体積比になっています。

A:燃料電池により、水素が2cm3、酸素が1cm3反応して、水が2cm3生じています。水素が5cm3-3cm3=2cm3残ります。

B:燃料電池により、水素が4cm3、酸素が2cm3反応して、水が4cm3生じています。

C:燃料電池により、水素が4cm3、酸素が2cm3反応して、水が4cm3生じています。酸素が7cm3-6cm3=1cm3残ります。

D:燃料電池により、水素が4cm3、酸素が2cm3反応して、水が4cm3生じています。酸素が8cm3-6cm3=2cm3残ります。

以上より、燃料電池で発生した水の体積が、A<B=C=Dであるので、水の密度を1.0g/cm3と仮定すると、生じた水の質量もこの大小関係になります。

大問3 2番 中和 ★(4)が難

兵庫県公立高校入試理科2022年(令和4年)過去問題

 

(1)

解答:イ

解説:

Ba2+より、選択肢イが正解です。

 

(2)

解答:①・・・イ、②・・・エ

解説:

うすい水酸化バリウム水溶液にはOHが含まれているので、アルカリ性で、BTB溶液は青色になります。

表2のDとEを見て、ビーカーEではうすい水酸化バリウム20cm3がすべて反応して、うすい硫酸が多く含まれているため、酸性の水溶液だから、BTB溶液の色は黄色になります。

 

(3)

解答:ウ

解説:

表2より、ビーカーDではうすい水酸化バリウム20cm3とうすい硫酸40cm3が過不足なくすべて反応しています。

水溶液中にイオンは含まれていないので、電流の大きさは0です。

ビーカーEではうすい水酸化バリウム20cm3がすべて反応して、うすい硫酸が多く含まれています。

水溶液中にイオンは含まれているので、電流が流れます。

 

(4) ★難

解答:67%

解説:

うすい水酸化バリウム20cm3とうすい硫酸40cm3が過不足なくすべて反応します。

Aでは、うすい水酸化バリウム5cm3=20cm3×1/4と、うすい硫酸10cm3=40cm3×1/4が反応して、うすい水酸化バリウムが15cm3余っています。

Eでは、うすい硫酸が50cm3-40cm3=10cm3が余っています。

過不足なく反応したときの体積比は、うすい水酸化バリウム:うすい硫酸=20cm3:40cm3=1:2です。

うすい水酸化バリウムが15cm3とうすい硫酸10cm3を混ぜ合わせると、

うすい水酸化バリウム:うすい硫酸=1:2=5cm3:2×5cm3=5cm3:10cm3

よって、うすい水酸化バリウムが10cm3(15cm3-5cm3)余ります。

この中和の電離式と化学反応式は、以下のとおりです。

H2SO4→2H++SO42-

Ba(OH)2→Ba2++2OH

2H++2OH→2H2O

Ba2++SO42-→BaSO4

H2SO4+Ba(OH)2→2H2O+BaSO4

まず問題文より、うすい水酸化バリウムが10cm3には200×1/2=100個のバリウムイオンが残っていることが分かります。

上式より、バリウム1個に対して水酸化物イオンが2個存在することから、水酸化物イオンは200個存在します。

イオンの総数は300個(100+200)、陰イオンである水酸化物イオンは200個あるので、陰イオンの割合は、

200/300×100=200/3=66.6・・・≒67%

大問4 1番 消費電力 ★(2)が難

兵庫県公立高校入試理科2022年(令和4年)過去問題

 

(1)

解答:エ

解説:

コイルに電流が流れると磁界が生じます。

金属製の鍋の底にはコイルがあるので、電磁誘導が起こり、誘導電流が流れて熱が発生します。

 

(2) ★難

解答:①・・・ア、②・・・5通り、③・・・428W

解説:

家庭用のコンセントは、すべて並列回路です。

消費電力P[W]=I[A]×V[V]より、電流I[A]=P[W]/V[V]

100Vの電圧を加えたとき、

電気カーペットの電流=400W/100V=4A

そうじ機の電流=600W/100V=6A

ノートパソコンの電流=80W/100V=0.8A

ヘアドライヤーの電流=1200W/100V=12A

よって、家庭用のコンセントはすべて並列回路であることに留意すると、

電気カーペットは、掃除機、ノートパソコン、掃除機+ノートパソコン、の3通りと同時につなぐことができます。

そうじ機は、ノートパソコンの1通りと同時につなぐことができます。

ノートパソコンは、ヘアドライヤーの1通りと同時につなぐことができます。

よって、合計5通りになります。

家庭用のコンセントはすべて並列回路であることに留意して、消費電力の大きさの合計は、掃除機の消費電力の大きさをxとすると、

(360W×4h+x×0.5h+80W×2h+1200W×1/3h)≦(400W×4h+600×0.5h+80W×2h+1200W×1/3h)×0.9

10×(360W×4h+x×0.5h+80W×2h+1200W×1/3h)≦9×(400W×4h+600×0.5h+80W×2h+1200W×1/3h)

80W×2h+1200W×1/3h+(5x-2700)≦0

160+400+5x-2700≦0

5x≦2140

X≦428W

よって、取り替えることができるそうじ機の最大の消費電力は428Wです。

大問4 2番 力学的エネルギー保存の法則 ★(4)がやや難

兵庫県公立高校入試理科2022年(令和4年)過去問題

兵庫県公立高校入試理科2022年(令和4年)過去問題

 

(1)

解答:ウ

解説:

ア:物体の重力による斜面に垂直方向の分力(重力×底辺/斜辺)と垂直抗力がつり合います。

イ:小球には重力による斜面方向の分力が働きます。式は「重力×高さ/斜辺」で、重力=一定、高さ/斜辺=1/2より、斜面方向の分力の大きさは一定です。

ウ:正しい。

エ:レールには摩擦力が働かないので、小球が水平面上にあるとき、運動方向には力がはたらかず、小球は等加速度運動をします。

 

(2)

解答:①ウ、②・③エ

解説:

表2で、1番から5番では0.1秒増えると小球の移動距離が増えているのに対し、5番→6番が22.8cm、6番→7番が24.3cm、7番→8番が24.3cmと変わらないので、5番と6番の間に点Bを通過したと考えられます。

水平面上での速度は、実験1では6番以降を見て、24.3cm/0.1s=243cm/s。実験2では7番→8番を見て、19.8cm/0.1s=198cm/s。よって、実験2の方が実験1よりも速度が小さいです。

はじめの位置が高いと位置エネルギーが大きいので、力学的エネルギー保存の法則より、水平面上での運動エネルギーが大きく、速さが大きくなります。水平面上での速度は実験1が実験2より大きいので、はじめの位置は、実験1の方が実験2の20cmより高いです。

 

(3)

解答:イ

解説:

はじめの位置が20cmと等しいので、位置エネルギーも等しいから、力学的エネルギー保存の法則より、水平面上での運動エネルギーも等しく、速さは等しいです。これより、選択肢アまたはイに絞られます。

実験3では実験2より斜面の傾きが小さいので、速さの増え方が小さいです。よって、選択肢イが正解です。

 

(4) ★やや難

解答:0.91秒

解説:

表3より、小球が水平面上にあるときの速度は19.8cm/0.1s=198cm/sです。(2)の考察より、図5で小球がBC間を移動するときの速度も198cm/sだから、BC間を移動するのにかかる時間は、60cm÷198cm/s=60/198[s]

はじめの位置からB点の平均の速さは(0+198cm/s)/2=99cm/sであるから、

はじめの位置からB点までにかかる時間は、60cm÷(99cm/s)=120/198[s]

これより、はじめの位置からC点までにかかる時間は、

60/198[s]+120/198[s]=180/198=0.9090・・・≒0.91s