指導経験20年以上のプロ家庭教師。北海道の高校受験に特化。勉強がとても苦手な子の指導が得意です。
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中学1年北海道学力テスト第1回「理科」(2022年)問題・解答・解説
大問1 双子葉類の特徴
★中1の前半に改めて勉強する内容です。
問1
解答:A・・・子葉、図2・・・ウ
解説:
図1のように、子葉が2枚の植物のなかまを双子葉類といいます。
双子葉類は図2のように、葉が網状脈(ア)、根(C)は主根と側根である(C)、という特徴があります。
問2
解答:B・・・くき、C・・・根
解説:
双子葉類は、茎(B)の維管束が輪状に配列されています。
問3
解答:①・・・ア、②・・・イ
解説:
虫めがねで物体を観察するとき、虫めがねを目に近づけます。
観察する物体が動かせる場合、物体を前後に動かして焦点を合わせます。
観察する物体が動かせない場合、虫めがねを目に近づけたまま、顔を前後に動かして焦点を合わせます。
虫めがねは凸レンズで、観察する物体を凸レンズの焦点の内側に置き、上下左右が同じ向きで物体より大きい正立虚像を作ることで、物体を拡大して観察することができます。
大問2 ステージ上下式顕微鏡の使い方
★中1の前半に改めて勉強する内容です。
問1
解答:A・・・接眼レンズ、B・・・対物レンズ
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問2
解答:ウ→イ→ア→エ
解説:
ステージ上下式顕微鏡の使い方は、「明るくしたあと、近づけてから遠ざける」と覚えるとよいです。
大問3 金属のあたたまり方
★中1の前半に改めて勉強する内容です。
問1
解答:イ
解説:
熱は拡散する(広がっていく)ので、図1において、熱した部分から最も遠い選択肢イが正解です。
近い・遠いの判断は、熱した部分を中心とする円を書き、半径が最も小さくなる点(エ)が近い、大きくなる点(イ)が遠い、とすることで出来ます。
問2
解答:カ
解説:
熱した部分を中心とする円を書くと、選択肢カ・ク・ケの半径が等しいので、熱した部分から同じ距離にあります。
水を容器の底部から熱すると対流が起こり、水の流れによって熱が上昇してから下降していきます。
これより、選択肢カ・ク・ケのうち、熱した部分とほぼ垂直方向の位置にある選択肢カに、最も早く熱が伝わり、示温インクの色が最も早く変化します。
なお「示温インク」は、中学理科では登場しない語句です。
問3
解答:似ているもの・・・水、体積・・・大きくなる
解説:
空気は流体なので、水と同様に、太陽の熱射によって対流が起こります。
ものが暖まると、ものを構成する粒子の動きがさかんになるため、体積は増加します。しかし、ものの質量は変わらないため、密度は小さくなります。
大問4 月と星と動き方
★中3の後半に改めて勉強する内容で、非常に差が付く分野です。2023年の北海道公立高校入試で難問が出題されました(>>2023年 北海道公立高校入試「理科」)
問1
解答:向き・・・イ、月の形・・・B
解説:
・向き
天体上で考えて、地球は地軸を中心に、西から東(反時計回り)に1日360°=1時間15°自転します。
このため、天球上の中心部分から南方向を見て(すなわち南の空から見て)、地球の自転により、太陽・月・星は、1時間に15°東から西に動いて見えます。これを、見かけの動きといいます。
図1は東の空なので、南の空で考えると南の方角の左側と置き換えて考えることが出来るので、満月はこの後、右側、すなわち選択肢イの方向へ動いて見えます。
・月の形
月の満ち欠けの周期(地球から見て月が地球を1周したと見なせる日数)は29.5日です。
それゆえ、天体上で考えて、図1の満月の日から約1週間後に観察すると、月の光って見える部分が左側半分のみ見える状態である下弦の月(A)が、真夜中・東の空に見えるようになります。
3時間は1/8日なので、図1から3時間後の月の状態は、ほぼ満月の状態で変わらないと考えられます。
問2
解答:カシオペア座
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問3
解答:カ
解説:
地球の自転により、太陽・月・星は、1時間に15°東から西に動いて見えます。
それゆえ、天球上で考えると、北の空では、星は北極星を中心に反時計回り(選択肢カ)に1時間に15°動いて見えます。これを、星の日周運動といいます。
問4
解答:①、④
解説:
①:正しい。月は地球の周りを反時計回りに公転する衛星なので、毎日同じ場所・同じ時刻に観察すると、見える位置と光って見える部分が変わります。なお、月の自転・公転周期は27.3日です。
②:天体上で考えて、星は地球から非常に遠くにある恒星なので、届く光は平行光線です。すなわち、時間の経過とともに位置が変化しないので、天球上に貼り付けて、位置を固定することができます。星座には季節の星座(真夜中に南の空に見える星座=太陽と反対方向にある星座)と、星占いの星座(太陽と同じ方向にある星座で太陽にさえぎられて観察できない)があります。カシオペア座が真夜中に南の空に見える季節がいつなのかは、高校入試では知らなくてもOKですが、見える季節が限定される星座は存在しないことは、季節の星座と星占いの星座の定義から明らかなので、この選択肢は誤りです。
③:星の明るさを示す尺度である「等級」という概念があるので、この選択肢は誤りです。
④:正しい。地球の自転により、星や星座は時間がたつと見える位置が変わります。しかし、星は地球から非常に遠くにある恒星で、届く光は平行光線なため、並び方は変わりません(参考:2022年 岡山県「理科」大問4)。
大問5 振り子の周期
★中3の後半に改めて勉強する内容で、非常に差が付く分野です。
問1
解答:1.1秒
解説:
表より、Aのふりこが10往復する時間の平均は、
(10.9秒+11.3秒+11.1秒)÷3=(22.0秒+11.3秒)÷3=33.3/3秒
よって、Aのふりこが1往復する時間の平均は、
33.3/3秒÷10=3.33/3秒=1.11秒≒1.1秒
問2
解答:AとB
解説:
調べたい条件が「おもりの重さ」なので、それ以外の条件が同じものを選べばよいので、図のAとBのふりこを比較するとよいです。
問3
解答:C
解説:
ふりこの周期(ふりこが1往復する時間)は、ふりこの糸の長さのみで決まります。これを、振り子の等時性といいます。
図A〜Dでは図Cのみ、ふりこの糸の長さが異なるので、図Cのみ振り子の周期が異なります。
大問6 動物の有性生殖
★中3の前半に改めて勉強する内容です。遺伝の問題がヤマになります。2023年の北海道公立高校入試では、遺伝の問題で難問が出題されました(>>2023年 北海道公立高校入試「理科」)
問1
解答:受精
解説:
めだかは魚類に属する動物なので、生殖細胞は、おすが精子でめすが卵です。
精子の核とたまごの核が結合して受精が起こり、染色体の数が元に戻ります。
問2
解答:②
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問3
解答:イ→エ→ア→ウ
解説:
受精卵から胚(自分でえさを取ることが出来る前段階)への成長の順番は、選択肢のとおりです。
高校入試では、胚の形と、発生の順番が問われます。
問4
解答:たまごの中に養分がたくわえられているから。(例)
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
大問7 流水のはたらき
★中1の前半に改めて勉強する内容です。
問1
解答:①・・・浸食、③・・・堆積
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問2
解答:イ
解説:
川がA側に蛇行しているので、A側の方が浸食が強くなります。
問3
解答:角がとれて丸みをおびている。(例)
解説:
堆積岩を構成する、れき・砂(2〜1/16mm)・泥は、流水のはたらきにより、角がとれて丸みをおびています。
対して、火成岩を構成する鉱物(セキエイ・チョウ石・クロウンモ・カクセン石・キ石・カンラン石)は、角張った形をしています。
大問8 二酸化炭素の性質
★中1の前半に改めて勉強する内容です。
問1
解答:石灰水・・・白くにごる。、気体・・・二酸化炭素
解説:
図1では、ろうそくの燃焼により二酸化炭素の濃度が高くなっているため、石灰水が白くにごります。
より詳しく言えば、二酸化炭素が石灰水にとけて炭酸(H2CO3)となって、石灰水(水酸化カルシウム水溶液 Ca(OH)2)と反応して、炭酸カルシウム(CaCO3)の塩が生じます。炭酸カルシウムは水にとけにくい白色の固体なので、炭酸カルシウムの粒子が石灰水中に拡散することで、石灰水が白くにごります。
※「石灰水に二酸化炭素を通すと白くにごる」だけでは、現在の難しい北海道公立高校入試理科の問題は解けません。
問2
解答:集気びんの中の酸素が少なくなったから。(例)
解説:
ろうそくのロウは有機物なので、酸素と化合して(燃えて)熱エネルギーを放出し、水と二酸化炭素に変化します。
図1でろうそくの火が消えた理由は、解答のとおり、酸素濃度が一定値を下回ったため、燃焼することが出来なくなったためです。
問3
解答:ア
解説:
空気を加熱すると、上昇気流が生じます。よって図2では、線香のけむりは選択肢アのように動きます。
大問9 酸の性質
★中3の前半に改めて勉強する内容です。
問1
解答:A・・・ウ、B・・・イ、C・・・ウ、D・・・ウ
解説:
うすい塩酸は気体の塩化水素(HCl)が水にとけてできたもので、水溶液中では水素イオン(H+)と塩化物イオン(Cl–)に電離しています。水素イオン(H+)により酸性の性質を示し、青色リトマス紙を赤色に変化させます。赤色リトマス紙の色は変化しません。
食塩水は塩化ナトリウム(NaCl)が水にとけてできたもので、水溶液中ではナトリウムイオン(Na+)と塩化物イオン(Cl–)に電離しています。どちらのイオンも酸性・アルカリ性の性質とは無関係なので、赤色リトマス紙も青色リトマス紙も色は変化しません。
問2
解答:塩酸は気体がとけている水溶液だから。(例)
解説:
うすい塩酸は気体の塩化水素(HCl)が水にとけてできたものなので、加熱すると再び気体の塩化水素に状態変化します。
問3
解答:ア、エ
解説:
問題文より、アルミニウムは完全に反応しています。しかし図3の試験管の液には、まだ反応することができるうすい塩酸が残っているかは、不明です。
この試験管の液を蒸発させると、うすい塩酸は気体の塩化水素に状態変化して、大気中に消えます。しかし、食塩水(塩化ナトリウム水溶液)は残っているので、蒸発皿に白色の個体である塩化ナトリウムが析出します。
塩化ナトリウムは、水によくとけますが、温度による溶解度の変化が小さいため、再結晶の方法として水溶液を蒸発させる方法を取ります。
また、塩化ナトリウム(NaCl)水溶液中ではナトリウムイオン(Na+)と塩化物イオン(Cl–)に電離しています。うすい塩酸は水溶液中では水素イオン(H+)と塩化物イオン(Cl–)に電離しています。これらのイオンを水溶液中でかき混ぜるだけでは、気体となるものは無い(電気分解では水素と塩素が発生する)ので、塩化ナトリウムをうすい塩酸に入れると、あわを出さずにとけると考えられます。
アルミニウムはうすい塩酸にもうすい水酸化ナトリウムにもとけて水素が発生することは、覚えて下さい。
大問10 仕事とエネルギー
★中2の後半に改めて勉強する内容です。
問1
解答:電気をたくわえるはたらき。(例)
解説:
単純な知識問題なので、解説略。コンデンサーは中学では習わず、高校物理で改めて勉強します。
問2
解答:発光ダイオードは、電気がほとんど熱に変わっていないから。(例)
解説:
豆電球は電気エネルギーを熱エネルギーに変換します。豆電球中のフィラメントが加熱されて光ることで、豆電球は光ります。
それに対してLEDは、電気エネルギーを直接光エネルギーに変換するため、ロスが非常に少なく、同じ電圧・電流のもとでは、豆電球より光り方が大きくなります。
問3
解答:ウ
解説:
問1と問2の考察から、明らかに選択肢ウが正しいと言えます。
大問11 消化と吸収
★中2の前半に改めて勉強する内容です。
問1
解答:口→ア→エ→カ→オ→こう門
解説:
消化器官のうち、食べ物の通り道となる部分を消化管といいます。
食べ物は、口→食道(ア)→胃(エ)→(十二指腸)→小腸(カ)→大腸(オ)→肛門、の順で通過していきます。
問2
解答:消化液・・・だ液、変化するもの・・・でんぷん
解説:
口の中にあるだ液せんから、消化液であるだ液が分泌されます。
消化液には消化酵素を含むものと含まないものがありますが、だ液にはデンプンを麦芽糖に分解する消化酵素であるアミラーゼが含まれます。
問3
解答:②
解説:
消化液に含まれる消化酵素により、3大栄養素である炭水化物・たんぱく質・脂肪は、以下のように分解されていきます。
・デンプン(炭水化物):消化液のだ液に含まれる消化酵素アミラーゼと、すい臓から分泌される消化液のすい液に含まれる消化酵素アミラーゼによりデンプンは麦芽糖に分解され、さらに小腸から分泌される消化液によって、ブドウ糖に分解されます。
・たんぱく質:胃から分泌される消化液の胃液に含まれる消化酵素ペプシンと、すい臓から分泌される消化液のすい液に含まれる消化酵素トリプシンと、小腸から分泌される消化液によって、アミノ酸に分解されます。
・脂肪:肝臓から分泌される消化液の胆汁により細かく分解され(他の物質に変化しない)、すい臓から分泌される消化液のすい液に含まれる消化酵素リパーゼにより、脂肪酸とモノグリセリドに分解されます。
こうして分解されてできたブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸+モノグリセリドは、小腸の柔毛にある非常に小さい穴から血液中に取り込まれ、体循環と肺循環によって酸素と共に細胞へ送り届けられて細胞呼吸が行われ、生物は生命活動を行います。
以上の知識を元に選択肢を見ると、明らかに選択肢②が正解だと分かります。
選択肢③は消化液のうちの胆汁のはたらきのみに言及しており、消化液の一般的なはたらきとして不十分です。
問4
解答:A・・・小腸、B・・・血液
解説:
問3解説参照。