結論：道コンと北海道公立高校入試どっちが難しい？→これらは別物の試験で比較不可
結論から言うと、道コンと北海道公立高校入試問題は形式だけが似ているだけで、別物です。どちらが難しいのか比較できません。
道コンは問題がひねられていて一筋縄ではいかず難しいですが、北海道公立高校入試問題は問題は素直だが記述力と国語力が試されるのが難しいです。
総合的に見て問題のクオリティは入試本番の方が高いので、札幌東西南北旭丘高校を目指すなら、道コンで合格率60％（ボーダーライン）を超えたとしても安心せず、入試過去問題の研究を必ずやってください。
北海道公立高校入試問題のクオリティが道コンより高い理由
道コンと北海道公立高校入試問題は形式だけが似ていて、問題のクオリティが入試本番の方が高い理由について。
問題を作るのに人件費などのコストがかかります。公立高校入試問題は税金が投入され、その道の専門家が複数名雇われ1年かけて入念に作成されますが、道コンは1民間企業の社員らが短期間の納期で作成したものですから、クオリティに差が出るのは当然です。これは大学受験でも言えることです。
「道コンDATA FILE」を見る限り、道コンの売上は年5億円程度しかないと予想されます。年間で延べ10万人が動くイベントなのに、これしか売上がないのは少々寂しいですね。しかも、そこから人件費、印刷代、会場費、学習塾のマージンなどを差し引くと、粗利はそう多くないはずです。
しかし、道コンは売上が多くない事業なのにも関わらず、試験問題は手を抜かず真面目に作りこまれているのが感じ取れます。本番のクオリティには及びませんが、知識のアウトプットの練習ができること、理科と社会の分野が的中する可能性が高いこと、立ち位置を確認できること、安心感を得られることなど、メリットが多数あるので、上位高校を目指すなら受験するべきです。
道コンの問題のカラクリや有効な対策法については、生徒限定の内容なので説明を割愛します。
道コンの結果が悪い（点数が取れない）のは気にしない方がよい
合格率35％から札幌北高校に合格した生徒の例
道コンと北海道公立高校入試問題は形式だけが似ている別物です。問題のクオリティは入試本番の方が高いと言えます。
札幌南や北高校の掲示板を見れば明らかなとおり、彼らはこういう事実を見抜いており、道コンの結果に慢心せず、早い時期から入試過去問題や『全国入試問題正解』などに取り組んでいます。
道コンの結果が悪くても気にすることはありません。
例えば内申Aランクで道コン成績表の札幌北高校の席次（順位）が320名中310番と定員内にいるなら、合格率35％程度でしょうか。これなら合格は十分可能です。
実際にウチの生徒でこの成績から札幌北に合格した子がいましたが、入試過去問題の研究を徹底的にやりまくるよう指示しました。
道コンの個人成績表の上位者（優秀者）一覧に載っても札幌南高校に落ちた実例
過去に3K2Fに通われていた子のお母さん（公立学校教員）から頂いた情報なのですが、中3第5回道コンで425点を取ったにも関わらず、札幌南に不合格だった方がいたそうです。
中3第5回道コンで425点というと、全体順位が150番くらいで、偏差値(SS)が70以上になります。道コンの個人成績表の上位者（優秀者）一覧に普通に掲載される成績で、札幌南でも安全圏に入ります。
道コンの後息切れして入試過去問題にあまり取り組めなかったのか、本番で緊張して力を発揮できなかったのか分かりませんが、入試は水物なのは確かです。3K2FのF（国立の学校）の子ですら、札幌南を受験して緊張で350点しか取れず失敗したという情報もありますから。
ちなみにこの方は、札幌第一の文理選抜か札幌光星のステラのどちらかに進学してます（どちらかは非公表）。
高校入試の出来は高校の勉強にあまり影響しないので、切り替えて大学入試で挽回できることを祈ります。
道コンは入試予想問題として受験する価値あり
道コンと北海道公立高校入試問題は形式が似ているだけでなく、理科と社会の分野が的中する可能性が高いこともあるので、入試予想問題として受験する価値があります。
加えて、入試過去問題に入る前の予行演習として最適です。いきなり入試過去問題をやれと言われても二の足を踏むでしょうから、免疫をつける目的で道コンを受験するのはありです。
道コンで成績優秀＝知識が固まっている、ということは間違えなく言えるので、後は記憶のメンテナンスをしつつ、入試過去問題を最低でも10年分は繰り返し解いて研究してください。
道コンに向けて問題集をやり込んで知識をしっかり固めましょう。参考までに、当受験ブログ執筆者がお勧めする問題集のリンクを貼っておきます。
塾の授業は知識の網羅性と深さに不安があるので、問題集に取り組むことをお勧めします。
札幌南北志望の子は、塾の自習室だけを使う形で問題集に励む子が多いみたいなので問題ないでしょうが、東西・旭丘志望の子で塾に任せっきりの状態なら注意した方がよいです。
早期に入試過去問研究を！
入試過去問をやり始める時期は遅くとも12月、理科と社会は大門が分野別に出題されるので、中2の3月から習ったところをやれたら強いです。
英検3級持ちなら、英語の過去問にいつ取り組んでも大丈夫です。単語だけ不安が残るので、英検準2級～2級の単語学習も同時並行でやってください。例えば大学受験用の単語帳『英単語 ターゲット1400』（英検準2級～2級レベル）を吸収できたら、入試で出てきた単語の内98%は読めるようになります（残り2％は注意書きにある）。100%に近づけるなら『英単語 ターゲット1900』（英検2級～準1級レベル）までやる必要がありますが、東京都立自校作成問題や大阪府C試験を受けるわけではないので、不要です。
繰り返しますが、入試過去問題は最低でも10年分は繰り返し解くべきです。
札幌南北を目指す場合はこれだけでは不安なので、都府県の過去問のうち北海道公立高校入試と問題形式が似ているものをやりましょう。『全国入試問題正解』がおススメです。
＞＞【最新版】北海道公立・私立高校入試おすすめ過去問題集（高校別一覧）
（余談）道コンをノー勉で受験するのは論外（正直やばい）
最後に余談ですが、道コンをノー勉で受験するのは論外です。
極めて地頭が良い子なら道コンをノー勉で受けても、札幌南の合格率60%を取って本番も普通にクリアして合格していくのかもしれません。
周囲に心配をかけずに高校受験をクリアするのは、大変すばらしいことですが、この成功体験は良いこととは言えないかもしれないです。
「努力をしないで成果を出した＝努力のやり方が分からない、努力する精神力がない、努力する才能が無い」、という危険があるからです。
高校の勉強は甘くないです。長時間集中して暗記作業をする精神力が求められるので、進学後に下位層定着という憂き目にあうかもしれません。
「ウチの姉は中3から塾にちょっとだけ通って全然勉強しなくても札幌南に受かったのに、妹の方はずっと塾に通って勉強しているのに北広島高校がやっとだ」と嘆くお母さんに、過去に出会ったことがあります。
こちらの札幌南に進学されたお姉さんですが、卒業後の進学先は国公立大学理系学部ではありますが、札幌南の格からするとちょっと残念な大学です。お母さんも、その部分を引け目に感じていると仰っていました。
札幌南は努力の天才が集まるところで、周囲の優秀さにやられて勉強が手につかなくなってしまったそうです。
話が長くなりましたが、道コンをノー勉で受験して良い結果を狙うのは論外だと申し上げたいです。正当な努力をして結果を出すことが、精神衛生上良いと思います。