指導経験20年以上のプロ家庭教師。北海道の高校受験に特化。勉強がとても苦手な子の指導が得意です。1回70分授業で、毎月の授業料は16,000円(月4回)〜30,000円(月12回)のみ、不透明な追加料金は一切ありません。
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中学3年北海道学力テスト総合A「理科」(2019)の平均点と難易度
私が指導している生徒さんの話をまとめると、今回の総合Aの理科の平均点は30点ほどだったみたいです。
私が実際に問題を見た感想ですが、毎年のことながら難易度は「易」です。
3月の公立高校入試と比較したら、かなり易しいです。
先に紹介した、『中学総合的研究問題集 理科』をしっかり読み込めば、今回の総合Aの理科は満点が取れたはずです。
入試のゴールである『塾技 理科80』をある程度読んだ子なら、30分かからずに満点が取れるでしょう。
中学3年北海道学力テスト総合A「理科」(2019)問題・解答・解説
次に、中学3年北海道学力テスト総合Aの「理科」の問題・解答・解説を紹介します。
大問1 身のまわりの物質(中1・化学)
問1 答:状態変化
単なる知識問題です。
状態変化では 物質の状態が分子の動きが変わることで固体・液体・気体と状態が変化しますが、原子の組み合わせは変わらないので、物質そのものは変化しません。
対して化学変化では、例えば炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)の熱分解において、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、水(H2O)、二酸化炭素(CO2)が発生し、原子の組み合わせが変わるので、別の物質に変化します。
ただし、原子の種類と数は変化しないので、閉鎖系においては反応の前後で質量は変化しません。これを質量保存の法則といいます。
問2 答:融点
単なる知識問題です。
純粋な物質では、融点と沸点が決まっています。水は融点が0℃、沸点が100℃、エタノールは融点が-114.5℃、沸点が78.3℃、パルチミン酸は融点が62.7℃、沸点が360℃です。
状態変化のグラフにおいて、純粋な物質では、融点と沸点において温度一定の状態が物質の量に応じて一定時間続きます。
融点では固体と液体が混ざっており、加えられた熱はすべて固体を液体にするのに使われます。
沸点では液体と気体が混ざっており、加えられた熱はすべて液体を気体にするのに使われます。ゆえに温度が一定となります。
問3 答:エ
問題文の図より、Aは液体、Bは固体、Cは気体であることが分かります。
固体のロウが熱せられ液体のロウになると状態はB→Aになるので、答えはエとなります。
固体のロウが熱せられると、熱エネルギーが加えられます。
熱エネルギーがロウの分子の運動エネルギーに変換され、ロウの分子の運動エネルギーが増えるため、ロウの分子がさかんに動き体積が増加する、という理屈です。
問4 答:浮くか沈むか:沈む、理由:(固体のロウ)のほうが液体のロウより密度が大きいから
「浮くか沈むか」ときたら密度の大小比較をします。
密度(比重)が大きいほうが沈み、小さい方が浮きます。
密度の単位はg/cm3で、質量(g)に比例し体積(cm3)に反比例します。
同一質量のロウにおいて、固体のロウは液体のロウよりも体積(cm3)が少ないので、液体のロウよりも密度(g/cm3)が大きいです。
ゆえに、固体のロウは液体のロウに沈みます。
一般的に、同一質量・同一物質において、固体は液体よりも密度が大きく、液体に沈みます。
ただし水だけは例外で、3℃のとき体積(cm3)が最小となり、密度(g/cm3)が最大となるので、氷は水に浮きます。
水たまりの水が表面から氷るのは、3℃以下の水は密度が小さいので浮き、凝固点(0℃)に達して氷るからです。
大問2 身のまわりの現象(中1・物理)
問1 答:25N
図1を素直に見て、床は物体と板の重さ(N)分の力(N)を受けることが分かります。
板の質量は500gで、問題文より重力の大きさが1N/100gと設定されているので、板の重さは1N/100g×500g=5Nです。
物体の重さですが、問題文に「ばねばかりの目盛りが20Nを示したときに物体が板から離れた」とあるので、物体はばねばかりを引く力のみを及ぼしており、その力は重力とつり合うため、物体の重さは20Nと分かります。
以上から、物体と板の重さは、5N+20N=25Nとなります。
問2 答:エ
板にはたらく力を問われているので、板のみを見て、力を調べていきます。
上から見ていくと、板は物質と接しているので、物質が板を押す力(=物体に働く重力の大きさ)が働きます。
この問題では板の質量を無視していないので、板には重力が働きます。
板は床と接しているので、床から鉛直上向きの力である垂直抗力が働きます。垂直抗力は、物体と板に働く重力の大きさと等しいです。
以上より、答えはエとなります。
問3 答:75Pa
圧力の単位はN/m2=Paなので、力(N)と面積(m2)を調べていきます。
この場合の力(N)は、床が板から受ける力です。
物体の重さが20Nで、ばねばかりの目盛りが10Nを示したことから、物体は板に10N(20N-10N)の力を及ぼします。
板の重さは5Nより、床は物体と板の重さ15N(10N+5N)の力を受けます。
床の面積は0.2m2より、床が板から受ける圧力(N/m2=Pa)は、
15N/0.2m2=75Pa
です。
問4 答:ウ
圧力の単位はN/m2なので、力(N)に比例し面積(m2)に反比例します。
力(N)に比例することから、力(N)が減少すると、圧力(N/m2)の大きさは直線的に減少していきます。
ばねばかりの目盛りが0Nから20Nまで変化する、つまり物体が板に及ぼす力の大きさが減っていくと、圧力(N/m2)の大きさは直線的に減少していきます。
ただし、板にも重さがあるため、物体が板に及ぼす力の大きさが0Nになっても、圧力(N/m2)の大きさは0にはなりません。
以上より、答えはウとなります。
大問3 身のまわりの現象(中1・物理)
問1 答:実像
「スクリーンに物体Aのはっきりした像を映した」ことから、スクリーンに映った像は(倒立)実像です。
問2 答:16cm
光源とレンズ間の距離が焦点距離の2倍のとき、スクリーンには物体と同じ大きさの倒立実像が映ります。
この問題の凸レンズの焦点距離fは8cmより、物体Aと凸レンズの距離は16cm(8cm×2)となります。
光源とレンズ間の距離が焦点距離の2倍から遠ざけると、スクリーンには物体よりも小さい倒立実像が映ります。
光源とレンズ間の距離が焦点距離の2倍〜焦点距離まで近づけると、スクリーンには物体よりも大きい倒立実像が映ります。
このとき、光源とレンズ間の距離が焦点距離の1.5倍のとき、スクリーンには物体の2倍の大きさの倒立実像が映ります。
光源とレンズ間の距離が焦点距離より内側のとき、スクリーンには物体は映らず、凸レンズを通して正立虚像が写ります(虫めがねの原理)
問3 答:ア
問題文と問2より、物体Aは凸レンズの焦点距離の2倍の位置にあることが分かります。
ここから物体を2cm凸レンズの側に近づけると、スクリーンには物体の大きさよりも大きい倒立実像が映ります。
ただし、スクリーンに映った倒立実像は、ぼやけて映ります。
スクリーンを凸レンズから遠ざける、つまりXの向きに動かすと、はっきりした像を映すことができますが、物体は凸レンズの焦点距離の2倍の位置より内側にあるので、実物より大きい倒立実像がはっきりと映ります。
以上より、答えはアとなります。
問4 答:
光源からは四方八方に光が出ますが、そのうち凸レンズに入射する光線の進み方には、4種類あります。
①光軸に平行に進む光線は焦点を通る
②凸レンズの中心を通る光線はそのまま直進する
③凸レンズの焦点を通った光線は凸レンズに入射後は光軸に平行に進む
④それ以外の光線は凸レンズに入射すると屈折して光の集合点に向かう
光の集合点を物体の2倍の大きさの位置におき、凸レンズに入射する4種類の光線のうち、①〜③の光線を図に記入し、焦点の位置を黒丸で示すと、解答例のとおりになります。
スクリーンに映る倒立実像の大きさは、物体の2倍の大きさになり、凸レンズと物体との距離は焦点距離の1.5倍となります。
大問4 電流とその利用(中2・物理)
問1 答:①イ、②ア
テーブルタップ(たこ足配線)は、かたち的に並列回路だと分かります。
並列回路では、各抵抗にかかる電圧の大きさが等しく、電流の大きさが異なります。
電源の電流の大きさは各抵抗の部分電流の大きさの和で、
各抵抗の部分電流の大きさは、オームの法則より、各抵抗の抵抗の逆比となります。
直列回路では、各抵抗にかかる電流の大きさが等しく、電圧の大きさが異なります。
電源の電圧の大きさは各抵抗の部分電圧の大きさの和で、
各抵抗の部分電圧の大きさは、オームの法則より、各抵抗の抵抗の比となります。
以上より、答えが導けます。
問2 答:3.3A
並列回路では、各抵抗にかかる電圧の大きさが等しく、電源の電流は各抵抗の部分電流の大きさの和となります。
消費電力(W=J/s)の式は、P[W]=P[J/s]=I[A]×V[V]です。
電源の電圧が100Vより、液晶テレビに流れる電流の大きさは2.5A(250W/100V)、ノートパソコンに流れる電流の大きさは0.8A(80W/100V)なので、電源であるコードAに流れる電流の大きさは、3.3A(2.5A+0.8A)となります。
問3 答:80Wh、288000J
単なる単位計算の問題です。単位に注意して慎重に計算すれば良いだけで難しくありません。
消費電力(電力量)の単位はW=J/sが基本ですが、W/hと表記することもできます。
W/hに時間[h]をかけると、単位はWhとなります。
問題文の表より、ノートパソコンの消費電力は80W/hから、これに1h(1時間)をかけて、電力量は80Whとなります。
また、ノートパソコンの消費電力は80W=80J/sより、これに1h=3600sをかけて、電力量は288000Jとなります。
大問5 電流とその利用(中2・物理)
問1 答:エ
金属など抵抗のある物質に電圧をかけると、電流が発生します。
電圧→電流、という流れです。
電流は+の電気で、プラス(+)どうしマイナス(−)どうしは反発し、プラスとマイナスはくっつくので、電流は電源の+極から−極に流れます。
オームの法則(V=IR)より、電圧一定のとき、抵抗の大きさが大きいと電流の大きさが小さくなり、抵抗の大きさが小さいと電流の大きさが大きくなります。
抵抗の小さい金属の方が沢山電流が流れるということです。
コイルに電流を流すと、磁界が発生します。
電圧→電流→磁界、という流れです。
磁界の向きは、「右手のグー」で分かります。
導線の場合、親指が電流の向き、それ以外の指はN極(磁界)の向きです。
ソレノイドコイルの場合、親指がN極(磁界)の向き、それ以外の指は電流の向きです。
またコイルに電流が流れると、力が発生します。
力の向きは、「右手のパー」で分かります。
親指が電流の向き、それ以外の指が磁界の向きで手のひらをセットし、手のひらを手前に押した向きが力の向きです。
この問題では、コイルのA-B間を導線と見立てて、導線まわりに発生する磁界の向きを問うているので、右手のグーより、答えはエとなります。
問2 答:ア、エ
コイルにかかる力の大きさを大きくするには、磁界の大きさを大きくするか、電流の大きさを大きくするかの2通りがあります。
磁石を強いものに変えると、磁界の大きさが大きくなり、コイルにかかる力の大きさが大きくなります。
電流の大きさは、オームの法則(V=IR)より、電圧の大きさが一定なら抵抗が小さいほど電流の大きさが大きくなるので、抵抗器を抵抗の小さいものに変えることで、コイルにかかる力の大きさが大きくなります。
問3 答:電流を逆向きに流す、N極とS極を逆にする
右手のパーより、電流の向きが同じならU字型磁石のN極とS極を逆にして、磁界の向きを逆にすることで、力の向きが逆になります。
磁界の向きが同じなら、電源装置の+極と−極を実験とは逆向きに接続し、電流の向きを逆にすることで、力の向きが逆になります。
大問6 化学変化とイオン(中3・化学)
問1 答:7
単なる知識問題です。
PH=0〜7のとき酸性、PH=7のとき中性、PH=7〜14のときアルカリ性です。
酸とは水に溶けるとH+を放出する物質で、酸性とは水中にH+があるがOH–が無い状態です。
アルカリとは水に溶けるとOH–を放出する物質で、アルカリ性とは水中にOH–があるがH+が無い状態です。
中性とは、水中にOH–もH+も無い状態です。
問2 答: 名前:水素、化学式:H2
酸であるうすい塩酸(HCl)に、マグネシウム(Mg)や亜鉛(Zn)を加えると、水素(H2)が発生します。
この他、水(H2O)や塩酸(HCl)の電気分解でも、陰極(−極)から水素(H2)が発生します。
マグネシウムは酸に溶けますが、アルカリには溶けません。
しかし、アルミニウム・亜鉛・鉛・スズはアルカリにも溶けるので、両性金属と呼ばれます。
問3 答: a:塩化水素、b:電解質
塩酸とは気体の塩化水素が水に溶けた水溶液のことです。
塩化水素はアンモニアと同じく水に非常によく溶けます。
また、アンモニアと反応して白色の固体の塩化アンモニウムを生じるので、アンモニアの生成実験で、アンモニアが発生したことの確認に塩酸が使われます。
塩酸(HCl)は水に溶け水溶液になると、水素イオン(H+)と塩化物イオン(Cl–)に電離し、電流を流します。
このように、イオンに電離して電流を流す物質を電解質といいます。
非電解質の例として、砂糖とエタノールを覚えましょう。
問4 答:H+
問3解説参照。
問題文の③の実験では、両極ともステンレスを用いており、同種類の金属を用いていることから、電気分解の実験をしています。
塩酸(HCl)の電気分解では、電離した水素イオン(H+)が陰極に、塩化物イオン(Cl–)が陽極に引き寄せられます。
プラス(+)どうしマイナス(−)どうしは反発し、プラスとマイナスはくっつくので。
陽極の塩化物イオン(Cl–)が電子を放出して気体の塩素(Cl2)となり、電子は陰極に移動し、水素イオン(H+)が電子を受け取って気体の水素(H2)となります。
電子は陽極→陰極と移動していますが、電流は電子の移動の向きとは逆向きに流れるので、電流は陰極→陽極と流れます。
これにより、電流が流れていることが確認できます。
また、化学反応式より、塩酸の電気分解では、気体の水素(H2)と塩素(Cl2)は同体積発生しますが、塩素は水に非常によく溶けるので、水素の方が多く発生します。
陽極付近では塩素が発生して水に溶けているため、赤インクを陽極付近にたらすと、塩素の漂白作用で赤インクが脱色されます。
大問7 植物の生活と種類(中1・生物)
問1 答: A:主根、B:側根
根・茎・葉の違いを調べるため、ホウセンカとトウモロコシが比較としてよく使われます。
ホウセンカは双子葉類、トウモロコシは単子葉類です。
問題文では、図よりホウセンカは双子葉類だと分かりますが、このようなヒント無しでも、ホウセンカは双子葉類だと答えられるように。
双子葉類では、根は図1のように、主根と側根に分かれています。単子葉類ではひげ根です。
双子葉類の茎は図2のように、維管束が輪状にならび、形成層があり茎を太らせます。
単子葉類では、維管束が全体に散らばり、形成層がありません。
維管束の内側が道管、外側が師管であるのは双子葉類・単子葉類で共通です。
双子葉類の葉は網状脈、単子葉類は平行脈です。
葉の作りは、葉の表側が柵状組織で、裏側が海綿状組織であることが多いです。
葉の裏側には孔辺細胞がたくさんあることが多く、孔辺細胞の隙間が気孔です。
植物細胞の部位である葉緑体は柵状組織、海綿状組織、孔辺細胞にあります。
光合成は葉緑体で行われますが、葉の表側に柵状組織があることで、葉緑体をぎっしり詰め、光合成を効率よく行うことができます。
葉の中を通る維管束は葉脈ともいい、上側が道管・下側が師管です。
問2 答:道管
根から吸収された水は、茎の道管を通ります。
赤インクが含まれた水を吸った部分は赤く染まることから、Xは道管であることが分かります。
問3 答:植物の身体を支える
根のはたらきについては、解答例のとおりです。
根で吸収された水や水に溶けた養分(肥料分)は、道管を通り、葉に送られて光合成に使われます。
光合成で作られたブドウ糖は、水に溶けにくいデンプンとして貯蔵され、夜間、師管を通って身体の各部に送られ、呼吸や成長の材料として使われます。
問4 答: 染まった部分:a、Y:葉脈(維管束)
赤く染まるのは道管で、葉では維管束(葉脈)の上側になります。
大問8 植物の生活と種類(中1・生物)
問1 答: ①:A,B,C,D、②B,D,E
以下のプランクトンを覚えましょう。
植物プランクトン・多細胞生物→アオミドロ
植物プランクトン・単細胞生物→ミカヅキモ(A)、ケイソウ(C)
動物プランクトン・多細胞生物→ミジンコ(E)
動物プランクトン・単細胞生物→アメーバ(B)、ゾウリムシ(D)
植物プランクトンかつ動物プランクトン・単細胞生物→ミドリムシ
動物プランクトンは自ら動くことができ、摂食を行えます。
ミドリムシはべん毛、ゾウリムシはせん毛、アメーバは仮足、ミジンコは大きな腕のように見える触角を使って動きます。
問2 答:ア
解答例のとおりです。
問3 答: 顕微鏡の部分:レボルバー、正しく表しているもの:ア
対物レンズを回して交換するタイプの顕微鏡は、ステージ上下式顕微鏡・鏡筒上下式顕微鏡です。
対物レンズを回す部分は、レボルバーです。
ステージ上下式顕微鏡・鏡筒上下式顕微鏡において、接眼レンズは短いほど、対物レンズは長いほど倍率が高くなります。
対物レンズが長くなると、ピントが合ったときのステージの位置は、選択肢アのようになります。
倍率は、接眼レンズの倍率×対物レンズの倍率で、倍率が2倍、3倍となると、視野と明るさは1/4倍、1/9倍となります。
問4 答: a:イ、b:エ、c:ア、d:ウ
ステージ上下式顕微鏡・鏡筒上下式顕微鏡のピントの合わせ方は、解答例のとおりですので覚えましょう。
大問9 動物の生活と生物の変遷(中2・生物)
問1 答: ゴム膜:横隔膜、ゴム風船:肺
問題文の図1は、ヒトの呼吸のモデル図です。
風船が肺、ゴム膜が横隔膜、ペットボトル内の空間が胸腔です。
ゴム膜を引くと、ペットボトル内の気圧が下がり、ゴム風船が膨らみ空気が入ります。
問2 答: ①:イ、②筋肉
肺には筋肉がないため、横隔膜やろっ骨を上下させることで、胸腔内の体積を変化させ呼吸を行います。
空気を吸うとき、横隔膜が下がり、ろっ骨が上がり、胸腔内の体積が増え、肺に空気が入ります。
空気を吐くときは、この逆です。
ヒトの呼吸のモデル図では、横隔膜を模したゴム膜を引くと、肺を模したゴム風船が膨らみ空気が入ります。
問3 答:(1)赤血球、(2)酸素を使って栄養分を二酸化炭素と水に分解するときにエネルギーを取り出すはたらき
(1)
酸素は血液中にある赤血球のヘモグロビンに吸収されます。
ヘモグロビンは、酸素の多いところでは酸素と結びつき、酸素の少ないところでは酸素を放出する性質があります。
(2)
細胞呼吸の概要は、解答例のとおりです。
細胞呼吸は、細胞のミトコンドリアで行われます。
肺呼吸で取り入れた酸素は、心臓の大動脈から全身に送り届けられます。
消化管の消化酵素によって分解された栄養分(ブドウ糖・アミノ酸・再合成された脂肪)は、門脈とリンパ管を通り、心臓の大動脈から全身に送り届けられます。
血液成分の一つである血しょうは、毛細血管の外にしみ出て組織液となり細胞間を満たしています。
血しょうが酸素や栄養分を細胞に送り届け、細胞のミトコンドリアで細胞呼吸が行われ、エネルギーを得ます。
細胞呼吸では、水・二酸化炭素・アンモニア(アミノ酸から)が排出されます。
水はじん臓を通じて尿として体外に排出されます。
二酸化炭素は血しょうを通じて血液に取り込まれ、肺呼吸により体外に排出されます。
アンモニアは肝臓に送られ、無害な尿素に変えられたあと、じん臓を通じて尿として体外に排出されます。
大問10 天気とその変化(中2・地学)
問1 答: 理由:イ、空気の流れA:上昇気流
問題文の図1は、風のモデル実験です。
対流のうち、水平方向の動きを風、垂直方向の動きを気流といいます。
温度が高いところでは、空気が上昇して上昇気流が生じ、気圧が下がり空気が膨張します(低気圧)。
上昇した空気は温度の低いところに風として動き、下降気流を生じて到達します(高気圧)。
そして、温度の低いところから高いところに、風として動き循環します。
問2 答:イ
問題文の図2は、海陸風のモデル図です。
まず、固体は水より温まりやすく冷えやすいということを抑えてください。
気温が高い昼間は、陸の方が温度が高くなるので、海から陸に海風が発生します。
陸が低気圧で、海が高気圧です。
気温が低い夜は、陸の方が温度が低くなるので、陸から海に陸風が発生します。
陸が高気圧で、海が低気圧です。
風のモデル実験と、海陸風のモデル図から、夏の季節風と冬の季節風の向きが理解できます。
夏は南東の季節風が吹きますが、これは気温の低い海(太平洋)から気温の高い陸に向かって風が吹くからです。
冬は北西の季節風が吹きますが、これは気温の低い陸から気温の高い海(日本海)に向かって風が吹くからです。
冬の季節風はユーラシア大陸の冷たく乾燥した風であるため、日本海を通過するときに熱と水蒸気を吸収し、日本列島の山脈にぶつかって、フェーン現象により、日本海側に大雪を降らせ、太平洋側に乾燥した風が吹きます。
大問11 天気とその変化(中2・地学)
問1 答:蒸発
乾湿計では、乾球の示度(温度)が外気温です。
湿球は底部が濡れたガーゼに包まれているので、水が蒸発し、気化熱により、乾球より温度が低くなります。
湿度が低いと、湿球のガーゼの水が盛んに蒸発して温度が下がり、乾球との温度差(示度の差)が大きくなります。
湿度が高いと、湿球のガーゼの水があまり蒸発せず、温度も下がらないため、乾球との温度差(示度の差)は小さくなります。
乾球と湿球の示度の差が0℃は、湿度100%です。
問2 答: 湿度:83%、水蒸気量:17.1g
問題文の図より、左の温度計が乾球、右側の温度計が湿球です。
乾球の示す温度は23℃、乾球と湿球の示度の差は2.0℃であるので、表1より、湿度は83%となります。
湿度の公式は、湿度(%)=水蒸気量(g/m3)/飽和水蒸気量(g/m3)です。
表2から気温23℃のときの飽和水蒸気量(g/m3)は20.6g/m3より、水蒸気量(g/m3)は、
水蒸気量(g/m3)=湿度(%)×飽和水蒸気量(g/m3)=83%×20.6g/m3=17.098g/m3≒17.1g/m3