中学1年北海道学力テスト第4回「理科」(2022年)問題・解答・解説
大問1 溶解度 ★問4がやや難
問1
解答:溶解度
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問2
解答:52%
解説:
質量パーセント濃度は溶媒である水に完全にとけた溶質の質量のみを用いて計算します。
グラフより、硝酸カリウムは60℃の水100gに最大で約110gとけるので、
質量パーセント濃度=110g÷(110g+100g)×100=1100/21=52.38・・・≒52%
問3
解答:イ
解説:
グラフより、ミョウバンは60℃の水100gに最大で約55gとけるので、水50g=100g/2には最大で約55g/2≒28gとけます。
よって、60℃の水50gにミョウバン15gはすべてとけます。
固体のミョウバンを水に入れると、ミョウバンは水の粒子と衝突することで、かき混ぜなくても粒子が水中で拡散した状態になり続けます。
問4 ★やや難
解答:エ
解説:
実験で用いている60℃の水50gとミョウバン15gを、グラフの値に合わせます。
すなわち、60℃の水100g=50g×2とミョウバン30g=15g×2で考えます。
グラフより60℃の水100gではミョウバン30gはすべてとけますが、50℃を少し下回る温度まで下げると溶解度曲線が30gより下になるので、ミョウバンが結晶として析出し始めるのは、50℃を少し下回る温度となります。
問5
解答:水を蒸発させる。(例)
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
大問2 気体の性質
問1
解答:手であおぐようにしてにおいをかぐ。(例)
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問2
解答:色・・・黄色、性質・・・酸性
解説:
実験①より、Bはアンモニアなので、緑色のBTB溶液に通すと青色に変化します。
実験②より、緑色のBTB溶液の色を変化させる気体は、アンモニアの他に二酸化炭素があるので、Cは二酸化炭素です。二酸化炭素が水にとけると、酸性の水溶液である炭酸水になるので、緑色のBTB溶液の色は黄色に変化します。
問3
解答:A・・・水素、B・・・アンモニア、C・・・二酸化炭素
解説:
問2の考察より、Bはアンモニア、Cは二酸化炭素です。
実験③の結果より、Aは水素です。
問4
解答:火のついた線香を入れてみる。(例)
解説:
問2と問3の考察より、DとEは酸素または窒素です。
酸素には助燃性の性質があるので、解答例のようにして確かめることができます。
大問3 裸子植物の特徴
問1
解答:雌花・・・B、りん片・・・E
解説:
花の基本4要素は外側から順に、がく→花弁→おしべ→めしべ、の順です。
よってマツの雄花は、がくのすぐ内側にあるBです。
雄花のりん片には花粉のうがあるので、図2ではEが該当します。
問2
解答:①・・・花粉のう、②・・・胚珠、③・・・子房、④・・・果実
解説:
マツは裸子植物なので、花粉が胚珠に直接付着して受粉→受精します。
しかしマツは胚珠が子房に包まれていないので、受精後に果実はできません。
問3
解答:裸子植物
解説:
問2解説参照。
問4
解答:コケ植物
解説:
種子をつくらずに胞子で増える植物として、シダ植物とコケ植物があります。
シダ植物は根・茎・葉の区別がありますが、コケ植物はありません。
大問4 動物の分類 ★問3がやや難
問1
解答:セキツイ動物
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問2
解答:節足動物
解説:
②は無セキツイ動物のグループで、そのうちAは外骨格が無く外とう膜におおわれている軟体動物、Bは外骨格におおわれている節足動物です。
問3 ★やや難
解答:③・・・ウ、④・・・エ、⑤・・・ア、⑥・・・イ
解説:
Cのグループはホニュウ類なので、③の観点は子の生まれ方です。ホニュウ類は胎生でその他のセキツイ動物は卵生です。
Dのグループは鳥類なので、④の観点は毛です。ホニュウ類は体毛、鳥類は羽毛におおわれています。
Eのグループはハチュウ類なので、⑤の観点は殻のある卵を産むか、または肺呼吸のみかです。選択肢を見ると、⑤の観点にはえら呼吸が入ることが分かります。
Fのグループは両生類、Gのグループは魚類なので、違いは体表または呼吸方法です。選択肢を見ると、⑥の観点には肺呼吸が入ることが分かります。
大問5 鏡の性質 ★問2が難
問1
解答:
解説:
鏡に映ったCの像は、Cから真上に2マス進んだ位置にあります。Cの像からXに向けて引いた光線を引き、さらにその光線と鏡との交点へCから光線を引くことで作図できます。
問2 ★難
解答:直接・・・A、B 鏡・・・B、C、D
解説:
・直接見ることができる物体
まず明らかに物体AとBは直接見ることができます。物体Cにおいて、物体CからXへ引いた線は壁に遮られるので、物体Cを直接見ることはできません。同様に物体DとEも直接見ることができません。
・鏡に映して見ることができる物体
例えば物体Bにおいて、鏡に映ったBの像はBから8マス進んだ位置にあります。Bの像から鏡の左端と右端へ光線を引き、2本の光線に囲まれた部分が物体Bを鏡で見ることができる範囲です。これより、Xの左側にある物体Aと物体Bのうち、物体Bは鏡に映して見ることができることが分かります。
Xの右側にある物体CとDとEにおいては、問1の要領で考えます。例えば物体Cにおいて、Cの像はCから真上に2マス進んだ位置にあります。Cの像からXに向けて引いた光線を引きます。このようにすると、物体CとDは像からXに向けて壁にさえぎられることなく光線を引くことができるので、鏡に映して見ることができます。しかし物体Eは像からXに向けて光線を引くと壁にさえぎられるので、鏡に映して見ることができません。
問3
解答:ウ
解説:
問題文に書かれていませんが、図は平面図であるという前提で解答します。
すると壁の存在は全身を見るのには関係ないので、素直に考えて、身長の1/2の大きさの鏡であれば、全身を見ることができます。
全身を見るのに必要な鏡の上端と下端の位置については、この問題で与えられた条件からは判断できません。
大問6 光の屈折 ★問3がやや難
問1
解答:イ
解説:
鉛筆から反射した光がガラスに進むとき入射角>屈折角となり、ガラスから空気に進むとき入射角<屈折角となるので、光の進む道すじは選択肢イのようになります。
『塾技 理科80』に書かれている「車輪を用いた考え方」を用いると、容易に分かる問題です。
問2
解答:光の屈折
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問3 ★やや難
解答:ア
解説:
問1と同様にして考えます。ガラスAを通して見える鉛筆のかたちは図2と同じです。選択肢イのガラスから出た光線を鉛筆の隣(鉛筆を通りガラスと平行な直線)まで延長すると、鉛筆は左側にずれて見えることが分かります。
が、ガラスAから出た鉛筆の光がガラスBを通過して進むとき、光の屈折がもう一度起こるため、ガラスBから出た光線を鉛筆の隣(鉛筆を通りガラスと平行な直線)まで延長すると、鉛筆はガラスAよりもさらに左側にずれて見えることが分かります。
大問7 凸レンズ
問1
解答:30cm
解説:
スクリーンにろうそくと同じ大きさの像ができたことから、ろうそくは凸レンズの焦点距離の2倍の位置にいます。
よって凸レンズの焦点距離は、30cm×2=60cm
問2
解答:大きさ・・・大きくなる。、距離・・・大きくなる。
解説:
物体を凸レンズに近づけていくと、スクリーンにはっきりと映る像は、遠ざかりながら大きくなっていきます。
問3
解答:像・・・虚像、見え方・・・ウ
解説:
物体を凸レンズの焦点よりも内側に置いたとき、凸レンズを通して物体よりも大きな虚像を見ることができます。
虚像を作図すると、実像とは異なり光線が上下逆にならないので、上下左右が同じ向きになります。
凸レンズを通して光が集まりスクリーンに映して見ることができる像を実像、光が集まらず凸レンズをのぞいて見える像を虚像といいます。
大問8 音の性質
問1
解答:音源
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問2
解答:鳴り方・・・小さくなる、伝えたもの・・・空気
解説:
音源が振動すると、空気中の粒子が次々と振動していき音が伝わります。
これより、おんさAとおんさBの間に板を入れると、空気中の粒子の振動が板にさえぎられてしまいます。
しかし、空気中の粒子の振動が板に伝わるので、板はわずかに振動して空気中の粒子へ振動を伝えておんさBを振動させます。
また、おんさAの振動は四方八方に空気中の粒子に伝わるので、空気中の粒子の振動が板を回り込んでおんさBへ届き、おんさBを振動させます。
これらのことから、おんさBの鳴り方は、全く鳴らなくなるのではなく、鳴り方が小さくなると考えられます。
問3
解答:木片などが振動を伝えたから。(例)
解説:
問2の考え方を用いて解きます。
真空ポンプにより、容器の中の空気には粒子は無いので、ブザーの音は空気を振動して伝わりません。
しかし、ブザーは木片と接しており、さらに木片は容器と接していることから、ブザーの振動は木片を通じて容器へ伝わり、容器の振動が空気中の粒子に伝わり、ブザーの音が聞こえます。
大問9 音が伝わる速さ ★問4が難
問1
解答:光に比べて、音の伝わる速さが遅いから。(例)
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問2
解答:秒速340m
解説:
問われている単位はm/sより、距離[m]÷秒[s]を計算します。
170m÷0.5s=(170m×2)÷(0.5s×2)=340m/s
問3
解答:136m
解説:
音がCさんを通過して壁から反射して再びCさんに届くまでに0.8sかかっているので、壁から反射してCさんに届くまでに0.8s÷2=0.4sかかります。
問題文に「Aさんと同じように測定すると」とあるので、問2で求めた音速340m/sを用いて、Cさんと壁の距離を求めると、
340m/s×0.4s=34×4=136m
問4 ★難
解答:2.0秒後
解説:
問題文の冒頭に書かれていませんが、問1・問2・問3の仮定を用いて計算します。そうしないと、本問は解けません。高校入試・大学入試共に、このような考え方で解くことは無いので、ご注意下さい。
問1より、AさんとBさんとの距離は170mです。
BさんとCさんとの距離は、340m/s×0.6=34×6=204mです。
問3より、Cさんと壁との距離は136mです。
よってBさんから出た音が壁に反射してAさんに届くまでに音が移動した距離は、204m+136m+136m+204m+170m=340+340+170=680+170=850mです。
これより、Bさんから出た音が壁に反射してAさんに届くまでに要する時間は、850m÷340m/s=85/34=5/2=2.5s
問2より、Bさんから出た音が直接Aさんに届くまでに0.5秒かかっているので、最初に音が聞こえてから、2.5s-0.5s=2.0s後に壁ではね返った音を聞くことができます。
大問10 音の波形
問1
解答:ア
解説:
図2の音の波形において、アは振幅、ウは波長(音の波1個分)を表します。
問2
解答:①・・・b、②・・・弦の張りの強さを弱くする。(例)
解説:
モノコードの音を低くするには、長さを長くする(ことじをbの向きに動かす)、弦を太くする、弦の張りを弱くする、の3つの方法があります。
問3
解答:振動数・・・125Hz、読み方・・・ヘルツ
解説:
図2のウより、波1個分の時間は0.002s×4=0.008sであるので、この音は0.008sで1個の波が通過するすなわち0.008sで1回振動します。
よって、振動数すなわち1秒あたりに通過する波の数すなわち1秒あたりに振動する回数は、
1÷0.008s=1÷8/1000=1000/8=125Hz
大問11 ばねの力のつり合い ★問3がやや難、問4が難
問1
解答:①・・・5.0、②・・・4.1
解説:
①:表より、おもりの数が1つ増えるとばねAの長さは0.3cmずつ増えるので、フックの法則が成り立つことが分かります。よって、おもりの数が1個のときのばねAの長さは、4.7cm+0.3cm=5.0cm。
②:表より、おもりの数が1つ増えるとばねBの長さは0.6cmずつ増えるので、おもりの数が3個のときのばねBの長さは、3.5cm+0.6cm=4.1cm。
問2
解答:関係・・・比例の関係、法則・・・フックの法則
解説:
問1解説参照。
問3 ★やや難
解答:195g
解説:
表より、ばねBの自然長は2.3cmなので、ばねBの伸びは6.2cm-2.3cm=3.9cmです。
ばねBはおもりの数が1個増えると0.6cm伸びる(0.6cm/個)ので、3.9cmの伸びのときのおもりの数は、3.9cm÷0.6cm/個=39/6=6.5個です。
問題文の条件より、おもり1個の質量は30g(30g/個)より、物体Xの質量は、30g/個×6.5個=3×65=195g。
問4 ★難
解答:5.1cm
解説:
問題文の条件より、おもり1個の質量は30g(30g/個)より、おもり8個の質量は、30g/個×8個=240gです。
月面上で上皿てんびんで質量を測ると、両方の皿にはたらく重力の大きさが等しくなるため、240gで変わりません。
次に問題文の条件より、100gあたりの重力の大きさ(重さ)が1N(1N/100g)で、問4の仮定より、月面上での重力の大きさが地球上の1/6であるので、100gあたりの重力の大きさ(重さ)は1/6×1N/100g=1/6[N/100g]
よって、月面上でのおもり8個の重さは、240[g]×1/6[N/100g]=40/100=0.4Nです。
問題文の条件と表より、おもり1個30gすなわち0.3NあたりのばねAの伸びは0.3cmより、0.3cm÷0.3N=1cm/Nとなり、1Nの力がはたらくと1cmのびます。これはばねの性質であるので、地球上でも月面上でも同じです。
これより、月面上でのばねAの伸びは0.4N×1cm/N=0.4cmであるので、ばねAの長さは、4.7cm+0.4cm=5.1cmです。