指導経験20年以上のプロ家庭教師。北海道の高校受験に特化。勉強がとても苦手な子の指導が得意です。
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大問1
問1
解答:0.92g/cm3
解説:
単なる単位計算の問題です。
求めるのは密度(g/cm3)で、密度の単位(g/cm3)を見ると、分子が質量(g)、分母が体積(cm3)なので、質量(g)を体積(cm3)で割って密度(g/cm3)を算出します。
キャップの切片はPE(ポリエチレン)です。
PEの体積は2.5cm3、質量は2.3gより、PEの密度(g/cm3)は、2.3g/2.5cm3=0.92g/cm3
問2
解答: 沈むもの:ボトル、理由:ボトルの密度が水の密度より大きいから。
解説:
問題文に、「水の密度は1.0g/cm3とする」とあるので、4℃の水に2つのプラスチックをそれぞれ沈めたことになります。
「水に沈むものはどちらですか」とあるので、2つのプラスチックのうち、水に沈むのは1つだけです。
問1より、PEの密度は0.92g/cm3と4℃の水の密度1.0g/cm3より小さいので、PEは水に浮きます。
よって、水に沈むのはPET(ポリエチレンテレフタレート)です。
実際、PETの密度は、6.9g/5.0cm3>1.0g/cm3より、PETは水に沈みます。
プラスチックの種類として、以下の5種類を押さえておきましょう。
・ポリエチレンテレフタレート(PET):燃えにくいが多少のすすがでる
・ポリエチレン(PE):溶けながらよく燃える、水に浮く
・ポリスチレン(PS):すすを出しながら燃える
・ポリプロピレン(PP):溶けながらよく燃える、水に浮く
・ポリ塩化ビニル(PVC):燃えにくい
ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)以外は、4℃の水(密度 1.0g/cm3)より密度が大きいため、水に沈みます。
問3
解答:ポリエチレンテレフタレート
解説:
問2解説参照。
問4
解答: 原料:石油(ナフサ)、よく燃える方:PE
解説:
プラスチックの原料は、ほとんどが石油(ナフサ)です。
石油は有機物であるので炭素(C)と水素(H)を含んでおり、燃やす(酸素O2と化合する)と二酸化炭素(CO2)と水(H2O)が発生します。
プラスチックの性質として、以下の4つがあります。
①軽くてしなやか
②熱や油、薬品に強い
③耐水性、可塑性(変形した物体が元の形に戻らない性質)にすぐれている
④生分解性プラスチックは、土のなかで微生物により分解される
燃え方ですが、PETは燃えにくいが多少のすすが出て、PEは溶けながらよく燃えます。
よって、よく燃えるのはPEです。
大問2
問1
解答:窒素
解説:
空気の成分比率は、体積の割合で多い順から
窒素(約78%)、酸素(約21%)、アルゴン(約0.9%)、二酸化炭素(約0.04%)です。
このほか、ネオン、ヘリウムなども微量ですが含まれています。
アルゴン・ネオン・ヘリウムは化学的にとても安定しており、他の物質と化学反応を起こしにくい希ガスと呼ばれる気体です。
アルゴンは体積の割合で、二酸化炭素の約20倍も含まれています。
問2
解答: 液体:ウ、固体:オ
解説:
酸素の発生法として、以下の3つがあります。
★①うすい過酸化水素水に二酸化マンガンを加える
②過酸化水素水を加熱する
③酸素系漂白剤にお湯を加える。
重要なのは、「①うすい過酸化水素水に二酸化マンガンを加える」です。
二酸化マンガンにうすい過酸化水素水を加えると、酸素が発生します。
化学反応式は、
2H2O2→2H2O+O2
二酸化マンガンは過酸化水素水の分解を助けるだけで、自身は変化しない触媒なので、繰り返し使用できます。
それゆえ、この実験で発生する酸素の量(cm3)は、過酸化水素水の量(cm3)や濃度(質量パーセント濃度)に依存します。
なお、二酸化マンガンの代用として、生のレバー(牛などの肝臓)、生のジャガイモなど、酵素を含むもので代用可能です。
問3
解答: ①重い、②とけにくい
解説:
表にある各気体の性質は、以下の通りです。
・酸素
酸素の性質として、以下の4つを押さえましょう。
①無色・無臭、②空気よりやや重い(空気の重さの約1.1倍)、③水にとけにくい、★④助燃性をもつ
・水素
水素の性質として、以下の4つを押さえましょう。
①無色・無臭、②最も軽い気体(空気の重さの約0.08倍)、③水にとけにくい、★④可燃性をもつ
水素は、亜鉛またはマグネシウムにうすい塩酸を加えると発生します。
また、水(H2O)や塩酸(HCl)を電気分解することでも発生します(水素イオンH+より、陰極で発生)
・二酸化炭素
二酸化炭素の性質として、以下の4つを押さえましょう。
①無色・無臭、★②空気より重い(空気の重さの約1.5倍)、③水に少しとける(H+を放出する酸より水溶液は酸性)、★④石灰水を白く濁らせる
・窒素
空気の約8割を占める窒素は、以下の5つの性質を持ちます。
①無色・無臭、②空気より少しだけ軽い、③水に溶けにくい、④助燃性(O2)・可燃性(H2)なし
★⑤常温では他の物質と結びついて化学変化を起こすことはほとんどない(この性質を利用した食品の酸化を防ぐ方法に、窒素充填がある)
・アンモニア
アンモニアの性質として、以下の4つを押さえましょう。
★①無色・刺激臭、★②空気より軽い、★③水に非常によく溶ける(20℃の水1cm3に702cm3溶ける)(OH–を放出するアルカリより水溶液はアルカリ性)→アンモニアの噴水実験、★④塩化水素と反応し、白煙(塩化アンモニウムの白色の固体)を生じる
問4
解答: 方法:上方置換法、性質:水に非常によくとけ、空気より軽いから。
解説:
アンモニアは空気より軽く水に非常によく溶ける(20℃の水1cm3に702cm3溶ける)ため、水に溶けやすく空気より軽い気体を捕集する、上方置換法を用いて捕集します。
フラスコ容器の入り口に塩酸をつけたガラス棒を近づけ、塩化アンモニウムの白煙が生じたら、容器がアンモニアで満たされれていることが確認できます。
気体の捕集方法として、水上置換法・下方置換法・上方置換法の3つがあります。
・水上置換法
発生した気体が水に溶けにくい気体(酸素や水素や二酸化炭素など)のとき、水上置換法を用います。
はじめに出てくる気体はフラスコ内の空気なので、集めません。
・下方置換法
発生した気体が水に溶けやすく空気より重い気体(塩素など)のとき、下方置換法を用います。
容器をガラス板で蓋をし、隙間からガラス管を容器の奥まで入れることで、容器内部の空気が追い出され、容器が発生した気体で満たされます。
・上方置換法
発生した気体が水に溶けやすく空気より軽い気体(アンモニアなど)のとき、上方置換法を用います。
問5
解答:手であおぐようにしてにおいをかぐ。
解説:
解答の通りです。
大問3
問1
解答:温度が高くなるほど大きくなる。
解説:
与えられた溶解度曲線を見ます。
溶解度とは、水100gに溶ける溶質の限界の質量です。
溶解度曲線を見ると、温度(横軸)が増えると、溶解度が二次曲線的に増加していることが分かります。
問2
解答:0.7g
解説:
再結晶の方法として、①水溶液を冷やして取り出す、②水溶液を蒸発させて取り出す、の2つがあります。
①水溶液を冷やして取り出す
温度を下げると溶解度が大きく変化する物質に用いられます(温度による溶解度の変化が大きい)。
溶解度曲線を見ると、硝酸カリウムは温度を下げると溶解度が大きく変化するので、硝酸カリウムの再結晶には水溶液を冷やして取り出す方法が用いられます。
②水溶液を蒸発させて取り出す
温度を下げても溶解度があまり変化しない物質に用いられます(温度による溶解度の変化が小さい)。
溶解度曲線でよく出てくる塩化ナトリウムは、温度を下げても溶解度があまり変化しないので、塩化ナトリウムの再結晶には水溶液を蒸発させて取り出す方法が用いられます。
硝酸カリウムは温度による溶解度の変化が大きい、塩化ナトリウムは温度による溶解度の変化が小さいことは、溶解度曲線と合わせて覚えましょう。
硝酸カリウムの再結晶において、以下の2パターンの問題が出題されます。
①この温度ですべて溶けるか否か
→実験内容を溶解度曲線に合わせる。具体的には、実験で用いた水の質量を100gになるよう、水と溶媒の質量を等倍する。
②温度を下げたとき何gの結晶が析出するか
→溶解度曲線を実験内容に合わせる。具体的には、溶解度曲線の水の質量100gを、実験で用いている水の質量になるよう等倍する。
この問題では、②のパターンの問題なので、溶解度曲線を実験内容に合わせます。
溶解度曲線より、30℃・100gの水に、硝酸カリウムは46g溶けるので、30℃・5gの水には、硝酸カリウムは46×5/100=46×1/20=2.3g溶けます。
本問では30℃・5gの水に、固体の硝酸カリウムを3.0g入れているので、溶け残りが3.0g-2.3g=0.7g発生します。
問3
解答:37.5%
解説:
質量パーセント濃度の公式は、以下の通りです。
質量パーセント濃度(%)=塩(g)/水(g)+塩(g)×100=塩(g)/水溶液(g)×100
ただし、質量パーセント濃度は、溶けている物質に対しての濃度であることに注意です。
問題文に「次に、ときどき振り混ぜながら50℃になるまで加熱すると、とけ残りがなくなった。」とあるので、水5.0g、硝酸カリウム3.0gの値をそのまま質量パーセント濃度の公式に代入できます。
質量パーセント濃度(%)=3.0g/5.0g+3.0g×100=3/8×100=3/2×25=75/2=37.5%
問4
解答:ア
解説:
代表的な結晶の形と色は、以下の通りです。
・塩化ナトリウム→無色・立方体状(エ)
・ミョウバン→無色・正八面体状
・ホウ酸→無色・六角形状(ウ)
・硝酸カリウム→無色・棒状(ア)
大問4
問1
解答:花弁
解説:
花の4要素は、外側から、がく・花弁・おしべ・めしべの順です。
Dはがく、Aは花弁、Cはおしべ、Bはめしべです。
おしべのやくにの中には花粉母細胞(核相2n)があり、そこから成熟花粉(核相n、生殖細胞(精細胞)なので減数分裂して染色体の数が半分になっている)が作られます。
花粉がめしべの柱頭に付着することが受粉で、受粉後、花粉管の伸張により精細胞が胚珠の中の卵細胞(核相n)と受精し受精卵となります。
受精後、胚珠は種子に、子房は果実に、受精卵は胚となります。
なお、生殖細胞の呼び方は、被子植物の場合は精細胞と卵細胞、動物の場合は精子と卵です。
問2
解答:D→A→C→B
解説:
問1解説参照。
植物はまず、種子で増えるか胞子で増えるかで大きく分けられます。
種子で増える植物を種子植物といい、胚珠が子房で包まれている植物を被子植物、胚珠がむきだしの植物を裸子植物といいます。
アブラナは被子植物です。
被子植物は、子葉の枚数により単子葉類(1枚)と双子葉類(2枚)に分類され、双子葉類はさらに花弁の付き方により、合弁花類と離弁花類に分類されます。
単子葉類として、イネ・トウモロコシ・スズメノカタビラ・ユリ・アヤメ・ツユクサ・チューリップを、
合弁花類として、ツツジ・タンポポ・アサガオを、
離弁花類として、サクラ・アブラナ・エンドウを、
それぞれ覚えましょう。
問3
解答: a:柱頭、花粉がつくこと:受粉
解説:
問1解説参照。
Bのaはめしべの柱頭です。
問4
解答:やく
解説:
Cのbはおしべのやくです。
大問5
問1
解答:イ
解説:
種子で増える植物を種子植物といい、胚珠が子房で包まれている植物を被子植物、胚珠がむきだしの植物を裸子植物といいます。
アブラナのような被子植物は、受精後、胚珠は種子に、子房は果実に、受精卵は胚となります。
マツは、裸子植物です。
マツの種子のでき方について。
雄花(B)のりん片にある花粉のう(ウ)から花粉が風で飛び、雌花(B)の胚珠(エ)につき受粉します。
受粉後すぐに受精が起こらず、雌花は翌年の春まで花粉を守り、翌年の春から夏にかけて受精します。
受精後、胚珠は種子に、雌花はまつかさに成長します。子房が無いので果実はできません。
図の雄花の側には1年前に受粉した雌花があり、図の左下にあるのはまつかさ(2年前に受粉した雌花)です。
問2
解答: ①子房、②胚珠、③果実
解説:
問1解説参照。
問3
解答: 植物:裸子植物、なかま:1、5
解説:
裸子植物の例として、マツ、スギ、ヒノキ、イチョウ、ソテツ、の5つを押さえましょう。
大問6
問1
解答: 赤い管:イ、ウ 名前:道管
解説:
ホウセンカは双子葉類であることを覚えましょう。
双子葉類は、子葉が2枚、葉脈(葉の維管束)が網状脈、茎の維管束が輪状に並びます。
維管束とは、道管と師管の束のことです。
図1を見ると、双子葉類であるホウセンカの茎は、形成層があり、形成層を中心に維管束が輪状に並んでいます。
道管は、根から吸収された水や肥料分が通る管で、茎では維管束の内側にあります。
ゆえに、赤い色水は、道管(イ)を通り、葉の維管束である葉脈に送り届けられ、光合成の材料として使われます。
師管(ア)は、葉で光合成で作られた養分(デンプン→ショ糖)が通る管で、茎では維管束の外側にあります。
双子葉類の根は、主根と側根からなり、根の先端ちかくに根毛があり、表面積を広げる構造をしており、これにより水や肥料分を効率よく吸収できます。
問2
解答:維管束
解説:
図2は、葉の断面図です。
葉は、上から、表皮、柵状組織、維管束(ウとエ)、海綿状組織、表皮(裏側、気孔が多くある)、からなります。
植物の葉には葉緑体があり、光合成は葉緑体で行われます。
葉緑体は、柵状組織、海綿状組織、葉の裏側の孔辺細胞(孔辺細胞のすきまが気孔)にあります。
葉は光を受けやすく、光合成がさかんなため、柵状組織がぎっしりならびます。裏は気孔が多く、気体(酸素と二酸化炭素)が出入りしやすいように、海綿状組織がまばらに並びます。
葉の維管束を葉脈といいます。
茎の維管束では、内側が道管で外側が師管ですが、葉の維管束では、上側(表皮側)が道管(ウ)で下側が師管(エ)です。
問3
解答: ①デンプン、②師管
解説:
植物の葉には葉緑体があり、光合成は葉緑体で行われます。
根で吸収した水が茎の道管(維管束の内側)から葉の維管束である葉脈(維管束の上側)を通り葉緑体に届けられ、
孔辺細胞の隙間である気孔で吸収された二酸化炭素を日光(光エネルギー)を用いて、単糖類であるグルコース(ブドウ糖)と酸素に合成されます。
グルコースは水に溶けやすく、このままの形では葉に栄養分を貯蔵できないため、グルコースが多数つながった水に溶けにくいデンプンにつくり変えられます。
夜間に水に溶けやすい二糖類のスクロース(ショ糖)に変えられ、師管を通ってからだの各部へ運ばれて、呼吸や成長の材料として使われます。
問4
解答:エ
解説:
問1解説参照。
大問7
問1
解答: 葉:A、B 茎:C
解説:
植物はまず、種子で増えるか胞子で増えるかで大別され、種子で増える植物を種子植物といいます。
胞子で増える植物は、今度は維管束があるかどうか、または、根・茎・葉の区別かあるかどうかで大別され、
維管束がある植物をシダ植物、ない植物をコケ植物といいます。
イヌワラビはシダ植物です。
シダ植物の個体の増やし方は、
葉の裏にある胞子のうが乾いて裂けて胞子が飛び出て、胞子が発芽して前葉体となり、前葉体の造精器(雄器)から精子が雨の日に泳いで別の前葉体の造卵器(雌器)の卵までいき受精し、受精卵が成長し若いシダとなって増えます。
シダ植物は、無性生殖→有性生殖の順で個体を増やします。
スギゴケやゼニゴケはコケ植物です。
コケ植物は、雄株と雌株の区別があるものが多いです。
個体の増やし方は、
雄株の雄器で精子が、雌株の雌器で卵が作られ、雨の日などに精子が雌器の卵まで泳いで受精し、受精卵が育つと雌器に胞子のうができて胞子がつくられ、胞子のうが破れて胞子が飛び散り、発芽・成長して雄株と雌株になります。
コケ植物は、有性生殖→無性生殖の順で個体を増やします。
図1のイヌワラビのからだのつくりにおいて、AとBが葉、Cが茎、Dが根です。
シダ植物の根は、種子植物ほど発達していないひげ根、茎は、地中を横に走る地下茎、葉は、地上に出ている部分全体が1枚の葉(複葉という)で、Aを葉身、Bを葉柄といいます。
問2
解答:維管束
解説:
問1解説参照。
なお、図2は葉にあるので、葉の維管束である葉脈です。
問3
解答: F:胞子のう、G:胞子
解説:
イヌワラビの葉の裏には胞子のう(F)がくっついており、胞子のうが乾いて裂けて胞子(G)が飛び出て、胞子が発芽して前葉体となり、有性生殖により個体を増やします。
問4
解答:シダ植物
解説:
問1解説参照。
問5
解答:ア、エ
解説:
図4は、コケ植物であるゼニゴケの、雌株です。
コケ植物は、雄株と雌株の区別があるものが多いです。
シダ植物とコケ植物の相違点について。
シダ植物は、根・茎・葉(維管束)の区別があり根(ひげ根)で水を吸収します。
コケ植物は、根・茎・葉(維管束)の区別がなく、からだの表面で水を吸収します。また、雄株と雌株に分かれていることが多いです。
シダ植物とコケ植物の類似点について。
種子ではなく胞子で増える、湿ったところで生育する、葉緑体を持ち光合成をする、雄器で作られた精子が泳ぐために受精には水が必要、の4つです。
大問8
問1
解答:蒸散
解説:
植物の葉の表、葉の裏、茎には気孔(孔辺細胞の隙間)があり、気孔から酸素や二酸化炭素が出入りし、水蒸気が出て行きます。
植物体内の水が、気孔から水蒸気となって体外に放出される現象を蒸散といいます。
蒸散量を調べる実験では、問題の通り、ワセリンがよく用いられます。
また、蒸散量を正確に調べるために、試験管に油を入れ、水が試験管から蒸発するのを防止します。
問2
解答:気孔は葉の裏側に多いから。
解説:
気孔は孔辺細胞のすきまにできる小さな穴です。
多くの陸上植物は、葉の表側より裏側に気孔が多く分布しますが、オニユリなどでは葉の表と裏でほぼ同数の気孔が分布しています。
気孔は茎にもあることに注意してください。
図のアでは、葉の裏側にワセリンをぬっているので、葉の表側と茎から蒸散が起こっています(1時間あたりの蒸散量=a)。
図のイでは、葉の表側にワセリンをぬっているので、葉の裏側と茎から蒸散が起こっています(1時間あたりの蒸散量=b)。
図のウでは、ワセリンをぬっていないので、葉の表側と葉の裏側と茎から蒸散が起こっています(1時間あたりの蒸散量=c)。
これより、1時間あたりの蒸散量が最も多いのは、ウのcです。
1時間あたりの蒸散量はb>aより、実験で用いた植物は、葉の表側より裏側に気孔が多く分布する植物であることが分かります。
問3
解答:イ
解説:
2つの植物を用いた蒸散量は、以下のように計算します。
c-b=(葉の表・葉の裏・茎)-(葉の裏・茎)=葉の表側からの蒸散量
問4
解答:根から水を吸い上げること。
解説:
蒸散がもつ3つのはたらき(メリット)は、
①体内の水分量の調節
②植物体の温度調節
→蒸散が起こると気化熱により植物体の温度が下がる
③水分移動の促進
→葉で蒸散が起こると植物体の水分量が減り、葉の細胞内液の濃度が高くなり、根から道管に水を押し上げる力である根圧と、葉が道管から水を吸収しようとする力である吸水力により、水分移動が促進される
大問9
問1
解答:エタノールに引火する恐れがあるから。
解説:
解答の通りです。
純粋なエタノールの沸点は78.3℃、水の沸点は100℃なので、エタノールを熱湯(100℃の水)であたためすぎると、エタノールの温度が沸点を超えてしまい気体になってしまいます。
問2
解答:ヨウ素(溶)液
解説:
植物の葉には葉緑体があり、光合成は葉緑体で行われます。
根で吸収した水が茎の道管(維管束の内側)から葉の維管束である葉脈(維管束の上側)を通り葉緑体に届けられ、
孔辺細胞の隙間である気孔で吸収された二酸化炭素を日光(光エネルギー)を用いて、単糖類であるグルコース(ブドウ糖)と酸素に合成されます。
グルコースは水に溶けやすく、このままの形では葉に栄養分を貯蔵できないため、グルコースが多数つながった水に溶けにくいデンプンにつくり変えられます。
夜間に水に溶けやすい二糖類のスクロース(ショ糖)に変えられ、師管を通ってからだの各部へ運ばれて、呼吸や成長の材料として使われます。
植物が光合成を行うことを確認する実験として、「ふ」入りの葉を使った実験があります。
まず、ふ入りの葉の一部をアルミニウムはくでおおい、1日暗室に置いて葉のデンプンを無くし、翌日、日光に当てます。
次に、葉を熱湯につけたあと、あたためたエタノールにつけて葉の緑色を脱色し、ヨウ素液にひたします。。
その結果、アルミニウムはくでおおった部分(光なし)とふの部分(葉緑体なし)は色が変化しないことから、光合成には光と葉緑体が必要であることが分かります。
問3
解答:A
解説:
A(緑色の部分)には葉緑体があり、光が当たっているので、グルコース(ブドウ糖)からデンプンに作り変えられ、貯蔵されているため、ヨウ素液が青紫色に変化します。
B(ふの部分)には葉緑体がないため、デンプンが存在せず、ヨウ素液の色が変化しません。
CとDの部分は光が当たっていないため、光合成が行われずデンプンが産生されないので、ヨウ素液の色が変化しません。
問4
解答: ①葉緑体、②光(日光)
解説:
① A(緑色の部分、ヨウ素液の色が変化した)とB(ふの部分、ヨウ素液の色が変化しなかった)で無いものは、葉緑体です。
以上から、光合成では葉緑体が必要であるといえます。
A(緑色の部分、光が当たっている、ヨウ素液の色が変化した)とC(緑色の部分、光が当たっていない、ヨウ素液の色が変化しなかった)で無いものは、光です。
以上から、光合成では光が必要であるといえます。
光合成には光と葉緑体が必要であることを確かめるには、
光→光が当たっておりかつ葉緑体があるAと、光が当たっていないBの部分を比べるとよいです。
葉緑体→光が当たっておりかつ葉緑体があるAと、ふの部分であるCの部分を比べるとよいです。
「光と葉緑体が必要である」→光と葉緑体があるものと、光と葉緑体が無いものを選ぶのがポイントです。
大問10
問1
解答: 石灰水:白くにごる、理由:植物が呼吸をして二酸化炭素を出したから。
解説:
植物は光合成と呼吸を同時に行います。
光合成では、葉の気孔から、二酸化炭素が入り酸素が出ます。
呼吸では、葉の気孔から、酸素が入り二酸化炭素が出ます。
光の当たる場所では、光合成のはたらきの方が強くなるので、光合成で出入りする気体の量が、呼吸で出入りする気体の量より多くなり、あたかも酸素が放出されているかのように見えます。
光の当たらない場所では、呼吸のみ行われるので、二酸化炭素のみ放出されます。
石灰水に二酸化炭素を通すと、白く濁ります。
図1と図2では、Aの袋にある葉が二酸化炭素のみ放出しているので、Aの袋の空気は二酸化炭素で満たされており、石灰水に通すと白く濁ります。
石灰水とは水酸化カルシウム(Ca(OH)2)のことです。
水酸化カルシウムは水溶液中に水酸化物イオン(OH–)があるので、アルカリ性です。
水酸化カルシウム水溶液に二酸化炭素(CO2)が溶けると炭酸(H2CO3)となり、水素イオン(H+)が放出されるので、酸性の性質を示します。
アルカリ性の水酸化カルシウムに、酸性の炭酸が加わることで中和が起こり、炭酸カルシウム(CaCO3)の塩が発生します。
炭酸カルシウムは白色の固体で、水にとけにくいため、水溶液中に拡散します。
石灰水が白く濁るのは、炭酸カルシウムが水溶液中に拡散しているためです。
この状態でさらに二酸化炭素を流すと、炭酸カルシウムは水に溶けやすい炭酸水素カルシウムとなり、水溶液は再び透明になります。
問2
解答:対照実験
解説:
対照実験では、ある実験を「調べたい条件」以外のものをすべて同じにした状態で行い、両者を比べることで結果が異なれば、「調べたい条件」が原因と証明できます。
二酸化炭素が増えたことが葉のはたらきであることを確かめるには、日光が当たらず呼吸のみ行われるAを用います。
しかし袋Aだけだと、葉以外の要素が原因で二酸化炭素が増えたとも言えてしまうので、葉のみ無い袋Cを用いて、AとCを比べることで、二酸化炭素が増えたことが葉のはたらきであることを確かめることができます。
問3
解答:イ
解説:
石灰水を変化させた、すなわち石灰水を白く濁らせた植物のはたらきは、植物の呼吸です。
呼吸では、葉の気孔から、酸素が入り二酸化炭素が出ます。
植物の呼吸は、昼夜を問わず、一日中行われます。
対して光合成は、日光が必要であるため、光が当たる時間帯に行われます。
また、光合成によって産生されたデンプンは、夜間に水に溶けやすい二糖類のスクロース(ショ糖)に変えられ、師管を通ってからだの各部へ運ばれて、呼吸や成長の材料として使われます。
問4
解答:植物が光合成によって二酸化炭素を使ったから。
解説:
植物は光合成と呼吸を同時に行います。
光合成では、葉の気孔から、二酸化炭素が入り酸素が出ます。
呼吸では、葉の気孔から、酸素が入り二酸化炭素が出ます。
光の当たる場所では、光合成のはたらきの方が強くなるので、光合成で出入りする気体の量が、呼吸で出入りする気体の量より多くなり、あたかも二酸化炭素が吸収され、酸素が放出されているかのように見えます。
大問11
問1
解答:主根、側根
解説:
植物の分類の観点はまず、種子をつくるか否かで大別します。
種子を作る植物を種子植物(G)といいます。
種子植物はさらに、胚珠が子房に包まれているか否かで分類し、胚珠が子房に包まれている植物を被子植物(G)、胚珠がむきだしの植物を裸子植物(C)といいます。
被子植物はさらに、子葉の枚数で分類し、子葉が1枚の植物を単子葉類(B)、子葉が2枚の植物を双子葉類(A)といいます。
双子葉類はさらに、花弁がくっついているか否かで分類し、花弁がくっついている植物を合弁花類(ツツジ)、花弁が離れている植物を離弁花類(アブラナ)といいます。
単子葉類として、イネ・トウモロコシ・スズメノカタビラ・ユリ・アヤメ・ツユクサ・チューリップを、
合弁花類として、ツツジ・タンポポ・アサガオを、
離弁花類として、サクラ・アブラナ・エンドウを、
裸子植物として、マツ、スギ、ヒノキ、イチョウ、ソテツを
それぞれ覚えましょう。
これに加えて、ホウセンカは双子葉類であることも覚えましょう。
種子を作らず、胞子で増える植物(H)は、今度は維管束があるかどうか、または、根・茎・葉の区別かあるかどうかで大別され、
維管束がある植物をシダ植物(IとD)、ない植物をコケ植物(E)といいます。
シダ植物として、イヌワラビ・ゼンマイ・スギナを、
コケ植物として、スギゴケ・ゼニゴケを、
それぞれ覚えましょう。
双子葉類(A)は、子葉が2枚、葉脈(葉の維管束)が網状脈、茎の維管束が輪状に並びます。
維管束とは、道管と師管の束のことです。
道管は、根から吸収された水や肥料分が通る管で、茎では維管束の内側にあります。
師管は、葉で光合成で作られた養分(デンプン→ショ糖)が通る管で、茎では維管束の外側にあります。
双子葉類の根は、主根と側根からなり、根の先端ちかくに根毛があり、表面積を広げる構造をしており、これにより水や肥料分を効率よく吸収できます。
問2
解答:花弁が1つにくっついているか、1枚1枚離れているか。
解説:
双子葉類(A)は、花弁がくっついているか否かで分類し、花弁がくっついている植物を合弁花類(ツツジ)、花弁が離れている植物を離弁花類(アブラナ)といいます。
問3
解答: なかま:単子葉類、葉脈:平行脈(平行に通っている)
解説:
被子植物はさらに、子葉の枚数で分類し、子葉が1枚の植物を単子葉類(B)、子葉が2枚の植物を双子葉類(A)といいます。
単子葉類は、子葉が1枚、葉脈(葉の維管束)が平行脈、茎の維管束が全体に散らばっています。
維管束とは、道管と師管の束のことです。
道管は、根から吸収された水や肥料分が通る管で、茎では維管束の内側にあります。
師管は、葉で光合成で作られた養分(デンプン→ショ糖)が通る管で、茎では維管束の外側にあります。
単子葉類の根はひげ根で、根の先端ちかくに根毛があり、表面積を広げる構造をしており、これにより水や肥料分を効率よく吸収できます。
問4
解答: ①F、②H
解説:
問1解説参照。