今回は、2018年8月11日に行われた、第2回道コンの中1理科の講評と、問題別の解説を致します。
本問題集は、北区の生徒さんから頂きました。
Iさん、どうもありがとうございました。
残念ながら、Iさんは初回面談で後日検討され、その間に他の生徒さんの指導が決まり、指導には至りませんでした。
2018年第2回道コン中1理科の結果
今回の道コンの中1理科の結果ですが、石狩地区(札幌・江別・北広島・恵庭・千歳)の平均が38.1点でした。
約40点取れたら、道コンで真ん中の順位(偏差値50)が取れたということです。
平均点が、結構高いです。
問題が単純な知識問題ばかりで解きやすかったのもありますが、母集団のレベルが高かったのが要因でしょう。
中1から道コンを受けるくらいですから、意識の高いレベルの高い生徒揃いだったのでしょうね。
2018年第2回道コン中1理科の講評
今回の道コン理科の問題ですが、難易度が「易」と私は判断しました。
単純な知識問題ばかりで、教科書のワークをきちんとやっていたら、42点(7割)はラクに出来たはずです。
プラスアルファで、家庭教師のそらが使用している問題集もやっていたら、満点も狙えたと思います。
高校入試は、理解を伴った暗記をしていないと解けません。
ですが、知識を無理やり詰め込む作業をしてきたら、あとは知識を体系化させる学習をすれば、終わりです。
知識を体系化させる学習は、家庭教師のそらが使用している問題集で出来ます。
中2の春休みあたりから、この問題集をコツコツやり、伸び伸びやっていきましょう。
話が逸れましたが、次に、今回の道コン理科の問題別の講評をしていきます。
2018年第2回道コン中1理科の問題別講評
今回の道コンの中1理科の範囲は、中1の「光と音」(物理)と「物質の姿」(化学)と「生物の観察」「植物の生活と種類」(生物)の分野から出題されました。
大問1〜12の構成で、5問を選択して解答する形式でした。
各大問の講評をしていきます。
大問1(難易度:易)
「物質の姿」(化学)からの出題です。
問1〜問5までの、5問構成でした。
全体の難易度は、「易」です。
問1は、電子てんびんの操作方法を問う、知識問題です。
3つを並べ替えるだけなので、知識がうろ覚えでも解けたでしょう。
が、うろ覚えは良くないので、問題文と解説をよく読んで暗記してください。
問2は、有機物に関しての知識問題です。
有機物は炭素と水素を含む物質で、燃やす(酸化させる)と、水と二酸化炭素が生成されることを知っていれば、容易に解けます。
問3は、知識+読解力を試す問題です。
かたくり粉は水に溶けないこと、砂糖は有機物なので燃えることを知っていれば、あとは問題文から機械的に答えが導き出せます。
問4は、単純な知識問題です。
金属の3つの性質を暗記していれば、瞬殺できます。
問5は、単純な知識問題です。
物体と物質の違いについて、問題文と解説をよく読んで暗記してください。
大問2(難易度:標準)
「物質の姿」(化学)からの出題です。
問1〜問5までの、5問構成でした。
全体の難易度は、「標準」です。
問1は、メスシリンダーの読み方を問う、単純な知識問題です。
メスシリンダーの読み方について、問題文と解説をよく読んで暗記してください。
問2は、密度の計算問題です。
密度は、式ではなく単位の記号と意味を暗記しましょう。
それを覚えていれば、あとは機械的に数字を当てはめるだけで、この問題は解けます。
問3は、ガスバーナーに火を付ける手順を問う、知識問題です。
3つを並べ替えるだけなので、知識がうろ覚えでも解けたでしょう。
が、うろ覚えは良くないので、問題文と解説をよく読んで暗記してください。
問4は、プラスチックの知識を問う問題です。
プラスチックの知識を問う問題には、なかなか出会う機会がありません。
ここは、ほとんどの受験生が解けなかったのではないでしょうか。
問5は、金属の3つの性質の知識があれば、解ける問題でした。
選択肢を焦らずじっくり読めば、答えが出せたはずです。
大問3(難易度:標準)
「物質の姿」(化学)からの出題です。
問1〜問5までの、5問構成でした。
全体の難易度は、「標準」です。
問1は、アンモニアの性質を問う問題です。
しかし、塩化アンモニウムと水酸化カルシウムが反応するとアンモニアが生成する、という知識が無いと、この問題は解けません。
出来なかった方は、要復習です。
問2も、アンモニアの性質を問う問題です。
アンモニアは水に溶けやすい気体です。
アンモニアが水に溶けることで、フラスコ内部の体積(気圧)が減ります。
下がった気圧を元に戻すため、水が流入します。
問3は、水素の性質を問う問題です。
亜鉛に塩酸を加えると水素が発生することを、覚えて下さい。
問4は、水素の性質を問う問題です。
水素は気体の中で最も軽いことを、覚えて下さい。
他の選択肢の気体は何か、についても押さえておきましょう。
問5は、水素の性質を問う問題です。
先ほどのアンモニアと、逆に考えれば溶けます。
水素は水に溶けにくい気体です。
水素が水に溶けにくいので、フラスコ内部の体積(気圧)がほとんど減りません。
気圧が下がらないので、水が流入しません。
大問4(難易度:標準)
「物質の姿」(化学)からの出題です。
問1〜問3までの、3問構成でした。
全体の難易度は、「標準」です。
問1は、溶質と溶媒の違いを問う問題です。
溶質は、溶けているもの。
溶媒は、溶かすもの。
この違いを押さえておきましょう。
問2は、どちらかというと常識問題です。
溶質(溶けているもの)を放置したら、水全体に広がっていくのは、常識的に考えれば分かりますよね。
問3(1)は、濃度の単純な計算問題です。
「濃度(%)=塩の重さ/全部の重さ×100」をまず暗記しましょう。
この問題は、この式に数字を機械的に当てはめれば容易に解けます。
四捨五入するのを、お忘れなく。
問3(1)は、結晶のかたちの知識を問う問題です。
ミョウバンと食塩の結晶のかたちを、押さえておきましょう。
大問5(難易度:易〜標準)
「物質の姿」(化学)からの出題です。
問1〜問3までの、3問構成でした。
全体の難易度は、「易〜標準」です。
問1は、状態変化の知識を問う問題です。
ここは正答できないとマズいでしょう。
問2(1)は、物質を構成する粒子の知識を問う問題です。
固体では粒子はほとんど動かない、液体では粒子はスムーズに動いている、気体では粒子はびゅんびゅん動いている。
このことを暗記して下さい。
問2(2)は、状態変化の知識問題です。
融点と沸点について、軽く問われています。
が、高校入試はこんなに易しくないでしょう。
融点と沸点について、もう少し突っ込んで欲しかったです。
問2(3)は、読解力を試す問題です。
問題文に機械的に従っていけば、答えを出せます。
問3は、水の性質を問う問題です。
通常は、液体から固体になると、体積が減ります。
ですが、水の場合、液体から固体になると、体積が増えます。
質量は変わりません。
以上の知識があれば、この問題は容易に解けます。
大問6(難易度:標準)
「生物の観察」(生物)の分野からの出題です。
問1〜問5までの、5問構成でした。
全体の難易度は、「標準」です。
問1は、顕微鏡の操作方法を問う知識問題です。
4つの選択肢を並べ替える問題です。
が、選択肢の文章が長く細かく問われており、知識がうろ覚えな状態では解けなかったかもしれません。
間違えた方は、要復習です。
問2は、単純な知識問題です。
プレパラートを知らない方は、ここで暗記してください。
問3は、顕微鏡の倍率の計算問題です。
とくに複雑でもなく、式を知っていれば容易に解ける問題でした。
問4は、どちらかというと常識問題です。
スケッチをするときによけいな影を書いたらダメなのは、常識的に考えれば分かりますよね。
問5は、知識問題問題です。
倍率300倍の生き物が、実際の大きさが最も小さいのは分かります。
しかし、その生き物の名前を知っているかどうかで、勝敗が分かれる問題でした。
大問7(難易度:易)
「植物の生活と種類」(生物)の分野からの出題です。
問1〜問4までの、4問構成でした。
全体の難易度は、「易」です。
問1(1)は、単純な知識問題です。
ツツジは合弁花で、合弁花の特徴を図で暗記していたら問題なく解けます。
問1(2)は、単純な知識問題です。
合弁花と離弁花の違いを暗記していたら問題なく解けます。
合弁花と離弁花の暗記法について、この問題を提供して頂いたIさんが、面白い暗記法を問題集に書き込んでいました。
ここで紹介します。
<合弁花と離弁花の暗記法>
・遠藤 サクラ (の) あぶない リベンジ
(エンドウ サクラ アブラナ 離弁花 )
・朝(から) タンポポ つつ (んで) GO
(アサガオ タンポポ ツツジ 合弁花)
問2は、単純な知識問題です。
りん片を知っていれば、容易に解けます。
問3は、ちょっと突っ込んだ知識問題です
マツの雌花とりん片のかたち、マツの雄花とりん片のかたちについて、この問題と解説を読んで暗記しましょう。
問4は、単純な知識問題です。
被子植物は胚珠が子房に覆われているが、裸子植物は胚珠が子房に覆われていない。
この違いを知っていれば、この問題は解けます。
大問8(難易度:標準〜やや難)
「植物の生活と種類」(生物)の分野からの出題です。
問1〜問5までの、5問構成でした。
全体の難易度は、「標準〜やや難」です。
問1は、どちらかというと常識問題です。
葉から蒸散して水分が放出されることを知っていることが前提です。
が、葉に油を塗るのは水が出ないようにするためだと、常識的に考えれば分かりますよね。
問2は、葉の蒸散量を求める計算量です。
この問題は、ほぼ入試レベルです。
中1生にしては難易度が高い問題だと言えます。
しかし、いずれこの問題のレベルが当たり前になってくるので、きちんと復習してください。
問3は、単純な知識問題です。
気孔について軽く知っているだけで、この問題は解けます。
問4は、単純な知識問題です。
導管と師管の位置について、しっかり押さえておきましょう。
高校入試で何度も問われている知識です。
問5は、単純な知識問題です。
大問9(難易度:やや難)
「植物の生活と種類」(生物)の分野からの出題です。
問1〜問5までの、5問構成でした。
全体の難易度は、「標準〜やや難」です
問1は、知識+読解力を試す問題です。
Aは光合成をしているので、袋の中の酸素量が増えます。二酸化炭素量はそのままです。
Bは呼吸のみしているので、袋の中の酸素量が減り、二酸化炭素量が増えます。
以上のことが分かっていれば、この問題は解けます。
問2は、光合成が行われていることを確かめる実験の手順を問う知識問題です。
4つの選択肢を並べ替える問題です。
が、選択肢の数が多く、知識がうろ覚えな状態では解けなかったかもしれません。
間違えた方は、要復習です。
問3と問4は、読解力を試す問題です。
知識抜きでも、問題文をよく読めば、機械的に答えが容易に導き出せます。
問5は、単純な知識問題です。
葉緑体で光合成によって作られたデンプンは、水に溶けやすいものに変えられることに注意です。
大問10(難易度:易)
「植物の生活と種類」(生物)の分野からの出題です。
問1〜問5までの、5問構成でした。
全体の難易度は、「易」です。
全ての問題が単純な知識問題です。
間違えた方は、この問題集の内容を丸暗記してください。
大問11(難易度:難)
「光と音」(物理)の分野からの出題です。
問1〜問4までの、4問構成でした。
全体の難易度は、「難」です。
問1と2は、鏡の作図の問題です。
光の屈折の作図は出来ても、鏡の作図が出来ない生徒は大勢います。
この問題も、ほとんどの受験生が解けなかったのではないでしょうか。
出来なかった方は、この問題を復習して、書き方を覚えて下さい。
問3は、光の屈折問題です。
が、教科書やワークに載っているような図ではないのが難しいです。
・詰まっているところほど角度(入射角・屈折角)が小さい
・入射角・屈折角は、法線からの角度である
以上の知識を知らないと、この問題は解けません。
問4は、単純な知識問題です。
ここは落とさないようにしましょう。
ほぼ同じ問題が、今回の道コンの中3理科でも出題されました。
大問12(難易度:易〜標準)
「光と音」(物理)の分野からの出題です。
問1〜問3までの、3問構成でした。
全体の難易度は、「易〜標準」です。
問1と問2(1)は、焦点について問う知識問題です。
学校のワークをきちんとやっていれば、簡単に解けます。
間違えた方は、要復習です。
問2(2)は、読解力と思考力を試す問題です。
厚紙を近づける→実像のサイズが大きくなる→スクリーンにボケた像が映し出される→★スクリーンを凸レンズから離す★→はっきりとした形の像が映し出される
以上の流れから答えが導き出せます。
問3は、虚像について問う知識問題です。
実像エリアと虚像エリアの場所、焦点距離と実像のサイズとの関係、実像と虚像のかたち、などを学校のワークを復習して暗記して下さい。
以上、2018年8月11日に行われた、第2回道コンの中1理科の講評と、問題別の解説でした。
問題文にしがみつけ!!
入試問題は、一問一答式ではなく、文章題で出題されます。
文章題を解くコツは、問題文に素直に従うことです。
問題文にしがみつく勢いでじっくり読み、問題文から機械的に答えを導き出す作業をするのが、入試です。
入試問題は、問題文をすべて読まないと解けません。
だから、すべての文章を読まなければならないと、腹をくくってください。
逆に、問題文をすべて読みさえすれば、すんなりと答えが出せます。
要は腹をくくったもの勝ちなのです。
試験中に緊張して頭が真っ白になってしまったら、一度すべてを忘れましょう。
そして、問題文に身をゆだねて、問題文に愚直に従い、素直な気持ちになって解いてみましょう。