2018年第2回道コン中3数学の結果
今回の道コンの中3数学の結果ですが、石狩地区(札幌・江別・北広島・恵庭・千歳)の平均が31.2点でした。
およそ30点、つまり半分できたら、道コンで真ん中の順位(偏差値50)が取れたということです。
今回の母集団なら、およそ30点取れたら、札幌北陵高校レベルの高校に手が届く感じです。
2018年第2回道コン中3数学の講評
今回の道コン数学の問題ですが、思考力を養える良問揃いでした。
しかし、確率の問題など、入試に適しているとは言えない問題も混ざっていました。
やはりいちばんの入試対策は、過去問を解くことです。
学校の宿題と並行して、入試過去問もやりましょう。
数学の入試標準問題は定期試験レベルです。
というか、学校のワークのほうがずっと難しいです。
数学の入試標準問題は、学校のワークをやり込めば大丈夫です。
ここまでやれば学校裁量問題でも、半分は取れるはずです。
しかし、学校のワークは、解説が詳しくない場合が多いので、市販の問題集をやりましょう。
問題集をきちんとやるとは、解法パターンを理解した上で暗記し、知識を即座に取り出せるレベルまで反復練習を繰り返すという意味です。
しかし数学は、範囲が広いので、いちいち書いていたら時間が足りません。
だから、書くのは最小限にして、読むに徹するべきです。
解法パターンを理解した上で暗記したら、あとは学校のワークで演習を積めば大丈夫です。
2018年第2回道コン中3数学の問題別講評
今回の道コンの中3数学の範囲は、中1・2全範囲と、中3の平方根まででした。
大問1〜5の構成で、一部の問題は記述式でした。
各大問の講評をしていきます。
大問1(易)
問1〜問5までは、基本中の基本の問題です。
入試標準問題の大問1と同じレベルだと言えます。
ここは落とさないようにしてください。
問6は難しい。
中央値の概念を正しく理解しているのかを問う問題です。
「中央値は真ん中の人の階級値」と覚えているだけでは、この問題は解けません。
もし同じ問題が入試に出題されたら、ここは差が付くでしょう。
問7は標準レベル。
nが整数のとき、2nが偶数、2n+1が奇数になることを、理解(数字を当てはめて確認)した上で暗記しましょう。
あとは、問題文の誘導に従って、機械的に解けば終わりです。
大問2(難)
確率の問題。
問1は樹形図を書けばすぐに解けます。
しかし、問2が非常に難しい。
「調理台1の組み合わせが決まると、調理台2の組み合わせも自動的に決まる」ことが分からないと、解けません。
この考え方は、高校数学の確率の頻出事項ですが、中学数学では使いません。
ゆえに、問2は中学数学の範囲を超えているといえます。
本問題は、思考力を養える良問ですが、入試に即しているとは言えません。
入試に出題される確率の問題は、教科書の例題レベルです。
ここまで難しい問題をやる必要はないでしょう。
大問3(標準)
一次関数と比例・反比例のグラフの融合問題です。
問1と問2は易しい。
グラフを書くまでもなく解けます。
が、問3で、難易度が大きく跳ね上がります。
問3が出来たかどうかで、差が付くでしょう。
部分点狙いで良いので、なんとかあがいてください。
なお、「三角形の面積の問題は、三角形を二分割する」という考え方は入試頻出ポイントなので、ぜひ覚えて下さいね。
大問4(やや易)
図形問題です。
問1は易しい問題です。
ここは落とさないようにしたいです。
なお、直角三角形の一方の鋭角Aに対し、他の鋭角は「90°−∠A」になることを、理解した上で暗記して下さい。
頻出次項です。
問2は考え方が単純で易しいですが、記述量が多いので、標準レベルというところでしょうか。
なお証明問題は、番号を振ると困らずに書けますよ。
大問5(やや難)
問1は易しい。
落とさないようにしたいです。
(1)は、「△ADEに重ね合わせた」ということから、折って重なる、つまり線対称な図形を考えます。
折り目つまり対称軸は角の二等分線であることを知っていれば、この問題は解けます。
(2)は問題文にていねいに従って図を書けばよいだけです。
問2は、難しい。
(1)は、機械的に体積を求めて、aとbの組み合わせを求めればよいだけです。
しかし、体積に√が混ざっているのに戸惑った受験生が多かったのではないでしょうか。
なお、「〜柱」の体積の公式は1/3が付かず、「〜錐」の体積の公式は公式は1/3が付くことにも注意が必要です。
(2)は非常に難しい。
南北東西狙いでないなら、ここは捨ててOKです。
しかし、計算力と思考力を養える良問なので、解説をよく読み復習してください。
問題文にしがみつけ!!
入試問題は、一問一答式ではなく、文章題で出題されます。
文章題を解くコツは、問題文に素直に従うことです。
問題文にしがみつく勢いでじっくり読み、問題文から機械的に答えを導き出す作業をするのが、入試です。
入試問題は、問題文をすべて読まないと解けません。
だから、すべての文章を読まなければならないと、腹をくくってください。
逆に、問題文をすべて読みさえすれば、すんなりと答えが出せます。
要は腹をくくったもの勝ちなのです。
試験中に緊張して頭が真っ白になってしまったら、一度すべてを忘れましょう。
そして、問題文に身をゆだねて、問題文に愚直に従い、素直な気持ちになって解いてみましょう。