指導経験20年以上のプロ家庭教師。北海道の高校受験に特化。勉強がとても苦手な子の指導が得意です。
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大問1
問1
解答:分解
解説:
化学変化のうち、1種類の物質から、2種類以上の物質ができる変化を分解といいます。
分解には、熱分解と電気分解などがあります。
熱分解で覚えるのは、
・炭酸水素ナトリウムの熱分解
炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+水+二酸化炭素
・酸化銀の熱分解
酸化銀→銀+酸素(2Ag2O→4Ag+O2)
・炭酸アンモニウムの熱分解
炭酸アンモニウム→アンモニア+水+二酸化炭素
電気分解で覚えるのは、
・水の電気分解
水→水素+酸素(2H2O→2H2+O2)
・塩酸の電気分解
塩酸→水素+塩素(2HCl→H2+ Cl2)
・塩化銅の電気分解
塩化銅→銅+塩素(CuCl2→Cu+Cl2)
問2
解答:酸素、ウ
解説:
酸化銀の熱分解を題材にした問題です。
酸化銀の熱分解の化学反応式は、以下の通りです。
酸化銀→銀+酸素(2Ag2O→4Ag+O2)
酸化銀を熱分解すると、気体として酸素が発生します。
酸素は助燃性をもつので、火のついた線香を試験管A〜Cに入れると、線香は激しく燃えます。
代表的な気体の性質は、以下の通りです。
■酸素
酸素の性質として、以下の4つを押さえましょう。
①無色・無臭、②空気よりやや重い(空気の重さの約1.1倍)、③水にとけにくい、★④助燃性をもつ
酸素が発生する反応として、以下の例を覚えましょう。
・二酸化マンガンにうすい過酸化水素を加える
・過酸化水素を加熱する
・酸素系漂白剤にお湯を加える
・酸化銀を加熱する
・水を電気分解する
■水素
水素の性質として、以下の4つを押さえましょう。
①無色・無臭、②最も軽い気体(空気の重さの約0.08倍)、③水にとけにくい、★④可燃性をもつ
水素が発生する反応として、以下の例を覚えましょう。
・鉄にうすい塩酸を加える
・亜鉛にうすい塩酸を加える
・マグネシウムにうすい塩酸を加える
・水を電気分解する(水素イオンH+より、陰極で発生)
・塩酸を電気分解する(水素イオンH+より、陰極で発生)
■二酸化炭素
二酸化炭素の性質として、以下の4つを押さえましょう。
①無色・無臭、★②空気より重い(空気の重さの約1.5倍)、③水に少しとける(H+を放出する酸より水溶液は酸性)、★④石灰水を白く濁らせる
二酸化炭素が発生する反応として、以下の例を覚えましょう。
・石灰水にうすい塩酸を加える
・炭酸水素ナトリウムを加熱する
・炭酸水素ナトリウムにうすい塩酸を加える
・炭酸アンモニウムを加熱する
・酸化銅に炭素を加えて加熱する
■窒素
空気の約8割を占める窒素は、以下の5つの性質を持ちます。
①無色・無臭、②空気より少しだけ軽い、③水に溶けにくい、④助燃性(O2)・可燃性(H2)なし
★⑤常温では他の物質と結びついて化学変化を起こすことはほとんどない(この性質を利用した食品の酸化を防ぐ方法に、窒素充填がある)
■アンモニア
アンモニアの性質として、以下の4つを押さえましょう。
★①無色・刺激臭、★②空気より軽い、★③水に非常によく溶ける(20℃の水1cm3に702cm3溶ける)(OH–を放出するアルカリより水溶液はアルカリ性)→アンモニアの噴水実験、★④塩化水素と反応し、白煙(塩化アンモニウムの白色の固体)を生じる
アンモニアが発生する反応として、以下の例を覚えましょう。
・塩化アンモニウムと水酸化カルシウムの混合物を加熱する
・塩化アンモニウムと水酸化ナトリウムの混合物を加熱する(発熱反応)
・塩化アンモニウムと水酸化バリウムの混合物を加熱する
・炭酸アンモニウムを加熱する
問3
解答:0.35g
解説:
酸化銀の熱分解の化学反応式は、以下の通りです。
酸化銀→銀+酸素(2Ag2O→4Ag+O2)
化学変化では、反応の前後で物質全体の質量は変化しません。
これを質量保存の法則といい、1774年にフランスの科学者ラボアジェによって発見されました。
また、物質の中に含まれている成分の割合は、化合物(2種類以上の原子からなる純物質)ごとに決まっており、化合物の質量にかかわらず一定です。
これを定比例の法則といい、1799年にフランスの科学者プルーストによって発見されました。
酸化銀を熱分解すると、銀と酸素が発生します。
質量保存の法則より、酸化銀の質量=銀の質量+酸素の質量、が成り立ちます。
上の式を変形して、酸素の質量=酸化銀の質量 – 銀の質量、となります。
問題文に、「② 試験管A〜Cをそれぞれじゅうぶんに加熱して酸化銀をすべて反応させ」とあるので、酸化銀はすべて銀と酸素に分解されています。
よって、表の値を用いて、
試験管Aでは1.00gの酸化銀から0.07g(1.00g – 0.93g)の酸素が、
試験管Bでは2.00gの酸化銀から0.14g(2.00g – 1.86g)の酸素が、
試験管Cでは3.00gの酸化銀から0.21g(3.00g – 2.79g)の酸素が、
それぞれ発生しており、試験管A〜Cを見ると、酸化銀の質量が2倍、3倍となると、発生する酸素の質量も2倍、3倍となり、定比例の法則が成り立っていることが分かります。
ゆえに、1.00gの酸化銀から0.07gの酸素が発生することから、その5倍の質量の5.00gの酸化銀が過不足無くすべて反応すると、酸素は0.07g×5=0.35g発生します。
問4
解答:
解説:
酸化銀の熱分解の化学反応式は、以下の通りです。
酸化銀→銀+酸素(2Ag2O→4Ag+O2)
質量保存の法則より、
7.00g酸化銀を加熱すると、混合物6.58gと酸素0.42g(7.00g – 6.58g)が発生します。
表より、1.00gの酸化銀が過不足なくすべて反応すると、0.93gの銀と0.07gの酸素が発生することから、定比例の法則を用いて、混合物に含まれる銀の質量を以下の比例式を立てて求めることができます。
0.93g:0.07g=x:0.42g ⇔ 5.58g:0.42g=x:0.42g x=5.58g
混合物6.58g中、銀が5.58g含まれているので、試験管に残った未反応の酸化銀の質量は1.00g(6.58g – 5.58g)です。
<別解>
表より、1.00gの酸化銀が過不足なくすべて反応すると、0.07gの酸素が発生することから、0.42gの酸素が発生したときに過不足なくすべて反応した酸化銀の質量を、定比例の法則を用いて、以下の比例式を立てて求めることができます。
1.00g:0.07g=x:0.42g ⇔ 6.00g:0.42g=x:0.42g x=6.00g
7.00gの酸化銀のうち、過不足なくすべて反応した酸化銀の質量は6.00gより、試験管に残った未反応の酸化銀の質量は1.00g(7.00g – 6.00g)です。
また、過不足なくすべて反応した酸化銀の質量6.00gから、酸素0.42gと銀5.58g(6.00g – 0.42g)が発生します。
大問2
問1
解答:解説参照。
解説:
化学変化のうち、2種類以上の物質が結びついて、まったく別の新しい物質ができる変化を、化合といいます。
ある物質が酸素と化合することを酸化といい、酸化によってできた物質を酸化物といいます。
酸化の例として、銅の酸化とマグネシウムの燃焼を押さえましょう。
・銅の酸化
銅+酸素→酸化銅(2Cu+O2→2CuO)
銅が過不足なくすべて反応したときの質量比は、Cu:O2:CuO=4:1:5、です。
赤色の銅が黒色の酸化銅に変化します(酸化銅や酸化銀は黒色)。
銅を加熱するとき、加熱前と加熱後の質量の差が、化合した酸素の質量となります。
実験中、よくかき混ぜて空気に十分に触れさせないと、未反応部分がでてきてしまいます。
化学反応式「2Cu+O2→2CuO」を見ると、銅原子(Cu)2個と酸素分子(O2)1個つまり酸素原子(O)2個が化合しているので、
銅原子(Cu)の数と酸素原子(O)の数の比は、2:2=1:1より、
質量比「Cu:O2=4:1」は、銅原子(Cu)と酸素原子(O)の質量比でもあります。
・マグネシウムの燃焼
マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム(2Mg+O2→2MgO)
マグネシウムが過不足なくすべて反応したときの質量比は、Mg:O2:MgO=3:2:5、です。
酸化には、空気中で金属がさびるようなゆるやかな酸化と、光や熱を出すような激しい酸化(燃焼)があります。
銀白色のマグネシウムが燃焼すると、白色の酸化マグネシウムに変化します(酸化マグネシウムや酸化アルミニウムは白色)。
燃焼前のマグネシウムはうすい塩酸と反応して水素が発生しますが、燃焼後の酸化マグネシウムは気体が発生しません。
化学反応式「2Mg+O2→2MgO」を見ると、マグネシウム原子(Mg)2個と酸素分子(O2)1個つまり酸素原子(O)2個が化合しているので、
マグネシウム原子(Mg)の数と酸素原子(O)の数の比は、2:2=1:1より、
質量比「Mg:O2=3:2」は、マグネシウム原子(Mg)と酸素原子(O)の質量比でもあります。
以上の知識をもとに、問題を解きます。
問題文に「銅の粉末をステンレス皿に入れてじゅうぶんに加熱し」とあるので、銅が過不足なくすべて反応していることが分かります。
このとき、質量比は「Cu:O2:CuO=4:1:5」より、
銅0.4gに対して酸素0.1gが(Cu:O2=4:1=0.4:0.1)、銅0.8gに対して酸素0.2gが、銅1.2gに対して酸素0.3gが、銅1.6gに対して酸素0.4gが、銅2.0gに対して酸素0.5gがそれぞれ化合します。
これらの値を用いてグラフ化する(これをプロットするといいます)と、答えが得られます。
問2
解答:
解説:
銅が過不足なくすべて反応したときの質量比は「Cu:O2:CuO=4:1:5」より、この比例式を2倍して
Cu:O2:CuO=4:1:5=8:2:10
よって、8.0gの銅の粉末をじゅうぶんに加熱したとき、酸素2.0gが化合して、10.0gの酸化銅が発生します。
問3
解答:◎〇+◎〇
解説:
銅の酸化の化学反応式は、以下の通りです。
銅+酸素→酸化銅(2Cu+O2→2CuO)
問題文のモデルでは銅原子が◎、酸素原子が〇なので、この反応のモデルは、
◎ ◎+〇〇→◎〇+◎〇
となります。銅とマグネシウムの反応のモデルは、必ず押さえましょう。
なお、銅やマグネシウムは金属なので、分子をつくらない物質です。
銅やマグネシウムは、1粒の金属原子で全体を代表するので、反応のモデルでは、金属原子をくっつけないで書きます。
酸素(O2)は分子をつくる物質で、2つの原子からなる2原子分子で、反応のモデルでは、原子どうしをくっつけて書きます。
酸化銅(CuO)は金属原子を含む化合物なので、分子をつくらない物質ですが、反応のモデルでは、原子どうしをくっつけて書きます。
大問3
問1
解答: 質量:大きくなった、(鉄が)酸化したから
解説:
本問は、化学カイロの問題です。
化学カイロの本質は、鉄の酸化です。
鉄の酸化の化学反応式は、
鉄+酸素→酸化鉄
銀白色の鉄が酸化(酸素と化合)して、黒色の酸化鉄となります。
酸化鉄は鉄と酸素と化合してできた化合物なので、化合した酸素の質量分だけ、鉄より質量が大きくなります。
また、鉄が酸化は発熱反応で、熱を放出します。だから化学「カイロ」です。
化学カイロには、活性炭と食塩水が含まれています。
活性炭は酸素を吸着するはたらきがあるので、鉄に酸素をたくさん供給する役割をなします。
食塩水(塩水)に鉄をつけるとさびます。さびるとは、ゆるやかな酸化反応が起こるということです。つまり、食塩水は鉄の酸化を促進する役割をなします。
問2
解答:発熱反応
解説:
問1解説参照。
問3
解答:イ
解説:
発熱反応の例として、以下の反応を覚えましょう。
・鉄と硫黄の化合
鉄+硫黄→硫化鉄(Fe+S→FeS)
・塩化アンモニウムと水酸化ナトリウムの反応
塩化アンモニウム+水酸化ナトリウム→アンモニア+塩化ナトリウム+水
※水酸化ナトリウムの溶解熱で反応が進む
選択肢ウの炭酸水素ナトリウムの熱分解と、選択肢エのアンモニアの発生法は、吸熱反応です。
多くの反応が吸熱反応なので、発熱反応の例を覚えることが重要です(少ない方を覚えることが重要)。
大問4
問1
解答: 消化液:だ液、消化酵素:アミラーゼ
解説:
多くの細胞が集まり、1つのからだをつくっている生物を、多細胞生物といいます。
多細胞生物では、形やはたらきが同じ細胞が集まり組織を、組織が集まり器官を、器官が集まり個体をつくっています。
細胞→組織→器官→個体、の順で生物は形づくられています。
植物の組織の例として道管・師管が、植物の器官として、根・茎・葉・花などがあります。
動物の組織の例として上皮・神経・筋組織が、動物の器官として、皮膚・目・心臓・胃などがあります。
炭水化物・タンパク質・脂肪を三大栄養素といい、食べた三大栄養素を分解する器官を消化器官といいます。
消化器官は、消化管と消化せんの2つに分けて考えます。
消化管とは、口から肛門までの食物の通る管のことで、食物は、口→食道→胃(B)→十二指腸→小腸(F)→大腸(G)→肛門、という流れで通ります。
消化せんは食べた三大栄養素を分解する(別のものにする)消化液を分泌する消化器官で、だ液せん(A)、胃、肝臓(B)、すい臓(E)、小腸があります。
消化液には消化酵素を含むものと含まないものがあります。
消化酵素とは、炭水化物・タンパク質・脂肪を分解する(別のものにする)酵素です。
だ液せんからは消化液であるだ液が分泌され、だ液は、消化酵素であるアミラーゼ(炭水化物を分解)を含みます。
胃からは消化液である胃液が分泌され、胃液は、消化酵素であるペプシン(タンパク質をペプトンに分解)を含みます。
肝臓からは消化液である胆汁が分泌され、胆のうに蓄えられます。胆汁は消化酵素を含まず、脂肪を乳化してすい液・リパーゼの働きを助けます。
すい臓からは消化液であるすい液が分泌され、すい液は、消化酵素であるアミラーゼ(炭水化物を麦芽糖に分解)・トリプシン(ペプトンをポリペプチドに分解)・リパーゼ(乳化した脂肪を脂肪酸とモノグリセリドに分解)を含みます。
小腸の壁からは、消化酵素であるマルターゼ(麦芽糖をブドウ糖に分解)・ペプチダーゼ(ポリペプチドをアミノ酸に分解)が分泌されます。
こうして消化器官を通った三大栄養素である炭水化物・タンパク質・脂肪は、それぞれブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸とモノグリセリドに分解され、粒の大きさが小さくなります。
まとめると、
三大栄養素である炭水化物・タンパク質・脂肪が、それぞれ、ブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸+モノグリセリドに消化されるときに、
・炭水化物→ブドウ糖
炭水化物はまず、だ液せんから分泌された消化液(消化酵素を含む)であるだ液(a)に含まれるアミラーゼにより分解されます。
次に、すい臓から分泌された消化液(消化酵素を含む)であるすい液に含まれるアミラーゼにより分解され、ブドウ糖がいくつか結合したものである麦芽糖に分解されます。
そして、小腸の壁から分泌された消化酵素のマルターゼにより、ブドウ糖(①)に分解されます。
・タンパク質→アミノ酸
タンパク質はまず、胃の胃腺から分泌された消化液である胃液(消化酵素を含む)に含まれるペプシンにより、ペプトンに分解されます。
次に、すい臓から分泌された消化液(消化酵素を含む)であるすい液に含まれるトリプシンにより、ポリペプチドに分解されます。
そして、小腸の壁から分泌された消化酵素のペプチダーゼにより、アミノ酸(②)に分解されます。
・脂肪→脂肪酸+モノグリセリド
脂肪はまず、肝臓から分泌された消化液である胆汁(消化酵素を含まない)(b)により、脂肪を乳化します。
次に、すい臓から分泌された消化液(消化酵素を含む)であるすい液に含まれるリパーゼにより、脂肪酸+モノグリセリド(③)に分解されます。
水と油など、相互に混ざり合わない液体を、よく混ざり合った状態にすることを乳化といいます。
胆汁中には消化酵素がなく、胆汁そのものには消化能力はなく、すい液に含まれる酵素リパーゼによる脂肪の分解を補助しています。
脂肪はそのままでは水と分離して消化を受けにくいですが、胆汁のはたらきで脂肪の粒が細かくなり、水の中に散らばる(乳化する)ことで、消化されやすくなります。
ブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸とモノグリセリドは、小腸の柔毛に吸収されていきます。
ブドウ糖とアミノ酸は、小腸の柔毛の毛細血管に入り、門脈→肝臓→肝静脈→心臓→大動脈を経て、全身の細胞に送り届けられ、細胞呼吸の材料として利用されます。
脂肪酸とモノグリセリドは、小腸の柔毛に吸収されると脂肪に際合成されてリンパ管に入り、胸管(静脈)→心臓→大動脈を経て、全身の細胞に送り届けられ、細胞呼吸の材料として利用されます。
問2
解答:B
解説:
問1解説参照。
問3
解答:ウ
解説:
問1解説参照。
問4
解答:F、柔毛
解説:
ブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸とモノグリセリドは、小腸の柔毛に吸収されていきます。
小腸の内壁にある柔毛は、表面積を広げる構造をしており、1cm2あたり約2500個もあります。
柔毛があることで表面積が大きくなり、養分を効率よく吸収することができます。
根毛・柔毛・肺胞など、養分を吸収するものは、表面積を広げる構造をしています。
大問5
問1
解答:ウ、網膜
解説:
多くの細胞が集まり、1つのからだをつくっている生物を、多細胞生物といいます。
多細胞生物では、形やはたらきが同じ細胞が集まり組織を、組織が集まり器官を、器官が集まり個体をつくっています。
細胞→組織→器官→個体、の順で生物は形づくられています。
植物の組織の例として道管・師管が、植物の器官として、根・茎・葉・花などがあります。
動物の組織の例として上皮・神経・筋組織が、動物の器官として、皮膚・目・心臓・胃などがあります。
本問で登場する目は、動物の器官です。
光源あるいは光を反射した物が見えるしくみは、光の刺激が以下のように伝わって見えるからです。
①光の刺激が目に入る:ひとみ(レンズ(ア)が虹彩(イ)で覆われていない隙間)の大きさで入る光の量を調節
②レンズ:光を屈折させ、網膜(ウ)に倒立実像をつくる
③網膜:光を感じる視細胞があり、視細胞で光の刺激を感じとる
④視神経(エ):視細胞で受けとった刺激を大脳に伝える
⑤大脳:「見えた」という感覚が生じる(※)
※外界から刺激がくると、決まった感覚器官(この場合は目)が受け取り、神経(この場合は視神経)を通して大脳に届き、大脳が感知してはじめて感覚となります。
虹彩とひとみの大きさですが、明るい場所では虹彩が広がりひとみが小さくなり、暗い場所では虹彩が縮みひとみが大きくなります。
この反応は大脳と無関係に行われ、反射といいます。
問2
解答:反射、D→C→E
解説:
生物が刺激を受け取るための器官を感覚器官(目・耳・鼻・舌・皮膚など)といいます。
それぞれの器官は、受け取る刺激が決まっています。
外界から刺激がくると、決まった感覚器官が受け取り、感覚神経を通して大脳に届き、大脳が感知してはじめて感覚となります。
神経系の種類は、中枢神経と末しょう神経に大別されます。
中枢神経は脳(F)とせきずい(C)からなり、末しょう神経は感覚神経(D)と運動神経(E)からなります。
感覚神経は、感覚器官(目・耳・鼻・舌・皮膚など)から中枢神経へ、刺激の電気信号を伝達します。
運動神経は、中枢神経から筋肉(骨格筋)へと、刺激を伝達します。
感覚神経はせきずいに背中側から入り、運動神経はせきずいの腹側から出ます。
外界の刺激に対し、意識して起こす反応を随意運動といい、刺激の電気信号が大脳を必ず通ります。
刺激の電気信号が通る経路は、原則、感覚器官→感覚神経(D)→せきずい(C)→大脳(B→A)→せきずい(C)→運動神経(E)→運動器官、です。
しかし、感覚神経からの信号がせきずいを通るか通らないかは、感覚器官が首(せきずい)より上にあるか下にあるかで決まります。
例えば、背中がかゆいので手で背中をかく場合、刺激の電気信号の経路は、背中の皮膚(感覚器官)→感覚神経→せきずい→大脳→せきずい→運動神経→手(運動器官)と、行きと帰り両方でせきずいを通ります。
しかし、落下するボールを手でつかむ場合、刺激の電気信号の経路は、目(感覚器官)→感覚神経(視神経)→大脳→せきずい→運動神経→手(運動器官)と、行きはせきずいを通らず、帰りのみ通ります。
外界の刺激に対し、無意識に起こる反応を反射といいます。
たとえば、うっかり熱いやかんに手を触れてしまった場合、思わず手を引っ込めますが、これが反射です。
反射は、刺激の電気信号の経路が、感覚器官→感覚神経(D)→せきずい(C)→運動神経(E)→運動器官、となり刺激の信号が大脳を通りません。
が、行動を起こした後、というかほぼ同時に、感覚器官→感覚神経(D)→せきずい(C)→大脳(F)、と刺激の電気信号が伝わることで、熱さを感じます。
反射は、信号が大脳を経由しないため、刺激を受け取ってから反応を起こすまでの時間が短く、危険回避に役立っています。
問3
解答:ア
解説:
虹彩とひとみの大きさですが、明るい場所では虹彩が広がりひとみが小さくなり、暗い場所では虹彩が縮みひとみが大きくなります。
この反応は大脳と無関係に行われ、反射といいます。
大問6
問1
解答:略
解説:
空気の成分比率は、体積の割合で多い順から
窒素(約78%)、酸素(約21%)、アルゴン(約0.9%)、二酸化炭素(約0.04%)です。
このほか、ネオン、ヘリウムなども微量ですが含まれています。
これらの気体分子(粒子)は、空気中を盛んに動いており、地面などに衝突して圧力(気圧)が生じます。
地面が太陽熱などで暖められると空気は上昇し、それと比較して冷たい場所に空気が流れ、空気が下降します。
空気が上昇すると、その場所では空気を構成する粒子の数が減るため、気圧が減少し、低気圧となります。
空気が下降すると、その場所では空気を構成する粒子が押されて数が増えるため、気圧が上昇し、高気圧となります。
空気は、冷たい方から温かい方に水平に流れます。
地球の地上10kmまでを対流圏といい、対流がさかんに起こっています。
対流のうち、水平方向の動きを風、垂直方向の動きを気流といいます。
暖かい場所では上昇気流が生じて低気圧となり、上昇した空気は冷たい方に流れ(風)、冷たい場所では下降気流が生じて高気圧となり、地表面では、暖かい場所(低気圧)から冷たい場所(高気圧)に向かって流れます(風)。
宇宙から地球を見ると(これを天体上という)、地球は公転面に垂直な面に対して地軸を23.4°傾けて公転しており、
冬では、地軸の北極側を太陽と反対方向に向けることになるため、
北半球では昼の長さが短く、夜の長さが長くなり、太陽から受ける光エネルギーの量が減少するため、寒くなります。
固体は液体より冷えやすく暖まりやすいです。
ゆえに、冬では、ユーラシア大陸が冷たい場所(高気圧)、日本海や太平洋が暖かい場所(低気圧)となります。
だから冬では、西高東低の気圧配置となります。冬の気圧配置として、等圧線が縦縞となることも覚えましょう。
ユーラシア大陸で発達する高気圧をシベリア気団といい、陸にあるため冷たく乾燥しています。
大陸と海洋でのあたたまりやすさの違いにより、1年周期で風向・風速が変化する風を季節風といいます。
冬は、ユーラシア大陸が冷たい場所(高気圧)、日本海や太平洋が暖かい場所(低気圧)なので、風は、北西のユーラシア大陸から太平洋に向けて吹くため、冬の季節風は北西の風です。
天気図記号について。
天気を表す天気図記号と風力を表す風力記号を組み合わせ、観測地点での天気・風向・風力を表した記号を、天気図記号といいます。
降水のないとき、天気は雲量(空全体を10としたとき、雲がおおっている割合)で決まり、雲量が0〜1のときが快晴、2〜8のときが晴れ、9〜10がくもりとなります。
風力と風向は、地点円からのばして書いた矢羽根で表し、風力は矢羽根の本数で(7本目で折り返す)、風向は矢羽根がついている方向(風が吹いてくる方向)で表します。
よって、A地点の天気は雲量9からくもり、矢羽根が北西を指しているので風向は北西(風は北西から南東に吹く)、風力は4という情報から、天気図記号が書けます。
問2
解答:
解説:
気体の水を水蒸気といいます。
湯気(水蒸気が冷えてできた水の粒)は見えますが、水蒸気は見えません。
空気は水蒸気を含むことができる入れ物とみなせます。
空気が水蒸気をどのくらい含むことができるのかを表す尺度として、1辺が1m・体積1m3の立方体の空気中に含まれている水蒸気量(g)、単位[g/m3]を用います。
空気は温度が上がると、水蒸気をより多く含むことができます。
空気に含まれる水蒸気が最大になっている状態を、水蒸気で飽和しているといい、空気1m3が含むことができる最大の水蒸気量を、飽和水蒸気量といいます。
温度と飽和水蒸気量の関係を表したグラフが、飽和水蒸気量曲線です。
ある温度の空気において、飽和水蒸気量に対する含まれている水蒸気量の割合を湿度といいます。
湿度は、以下の式で表すことができます。
湿度(%)=水蒸気量[g/m3]/飽和水蒸気量[g/m3]×100
この湿度の式は、飽和水蒸気量が分かっている場合に使える式です。
湿度はこのほかに、乾湿計を用いて調べることもできます。
乾湿計とは、乾球と湿球を組み合わせて、気温と湿度を測定する装置のことです。
乾球の示度は通常の温度計と同じで、気温を示します。
これに対して湿球は、ぬれたガーゼから水分が蒸発し、そのときまわりから気化熱を奪うため、示度(温度)は常に乾球以下になります。
乾球の示度および湿球の示度の差から、与えられた湿度表を用いて、湿度を求めることができます。
なお、湿球の示度が乾球の示度と等しくなるとき、ぬれたガーゼから水分が蒸発していない、つまり空気がこれ以上水蒸気を含むことができない状態なので、湿度は100%です。
A地点では、乾球の示度が6℃より、気温は6℃です。
湿球の示度が2℃で、乾球の示度と湿球の示度の差が4℃より、湿度表から、A地点の湿度は41%です。
問3
解答:996hPa
解説:
気圧の等しい地点を結んだときにできる線を、等圧線といいます。
等圧線は全体としてなめらかな曲線となり、途中で枝分かれしたり、消えてなくなったりすることはありません。
等圧線は、1000hPaを基準にして、4hPaごとに細い線が引かれ、20hPaごとに太い線が引かれます。
低気圧は、等圧線が丸く閉じている部分で、中心にいくほど気圧が低くなります。
高気圧は、等圧線が丸く閉じている部分で、中心にいくほど気圧が高くなります。
A地点は、1000hPaの太線から低気圧に向けて、気圧が4hPa低い位置にあるので、A地点の気圧は996hPaです。
大問7
問1
解答:露点
解説:
気体の水を水蒸気といいます。
湯気(水蒸気が冷えてできた水の粒)は見えますが、水蒸気は見えません。
空気は水蒸気を含むことができる入れ物とみなせます。
空気が水蒸気をどのくらい含むことができるのかを表す尺度として、1辺が1m・体積1m3の立方体の空気中に含まれている水蒸気量(g)、単位[g/m3]を用います。
空気は温度が上がると、水蒸気をより多く含むことができます。
空気に含まれる水蒸気が最大になっている状態を、水蒸気で飽和しているといい、空気1m3が含むことができる最大の水蒸気量を、飽和水蒸気量といいます。
空気中の水蒸気(気体)が水滴(液体)になることを、凝結といいます。
ある量の水蒸気を含む空気の温度を下げていくと、含みきれなくなった水蒸気量が凝結して水滴となって現れます。
このときの温度を露点といいます。
露点を求める実験として、くみ置きの水(1晩放置して室温と同じ温度にした水)と温度計を入れた金属製のコップに、氷を入れた試験管を入れる実験があります。
金属製のコップを用いるのは、金属が暖まりやすく冷めやすい性質(熱伝導性)を持つからです。
コップ表面付近の空気の温度を下げると、コップ表面に水滴がつき始めます。
これにより、コップの中の水の温度と、コップ表面付近の空気の温度が露点に達したことが分かります。
問2
解答:62%
解説:
空気は温度が上がると、水蒸気をより多く含むことができます。
空気に含まれる水蒸気が最大になっている状態を、水蒸気で飽和しているといい、空気1m3が含むことができる最大の水蒸気量を、飽和水蒸気量といいます。
温度と飽和水蒸気量の関係を表したグラフが、飽和水蒸気量曲線です。
ある温度の空気において、飽和水蒸気量に対する含まれている水蒸気量の割合を湿度といいます。
湿度は、以下の式で表すことができます。
・湿度(%)=水蒸気量[g/m3]/飽和水蒸気量[g/m3]×100
ある量の水蒸気を含む空気の温度を下げていくと、含みきれなくなった水蒸気量が凝結して水滴となって現れます。このときの温度を露点といいます。
つまり、ある空気が含む水蒸気量はその空気の露点における飽和水蒸気量となるので、湿度の式は、以下の式で表すことができます。
・湿度(%)=水蒸気量[g/m3]/飽和水蒸気量[g/m3]×100=露点における飽和水蒸気量[g/m3]/飽和水蒸気量[g/m3]×100
この式を用いて、問題を解きます。
表2より、10時のこの部屋の空気の室温が22℃で、飽和水蒸気量[g/m3]は19.4g/m3です。
表1より、10時のこの部屋の空気の露点は14℃で、表2より、露点における飽和水蒸気量は12.1g/m3です。
ゆえに、10時のこの部屋の湿度は、12.1g/m3/19.4g/m3×100=62.37・・・%≒62%
問3
解答:16時
解説:
ある温度の空気において、飽和水蒸気量に対する含まれている水蒸気量の割合を湿度といいます。
湿度は、以下の式で表すことができます。
・湿度(%)=水蒸気量[g/m3]/飽和水蒸気量[g/m3]×100
この式より、水蒸気量と飽和水蒸気量の差が小さいと、湿度が大きくなります。
ある空気が含む水蒸気量は、その空気の露点における飽和水蒸気量です。
つまり、露点が高いと水蒸気量が高くなり、湿度が高くなります。
露点は、空気中に含まれる水蒸気によってのみ決まります。
表1より、くもり始めた温度=露点が高い時刻は、14時と16時です。
空気は温度が上がると、水蒸気をより多く含むことができます。
つまり、室温が低いと飽和水蒸気量が小さくなり、湿度の公式では分母が小さくなるので、全体の値である湿度は高くなります。
14時と16時で室温が低いのは16時なので、表1の各時刻の中で、最も湿度が高いのは16時です。
問4
解答:252g
解説:
表1より、16時のときのこの部屋の空気の露点は16℃で、表2より、16℃の時のこの部屋の飽和水蒸気量は13.6g/m3です。
表2より、10℃の時のこの部屋の飽和水蒸気量は9.4g/m3なので、凝結する水蒸気の量は、4.2g/m3(13.6g/m3 -9.4g/m3)です。
この部屋の体積は60m3なので、部屋全体で凝結する水蒸気の量は、4.2g/m3×60m3=42×6g=252g、となります。
大問8
問1
解答:水滴
解説:
気体の水を水蒸気といいます。
湯気(水蒸気が冷えてできた水の粒)は見えますが、水蒸気は見えません。
空気は水蒸気を含むことができる入れ物とみなせます。
空気が水蒸気をどのくらい含むことができるのかを表す尺度として、1辺が1m・体積1m3の立方体の空気中に含まれている水蒸気量(g)、単位[g/m3]を用います。
空気に含まれる水蒸気が最大になっている状態を、水蒸気で飽和しているといい、空気1m3が含むことができる最大の水蒸気量を、飽和水蒸気量といいます。
ある量の水蒸気を含む空気の温度を下げていくと、含みきれなくなった水蒸気量が凝結して水滴となって現れます。このときの温度を露点といいます。
地面が太陽熱などで暖められると上昇気流が生じて、空気は上昇します。
空気は上昇すると膨張して温度が下がります。
空気の成分比率は、体積の割合で多い順から、窒素(約78%)、酸素(約21%)、アルゴン(約0.9%)、二酸化炭素(約0.04%)です。このほか、ネオン、ヘリウムなども微量ですが含まれています。
これらの気体分子(粒子)は、上空の空気による大気圧により押されていますが、空気が上昇すると大気圧が低くなって空気の圧力のほうが高くなるため、膨張します。
膨張するとは、空気の粒子の動きが盛んになる、つまり空気の粒子の運動エネルギー[J]が大きくなるということです。
エネルギーは移り変わります。
空気の粒子の運動エネルギー[J]は、その空気がもつ熱エネルギー[J]によってのみまかなわれ、膨張の際の外部との熱の出入りがありません。
これを断熱膨張といいます。
空気が断熱膨張すると、熱エネルギーが失われるので、空気の温度が下がっていきます。
こうして、空気の温度が露点以下となって、含みきれなくなった水蒸気量が凝結して水滴となって現れます。
さらに空気が上昇して温度が下がると、氷の結晶ができはじめます。
雲は、小さな水滴や氷の結晶が集まってできたものです。
上昇気流によって支えられているため粒は落下しませんが、粒どうしが衝突し合うなどして大きく成長すると落下し、雨や雪が降ります。
問2
解答: ①下がる、②下がる、②大きくなる
解説:
簡易真空容器の空気を抜くと、容器の中の空気の気圧が下がるので、風船の中の空気の圧力の方が高くなるので、風船は膨らみ体積が大きくなります。
容器の中の空気は断熱膨張するので、容器の中の空気の温度が下がり、露点以下となって容器内が白く曇ります。
問3
解答:ア、イ
解説:
雲は、上昇気流によって発生します。
上昇気流の生じ方は、主に以下の4つです。
・地面が強く熱せられる
・低気圧の中心付近
・風が山にぶつかる
・前線付近(寒冷前線、温暖前線)
前線は、暖気と寒気が触れることで発生します。
大問9
問1
解答:ウ
解説:
空気の成分比率は、体積の割合で多い順から
窒素(約78%)、酸素(約21%)、アルゴン(約0.9%)、二酸化炭素(約0.04%)です。
このほか、ネオン、ヘリウムなども微量ですが含まれています。
これらの気体分子(粒子)は、空気中を盛んに動いており、地面などに衝突して圧力(気圧)が生じます。
地面が太陽熱などで暖められると空気は上昇し、それと比較して冷たい場所に空気が流れ、空気が下降します。
空気が上昇すると、その場所では空気を構成する粒子の数が減るため、気圧が減少し、低気圧となります。
空気が下降すると、その場所では空気を構成する粒子が押されて数が増えるため、気圧が上昇し、高気圧となります。
空気は、冷たい方から温かい方に水平に流れます。
地球の地上10kmまでを対流圏といい、対流がさかんに起こっています。
対流のうち、水平方向の動きを風、垂直方向の動きを気流といいます。
暖かい場所では上昇気流が生じて低気圧となり、上昇した空気は冷たい方に流れ(風)、冷たい場所では下降気流が生じて高気圧となり、地表面では、暖かい場所(低気圧)から冷たい場所(高気圧)に向かって流れます(風)。
地球では、自転速度の差によって生じる右向きの力であるコリオリの力が発生するので、北半球の風向は、等圧線に対して垂直な方向よりも右にそれて吹きます。
そのため、低気圧では反時計回りに風が吹き込み、高気圧では時計回りに風が吹き出します。
北半球では、北緯30〜60度付近で吹く西寄りの風である偏西風が吹くので、低気圧は東から西に流れます。
低気圧が流れることで、暖気と寒気(緯度が上がると冷える)が触れ、寒冷前線と温暖前線が生じます。
この前線をともなう低気圧のことを、温帯低気圧といいます。
偏西風により低気圧は東から西に流れ、コリオリの力により風は低気圧に反時計回りに吹き込むことで、
温帯低気圧の左側で寒冷前線が、温帯低気圧の右側で温暖前線が生じます。
前線が通過する順番は、温暖前線→寒冷前線の順です。
温暖前線を正面から見ると、密度が小さく軽い暖気が密度が高く重たい寒気の上にはいあがり、寒気を後退させながら進みます。
このため緩やかな上昇気流が生じ、前線(暖気と寒気の境目である前線面と地面との接点)から右に向かって乱層雲・高層雲・巻層雲・巻雲などの層状の雲が生じ、乱層雲により広い範囲(前線から200〜300km)に長い時間、弱い雨を降らせます。
通過後は、暖気におおわれるため気温が上がり、風向が南よりに変わります。
寒冷前線を正面から見ると、密度が高く重たい寒気が密度が低く軽い暖気の下にもぐり込み、暖気を垂直方向に押し上げながら進みます。
このため激しい上昇気流が生じ、前線から左に向かって積乱雲や積雲などが生じ、積乱雲により狭い範囲(前線から50〜60km)に短時間で強い雨が降らせます。
通過後は、寒気に覆われるため気温が下がり、風向が南よりから北よりに急変します。
以上の知識をもとに、問題を解きます。
天気図を見ると、札幌は温帯低気圧の暖気におおわれています。
偏西風により、このあと札幌に寒冷前線が通過するため、積乱雲におおわれて強い雨が降り、通過後は気温が急降下し、天気が回復します。
グラフより、寒冷前線が通過しはじめた時刻は、選択肢ウの15-16時となります。
選択肢エの17-18時では、天気が雨で気温が降下中なので、積乱雲におおわれている最中であると考えられます。
問2
解答:ウ
解説:
前線をともなう低気圧のことを、温帯低気圧といいます。
偏西風により低気圧は東から西に流れ、コリオリの力により風は低気圧に反時計回りに吹き込むことで、
温帯低気圧の左側で寒冷前線が、温帯低気圧の右側で温暖前線が生じます。
前線が通過する順番は、温暖前線→寒冷前線の順です。
温暖前線を正面から見ると、密度が小さく軽い暖気が密度が高く重たい寒気の上にはいあがり、寒気を後退させながら進みます。
このため緩やかな上昇気流が生じ、前線(暖気と寒気の境目である前線面と地面との接点)から右に向かって乱層雲・高層雲・巻層雲・巻雲などの層状の雲が生じ、乱層雲により広い範囲(前線から200〜300km)に長い時間、弱い雨を降らせます。
通過後は、暖気におおわれるため気温が上がり、風向が南よりに変わります。
寒冷前線を正面から見ると、密度が高く重たい寒気が密度が低く軽い暖気の下にもぐり込み、暖気を垂直方向に押し上げながら進みます。
このため激しい上昇気流が生じ、前線から左に向かって積乱雲や積雲などが生じ、積乱雲により狭い範囲(前線から50〜60km)に短時間で強い雨が降らせます。
通過後は、寒気に覆われるため気温が下がり、風向が南よりから北よりに急変します。
問3
解答:ウ
解説:
温暖前線を正面から見ると、密度が小さく軽い暖気が密度が高く重たい寒気の上にはいあがり、寒気を後退させながら進みます。
このため緩やかな上昇気流が生じ、前線(暖気と寒気の境目である前線面と地面との接点)から右に向かって乱層雲・高層雲・巻層雲・巻雲などの層状の雲が生じ乱層雲により、広い範囲(前線から200〜300km)に長い時間、弱い雨を降らせます。
寒冷前線を正面から見ると、密度が高く重たい寒気が密度が低く軽い暖気の下にもぐり込み、暖気を垂直方向に押し上げながら進みます。
このため激しい上昇気流が生じ、前線から左に向かって積乱雲や積雲などが生じ、積乱雲により狭い範囲(前線から50〜60km)に短時間で強い雨が降らせます。
大問10
問1
解答: ①上昇気流、②等圧線
解説:
グラフを見ると、4月21日の11時から気温が急降下し、天気が晴れ→くもり→雨と悪くなっていることがわかります。
このことから、寒冷前線が通過したと考えられます。
空気が上昇すると、その場所では空気を構成する粒子の数が減るため、気圧が減少し、低気圧となります。
空気は上昇すると断熱膨張して温度が下がります。
こうして、空気の温度が露点以下となって、含みきれなくなった水蒸気量が凝結して水滴となって現れます。
さらに空気が上昇して温度が下がると、氷の結晶ができはじめます。
雲は、小さな水滴や氷の結晶が集まってできたものです。
上昇気流によって支えられているため粒は落下しませんが、粒どうしが衝突し合うなどして大きく成長すると落下し、雨や雪が降ります。
以上より、低気圧が近づくと雲が生じるため、天気が悪くなります。
低気圧は偏西風により東から西に流れ、暖気と寒気(緯度が上がると冷える)が触れ、寒冷前線と温暖前線が生じます。
この前線をともなう低気圧のことを、温帯低気圧といいます。
偏西風により低気圧は東から西に流れ、コリオリの力により風は低気圧に反時計回りに吹き込むことで、
温帯低気圧の左側で寒冷前線が、温帯低気圧の右側で温暖前線が生じます。
寒冷前線を正面から見ると、密度が高く重たい寒気が密度が低く軽い暖気の下にもぐり込み、暖気を垂直方向に押し上げながら進みます。
このため激しい上昇気流が生じ、前線から左に向かって積乱雲や積雲などが生じ、積乱雲により狭い範囲(前線から50〜60km)に短時間で強い雨が降らせます。
気圧の等しい地点を結んだときにできる線を、等圧線といいます。
等圧線は全体としてなめらかな曲線となり、途中で枝分かれしたり、消えてなくなったりすることはありません。
等圧線は、1000hPaを基準にして、4hPaごとに細い線が引かれ、20hPaごとに太い線が引かれます。
低気圧は、等圧線が丸く閉じている部分で、中心にいくほど気圧が低くなります。
また低気圧は、等圧線の間隔がせまく、距離に対しての気圧の変化である気圧傾度が大きいため、風が強く吹き込みます。
問2
解答:エ
解説:
地面が太陽熱などで暖められると空気は上昇し、それと比較して冷たい場所に空気が流れ、空気が下降します。
空気が上昇すると、その場所では空気を構成する粒子の数が減るため、気圧が減少し、低気圧となります。
空気が下降すると、その場所では空気を構成する粒子が押されて数が増えるため、気圧が上昇し、高気圧となります。
地球の地上10kmまでを対流圏といい、対流がさかんに起こっています。
対流のうち、水平方向の動きを風、垂直方向の動きを気流といいます。
暖かい場所では上昇気流が生じて低気圧となり、上昇した空気は冷たい方に流れ(風)、冷たい場所では下降気流が生じて高気圧となり、地表面では、暖かい場所(低気圧)から冷たい場所(高気圧)に向かって流れます(風)。
地球では、自転速度の差によって生じる右向きの力であるコリオリの力が発生するので、北半球の風向は、等圧線に対して垂直な方向よりも右にそれて吹きます。
そのため、低気圧では反時計回りに風が吹き込み、高気圧では時計回りに風が吹き出します。
問3
解答: A:気温、B:湿度、C:気圧
解説:
前線をともなう低気圧のことを、温帯低気圧といいます。
偏西風により低気圧は東から西に流れ、コリオリの力により風は低気圧に反時計回りに吹き込むことで、
温帯低気圧の左側で寒冷前線が、温帯低気圧の右側で温暖前線が生じます。
前線が通過する順番は、温暖前線→寒冷前線の順です。
温暖前線を正面から見ると、密度が小さく軽い暖気が密度が高く重たい寒気の上にはいあがり、寒気を後退させながら進みます。
このため緩やかな上昇気流が生じ、前線(暖気と寒気の境目である前線面と地面との接点)から右に向かって乱層雲・高層雲・巻層雲・巻雲などの層状の雲が生じ、乱層雲により広い範囲(前線から200〜300km)に長い時間、弱い雨を降らせます。
通過後は、暖気におおわれるため気温が上がり、風向が南よりに変わります。
寒冷前線を正面から見ると、密度が高く重たい寒気が密度が低く軽い暖気の下にもぐり込み、暖気を垂直方向に押し上げながら進みます。
このため激しい上昇気流が生じ、前線から左に向かって積乱雲や積雲などが生じ、積乱雲により狭い範囲(前線から50〜60km)に短時間で強い雨が降らせます。
通過後は、寒気に覆われるため気温が下がり、風向が南よりから北よりに急変します。
グラフを見ると、4月21日の11時から気温(A)が急降下し、天気が晴れ→くもり→雨と悪くなっていることがわかります。
このことから、寒冷前線が通過したと考えられます。
天気が悪くなると空気中の水蒸気量が増えて、湿度(B)が上がります。
4月21日の11時から温帯低気圧が通過したため、気圧(C)が急降下します。
問4
解答:偏西風
解説:
北半球では、北緯30〜60度付近で吹く西寄りの風である偏西風が吹くので、温帯低気圧は東から西に流れます。
大問11
問1
解答:西高東低
解説:
空気の成分比率は、体積の割合で多い順から
窒素(約78%)、酸素(約21%)、アルゴン(約0.9%)、二酸化炭素(約0.04%)です。
このほか、ネオン、ヘリウムなども微量ですが含まれています。
これらの気体分子(粒子)は、空気中を盛んに動いており、地面などに衝突して圧力(気圧)が生じます。
地面が太陽熱などで暖められると空気は上昇し、それと比較して冷たい場所に空気が流れ、空気が下降します。
空気が上昇すると、その場所では空気を構成する粒子の数が減るため、気圧が減少し、低気圧となります。
空気が下降すると、その場所では空気を構成する粒子が押されて数が増えるため、気圧が上昇し、高気圧となります。
空気は、冷たい方から温かい方に水平に流れます。
地球の地上10kmまでを対流圏といい、対流がさかんに起こっています。
対流のうち、水平方向の動きを風、垂直方向の動きを気流といいます。
暖かい場所では上昇気流が生じて低気圧となり、上昇した空気は冷たい方に流れ(風)、冷たい場所では下降気流が生じて高気圧となり、地表面では、暖かい場所(低気圧)から冷たい場所(高気圧)に向かって流れます(風)。
宇宙から地球を見ると(これを天体上という)、地球は公転面に垂直な面に対して地軸を23.4°傾けて公転しており、
冬では、地軸の北極側を太陽と反対方向に向けることになるため、
北半球では昼の長さが短く、夜の長さが長くなり、太陽から受ける光エネルギーの量が減少するため、寒くなります。
固体は液体より冷えやすく暖まりやすいです。
ゆえに、冬では、ユーラシア大陸が冷たい場所(高気圧)、日本海や太平洋が暖かい場所(低気圧)となります。
だから冬では、西高東低の気圧配置となります。冬の気圧配置として、等圧線が縦縞となることも覚えましょう。
ユーラシア大陸で発達する高気圧をシベリア気団といい、陸にあるため冷たく乾燥しています。
大陸と海洋でのあたたまりやすさの違いにより、1年周期で風向・風速が変化する風を季節風といいます。
冬は、ユーラシア大陸が冷たい場所(高気圧)、日本海や太平洋が暖かい場所(低気圧)なので、風は、北西のユーラシア大陸から太平洋に向けて吹くため、冬の季節風は北西の風です。
問2
解答:シベリア気団
解説:
問1解説参照。
問3
解答: ①北西、②日本海
解説:
冬は、ユーラシア大陸が冷たい場所(高気圧)、日本海や太平洋が暖かい場所(低気圧)なので、風は、北西のユーラシア大陸から太平洋に向けて吹くため、冬の季節風は北西の風です。
ユーラシア大陸は乾燥しているため、冬の季節風は乾燥しています。
冬の季節風が日本海を通過するときに水蒸気と熱を補給し、積雲をつくり発達していき、日本に上陸後、山にぶつかって上昇気流となり、積雲が積乱雲に発達して日本海側の地域に雪を降らせ、水分を失っていきます。
山を超えたあとは、乾燥した風が下降するため、太平洋側では乾燥した晴れの日が続きます。