指導経験20年以上のプロ家庭教師。北海道の高校受験に特化。勉強がとても苦手な子の指導が得意です。
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大問1
問1
解答: 石灰水:変化しない、理由:二酸化炭素が発生しないから
解説:
物質は、有機物と無機物に大別されます。
有機物は、熱すると燃えて黒こげになり、水と二酸化炭素が発生します。
有機物は、炭素(C)と水素(H)からできている物質で、燃焼させる(酸素(O2)と化合)と炭素は二酸化炭素(CO2)に、水素は水(H2O)になります。
ただしこれは、十分な酸素がある条件下で十分に燃やした場合で、酸素が十分になければ、炭素は炭になったり、一酸化炭素になったりします。
二酸化炭素を石灰水にとおすと、石灰水が白くにごります。
なお、石灰水とは水酸化カルシウム(Ca(OH)2)のことです。
水酸化カルシウムは水溶液中に水酸化物イオン(OH–)があるので、アルカリ性です。
水酸化カルシウム水溶液に二酸化炭素(CO2)が溶けると炭酸(H2CO3)となり、水素イオン(H+)が放出されるので、酸性の性質を示します。
アルカリ性の水酸化カルシウムに、酸性の炭酸が加わることで中和が起こり、炭酸カルシウム(CaCO3)の塩が発生します。
炭酸カルシウムは白色の固体で、水にとけにくいため、水溶液中に拡散します。
この状態でさらに二酸化炭素を流すと、炭酸カルシウムは水に溶けやすい炭酸水素カルシウムとなり、水溶液は再び透明になります。
物質のもう一つの種類である無機物はさらに、金属と非金属に大別されます。
金属には、すべての金属に共通する3つの性質があります。
①みがくと光る(金属光沢)
②たたくとのびたり、広がったりする(延性・展性)
③電気や熱を通す(電気伝導性・熱伝導性)
すべての金属に共通しない性質として、「磁石につく」があります。
磁石につくのは、鉄・ニッケル・コバルトです。
化学変化のうち、2種類以上の物質が結びついて、まったく別の新しい物質ができる変化を、化合といいます。
ある物質が酸素と化合することを酸化といい、酸化によってできた物質を酸化物といいます。
スチールウールに火を付けて燃やすと、スチールウール(鉄)の燃焼(酸化)が起こります。
化学反応式は、以下の通りです。
鉄+酸素→酸化鉄
以上の知識をもとに、問題を解きます。
例えば、この実験で有機物であるエタノールを燃焼させた場合、
集気瓶に白いくもりができ、塩化コバルト紙をつけると、青色から赤色に変化することから、水が発生したことがわかります。
また集気瓶を振ると石灰水が白く濁ることから、二酸化炭素ができたことが分かります。
しかし、金属であるスチールウールを燃焼させた場合、
集気瓶に白いくもりが生じないので、水は発生しないことが分かります。
また集気瓶を振っても石灰水は白く濁らないことから、二酸化炭素はできないことが分かります。
問2
解答: 物質名:酸化鉄、方法:ア、イ
解説:
スチールウール(鉄)の燃焼(酸化)の化学反応式は、
鉄+酸素→酸化鉄
銀白色の鉄が酸化(酸素と化合)して、黒色の酸化鉄となります。
酸化鉄は鉄と酸素と化合してできた化合物なので、化合した酸素の質量分だけ、鉄より質量が大きくなります。
鉄は塩酸を加えると水素が発生しますが、酸化鉄は塩酸を加えても気体は発生しません。
また、鉄は磁石につきますが、酸化鉄は磁石につきません。
問3
解答:ア、ウ
解説:
■選択肢ア、ウ
銅が酸化すると酸化銅ができ、酸化銅は化合した酸素の質量分だけ、銅より質量が増加します。
化学変化のうち、2種類以上の物質が結びついて、まったく別の新しい物質ができる変化を、化合といいます。
代表的な化合の例として、以下の反応を覚えましょう。
・鉄と硫黄の化合
鉄+硫黄→硫化鉄(Fe+S→FeS)
質量比は、Fe:S:FeS=7:4:11
・銅と硫黄の化合
銅+硫黄→硫化銅(Cu+S→CuS)
質量比は、Cu:S:CuS=2:1:3
・銅の酸化
銅+酸素→酸化銅(2Cu+O2→2CuO)
質量比は、Cu:O2:CuO=4:1:5
・マグネシウムの燃焼(酸化)
マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム(2Mg+O2→2MgO)
質量比は、Mg:O2:MgO=3:2:5
・スチールウール(鉄)の燃焼(酸化)
鉄+酸素→酸化鉄
・燃料電池
2H2+O2→2H2O+電気エネルギー
■選択肢イ、エ
酸化銀を熱分解すると銀ができ、銀は発生した酸素の質量分、酸化銀より質量が小さくなります。
化学変化のうち、1種類の物質から、2種類以上の物質ができる変化を分解といいます。
分解には、熱分解と電気分解などがあります。
熱分解で覚えるのは、
・炭酸水素ナトリウムの熱分解
炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+水+二酸化炭素
・酸化銀の熱分解
酸化銀→銀+酸素(2Ag2O→4Ag+O2)
・炭酸アンモニウムの熱分解
炭酸アンモニウム→アンモニア+水+二酸化炭素
電気分解で覚えるのは、
・水の電気分解
水→水素+酸素(2H2O→2H2+O2)
・塩酸の電気分解
塩酸→水素+塩素(2HCl→H2+ Cl2)
・塩化銅の電気分解
塩化銅→銅+塩素(CuCl2→Cu+Cl2)
大問2
問1
解答:水素と酸素が完全に化合して液体(水)になったため
解説:
水の電気分解の化学反応式は、以下の通りです。
水→水素+酸素(2H2O→2H2+O2)
この反応では、水に電気エネルギー[J]を加えて水素と酸素が発生しています。
エネルギーは移り変わります。
加えられた電気エネルギーは化学エネルギーに移り変わるので、水の電気分解により発生した水素と酸素は、水より化学エネルギーが高いです。
水の電気分解後、装置から電源を外して-極と+極をつなぐと、水素と酸素の化学反応によって発電します。
このような装置を燃料電池といいます。
燃料電池の化学反応式は、以下の通りです。
2H2+O2→2H2O+電気エネルギー
水素と酸素の化学エネルギーが、電気エネルギーに移り変わるので、発電します。
燃料電池は、発生する物質が水だけであり、環境にやさしいエネルギー源です。
以上の知識をもとに、問題を解きます。
この問題では、水素と酸素の混合気体に点火していますが、このとき起こる化学反応は燃料電池と同じです。
ゆえに、発生する液体の物質は水です。
なお、燃料電池の化学反応式は、
2H2+O2→2H2O
で、水素(H2)の係数が2、酸素(O2)の係数が1より、反応する水素と酸素の体積比は係数の比と同じ2:1です。
反応する水素の体積:反応する酸素の体積=2:1=40:20より、
水素40cm3と酸素20cm3をポリエチレン袋に入れると、袋の中の水素と酸素が過不足なくすべて反応して、水が発生します。
気体の水素と酸素が液体の水に変化するため、体積が減少して袋がしぼみます。
問2
解答: 入れるもの:塩化コバルト紙、変化:赤色に変わった
解説:
水の指示薬は、塩化コバルト紙です。
塩化コバルト紙を水につけると、塩化コバルト紙が青色から赤色に変化します。
問3
解答:2H2+O2→2H2O
解説:
問1解説参照。
大問3
問1
解答: 記号:B、血管の名前:肺静脈
解説:
血液循環は、肺循環と体循環の2つに大別されます。
・肺循環
肺循環とは、心臓から出た血液が肺を通り、心臓へともどる経路のことです。
血液の流れは、心臓の右心室→肺動脈(静脈血)(A)→肺の毛細血管→肺静脈(動脈血)(B)→左心房と循環します。
なお、心臓は4つの部屋からなり、
正面から見たとき、左側の部屋を「右〜」、右側の部屋を「左〜」、
上の部屋を「〜心房」、下の部屋を「〜心室」と呼びます。
心臓をつなぐ血管は、心臓に戻る血液が流れる血管を「〜静脈」、心臓から出る血液が流れる血管を「〜動脈」、
心臓と体をつなぐ血管を「大〜」、心臓と肺をつなぐ血管を「肺〜」と呼びます。
酸素を多く含む血液を動脈血(鮮紅色)、酸素が少ない血液を静脈血(少し暗い赤色)といいます。
・体循環
体循環とは、心臓から出た血液が全身の細胞を巡って心臓にもどる経路のことです。
血液の流れは、心臓の左心室→大動脈(動脈血)(D)→全身の毛細血管(細胞呼吸)→大静脈(静脈血)(C)→右心房と循環します。
循環する血液の特徴について。
・門脈
ここを通る血液は、ブドウ糖・アミノ酸などの養分を最も多く含みます。
三大栄養素(有機物)である炭水化物・タンパク質・脂肪は、消化管を経て、ブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸とモノグリセリドになり、小腸の柔毛で吸収されます。
小腸の柔毛に吸収されたブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸とモノグリセリドのうち、
ブドウ糖とアミノ酸は、小腸の柔毛の毛細血管に入り、門脈→肝臓→肝静脈→心臓→大動脈→全身の毛細血管を経て、全身の細胞に送り届けられ、細胞呼吸の材料として利用されます。
・じん臓を通過後の血液(G)
ここを通る血液は、尿素などの不要物が最も少ないです。
細胞呼吸では、二酸化炭素・水・アンモニアが排出されます。
これら不要物は血しょうにとけて、水はじん臓を通して尿として体外に排出されます。
アミノ酸(窒素を含む)の分解などにより生じるアンモニア(NH3)は、非常に毒性が強いため、そのままでは排出されず、肝臓で無毒の尿素につくりかえられてから、じん臓でこしとられ、尿として体外に排出されます。
・肺静脈(B)
酸素を最も多く含みます。
・肺動脈(A)
二酸化炭素を最も多く含みます。
・肝臓→大静脈(E)
空腹時、最も多くの養分を含みます。
肝臓にグリコーゲンとして蓄えられていたブドウ糖が運ばれます。
問2
解答: 器官の名前:肝臓、記号:G
解説:
血液は、固形成分の血球(赤血球・白血球・血小板)と、液体成分の血しょうからできています。
このうち血しょうは、養分・二酸化炭素・不要物(尿素など)を運搬する働きをします。
血液中の血しょうが毛細血管の外にしみ出て、細胞間を満たしている液を組織液といいます。
組織液は、細胞に酸素や養分を与え、細胞呼吸で生じた不要物(二酸化炭素、水、アンモニアなど)をとかし、血管やリンパ管に運びます。
細胞呼吸では、ブドウ糖と脂肪が燃焼(酸素と化合)して水と二酸化炭素が発生し、窒素を含むアミノ酸が燃焼(酸素と化合)して水と二酸化炭素とアンモニアが発生します。
これら不要物は血しょうにとけて、水はじん臓を通して尿として体外に排出されます。
アミノ酸(窒素を含む)の分解などにより生じるアンモニア(NH3)は、非常に毒性が強いため、そのままでは排出されず、肝臓で無毒の尿素につくりかえられてから、じん臓でこしとられ、尿として体外に排出されます。
肝臓の主なはたらきは、以下の4つです。
①古い赤血球を分解し、胆汁をつくる
②ブドウ糖をグリコーゲンに変えて蓄え、必要に応じて送り出す(ブドウ糖は小腸の柔毛の毛細血管で吸収され門脈を通じて肝臓に送り届けられます)
③有毒物質を無毒にする(解毒作用)
④有毒なアンモニアを無毒の尿素に変える
アンモニアは肝臓で無毒の尿素につくりかえられてから、じん臓でこしとられ、尿として体外に排出されます。
よって、尿素が最も少ない血液が流れる血管は、Gです。
問3
解答:ウ
解説:
問1解説参照。
問4
解答:ブドウ糖、アミノ酸
解説:
多くの細胞が集まり、1つのからだをつくっている生物を、多細胞生物といいます。
多細胞生物では、形やはたらきが同じ細胞が集まり組織を、組織が集まり器官を、器官が集まり個体をつくっています。
細胞→組織→器官→個体、の順で生物は形づくられています。
植物の組織の例として道管・師管が、植物の器官として、根・茎・葉・花などがあります。
動物の組織の例として上皮・神経・筋組織が、動物の器官として、皮膚・目・心臓・胃などがあります。
炭水化物・タンパク質・脂肪を三大栄養素といい、食べた三大栄養素を分解する器官を消化器官といいます。
消化器官は、消化管と消化せんの2つに分けて考えます。
消化管とは、口から肛門までの食物の通る管のことで、食物は、口→食道→胃→十二指腸→小腸→大腸→肛門、という流れで通ります。
消化せんは食べた三大栄養素を分解する(別のものにする)消化液を分泌する消化器官で、だ液せん、胃、肝臓、すい臓、小腸があります。
消化液には消化酵素を含むものと含まないものがあります。
消化酵素とは、炭水化物・タンパク質・脂肪を分解する(別のものにする)酵素です。
だ液せんからは消化液であるだ液が分泌され、だ液は、消化酵素であるアミラーゼ(炭水化物を分解)を含みます。
胃からは消化液である胃液が分泌され、胃液は、消化酵素であるペプシン(タンパク質をペプトンに分解)を含みます。
肝臓からは消化液である胆汁が分泌され、胆のうに蓄えられます。胆汁は消化酵素を含まず、脂肪を乳化してすい液・リパーゼの働きを助けます。
すい臓からは消化液であるすい液が分泌され、すい液は、消化酵素であるアミラーゼ(炭水化物を麦芽糖に分解)・トリプシン(ペプトンをポリペプチドに分解)・リパーゼ(乳化した脂肪を脂肪酸とモノグリセリドに分解)を含みます。
小腸の壁からは、消化酵素であるマルターゼ(麦芽糖をブドウ糖に分解)・ペプチダーゼ(ポリペプチドをアミノ酸に分解)が分泌されます。
こうして消化器官を通った三大栄養素である炭水化物・タンパク質・脂肪は、それぞれブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸とモノグリセリドに分解され、粒の大きさが小さくなります。
ブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸とモノグリセリドは、問題文の図の小腸の柔毛に吸収されていきます。
ブドウ糖とアミノ酸は、小腸の柔毛の毛細血管に入り、門脈→肝臓→肝静脈→心臓→大動脈を経て、全身の細胞に送り届けられ、細胞呼吸の材料として利用されます。
脂肪酸とモノグリセリドは、小腸の柔毛に吸収されると脂肪に再合成されてリンパ管に入り、胸管(静脈)→心臓→大動脈を経て、全身の細胞に送り届けられ、細胞呼吸の材料として利用されます。
小腸の内壁にある柔毛は、表面積を広げる構造をしており、1cm2あたり約2500個もあります。
柔毛があることで表面積が大きくなり、養分を効率よく吸収することができます。
根毛・柔毛・肺胞など、養分を吸収するものは、表面積を広げる構造をしています。
大問4
問1
解答: ①:胎生、②:卵生、③:ホニュウ類
解説:
動物は、背骨のあるセキツイ動物と、背骨のない無セキツイ動物に分類できます。
セキツイ動物は、魚類・両生類・ハチュウ類・鳥類・ホニュウ類に分類できます。
・体温
魚類・両生類・ハチュウ類は外界の温度が変化すると体温を変化させる変温動物、
鳥類・ホニュウ類は外界の温度が変化しても体温を一定に保つ恒温動物です。
・呼吸のしかた
魚類はえら呼吸、両生類は子がえら呼吸で親が肺呼吸(カエルのように補助的に皮膚呼吸するものもいます)、
ハチュウ類・鳥類・ホニュウ類は肺呼吸です。
・子の産まれ方
魚類・両生類・ハチュウ類・鳥類は卵生、ホニュウ類は胎生です。
魚類・両生類は水中にからのない卵を、ハチュウ類・鳥類は陸上にからのある卵を産みます。
卵の殻は、卵を乾燥から守る役目をし、水中生活から陸上生活への進化に欠かせないものです。
・体の表面
魚類は体の表面がうろこにおおわれており、両生類は湿った皮膚、ハチュウ類はうろこや甲ら、鳥類は羽毛、ホニュウ類は毛におおわれています。
・具体例
魚類の例としてメダカとフナを、
両生類の例としてカエルとイモリ(「いりょう」と覚える)を、
ハチュウ類の例としてトカゲとヤモリを、
鳥類の例としてハトとペンギンを、
ホニュウ類の例としてクジラとコウモリを、
それぞれ覚えましょう。
無セキツイ動物は、外骨格の有無で分類でき、外骨格がないものは、さらに外とう膜の有無で分類できます。
無セキツイ動物で、外骨格をもつ動物を節足動物といいます。
節足動物は、昆虫類(例:バッタ)、クモ類(クモ)、甲殻類(エビ)、多足類(ムカデ)に分類できます。
節足動物が持つ呼吸器官は、気管です。気管は、腹部の体表にある気門という穴につづく細い管です。
気管は体のすみずみまで網目状に広がり、その外側で体液と接しており、気管内の空気と体液との間で、直接ガス交換が行われます。
節足動物は、ヒトのように、ガス交換の際に毛細血管は必要がありません。
無セキツイ動物で、外骨格がなく外とう膜がある動物を、軟体動物(例:イカ、アサリ)といいます。
無セキツイ動物で、外骨格がなく外とう膜もない動物は、棘皮動物(例:ウニ、ヒトデ)と刺胞動物(例:クラゲ、サンゴ)に分類できます。
図を見ると、背骨があるセキツイ動物のうち、魚類・両生類・ハチュウ類・鳥類が分かっているので、③はホニュウ類です。
ホニュウ類のみの特徴は、胎生であることです。よって、①は胎生、②は卵生です。
問2
解答: なかま:恒温動物、体表:羽毛
解説:
問1解説参照。
問3
解答:外骨格
解説:
問1解説参照。
問4
解答:甲殻類
解説:
問1解説参照。
大問5
問1
解答:熱を伝えやすいため
解説:
気体の水を水蒸気といいます。
湯気(水蒸気が冷えてできた水の粒)は見えますが、水蒸気は見えません。
空気は水蒸気を含むことができる入れ物とみなせます。
空気が水蒸気をどのくらい含むことができるのかを表す尺度として、1辺が1m・体積1m3の立方体の空気中に含まれている水蒸気量(g)、単位[g/m3]を用います。
空気は温度が上がると、水蒸気をより多く含むことができます。
空気に含まれる水蒸気が最大になっている状態を、水蒸気で飽和しているといい、空気1m3が含むことができる最大の水蒸気量を、飽和水蒸気量といいます。
空気中の水蒸気(気体)が水滴(液体)になることを、凝結といいます。
ある量の水蒸気を含む空気の温度を下げていくと、含みきれなくなった水蒸気量が凝結して水滴となって現れます。
このときの温度を露点といいます。
露点を求める実験として、くみ置きの水(1晩放置して室温と同じ温度にした水)と温度計を入れた金属製のコップに、氷を入れた試験管を入れる実験があります。
金属製のコップを用いるのは、金属が暖まりやすく冷めやすい性質(熱伝導性)を持つからです。
コップ表面付近の空気の温度を下げると、コップ表面に水滴がつき始めます。
これにより、コップの中の水の温度と、コップ表面付近の空気の温度が露点に達したことが分かります。
問2
解答: くもりはじめた温度:露点、湿度:100%
解説:
空気に含まれる水蒸気が最大になっている状態を、水蒸気で飽和しているといい、空気1m3が含むことができる最大の水蒸気量を、飽和水蒸気量といいます。
温度と飽和水蒸気量の関係を表したグラフが、飽和水蒸気量曲線です。
ある温度の空気において、飽和水蒸気量に対する含まれている水蒸気量の割合を湿度といいます。
湿度は、以下の式で表すことができます。
・湿度(%)=水蒸気量[g/m3]/飽和水蒸気量[g/m3]×100
ある量の水蒸気を含む空気の温度を下げていくと、含みきれなくなった水蒸気量が凝結して水滴となって現れます。このときの温度を露点といいます。
つまり、露点のとき、空気は水蒸気を含むことができる水蒸気量が最大で、水蒸気量[g/m3]=飽和水蒸気量[g/m3]となっており、このときの湿度は100%です。
湿度の公式に当てはめて確認すると、
湿度(%)=水蒸気量[g/m3]/飽和水蒸気量[g/m3]×100=飽和水蒸気量[g/m3]/飽和水蒸気量[g/m3]×100=1×100=100%
問3
解答:12.1g
解説:
空気は水蒸気を含むことができる入れ物とみなせます。
空気に含まれる水蒸気が最大になっている状態を、水蒸気で飽和しているといい、空気1m3が含むことができる最大の水蒸気量を、飽和水蒸気量といいます。
ある量の水蒸気を含む空気の温度を下げていくと、含みきれなくなった水蒸気量が凝結して水滴となって現れます。このときの温度を露点といいます。
つまり、ある空気が含む水蒸気量はその空気の露点における飽和水蒸気量となります。
コップの表面がくもり始めた温度=露点は14℃より、このときの飽和水蒸気量は表より、12.1g/m3です。
よって、この部屋の空気1m3にふくまれる水蒸気量は、
12.1g/m3×1m3=12.1g
問4
解答:70%
解説:
湿度は、以下の式で表すことができます。
・湿度(%)=水蒸気量[g/m3]/飽和水蒸気量[g/m3]×100
ある量の水蒸気を含む空気の温度を下げていくと、含みきれなくなった水蒸気量が凝結して水滴となって現れます。このときの温度を露点といいます。
つまり、ある空気が含む水蒸気量はその空気の露点における飽和水蒸気量となるので、湿度の式は、以下の式で表すことができます。
・湿度(%)=水蒸気量[g/m3]/飽和水蒸気量[g/m3]×100=露点における飽和水蒸気量[g/m3]/飽和水蒸気量[g/m3]×100
この式を用いて、問題を解きます。
表より、室温20℃における飽和水蒸気量は、17.3g/m3です。
コップの表面がくもり始めた温度=露点は14℃より、このときの飽和水蒸気量は表より、12.1g/m3です。
これらの情報を湿度の公式に当てはめると、湿度は
湿度(%)=12.1g/m3/17.3g/m3×100=69.9・・・%≒70%
大問6
問1
解答:水蒸気で満たすため
解説:
気体の水を水蒸気といいます。
湯気(水蒸気が冷えてできた水の粒)は見えますが、水蒸気は見えません。
空気は水蒸気を含むことができる入れ物とみなせます。
空気が水蒸気をどのくらい含むことができるのかを表す尺度として、1辺が1m・体積1m3の立方体の空気中に含まれている水蒸気量(g)、単位[g/m3]を用います。
空気に含まれる水蒸気が最大になっている状態を、水蒸気で飽和しているといい、空気1m3が含むことができる最大の水蒸気量を、飽和水蒸気量といいます。
ある量の水蒸気を含む空気の温度を下げていくと、含みきれなくなった水蒸気量が凝結して水滴となって現れます。このときの温度を露点といいます。
地面が太陽熱などで暖められると上昇気流が生じて、空気は上昇します。
空気は上昇すると膨張して温度が下がります。
空気の成分比率は、体積の割合で多い順から、窒素(約78%)、酸素(約21%)、アルゴン(約0.9%)、二酸化炭素(約0.04%)です。このほか、ネオン、ヘリウムなども微量ですが含まれています。
これらの気体分子(粒子)は、上空の空気による大気圧により押されていますが、空気が上昇すると大気圧が低くなって空気の圧力のほうが高くなるため、膨張します。
膨張するとは、空気の粒子の動きが盛んになる、つまり空気の粒子の運動エネルギー[J]が大きくなるということです。
エネルギーは移り変わります。
空気の粒子の運動エネルギー[J]は、その空気がもつ熱エネルギー[J]によってのみまかなわれ、膨張の際の外部との熱の出入りがありません。
これを断熱膨張といいます。
空気が断熱膨張すると、熱エネルギーが失われるので、空気の温度が下がっていきます。
こうして、空気の温度が露点以下となって、含みきれなくなった水蒸気量が凝結して水滴となって現れます。
さらに空気が上昇して温度が下がると、氷の結晶ができはじめます。
雲は、小さな水滴や氷の結晶が集まってできたものです。
上昇気流によって支えられているため粒は落下しませんが、粒どうしが衝突し合うなどして大きく成長すると落下し、雨や雪が降ります。
ピストンを引くと、丸底フラスコ内の空気の気圧が下がるので、丸底フラスコ内の空気が断熱膨張し、温度が下がり、露点以下となって容器内が線香の煙が水滴をつくる核となって、白く曇ります。
実験の際に、丸底フラスコ内にぬるま湯を入れるのは、水蒸気量を増やして、湿度を100%近くまで高め、温度がわずかに下がっただけで露点に達して水滴が発生するようにするためです。
問2
解答:ウ
解説:
問1解説参照。
問3
解答: ①:気圧、②膨張、③:水蒸気
解説:
問1解説参照。
大問7
問1
解答:1008Pa
解説:
空気の成分比率は、体積の割合で多い順から
窒素(約78%)、酸素(約21%)、アルゴン(約0.9%)、二酸化炭素(約0.04%)です。
このほか、ネオン、ヘリウムなども微量ですが含まれています。
これらの気体分子(粒子)は、空気中を盛んに動いており、地面などに衝突して圧力(気圧)が生じます。
地面が太陽熱などで暖められると空気は上昇し、それと比較して冷たい場所に空気が流れ、空気が下降します。
空気が上昇すると、その場所では空気を構成する粒子の数が減るため、気圧が減少し、低気圧となります。
空気が下降すると、その場所では空気を構成する粒子が押されて数が増えるため、気圧が上昇し、高気圧となります。
空気は、冷たい方から温かい方に水平に流れます。
地球の地上10kmまでを対流圏といい、対流がさかんに起こっています。
対流のうち、水平方向の動きを風、垂直方向の動きを気流といいます。
暖かい場所では上昇気流が生じて低気圧となり、上昇した空気は冷たい方に流れ(風)、冷たい場所では下降気流が生じて高気圧となり、地表面では、暖かい場所(低気圧)から冷たい場所(高気圧)に向かって流れます(風)。
気圧の等しい地点を結んだときにできる線を、等圧線といいます。
等圧線は全体としてなめらかな曲線となり、途中で枝分かれしたり、消えてなくなったりすることはありません。
等圧線は、1000hPaを基準にして、4hPaごとに細い線が引かれ、20hPaごとに太い線が引かれます。
高気圧は、等圧線が丸く閉じている部分で、中心にいくほど気圧が高くなります。
低気圧は、等圧線が丸く閉じている部分で、中心にいくほど気圧が低くなります。
また低気圧は、等圧線の間隔がせまく、距離に対しての気圧の変化である気圧傾度が大きいため、風が強く吹き込みます。
以上の知識をもとに、問題を解きます。
A地点は低気圧から高気圧に向かって、1000hPaの等圧線から2本目の等圧線の位置にあるので、気圧は、1000hPa+4×2hPa=1008hPa、です。
問2
解答:
解説:
天気を表す天気図記号と風力を表す風力記号を組み合わせ、観測地点での天気・風向・風力を表した記号を、天気図記号といいます。
降水のないとき、天気は雲量(空全体を10としたとき、雲がおおっている割合)で決まり、雲量が0〜1のときが快晴、2〜8のときが晴れ、9〜10がくもりとなります。
風力と風向は、地点円からのばして書いた矢羽根で表し、風力は矢羽根の本数で(7本目で折り返す)、風向は矢羽根がついている方向(風が吹いてくる方向)で表します。
図3では、矢羽根は南西の方角を指していること、風力が4という情報から、解答が得られます。
なお、地表面の風は高気圧(冷たい場所)から低気圧(暖かい場所)に向かって流れるので、図1より、A地点では南西から北東に向かって風が吹いていることが分かります。
問3
解答:等圧線が閉じていて、まわりよりも気圧が低いところ
解説:
高気圧は、等圧線が丸く閉じている部分で、中心にいくほど気圧が高くなります。
低気圧は、等圧線が丸く閉じている部分で、中心にいくほど気圧が低くなります。
また低気圧は、等圧線の間隔がせまく、距離に対しての気圧の変化である気圧傾度が大きいため、風が強く吹き込みます。
大問8
問1
解答:ア
解説:
空気は、冷たい方から温かい方に水平に流れます。
地球の地上10kmまでを対流圏といい、対流がさかんに起こっています。
対流のうち、水平方向の動きを風、垂直方向の動きを気流といいます。
暖かい場所では上昇気流が生じて低気圧となり、上昇した空気は冷たい方に流れ(風)、冷たい場所では下降気流が生じて高気圧となり、地表面では、暖かい場所(低気圧)から冷たい場所(高気圧)に向かって流れます(風)。
冬に発達するシベリア気団(高気圧)について。
宇宙から地球を見ると(これを天体上という)、地球は公転面に垂直な面に対して地軸を23.4°傾けて公転しており、
冬では、地軸の北極側を太陽と反対方向に向けることになるため、
北半球では昼の長さが短く、夜の長さが長くなり、太陽から受ける光エネルギーの量が減少するため、寒くなります。
固体は液体より冷えやすく暖まりやすいです。
ゆえに、冬では、ユーラシア大陸が冷たい場所(高気圧)、日本海や太平洋が暖かい場所(低気圧)となります。
だから冬では、西高東低の気圧配置となります。冬の気圧配置として、等圧線が縦縞となることも覚えましょう。
ユーラシア大陸で発達する高気圧をシベリア気団といい、陸にあるため冷たく乾燥しています。
大陸と海洋でのあたたまりやすさの違いにより、1年周期で風向・風速が変化する風を季節風といいます。
冬は、ユーラシア大陸が冷たい場所(高気圧)、日本海や太平洋が暖かい場所(低気圧)なので、
風は、北西のユーラシア大陸から太平洋に向けて吹くため、冬の季節風は北西の風です。
夏に発達する小笠原気団(高気圧)について。
夏では、地軸の北極側を太陽の方向に向けることになるため、
北半球では昼の長さが長く、夜の長さが短くなり、太陽から受ける光エネルギーの量が多くなるため、暑くなります。
固体は液体より冷えやすく暖まりやすいです。
ゆえに、夏では、太平洋の南東地域が冷たい場所(高気圧)、日本列島が暖かい場所(低気圧)となります。
だから夏では、南高北低の気圧配置となります。
太平洋の南東地域で発達する高気圧を小笠原気団といい、暖かい場所にあり海にあるため暖かく湿ってしています。
夏は、太平洋の南東地域が冷たい場所(高気圧)、日本列島が暖かい場所(低気圧)なので、
風は、太平洋の南東地域からのユーラシア大陸から太平洋に向けて湿った風が吹くため、夏の季節風は南東の風です。
また、オホーツク海付近では、オホーツク海気団(高気圧)があります。
オホーツク海気団は、冷たい海洋にあるので高気圧で、相対的に暖かい場所である北海道に向けて風が吹きます。
図の前線は、停滞前線です。
停滞前線は、オホーツク海気団と小笠原気団がほぼつりあい、両者の境にできる前線です。
春から夏にかけて発生する停滞前線を、梅雨前線といいます。
夏は小笠原気団が発達してオホーツク海気団を北へ追いやりますが、秋になると小笠原気団の勢力が弱まり、オホーツク海気団が再び南下してきて、
再びオホーツク海気団と小笠原気団がほぼつりあいます。
この秋に発生する停滞前線を、秋雨前線といいます。
問2
解答: 前線:停滞(梅雨、秋雨)前線、できかた:勢力が同じくらいの寒気団と暖気団がぶつかってできる
解説:
停滞前線は、オホーツク海気団と小笠原気団がほぼつりあい、両者の境にできる前線です。
オホーツク海気団は、冷たい海洋にあるので高気圧です。
太平洋の南東地域で発達する高気圧を小笠原気団といい、暖かい場所にあるので高気圧です。
問3
解答:エ
解説:
問1解説参照。
大問9
問1
解答: 気温:A、7日15時:約12℃
解説:
空気の成分比率は、体積の割合で多い順から
窒素(約78%)、酸素(約21%)、アルゴン(約0.9%)、二酸化炭素(約0.04%)です。
このほか、ネオン、ヘリウムなども微量ですが含まれています。
これらの気体分子(粒子)は、空気中を盛んに動いており、地面などに衝突して圧力(気圧)が生じます。
地面が太陽熱などで暖められると空気は上昇し、それと比較して冷たい場所に空気が流れ、空気が下降します。
空気が上昇すると、その場所では空気を構成する粒子の数が減るため、気圧が減少し、低気圧となります。
空気が下降すると、その場所では空気を構成する粒子が押されて数が増えるため、気圧が上昇し、高気圧となります。
空気は、冷たい方から温かい方に水平に流れます。
地球の地上10kmまでを対流圏といい、対流がさかんに起こっています。
対流のうち、水平方向の動きを風、垂直方向の動きを気流といいます。
暖かい場所では上昇気流が生じて低気圧となり、上昇した空気は冷たい方に流れ(風)、冷たい場所では下降気流が生じて高気圧となり、地表面では、暖かい場所(低気圧)から冷たい場所(高気圧)に向かって流れます(風)。
地球では、自転速度の差によって生じる右向きの力であるコリオリの力が発生するので、北半球の風向は、等圧線に対して垂直な方向よりも右にそれて吹きます。
そのため、低気圧では反時計回りに風が吹き込み、高気圧では時計回りに風が吹き出します。
北半球では、北緯30〜60度付近で吹く西寄りの風である偏西風が吹くので、低気圧は東から西に流れます。
低気圧が流れることで、暖気と寒気(緯度が上がると冷える)が触れ、寒冷前線と温暖前線が生じます。
この前線をともなう低気圧のことを、温帯低気圧といいます。
偏西風により低気圧は東から西に流れ、コリオリの力により風は低気圧に反時計回りに吹き込むことで、
温帯低気圧の左側で寒冷前線が、温帯低気圧の右側で温暖前線が生じます。
前線が通過する順番は、温暖前線→寒冷前線の順です。
温暖前線を正面から見ると、密度が小さく軽い暖気が密度が高く重たい寒気の上にはいあがり、寒気を後退させながら進みます。
このため緩やかな上昇気流が生じ、前線(暖気と寒気の境目である前線面と地面との接点)から右に向かって乱層雲・高層雲・巻層雲・巻雲などの層状の雲が生じ、乱層雲により広い範囲(前線から200〜300km)に長い時間、弱い雨を降らせます。
通過後は、暖気におおわれるため気温が上がり、風向が南よりに変わります。
寒冷前線を正面から見ると、密度が高く重たい寒気が密度が低く軽い暖気の下にもぐり込み、暖気を垂直方向に押し上げながら進みます。
このため激しい上昇気流が生じ、前線から左に向かって積乱雲や積雲などが生じ、積乱雲により狭い範囲(前線から50〜60km)に短時間で強い雨が降らせます。
通過後は、寒気に覆われるため気温が下がり、風向が南よりから北よりに急変します。
以上の知識をもとに、問題を解きます。
グラフを見ると、4月7日の12時から15時に風向が風向が南よりから北よりに急変して、天気がくもりから雨になっているので、寒冷前線が通過したと考えられます。
寒冷前線が通過すると寒気に覆われるため気温が下がるので、気温の変化を表しているのはAです。
天気が悪くなると空気中の水蒸気量が増えて湿度が上がるので、湿度の変化を表しているのはBです。
気温を表すAを見ると、4月7日15時の気温は、約12℃であることが分かります。
問2
解答:ウ
解説:
問1解説参照。
問3
解答: 前線:寒冷前線、理由:ア、ウ
解説:
グラフを見ると、4月7日の12時から15時に風向が風向が南よりから北よりに急変して、天気がくもりから雨になっているので、寒冷前線が通過したと考えられます。
寒冷前線を正面から見ると、密度が高く重たい寒気が密度が低く軽い暖気の下にもぐり込み、暖気を垂直方向に押し上げながら進みます。
このため激しい上昇気流が生じ、前線から左に向かって積乱雲や積雲などが生じ、積乱雲により狭い範囲(前線から50〜60km)に短時間で強い雨が降らせます。
通過後は、寒気に覆われるため気温が下がり、風向が南よりから北よりに急変します。
大問10
問1
解答: 前線:図2、気温:ア
解説:
空気の成分比率は、体積の割合で多い順から
窒素(約78%)、酸素(約21%)、アルゴン(約0.9%)、二酸化炭素(約0.04%)です。
このほか、ネオン、ヘリウムなども微量ですが含まれています。
これらの気体分子(粒子)は、空気中を盛んに動いており、地面などに衝突して圧力(気圧)が生じます。
地面が太陽熱などで暖められると空気は上昇し、それと比較して冷たい場所に空気が流れ、空気が下降します。
空気が上昇すると、その場所では空気を構成する粒子の数が減るため、気圧が減少し、低気圧となります。
空気が下降すると、その場所では空気を構成する粒子が押されて数が増えるため、気圧が上昇し、高気圧となります。
空気は、冷たい方から温かい方に水平に流れます。
地球の地上10kmまでを対流圏といい、対流がさかんに起こっています。
対流のうち、水平方向の動きを風、垂直方向の動きを気流といいます。
暖かい場所では上昇気流が生じて低気圧となり、上昇した空気は冷たい方に流れ(風)、冷たい場所では下降気流が生じて高気圧となり、地表面では、暖かい場所(低気圧)から冷たい場所(高気圧)に向かって流れます(風)。
地球では、自転速度の差によって生じる右向きの力であるコリオリの力が発生するので、北半球の風向は、等圧線に対して垂直な方向よりも右にそれて吹きます。
そのため、低気圧では反時計回りに風が吹き込み、高気圧では時計回りに風が吹き出します。
北半球では、北緯30〜60度付近で吹く西寄りの風である偏西風が吹くので、低気圧は東から西に流れます。
低気圧が流れることで、暖気と寒気(緯度が上がると冷える)が触れ、寒冷前線と温暖前線が生じます。
この前線をともなう低気圧のことを、温帯低気圧といいます。
偏西風により低気圧は東から西に流れ、コリオリの力により風は低気圧に反時計回りに吹き込むことで、
温帯低気圧の左側で寒冷前線が、温帯低気圧の右側で温暖前線が生じます。
前線が通過する順番は、温暖前線→寒冷前線の順です。
温暖前線を正面から見ると、密度が小さく軽い暖気が密度が高く重たい寒気の上にはいあがり、寒気を後退させながら進みます。
このため緩やかな上昇気流が生じ、前線(暖気と寒気の境目である前線面と地面との接点)から右に向かって乱層雲・高層雲・巻層雲・巻雲などの層状の雲が生じ、乱層雲により広い範囲(前線から200〜300km)に長い時間、弱い雨を降らせます。
通過後は、暖気におおわれるため気温が上がり、風向が南よりに変わります。
寒冷前線を正面から見ると、密度が高く重たい寒気が密度が低く軽い暖気の下にもぐり込み、暖気を垂直方向に押し上げながら進みます。
このため激しい上昇気流が生じ、前線から左に向かって積乱雲や積雲などが生じ、積乱雲により狭い範囲(前線から50〜60km)に短時間で強い雨が降らせます。
通過後は、寒気に覆われるため気温が下がり、風向が南よりから北よりに急変します。
以上の知識をもとに、問題を解きます。
温帯低気圧が偏西風により流れてくるため、A地点にはまず温帯低気圧の右側で生じる温暖前線が近づいてきています。
温暖前線を正面から見ると、密度が小さく軽い暖気が密度が高く重たい寒気の上にはいあがり、寒気を後退させながら進みます。
このため緩やかな上昇気流が生じ、前線(暖気と寒気の境目である前線面と地面との接点)から右に向かって乱層雲・高層雲・巻層雲・巻雲などの層状の雲が生じ、乱層雲により広い範囲(前線から200〜300km)に長い時間、弱い雨を降らせます。
通過後は、暖気におおわれるため気温が上がり、風向が南よりに変わります。
問2
解答:前線面
解説:
問1解説参照。
問3
解答: 図2:ウ、図3:ア
解説:
温暖前線を正面から見ると、密度が小さく軽い暖気が密度が高く重たい寒気の上にはいあがり、寒気を後退させながら進みます。
このため緩やかな上昇気流が生じ、前線(暖気と寒気の境目である前線面と地面との接点)から右に向かって乱層雲・高層雲・巻層雲・巻雲などの層状の雲が生じ、乱層雲により広い範囲(前線から200〜300km)に長い時間、弱い雨を降らせます。
寒冷前線を正面から見ると、密度が高く重たい寒気が密度が低く軽い暖気の下にもぐり込み、暖気を垂直方向に押し上げながら進みます。
このため激しい上昇気流が生じ、前線から左に向かって積乱雲や積雲などが生じ、積乱雲により狭い範囲(前線から50〜60km)に短時間で強い雨が降らせます。
問4
解答:ウ
解説:
問1解説参照。
大問11
問1
解答: 季節:冬、理由:西高東低の冬型の気圧配置だから
解説:
空気の成分比率は、体積の割合で多い順から
窒素(約78%)、酸素(約21%)、アルゴン(約0.9%)、二酸化炭素(約0.04%)です。
このほか、ネオン、ヘリウムなども微量ですが含まれています。
これらの気体分子(粒子)は、空気中を盛んに動いており、地面などに衝突して圧力(気圧)が生じます。
地面が太陽熱などで暖められると空気は上昇し、それと比較して冷たい場所に空気が流れ、空気が下降します。
空気が上昇すると、その場所では空気を構成する粒子の数が減るため、気圧が減少し、低気圧となります。
空気が下降すると、その場所では空気を構成する粒子が押されて数が増えるため、気圧が上昇し、高気圧となります。
空気は、冷たい方から温かい方に水平に流れます。
地球の地上10kmまでを対流圏といい、対流がさかんに起こっています。
対流のうち、水平方向の動きを風、垂直方向の動きを気流といいます。
暖かい場所では上昇気流が生じて低気圧となり、上昇した空気は冷たい方に流れ(風)、冷たい場所では下降気流が生じて高気圧となり、地表面では、暖かい場所(低気圧)から冷たい場所(高気圧)に向かって流れます(風)。
宇宙から地球を見ると(これを天体上という)、地球は公転面に垂直な面に対して地軸を23.4°傾けて公転しており、
冬では、地軸の北極側を太陽と反対方向に向けることになるため、
北半球では昼の長さが短く、夜の長さが長くなり、太陽から受ける光エネルギーの量が減少するため、寒くなります。
固体は液体より冷えやすく暖まりやすいです。
ゆえに、冬では、ユーラシア大陸が冷たい場所(高気圧)、日本海や太平洋が暖かい場所(低気圧)となります。
だから冬では、西高東低の気圧配置となります。冬の気圧配置として、等圧線が縦縞となることも覚えましょう。
ユーラシア大陸で発達する高気圧をシベリア気団といい、陸にあるため冷たく乾燥しています。
大陸と海洋でのあたたまりやすさの違いにより、1年周期で風向・風速が変化する風を季節風といいます。
冬は、ユーラシア大陸が冷たい場所(高気圧)、日本海や太平洋が暖かい場所(低気圧)なので、風は、北西のユーラシア大陸から太平洋に向けて吹くため、冬の季節風は北西の風です。
問2
解答: 風向:イ、気団:シベリア気団
解説:
問1解説参照。
問3
解答: 気温:低い(寒冷)、湿度:低い(乾燥)
解説:
問1解説参照。