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今回は、2019年東京都公立高校入試の理科の過去問題・解答・詳しい解説を公開いたします。
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公立高校入試理科で高得点が取れるオススメ問題集
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2019年東京都公立高校入試〜理科〜
以下、2019年東京都公立高校入試の理科の過去問題と解説です。
基本問題1
以下、2019年東京都公立高校入試の理科の基本問題です。
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解答
以下、解答です。
問1.解答:エ
(解説)
動物細胞と植物細胞に共通するものは、細胞膜、細胞質、核、核小体、ミトコンドリアの5つです。
動物細胞に特有のものは、中心体、ゴルジ体の2つです。
植物細胞に特有のものは、葉緑体、細胞壁、液胞の3つです。
細胞は、まず原形質と後形質の2つに分けます。
原形質は、核と細胞質からなります。
細胞質には、細胞膜・中心体・ゴルジ体・葉緑体・液胞があります。
後形質には、細胞壁があります。
細胞の各部の働きについて。
核は遺伝子を含み染色体を持つ、
細胞膜は細胞内外を区切り物質の出入りを調節する、
中心体は細胞分裂のときに紡錘体形成の中心をなす、
ゴルジ体は物質の分泌活動を行う(物質を生産し、細胞外に出す)、
葉緑体は葉緑素(クロロフィル)を含み光合成を行う、
液胞は細胞中の水分量の調節や糖・無機塩類。不要物などを蓄積する
細胞壁は細胞の保護とかたちの保持をする
です。
葉緑体では光合成が行われ、根毛→道管で吸収した水と、気孔から吸収した二酸化炭素を光エネルギーを用いてグルコース(ブドウ糖)を作り、水に溶けにくいデンプンとして貯蔵します。
問2.解答:イ
(解説)
地球は西から東(反時計回り)に24時間に360°、1時間に15°自転します。
これにより、地球から見て、星と太陽は東から西に1時間に15°動いて見えます(見かけの動き)。
また地球は、太陽の周りを西から東(反時計回り)に365日で360°、1日1°、1ヶ月に30°公転します。
これを日周運動といいます。
これにより、地球から見て、毎日同一時刻に観測すると、星は東から西に1日1°、1ヶ月に30°日周運動の向きに動いて見えます(見かけの動き)
これを星の年周運動といいます。
星は地球から非常に離れた位置にある恒星より、天球上に貼りついた星を基準とすると、地球が西から東(反時計回り)に1日1°公転することから、毎日同一時刻に観測すると、太陽は天球上にある星の中を1日1°西から東に動いて見えます。
これを太陽の年周運動といい、天球上の太陽の通り道を黄道といいます。
天球上において、星の日周運動と年周運動での動く道筋は、東・南・西の空では太陽の日周運動と同じです。
しかし北の空では、北極星を中心に反時計回りに動いて見えます。
問題では、30日後の同一時刻における恒星Xの位置が問われているので、星の年周運動(1日1°)を考えます。
30日後、恒星Xは30°反時計回りに動いて見えるので、Bの位置に見えます。
問3.解答:ア
(解説)
コイルに電流が流れると磁界が発生します。
磁界の向きは『塾技 理科80』に書かれている「右手のグー」で簡単に分かります。
図Aの場合、磁力線はコイルの左側から出て右側に入るので、
N極の向きはコイルの左側では左、コイルの上下では右、コイルの右側では右です。
これより、図Aと対応する磁力線の流れは図Cとなります。
タングステンやLEDなどの抵抗に電圧を加えると電流が流れます。
電流は+の電気で、+どうし−どうしは反発するので、電流は回路の+極から出て−極にもどります。
コイルに電流を流すとき、回路に抵抗を設置することで回路に電流が流れ、コイルに電流が流れ磁界が発生します。
問4.解答:ウ
(解説)
公立高校の入試では、古生代→中生代→新生代の3つで覚える感じでOKでしょう。
古生代に見られる化石は、三葉虫とフズリナです。
中生代に見られる化石は、アンモナイトと恐竜です。
新生代に見られる化石は、貨幣石・ビカリア・ナウマンゾウです。
地層が堆積した「年代・時代」を知る手がかりとなる化石を、示準化石といいます。上の化石は示準化石です。
示準化石の条件は2つ、①短い期間に栄えて絶滅したこと、②世界の広範囲で発見されていること。
地層が堆積した「自然環境」を知る手がかりとなる化石を、示相化石といいます。
示準化石のひとつフズリナ(古生代)は、堆積岩のひとつ石灰岩の成分でもあることを抑えておきましょう。
問5.解答:エ
(解説)
水酸化ナトリウムは電解質で、水にとけるとイオンに電離します。
水酸化ナトリウムの電離式とそれぞれのイオン式は以下のとおりです。
NaOH→Na++OH–
水にとけると水酸化物イオン(OH–)を放出する物質をアルカリといいます。
水酸化ナトリウムはアルカリです。
水中にある水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH–)に着目して、H+は無いがOH–が存在する状態をアルカリ性といいます。
水(純水)に水酸化ナトリウムを溶かすと、水中には水分子(H2O)とNa+とOH–のみ存在するので、水溶液はアルカリ性です。
酸性・中性・アルカリ性の度合いを測る指標としてPH(0〜14)があります。
PHが7が中性、PHが7より小さいと酸性、7より大きいとアルカリ性です。
問6.解答:ウ
(解説)
光がガラスに入射して鏡で反射しています。
光の屈折は、『塾技 理科80』に書かれている車輪の図を知っていれば簡単にかつ正確に分かります。
光は密度の小さい媒質から密度の大きい媒質に入射すると、屈折角が入射角より小さくなります。
入射角と屈折角は法線とのなす角度です。
光が反射すると、入射角と反射角は必ず等しくなります。これを反射の法則といいます。
以上より、答えはウとなります。
問7.解答:イ
(解説)
生態系の中の「食べる・食べられる」の直線的な鎖の関係を食物連鎖といいます。
食物連鎖の連鎖は、生産者→一次消費者→二次以上の高次の消費者の順です。
生産者は植物、一次消費者は草食動物、二次以上の高次の消費者は肉食動物です。
生産者と消費者の数量の関係はピラミッド型をしており、生産者→一次消費者→二次以上の高次の消費者の順で少なくなっていきます。
生産者と消費者の死がいや排出物(有機物)を、二酸化炭素や窒素化合物などの無機物に分解する生物を分解者といいます。
炭素の循環において、植物である生産者は呼吸と光合成を行うので両方向の矢印に、消費者と分解者は呼吸のみ行うので一方向の矢印になります。
なお、実際の生態系では、「食べる・食べられる」の関係は直線的な連鎖ではなく複雑であり、これを食物網といいます。
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基本問題2
以下、2019年東京都公立高校入試の理科の基本問題です。
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解答
以下、解答です。
問1.解答:ア
(解説)
食塩とは塩化ナトリウム(化学式:NaCl)のことです。
食塩水とは、塩化ナトリウムが水に溶けた水溶液のことです。
塩化ナトリウムが水に溶けると、塩化ナトリウムが電離して、ナトリウムイオン(Na+)と塩化物イオン(Cl–)に電離します。
ナトリウムイオンも塩化物イオンも、粒径が非常に小さく、ろ紙の穴(すきま)を通過してしまうので、ろ紙では捉えられません。
そこで、食塩水に含まれる食塩を再結晶により結晶にします。
再結晶の方法には、①水溶液を冷やす、②水溶液を加熱して蒸発させる、の2通りがあります。
硝酸カリウムのように温度による溶解度の変化が大きい物質は、水溶液を冷やして結晶を取り出します。
塩化ナトリウムは温度による溶解度の変化が小さい物質なので、「②水溶液を加熱して蒸発させる」ことで、結晶を取り出します。
なお、塩化ナトリウムの結晶の色とかたちは、無色で立方体状です。
硝酸カリウムは無色・棒状です。
問2.解答:ウ
(解説)
抵抗に電圧を加えると電流が流れます。
問題文にある液晶テレビ、電気ストーブ、ドライヤーは抵抗なので、100Vの電圧を加えると電流が流れます。
家庭内にあるコンセントは、並列回路です。
並列回路では、回路の抵抗にかかる電圧は等しく、回路に流れる電流は各抵抗に流れる電流の和になります。
なので、家電製品(抵抗)を複数使うと、回路全体の電流が大きくなっていきます。
過電流になると危険なので、ブレーカーにより電流が一定の値になると、回路の導線を遮断して電流の流れをストップします。
この問題では、回路全体の電流が15A以上になると遮断されます。
抵抗に電圧がかかると電流が流れ、電気エネルギーが発生します。
抵抗が単位時間当たりに消費する電気エネルギーを消費電力といい、以下の式で表されます。
P[W]=P[J/s]=I[A]×V[V]=I2×R=V2/R
抵抗が消費したトータルの電気エネルギーを電力量といい、以下の式で表されます。
W[J]=P[J/s]×t[s]=I[A]×V[V]×t=I2×R×t=t×V2/R
この電気エネルギーがすべて熱エネルギーに変換されたとき、発熱量Q[J]=電気エネルギーW[J]となります。
エネルギーは移り変わります。
抵抗が消費したつまり得た電気エネルギーは、液晶テレビは光エネルギーに、電気ストーブとドライヤーは熱エネルギーに変換され、利用することができます。
消費電力=電気エネルギーが大きいほど、熱エネルギーも大きくなるので、発熱量も大きくなります。
さて、この問題では1000Wの消費電力の電気ストーブに100Vの電圧が加わっているので、電気ストーブに流れる電流は、10Aです。
ブレーカーが作動するのは15A以上なので、回路全体にあと5Aの電流を流すことができます。
1200Wの電気ドライヤーを使うと、電気ドライヤーに12Aの電流が流れるので、回路全体に流れる電流の大きさが22Aとなり15Aを超えるので不適です。
250Wの液晶テレビを使った場合、液晶テレビに2.5Aの電流が流れ、回路全体に流れる電流の大きさが12.5Aとなり、15Aを超えないので、電気ストーブに追加して安全に使うことができます。
問3.解答:エ
(解説)
血液は、固形成分の血球である赤血球・白血球・血小板、液体成分の血しょうからできています。
・赤血球(問題の図のC)
中央が凹んだ円盤状のかたちをしており、ヘモグロビンを含んでいるため、酸素を運搬します。
ヘモグロビンは、酸素の多いところでは酸素と結びつき、酸素の少ないところでは酸素を離す性質があります。
肺呼吸でヘモグロビンは酸素と結びつき動脈血となり、体循環において組織液を通じて細胞に酸素を送り届け静脈血となります。
ヘモグロビンは、ヘムという酸化鉄を含む赤色の色素と、グロビンというアミノ酸が結合してできています。
ヘモグロビンは酸素よりも一酸化炭素と強く結びつくため、火災による一酸化炭素中毒の原因となります。
古い赤血球は肝臓で分解され、胆汁(消化酵素でない)になり胆のうに蓄えられ、脂肪の乳化に使われます。
・白血球(問題の図のA)
アメーバ状の不定形をしており核を持ちます。
体内の細菌や異物を捉えて消化する食菌作用があります。
・血小板(問題の図のB)
細胞の破片で不定形をしています。
出血したときに血液を凝固するはたらきをします。
・血しょう
養分(ブドウ糖・アミノ酸・脂肪)・酸素・不要物(水分や尿素)を運搬するはたらきをします。
血しょうが毛細血管からしみ出て、細胞間を満たしている液を組織液といいます。
組織液の多くは再び毛細血管に戻りますが、一部はリンパ管に入ってリンパ液となります。
小腸の柔毛にあるリンパ管は胸管を通じて心臓と繋がっており(静脈)、再合成された脂肪は心臓の大動脈から全身の細胞に送り届けられます。
問4.解答:イ
(解説)
ひょうが降る理由については、問題文を参考にしましょう。
雲ができるメカニズムについて。
暖かい空気は上昇し、冷たい空気は沈みます。
例えば、太陽熱によって地表が暖められると、上昇気流が発生します。
暖められた空気のかたまりが上昇すると、外部の気圧が下がり空気のかたまりの気圧の方が高くなるため膨張します。
このとき、膨張するためのエネルギーを空気のかたまりが持つ熱エネルギーを用いてまかない、外部との熱のやりとりはされません。
これを断熱膨張といいます。
空気のかたまりが膨張することにより熱エネルギーが失われ、空気のかたまりの温度が下がります。
温度が下がると飽和水蒸気量も下がり、上昇し続けると露点に達し水滴ができはじめます。
水滴が空気中のちりやほこりを凝結核として成長し、やがて雲ができます。
空気のかたまりがさらに上昇すると、水滴は氷の結晶となります。
水滴や氷の結晶が成長すると、上昇気流で支えきれなくなり、雨や雪やひょうを降らせます。
上昇気流が発生すると、雲が発生します。
上昇気流が発生する場合として、①地面が強く熱せられる、②低気圧が発生、③風が山にぶつかる、④前線付近(寒冷前線と温暖前線)、の4つを抑えましょう。
低気圧は、暖かい空気が上昇して気圧が低くなった状態です。
風は気圧の高いところから低いところ、または温度が低いところから高いところに流れる水平方向の対流です。
低気圧ではコリオリの力(風を右に曲げる力)が働くことで、風が反時計回りに吹き込みます。
低気圧は前線を伴う場合が多いです。
前線を伴う温帯低気圧では、南の暖気団と北の寒気団がぶつかることで、前線が発生します。
低気圧は風が反時計回りに吹き込むことから、
温帯低気圧の左側では寒気が暖気の下にもぐり込んでできる寒冷前線が発生し、右側では暖気が寒気の上をゆるやかにはい上がってできる温暖前線が発生します。
寒冷前線では、暖気が垂直方向に押し上げられることで積乱雲が発生し、狭い範囲で短時間に強い雨を降らせます。
温暖前線では、暖気が寒気の上をゆるやかにはい上がることで乱層雲が発生し、広範囲に長い時間、弱い雨を降らせます。
温帯低気圧は偏西風によって東から西に移動します。
温暖前線が近づくと、巻き雲、巻層雲、高層雲、乱層雲(雨降る)の順で雲が通過していきます。
寒冷前線が近づくと、積乱雲(雨降る)、積雲の順で雲が通過していきます。
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