中学2年北海道学力テスト第1回「理科」(2021年)問題・解答・解説
大問1 状態変化
問1
解答:状態変化
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問2
解答:ア、ウ
解説:
加熱により加えられた熱エネルギーの一部は、粒子の運動エネルギーに変換されます。
つまり、加熱すると粒子の運動(選択肢ア)がさかんになり、粒子と粒子の間隔(選択肢ウ)が増えて体積が増加し、同一質量においては密度が減少します。
問3
解答:イ
解説:
同じ体積[cm3]においての密度[g/cm3]は、気体(A)<固体(C)<液体(B)、の順です。
密度の単位[g/cm3]に着目して、上記の密度の不等式に同一体積[cm3](正の値)をかけて質量[g]を求めると、気体(A)<固体(C)<液体(B)、の順で変わりません。
大問2 アンモニアの性質
問1
解答:エ
解説:
中学理科の範囲では、アンモニアの発生法として、以下の2つを覚えましょう。
・塩化アンモニウム+水酸化カルシウム→アンモニア+塩化カルシウム+水
・塩化アンモニウム+水酸化ナトリウム→アンモニア+塩化ナトリウム+水
問2
解答:アンモニアが水に非常にとけやすい性質。
解説:
アンモニアは水に非常にとけやすい気体です。
スポイトで少量の水を加えると、フラスコ内のアンモニアが一気に水にとけこみ、フラスコ内の気圧が下がることで、フェノールフタレイン液を入れた水がフラスコ内に流れ込みます。
アンモニア水はアルカリ性なので、フェノールフタレイン溶液は無色から赤色に変化します。
問3
解答:方法・・・ウ、集め方・・・上方置換法
解説:
アンモニアは水に非常によくとける気体で、空気より軽いので、上方置換法で捕集します。
アンモニアがフラスコや試験管内に満たされたことの確認法として、塩酸をつけたガラス棒を近づけて、塩化アンモニウムの白煙が生じることを確認する方法があります。
問4
解答:赤色
解説:
問2解説参照。
大問3 混合物の蒸留 ★問4がやや難
問1
解答:突沸を防ぐため。
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問2
解答:A・・・ウ、B・・・イ、C・・・ア
解説:
純粋な水の沸点は100℃、純粋なエタノールの沸点は約78℃なので、水とエタノールの混合物を加熱すると、エタノールが先に多く出てきます。
これより、試験管Aはわずかな水を含むエタノール、試験管Cはわずかなエタノールを含む水であると考えるのが適当です。
エタノールは可燃性の液体なので、試験管Aは選択肢ウ、試験管Cは選択肢ア、消去法で試験管Bは選択肢イが正解です。
問3
解答:ガラス管の先が液体についていないこと。
解説:
枝つきフラスコの加熱をやめると、フラスコ内が冷えて気圧が下がり、フラスコ内に外気が取り込まれます。
それゆえ、火を消す前にガラス管の先を試験管にたまった液から出さないと、枝つきフラスコに試験管にたまった液が逆流してしまいます。
問4 ★やや難
解答:0.79g/cm3
解説:
20℃における水の密度は1.00g/cm3との仮定から、20℃の混合物に含まれる水の質量は、1.00g/cm3×17.0cm3=17.0g、です。
これより、20℃の混合物に含まれるエタノールの質量は、19.37g-17.0g=2.37gです。
20℃の混合物に含まれるエタノールの体積は3.0cm3より、20℃のエタノールの密度[g/cm3]は、2.37g÷3.0cm3=0.79g/cm3、です。
大問4 凸レンズ
問1
解答:
解説:
凸レンズにおいて、以下の3種類の光線のうちの2つを作図して、実像を作図します。
①物体の先端から凸レンズの手前の焦点を通ってレンズの中心まで行き、光軸に平行に進む光線
②物体の先端から凸レンズの中心を直進する光線
③物体の先端から光軸に平行に進みレンズの中心まで行き、凸レンズの奥の焦点を通る光線
本問では、まず光線②でスクリーン上にできる実像の先端の位置を求め、次に光線①または光線③を作図して焦点を求めます。片方の焦点が求まれば、凸レンズの中心から等しい距離に点を打って、もう片方の焦点も求まるので、2本の光線を使えば本問は解けます。
問2
解答:像・・・虚像、向き・・・エ
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問3
解答:物体を焦点より内側に置いたとき。
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問4
解答:10cm
解説:
実験③の結果より、物体は凸レンズの中心からから凸レンズの焦点距離の2倍の位置にあり、物体から凸レンズの中心までの距離が40cm÷2=20cmであるので、この凸レンズの焦点は、20cm÷2=10cmです。
大問5 音の性質
問1
解答:イ、エ
解説:
ア:音が低くなり、振動数は少なくなります。つまり、音の波形の山と山の間隔が広くなります。
イ:音が高くなり、振動数は多くなります。つまり、音の波形の山と山の間隔が狭くなります。
ウ:音が大きくなり、振幅が大きくなります。
エ:音が高くなり、振動数は多くなります。つまり、音の波形の山と山の間隔が狭くなります。
問2
解答:①・・・E、②・・・B,D,E
解説:
①:Aの音の波形の山と山の間隔が等しいのは、Eです。
②:Aの音の波形の振幅より小さいのは、B・D・Eです。CはAと振幅が等しいので、音の大きさが等しいと考えられます。
問3
解答:①・・・振動、②・・・空気、③・・・波
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問4
解答:秒速341m
解説:
問われている値の単位は[m/s]なので、距離[m]÷秒[s]を求めます。
300m÷0.88s=30000/88=7500/22=340.909・・・≒341m/s
大問6 2力のつり合い
問1
解答:ア
解説:
力のつり合いなので、おもりAのみに着目します。
Aにはたらく力を上方向(鉛直上向き)と下方向(鉛直下向き)に分解して考えると、
下方向:重力、上方向:ひもがおもりを引く力(選択肢ア)
おもりAは静止しているので、これら2つの力(2力)は等しいです。
問2
解答:
解説:
重力は物体の中心から下向きに働きます。
Aの質量が1kg=1000g、1N/100gの仮定より、Aにはたらく重力の大きさは、1N/100g×1000g=10Nです。
方眼1目盛りを2Nとする仮定より、おもりAの中心から5目盛り(10N÷2N/目盛り)の矢印を書いて答えが得られます。
問3
解答:重力、垂直抗力
解説:
Bにはたらく力は、以下のとおりです。
下向き:重力、上向き:机が物質Bを押す力(垂直抗力)
おもりBは静止しているので、これら2力はつり合っています。
大問7 被子植物と裸子植物の特徴
問1
解答:マツ・・・X、アブラナ・・・イ
解説:
花の基本4要素は外側から、がく→花弁→おしべ→めしべ、の順です。
この原則から、図1のBは雄花のりん片、Aは雌花のりん片だと分かります。
Bの雄花のりん片にあるYは花粉のうで、図2のアブラナの断面図では、ウのやくに該当します。
Aの雌花のりん片にあるXは胚珠で、図2のアブラナの断面図では、アのめしべのオの子房にあるイに該当します。
問2
解答:①・・・やく、②・・・受粉、③・・・果実
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問3
解答:子房がなく胚珠がむき出しになっている植物。
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
大問8 植物の分類
図より、観点①〜⑩は以下のとおりです。
①:種子で増える、②:胞子で増える
③:胚珠が子房に包まれている(被子植物)、④:胚珠がむき出しである(裸子植物)
⑤:維管束がある(根・茎・葉の区別がある)、⑥:維管束がない(根・茎・葉の区別がない)
⑦:子葉が2枚である(双子葉類)、⑧:子葉が1枚である(単子葉類)
⑨:花弁が根本で離れている(離弁花類)、⑩:花弁が根本でくっついている(合弁花類)
問1
解答:胞子
解説:
冒頭解説参照。
問2
解答:Eのなかま・・・シダ植物、そのなかま・・・b
解説:
a:サクラは離弁花類に属します。
b:スギナはシダ植物に属します。
c:イチョウは裸子植物に属します。
d:スギは裸子植物に属します。
問3
解答:ア・・・⑦、イ・・・⑨
解説:
冒頭解説参照。
問4
解答:維管束があるかどうか、根・茎・葉の区別があるかどうかのちがい。
解説:
冒頭解説参照。
大問9 動物の分類
問1
解答:セキツイ動物
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問2
解答:ウ、オ
解説:
進化の順番は、魚類(水中・卵生)→両生類(水中・卵生)→ハチュウ類(陸上・卵生)→ホニュウ類(陸上・胎生)→鳥類(陸上・卵生)、です。
ハチュウ類は陸上に生息する生き物なので、殻のある卵を産みます。
問3
解答:からだが毛におおわれているということ。
解説:
進化の順番と体表のようすは、以下のとおりです。
魚類(うろこ)→両生類(湿った皮ふ)→ハチュウ類(うろこ)→ホニュウ類(体毛)→鳥類(羽毛)
大問10 火山の形とその特徴
問1
解答:エ
解説:
③と④:マグマのねばりけが弱いほど溶岩は流れやすいので、Aのように盾状火山の形状となります(③)。逆に、マグマのねばりけが強いほど溶岩は流れにくいので、Cのように溶岩ドームの形状になります(④)。
①と②:マグマのねばりけが弱いほどガスが抜けやすいので、おだやかな噴火をします(①)。逆に、マグマのねばりけが強いほどガスが抜けにくいので、激しい噴火をします(②)。
問2
解答:②、⑤
解説:
Cは溶岩ドームで、マグマのねばりけがつよいです。
マグマのねばりけが強いほど、セキエイ(⑤)やチョウ石(②)といった白色の鉱物を多く含むので、マグマが冷え固まってできた岩石である火成岩は、白っぽい色になります。
問3
解答:つくり・・・斑状組織、岩石・・・ア
解説:
図より、この岩石は斑状組織であるので、火成岩のうちの火山岩に属します。
火山岩は、セキエイやチョウ石といった白色の鉱物を多く含む順に、流紋岩・安山岩(ア)・玄武岩(ウ)があります。
表よりBの火山は成層火山なので、白色の鉱物を中くらい含むので、安山岩(ア)が適当だといえます。
問4
解答:マグマが地表や地表付近で急に冷え固まってできた岩石。
解説:
ミョウバンの水溶液実験に基づいて考えると分かりやすいです。
大問11 地震
問1
解答:S波
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問2
解答:8時34分51秒
解説:
表より、地点Xの震源距離は24kmで初期微動継続時間は2秒です。
震源距離と初期微動継続時間は比例関係にあることから、震源距離12kmあたり初期微動継続時間が1秒と考えることができます。
よって地点Zにおいて、震源距離が108km=12km×9なので、初期微動継続時間は1秒×9=9秒です。
地点Xの地震発生時刻(P波到達時刻)は8時34分42秒より、S波到達時刻は9秒後の8時34分51秒です。
問3
解答:初期微動継続時間
解説:
単純な知識問題なので、解説略。
問4
解答:180km
解説:
表より、地点Xの震源距離は24kmで初期微動継続時間は2秒です。すなわち、震源距離12kmあたりの初期微動継続時間は1秒です。
よって、初期微動継続時間が15秒=1秒×15のとき、震源距離は12km×15=12×(10+5)=120+60=180kmです。