大問1
問1
解答:加熱する。
解説:
多くの細胞が集まり、1つのからだをつくっている生物を、多細胞生物といいます。
多細胞生物では、形やはたらきが同じ細胞が集まり組織を、組織が集まり器官を、器官が集まり個体をつくっています。
細胞→組織→器官→個体、の順で生物は形づくられています。
植物の組織の例として道管・師管が、植物の器官として、根・茎・葉・花などがあります。
動物の組織の例として上皮・神経・筋組織が、動物の器官として、皮膚・目・心臓・胃などがあります。
炭水化物・タンパク質・脂肪を三大栄養素といい、食べた三大栄養素を分解する器官を消化器官といいます。
消化器官は、消化管と消化せんの2つに分けて考えます。
消化管とは、口から肛門までの食物の通る管のことで、食物は、口→食道→胃→十二指腸→小腸→大腸→肛門、という流れで通ります。
消化せんは食べた三大栄養素を分解する(別のものにする)消化液を分泌する消化器官で、だ液せん、胃、肝臓、すい臓、小腸があります。
消化液には消化酵素を含むものと含まないものがあります。
消化酵素とは、炭水化物・タンパク質・脂肪を分解する(別の粒の大きさが小さいものにする)酵素です。
消化酵素の特徴として、以下の4つを押さえましょう。
①決まった物質のみにはたらく(基質特異性)
②反応の前後で変化しない(触媒作用)
③はたらく温度が決まっている(最もよくはたらく温度:ヒトの体温付近、はたらきを失う(失活)温度:70℃くらい)
④はたらくpHが決まっている(だ液中のアミラーゼ:中性付近、胃液中のペプシン:酸性、すい液中の消化酵素:中性〜弱アルカリ性)
炭水化物はまず、だ液せんから分泌された消化液(消化酵素を含む)であるだ液に含まれるアミラーゼにより分解されます。
次に、すい臓から分泌された消化液(消化酵素を含む)であるすい液に含まれるアミラーゼにより分解され、ブドウ糖がいくつか結合したものである麦芽糖に分解されます。
そして、小腸の壁から分泌された消化酵素のマルターゼにより、ブドウ糖に分解されます。
デンプンの消化モデル実験として、問題のような実験が行われます。
対照実験では、ある実験を「調べたい条件」以外のものをすべて同じにした状態で行い、両者を比べることで結果が異なれば、「調べたい条件」が原因と証明できます。
試験管Aは試験管Bの対照実験です。
試験管Bにはだ液が含まれているので、デンプンのりが分解され、ブドウ糖がいくつか結合したものができます。
しかし、デンプンのりが分解されたのは、温度(40℃の湯)が原因かもしれません。
そこで、だ液のみ無く、他の条件が試験管Bと全く同じ試験管Aを用意することで、だ液によりデンプンのりが分解され、ブドウ糖がいくつか結合したものができたと断定することができます。
試験管AとBにヨウ素液を加えて、試験管Aのみ青紫色に変化したなら、だ液のはたらきによりデンプンが無くなったことがわかります。
試験管AとBにベネジクト液を加えて、沸とう石を加えて加熱して、試験管Bのみ赤褐色の沈殿ができたなら、だ液のはたらきによりデンプンが分解し、ブドウ糖がいくつか結合したものができたことが分かります。
ベネジクト液は、ブドウ糖がいくつか結合したものや、ブドウ糖を検出するときに用いられる青色の液体です。
青色なのは、ベネジクト液に銅イオンが含まれているからです。
ブドウ糖がいくつか結合したものや、ブドウ糖を含む溶液にベネジクト液を加えて加熱すると、酸化銅の赤褐色の沈殿ができますが、糖の濃度によっては、黄色〜赤褐色になります。
問2
解答: a:麦芽糖、b:ブドウ糖
解説:
炭水化物はまず、だ液せんから分泌された消化液(消化酵素を含む)であるだ液に含まれるアミラーゼにより、一部がブドウ糖がいくつか結合したものである麦芽糖に分解されます。
次に、すい臓から分泌された消化液(消化酵素を含む)であるすい液に含まれるアミラーゼにより分解され、ブドウ糖がいくつか結合したものである麦芽糖に分解されます。
そして、小腸の壁から分泌された消化酵素のマルターゼにより、ブドウ糖に分解されます。
問3
解答:ア
解説:
デンプンは、グルコース(ブドウ糖)が多数つながった水に溶けにくい有機物です。
麦芽糖は、ブドウ糖がいくつか結合したものです。
以上から、図の六角形の1つがブドウ糖であるので、答えは選択肢アです。
問4
解答:エ
解説:
実験により、
試験管AとBにヨウ素液を加えると、試験管Aのみ青紫色に変化するので、だ液のはたらきによりデンプンが無くなったことがわかります。
試験管AとBにベネジクト液を加えて、沸とう石を加えて加熱して、試験管Bのみ赤褐色の沈殿ができるので、だ液のはたらきによりデンプンが分解し、ブドウ糖がいくつか結合したものができたことが分かります。
大問2
問1
解答: 染まる部分:B、名前:核
解説:
生命の基本単位は、細胞です。
細胞は、核と細胞質からなる原形質と、原形質以外の後形質とからなります。
核は、中に遺伝子をのせた染色体を持ちます。
染色体は、遺伝子の本体として働く物質であるDNAと、ヒストンというタンパク質からなる糸状の構造物で、染色液によく染まることから、染色体と名が付けられています。
(染色体の”染色”の名の由来)
染色液として、以下の3種類を覚えましょう。
・酢酸カーミン溶液(赤色に染まる)
・酢酸オルセイン溶液(赤紫色に染まる)
・酢酸ダーリア溶液(青紫色に染まる)
細胞の細胞質の中には、細胞膜、葉緑体、液胞、ミトコンドリア、ゴルジ体、中心体などがあります。
・細胞膜:細胞内外を区切るとともに、物質の出入りを調節します。
・葉緑体:葉緑素(クロロフィル)を含み、光合成を行います。
・液胞:細胞中の水分量の調節や糖・無機塩類・不要物などを蓄積します。
・ミトコンドリア:細胞呼吸が行われる場所です。細胞は、生命活動に必要なエネルギーを得るために、ブドウ糖などの有機物を酸素を用いて分解する、呼吸を行っています。この細胞の呼吸を、肺などの呼吸器での呼吸(外呼吸)に対して、内呼吸といいます。
・ゴルジ体:おもに動物細胞にあり、細胞の分泌活動(物質を生産し、細胞外に出す働き)に関係しています。ゴルジ体は、とくに消化腺で発達しています。
・中心体:おもに動物細胞の核の近くにあり、動物細胞が体細胞分裂・減数分裂するときに出る、紡錘体形成の中心として働きます。
細胞の後形質は、細胞壁です。細胞壁は、細胞内の保護と形の保持を行っています。
動物細胞には、核・核小体・細胞質・細胞膜・ミトコンドリア・ゴルジ体・中心体などがあります。
植物細胞には、核(B)・核小体・細胞質(D)・細胞膜(A)・葉緑体(E)・ミトコンドリア・液胞(C)・細胞壁(F)などがあります。
問2
解答:C、E、F
解説:
動物細胞には、核・核小体・細胞質・細胞膜・ミトコンドリア・ゴルジ体・中心体などがあります。
植物細胞には、核(B)・核小体・細胞質(D)・細胞膜(A)・葉緑体(E)・ミトコンドリア・液胞(C)・細胞壁(F)などがあります。
動物細胞と植物細胞を比較すると、植物細胞には動物細胞にはない、葉緑体(E)・液胞(C)・細胞壁(F)を持ちます。
問3
解答:①呼吸、②酸素、③二酸化炭素、④細胞呼吸
解説:
呼吸とは、有機物を酸素を使って分解し(燃やし)、二酸化炭素と水に変え、化学エネルギーを取り出す活動です。
細胞は、生命活動に必要なエネルギーを得るために、ブドウ糖などの有機物を酸素を用いて分解する、呼吸を行っています。
この細胞の呼吸を細胞呼吸といい、肺などの呼吸器での呼吸(外呼吸)に対して、内呼吸といいます。細胞呼吸は、細胞のミトコンドリアで行われます。
三大栄養素(有機物)である炭水化物・タンパク質・脂肪は、消化管を経て、ブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸とモノグリセリドになり、小腸の柔毛で吸収されます。
小腸の柔毛に吸収されたブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸とモノグリセリドのうち、
ブドウ糖とアミノ酸は、小腸の柔毛の毛細血管に入り、門脈→肝臓→肝静脈→心臓→大動脈→全身の毛細血管を経て、全身の細胞に送り届けられ、細胞呼吸の材料として利用されます。
脂肪酸とモノグリセリドは、小腸の柔毛に吸収されると脂肪に際合成されてリンパ管に入り、胸管(静脈)→心臓→大動脈→全身の毛細血管を経て、全身の細胞に送り届けられ、細胞呼吸の材料として利用されます。
血液は、固形成分の血球(赤血球・白血球・血小板)と、液体成分の血しょうからできています。
このうち赤血球は酸素を運搬する働きをします。
これは赤血球中の赤い色素であるヘモグロビンが、酸素の多い所では酸素と結びつき、酸素の少ない所では酸素を放出する性質を持つためです。
このうち血しょうは、養分・二酸化炭素・不要物(尿素など)を運搬する働きをします。
血液中の血しょうが毛細血管の外にしみ出て、細胞間を満たしている液を組織液といいます。
組織液は、細胞に酸素や養分を与え、細胞呼吸で生じた不要物(二酸化炭素、水、アンモニアなど)をとかし、血管やリンパ管に運びます。
リンパ管に入った組織液はリンパ液となり、小腸から吸収された脂肪を運搬したり、リンパ液中のリンパ球(白血球の一種)による免疫作用を行います。
細胞呼吸で使われる酸素は、肺などの呼吸器での呼吸(外呼吸)によって供給されます。
ヒトの呼吸器官は、気管・気管支・肺からなります。
肺は、枝分かれした気管支と肺胞からなり、肺胞の表面には毛細血管が張り巡らされ、酸素と二酸化炭素の交換(ガス交換)が行われています。
肺胞では、心臓から肺へ血液が流れる血管である肺動脈から、酸素が少ない静脈血が肺胞の毛細血管を流れ、
その過程で、赤血球のヘモグロビンが酸素を取り入れ、血しょうから二酸化炭素が放出されることで、ガス交換が行われます。
肺胞を流れた血液は酸素を多く含む血液(動脈血)で、肺から心臓へと血液が戻る血管である肺静脈を通り、心臓の左心房→左心室→大動脈を経て、全身の細胞へ酸素が供給されます。
肺胞は、直径が約0.2mm、個数が約3億個、表面積が約60m2(教室の広さくらい)もあります。
肺胞は空気とふれる表面積を大きくすることで、効率よくガス交換を行えるつくりをしています。
問4
解答:単細胞生物
解説:
水中の生物で、遊泳能力がないか、あっても弱いため水中を浮遊するものをプランクトンといいます。
プランクトンには、光合成を行う植物プランクトン、摂食を行う動物プランクトン、光合成も摂食も行うプランクトンがあり、
さらに、からだのつくりにより、単細胞生物と多細胞生物に分けられます。
プランクトンの例として、以下のものを覚えましょう。
植物プランクトン・多細胞生物→アオミドロ
植物プランクトン・単細胞生物→ミカヅキモ、ケイソウ、ミドリムシ
動物プランクトン・多細胞生物→ミジンコ
動物プランクトン・単細胞生物→ミドリムシ、アメーバ、ゾウリムシ
このうち、ミドリムシはべん毛、ゾウリムシは繊毛、アメーバは仮足、ミジンコは触角を使って動きますが、ミカヅキモは生きているときには自らはほとんど動きません。
ゾウリムシは動物プランクトンより、動物細胞とおなじつくりをしていると考えてよいです。
大問3
問1
解答: すりつぶす歯:C、名前:臼歯
解説:
ライオンもシマウマも、セキツイ動物の中のホニュウ類に属します。
シマウマは草食動物、ライオンは肉食動物です。
草食動物は、
目のつき方が、側面についており視野が広く、敵を見つけやすいようについています。
歯は、前歯の門歯(A)で草をかみ切り、奥歯の臼歯(C)で草をすりつぶす構造をしています。
草食動物は肉食動物と同じく犬歯(B)をもちますが、あまり発達していません。
消化管は長いです。
あしは、ひづめがあるものが多く、長距離を走るのに適するつくりをしています。
肉食動物は、
目の付き方が、前面についており、立体的な部分の視野が広く、獲物との距離感をつかみやすいつくりをしています。
歯は、前歯の犬歯で獲物をしとめ、奥歯の臼歯で肉をひきちぎるようにできています。
消化管は短いです。
あしは、鋭いつめをもち、獲物を捕らえるのに適するつくりをしています。
問2
解答:消化管
解説:
多くの細胞が集まり、1つのからだをつくっている生物を、多細胞生物といいます。
多細胞生物では、形やはたらきが同じ細胞が集まり組織を、組織が集まり器官を、器官が集まり個体をつくっています。
細胞→組織→器官→個体、の順で生物は形づくられています。
植物の組織の例として道管・師管が、植物の器官として、根・茎・葉・花などがあります。
動物の組織の例として上皮・神経・筋組織が、動物の器官として、皮膚・目・心臓・胃などがあります。
炭水化物・タンパク質・脂肪を三大栄養素といい、食べた三大栄養素を分解する器官を消化器官といいます。
消化器官は、消化管と消化せんの2つに分けて考えます。
消化管とは、口から肛門までの食物の通る管のことで、食物は、口→食道→胃→十二指腸→小腸→大腸→肛門、という流れで通ります。
消化せんは食べた三大栄養素を分解する(別のものにする)消化液を分泌する消化器官で、だ液せん、胃、肝臓、すい臓、小腸があります。
消化液には消化酵素を含むものと含まないものがあります。
消化酵素とは、炭水化物・タンパク質・脂肪を分解する(別のものにする)酵素です。
だ液せんからは消化液であるだ液が分泌され、だ液は、消化酵素であるアミラーゼ(炭水化物を分解)を含みます。
胃からは消化液である胃液が分泌され、胃液は、消化酵素であるペプシン(タンパク質をペプトンに分解)を含みます。
肝臓からは消化液である胆汁が分泌され、胆のうに蓄えられます。胆汁は消化酵素を含まず、脂肪を乳化してすい液・リパーゼの働きを助けます。
すい臓からは消化液であるすい液が分泌され、すい液は、消化酵素であるアミラーゼ(炭水化物を麦芽糖に分解)・トリプシン(ペプトンをポリペプチドに分解)・リパーゼ(乳化した脂肪を脂肪酸とモノグリセリドに分解)を含みます。
小腸の壁からは、消化酵素であるマルターゼ(麦芽糖をブドウ糖に分解)・ペプチダーゼ(ポリペプチドをアミノ酸に分解)が分泌されます。
こうして消化器官を通った三大栄養素である炭水化物・タンパク質・脂肪は、それぞれブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸とモノグリセリドに分解され、粒の大きさが小さくなります。
ブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸とモノグリセリドは、問題文の図の小腸の柔毛に吸収されていきます。
ブドウ糖とアミノ酸は、小腸の柔毛の毛細血管に入り、門脈→肝臓→肝静脈→心臓→大動脈を経て、全身の細胞に送り届けられ、細胞呼吸の材料として利用されます。
脂肪酸とモノグリセリドは、小腸の柔毛に吸収されると脂肪に際合成されてリンパ管に入り、胸管(静脈)→心臓→大動脈を経て、全身の細胞に送り届けられ、細胞呼吸の材料として利用されます。
小腸の内壁にある柔毛は、表面積を広げる構造をしており、1cm2あたり約2500個もあります。
柔毛があることで表面積が大きくなり、養分を効率よく吸収することができます。
根毛・柔毛・肺胞など、養分を吸収するものは、表面積を広げる構造をしています。
問3
解答:視野が広く敵を見つけやすい
解説:
問1解説参照。
問4
解答:感覚器官
解説:
生物が外からの刺激を受け取るための器官を感覚器官(目・耳・鼻・舌・皮膚など)といいます。
それぞれの器官は、受け取る刺激が決まっています。
外界から刺激がくると、決まった感覚器官が受け取り、感覚神経を通して大脳に届き、大脳が感知してはじめて感覚となります。
神経系の種類は、中枢神経と末しょう神経に大別されます。
中枢神経は脳とせきずいからなり、末しょう神経は感覚神経と運動神経からなります。
感覚神経は、感覚器官(目・耳・鼻・舌・皮膚など)から中枢神経へ、刺激の電気信号を伝達します。
運動神経は、中枢神経から筋肉(骨格筋)へと、刺激を伝達します。
感覚神経はせきずいに背中側から入り、運動神経はせきずいの腹側から出ます。
外界の刺激に対し、意識して起こす反応を随意運動といい、刺激の電気信号が大脳を必ず通ります。
刺激の電気信号が通る経路は、原則、感覚器官→感覚神経→せきずい→大脳→せきずい→運動神経→運動器官、です。
しかし、感覚神経からの信号がせきずいを通るか通らないかは、感覚器官が首(せきずい)より上にあるか下にあるかで決まります。
例えば、背中がかゆいので手で背中をかく場合、刺激の電気信号の経路は、背中の皮膚(感覚器官)→感覚神経→せきずい→大脳→せきずい→運動神経→手(運動器官)と、行きと帰り両方でせきずいを通ります。
しかし、落下するボールを手でつかむ場合、刺激の電気信号の経路は、目(感覚器官)→感覚神経(視神経)→大脳→せきずい→運動神経→手(運動器官)と、行きはせきずいを通らず、帰りのみ通ります。
外界の刺激に対し、無意識に起こる反応を反射といいます。
たとえば、うっかり熱いやかんに手を触れてしまった場合、思わず手を引っ込めますが、これが反射です。
反射は、刺激の電気信号の経路が、感覚器官→感覚神経→せきずい→運動神経→運動器官、となり刺激の信号が大脳を通りません。
が、行動を起こした後、というかほぼ同時に、感覚器官→感覚神経→せきずい→大脳、と刺激の電気信号が伝わることで、熱さを感じます。
反射は、信号が大脳を経由しないため、刺激を受け取ってから反応を起こすまでの時間が短く、危険回避に役立っています。
大問4
問1
解答: 変化したところ:ア、名前:虹彩
解説:
多くの細胞が集まり、1つのからだをつくっている生物を、多細胞生物といいます。
多細胞生物では、形やはたらきが同じ細胞が集まり組織を、組織が集まり器官を、器官が集まり個体をつくっています。
細胞→組織→器官→個体、の順で生物は形づくられています。
植物の組織の例として道管・師管が、植物の器官として、根・茎・葉・花などがあります。
動物の組織の例として上皮・神経・筋組織が、動物の器官として、皮膚・目・心臓・胃などがあります。
本問で登場する目は、動物の器官です。
光源あるいは光を反射した物が見えるしくみは、光の刺激が以下のように伝わって見えるからです。
①光の刺激が目に入る:ひとみ(レンズ(イ)が虹彩(ア)で覆われていない隙間)の大きさで入る光の量を調節
②レンズ:光を屈折させ、網膜(ウ)に倒立実像をつくる
③網膜:光を感じる視細胞があり、視細胞で光の刺激を感じとる
④視神経(エ):視細胞で受けとった刺激を大脳に伝える
⑤大脳:「見えた」という感覚が生じる(※)
※外界から刺激がくると、決まった感覚器官(この場合は目)が受け取り、神経(この場合は視神経)を通して大脳に届き、大脳が感知してはじめて感覚となります。
虹彩とひとみの大きさですが、明るい場所では虹彩が広がりひとみが小さくなり、暗い場所では虹彩が縮みひとみが大きくなります。
この反応は大脳と無関係に行われ、反射といいます。
問2
解答: 反応:反射、経路:A→E→B
解説:
生物が外からの刺激を受け取るための器官を感覚器官(目・耳・鼻・舌・皮膚など)といいます。
それぞれの器官は、受け取る刺激が決まっています。
外界から刺激がくると、決まった感覚器官が受け取り、感覚神経を通して大脳に届き、大脳が感知してはじめて感覚となります。
神経系の種類は、中枢神経と末しょう神経に大別されます。
中枢神経は脳とせきずいからなり、末しょう神経は感覚神経と運動神経からなります。
感覚神経は、感覚器官(目・耳・鼻・舌・皮膚など)から中枢神経へ、刺激の電気信号を伝達します。
運動神経は、中枢神経から筋肉(骨格筋)へと、刺激を伝達します。
感覚神経はせきずいに背中側から入り、運動神経はせきずいの腹側から出ます。
外界の刺激に対し、無意識に起こる反応を反射といいます。
たとえば、本問のようにうっかり熱い鍋に手を触れてしまった場合、思わず手を引っ込めますが、これが反射です。
反射は、刺激の電気信号の経路が、感覚器官(皮膚)→感覚神経(A)→せきずい(E)→運動神経(B)→運動器官(筋肉)、となり刺激の信号が大脳を通りません。
が、行動を起こした後、というかほぼ同時に、感覚器官(皮膚)→感覚神経(A)→せきずい(E)→大脳(C)、と刺激の電気信号が伝わることで、熱さを感じます。
反射は、信号が大脳を経由しないため、刺激を受け取ってから反応を起こすまでの時間が短く、危険回避に役立っています。
問3
解答:ア、エ
解説:
反射の具体例として、以下の例を覚えましょう。
・熱いものに触れ思わず手を引っ込める
・明るい所に入るとひとみが小さくなる
・目の前に急に物が飛んできて目を閉じる
・ひざの下をたたくと足がはね上がる
・食べ物を口に入れるとだ液が出る
→梅干しを見るとだ液が出るのは反射ではなく条件反射です。
大脳が過去に体験した一定の条件のもとでつくられた反射を条件反射といいます。
「反射」が大脳のはたらきによらず起こる生まれつきの行動であるのに対し、「条件反射」は何回か体験を繰り返すことによってつくりあげられる反応のため、大脳が関与します。
大問5
問1
解答:①アミノ酸、②柔毛、③リンパ管、④肝臓
解説:
炭水化物・タンパク質・脂肪を三大栄養素といい、食べた三大栄養素を分解する器官を消化器官といいます。
消化器官は、消化管と消化せんの2つに分けて考えます。
消化管とは、口から肛門までの食物の通る管のことで、食物は、口→食道→胃→十二指腸→小腸→大腸→肛門、という流れで通ります。
消化せんは食べた三大栄養素を分解する(別のものにする)消化液を分泌する消化器官で、だ液せん、胃、肝臓、すい臓、小腸があります。
消化液には消化酵素を含むものと含まないものがあります。
消化酵素とは、炭水化物・タンパク質・脂肪を分解する(別のものにする)酵素です。
だ液せんからは消化液であるだ液が分泌され、だ液は、消化酵素であるアミラーゼ(炭水化物を分解)を含みます。
胃からは消化液である胃液が分泌され、胃液は、消化酵素であるペプシン(タンパク質をペプトンに分解)を含みます。
肝臓からは消化液である胆汁が分泌され、胆のうに蓄えられます。胆汁は消化酵素を含まず、脂肪を乳化してすい液・リパーゼの働きを助けます。
すい臓からは消化液であるすい液が分泌され、すい液は、消化酵素であるアミラーゼ(炭水化物を麦芽糖に分解)・トリプシン(ペプトンをポリペプチドに分解)・リパーゼ(乳化した脂肪を脂肪酸とモノグリセリドに分解)を含みます。
小腸の壁からは、消化酵素であるマルターゼ(麦芽糖をブドウ糖に分解)・ペプチダーゼ(ポリペプチドをアミノ酸に分解)が分泌されます。
こうして消化器官を通った三大栄養素である炭水化物・タンパク質・脂肪は、それぞれブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸とモノグリセリドに分解され、粒の大きさが小さくなります。
ブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸とモノグリセリドは、小腸の柔毛に吸収されていきます。
ブドウ糖とアミノ酸は、小腸の柔毛の毛細血管に入り、門脈→肝臓→肝静脈→心臓→大動脈を経て、全身の細胞に送り届けられ、細胞呼吸の材料として利用されます。
ブドウ糖の一部は、肝臓でグリコーゲンに変えて蓄えられ、空腹時など必要に応じて送り出されます。
脂肪酸とモノグリセリドは、小腸の柔毛に吸収されると脂肪に際合成されてリンパ管に入り、胸管(静脈)→心臓→大動脈を経て、全身の細胞に送り届けられ、細胞呼吸の材料として利用されます。
小腸の内壁にある柔毛は、表面積を広げる構造をしており、1cm2あたり約2500個もあります。
柔毛があることで表面積が大きくなり、養分を効率よく吸収することができます。
根毛・柔毛・肺胞など、養分を吸収するものは、表面積を広げる構造をしています。
問2
解答:ウ、エ
解説:
三大栄養素である炭水化物・タンパク質・脂肪が、それぞれ、ブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸+モノグリセリドに消化されるときに、関与する消化液と、分解過程を書きます。
・炭水化物→ブドウ糖
炭水化物はまず、だ液せんから分泌された消化液(消化酵素を含む)であるだ液に含まれるアミラーゼにより分解されます。
次に、すい臓から分泌された消化液(消化酵素を含む)であるすい液に含まれるアミラーゼにより分解され、ブドウ糖がいくつか結合したものである麦芽糖に分解されます。
そして、小腸の壁から分泌された消化酵素のマルターゼにより、ブドウ糖に分解されます。
・タンパク質→アミノ酸
タンパク質はまず、胃の胃腺から分泌された消化液である胃液(消化酵素を含む)に含まれるペプシンにより、ペプトンに分解されます。
次に、すい臓から分泌された消化液(消化酵素を含む)であるすい液に含まれるトリプシンにより、ポリペプチドに分解されます。
そして、小腸の壁から分泌された消化酵素のペプチダーゼにより、アミノ酸に分解されます。
・脂肪→脂肪酸+モノグリセリド
脂肪はまず、肝臓から分泌された消化液である胆汁(消化酵素を含まない)により、脂肪を乳化します。
次に、すい臓から分泌された消化液(消化酵素を含む)であるすい液に含まれるリパーゼにより、脂肪酸+モノグリセリドに分解されます。
水と油など、相互に混ざり合わない液体を、よく混ざり合った状態にすることを乳化といいます。
胆汁中には消化酵素がなく、胆汁そのものには消化能力はなく、すい液に含まれる酵素リパーゼによる脂肪の分解を補助しています。
脂肪はそのままでは水と分離して消化を受けにくいですが、胆汁のはたらきで脂肪の粒が細かくなり、水の中に散らばる(乳化する)ことで、消化されやすくなります。
問3
解答:ア、イ
解説:
ブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸とモノグリセリドは、小腸の柔毛に吸収されていきます。
ブドウ糖とアミノ酸は、小腸の柔毛の毛細血管に入り、門脈→肝臓→肝静脈→心臓→大動脈を経て、全身の細胞に送り届けられ、細胞呼吸の材料として利用されます。
ブドウ糖の一部は、肝臓でグリコーゲンに変えて蓄えられ、空腹時など必要に応じて送り出されます。
脂肪酸とモノグリセリドは、小腸の柔毛に吸収されると脂肪に際合成されてリンパ管に入り、胸管(静脈)→心臓→大動脈を経て、全身の細胞に送り届けられ、細胞呼吸の材料として利用されます。
大問6
問1
解答:じん臓
解説:
血液循環は、肺循環と体循環の2つに大別されます。
・肺循環
肺循環とは、心臓から出た血液が肺を通り、心臓へともどる経路のことです。
血液の流れは、心臓の右心室(図2のB)→肺動脈(静脈血)(図1のY)→肺の毛細血管→肺静脈(動脈血)→左心房(図2のD)と循環します。
なお、心臓は4つの部屋からなり、
正面から見たとき、左側の部屋を「右〜」、右側の部屋を「左〜」、
上の部屋を「〜心房」、下の部屋を「〜心室」と呼びます。
心臓をつなぐ血管は、心臓に戻る血液が流れる血管を「〜静脈」、心臓から出る血液が流れる血管を「〜動脈」、
心臓と体をつなぐ血管を「大〜」、心臓と肺をつなぐ血管を「肺〜」と呼びます。
酸素を多く含む血液を動脈血(鮮紅色)、酸素が少ない血液を静脈血(少し暗い赤色)といいます。
・体循環
体循環とは、心臓から出た血液が全身の細胞を巡って心臓にもどる経路のことです。
血液の流れは、心臓の左心室(図2のC)→大動脈(動脈血)→全身の毛細血管(細胞呼吸)→大静脈(静脈血)→右心房(図2のA)と循環します。
循環する血液の特徴について。
・門脈
ここを通る血液は、ブドウ糖・アミノ酸などの養分を最も多く含みます。
三大栄養素(有機物)である炭水化物・タンパク質・脂肪は、消化管を経て、ブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸とモノグリセリドになり、小腸の柔毛で吸収されます。
小腸の柔毛に吸収されたブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸とモノグリセリドのうち、
ブドウ糖とアミノ酸は、小腸の柔毛の毛細血管に入り、門脈→肝臓→肝静脈→心臓→大動脈→全身の毛細血管を経て、全身の細胞に送り届けられ、細胞呼吸の材料として利用されます。
・じん臓(図1のX)を通過後の血液
ここを通る血液は、尿素などの不要物が最も少ないです。
細胞呼吸では、二酸化炭素・水・アンモニアが排出されます。
これら不要物は血しょうにとけて、水はじん臓を通して尿として体外に排出されます。
アミノ酸(窒素を含む)の分解などにより生じるアンモニア(NH3)は、非常に毒性が強いため、そのままでは排出されず、肝臓で無毒の尿素につくりかえられてから、じん臓でこしとられ、尿として体外に排出されます。
・肺静脈
酸素を最も多く含みます。
・肺動脈(図1のY)
二酸化炭素を最も多く含みます。
・肝臓→大静脈
空腹時、最も多くの養分を含みます。
肝臓にグリコーゲンとして蓄えられていたブドウ糖が運ばれます。
問2
解答: B:右心室、特徴:ウ
解説:
肺循環とは、心臓から出た血液が肺を通り、心臓へともどる経路のことです。
血液の流れは、心臓の右心室(図2のB)→肺動脈(静脈血)(図1のY)→肺の毛細血管→肺静脈(動脈血)→左心房(図2のD)と循環します。
酸素を多く含む血液を動脈血(鮮紅色)、酸素が少ない血液を静脈血(少し暗い赤色)といいます。
問3
解答: Z:弁、はたらき:血液が逆流するのを防ぐ
解説:
心臓は、心房と心室の伸縮と拡張を交互に繰り返すことで、血液を循環させる、ポンプのはたらきをしています。
この心臓の活動を、拍動といいます。
心臓の拍動の流れは、
心房の拡張→心房の収縮と心室の拡張→心室の収縮→心房の拡張→・・・
という流れです。
心房が拡張すると、大静脈と肺静脈から血液が心臓に吸い込まれることで流れますが、吸い込む力が弱いため、逆流の恐れがあります。
そのため、静脈には逆流を防ぐために弁がついています。
心臓の内部にも弁があり、心房と心室の間にある弁を房室弁(図2のZ)、心室が動脈とつながる部分にある弁を半月弁といいます。
問4
解答:体循環
解説:
問1解説参照。
大問7
問1
解答:背骨がある
解説:
動物は、背骨のあるセキツイ動物と、背骨のない無セキツイ動物に分類できます。
セキツイ動物は、魚類・両生類・ハチュウ類・鳥類・ホニュウ類に分類できます。
・体温
魚類・両生類・ハチュウ類は外界の温度が変化すると体温を変化させる変温動物、
鳥類・ホニュウ類は外界の温度が変化しても体温を一定に保つ恒温動物です。
・呼吸のしかた
魚類はえら呼吸、両生類は子がえら呼吸で親が肺呼吸(カエルのように補助的に皮膚呼吸するものもいます)、
ハチュウ類・鳥類・ホニュウ類は肺呼吸です。
・子の産まれ方
魚類・両生類・ハチュウ類・鳥類は卵生、ホニュウ類は胎生です。
魚類・両生類は水中にからのない卵を、ハチュウ類・鳥類は陸上にからのある卵を産みます。
卵の殻は、卵を乾燥から守る役目をし、水中生活から陸上生活への進化に欠かせないものです。
・体の表面
魚類は体の表面がうろこにおおわれており、両生類は湿った皮膚、ハチュウ類はうろこや甲ら、鳥類は羽毛、ホニュウ類は毛におおわれています。
・具体例
魚類の例としてメダカとフナを、
両生類の例としてカエルとイモリ(「いりょう」と覚える)を、
ハチュウ類の例としてトカゲとヤモリを、
鳥類の例としてハトとペンギンを、
ホニュウ類の例としてクジラとコウモリを、
それぞれ覚えましょう。
問2
解答:♦
解説:
Bのみなかまのふやし方が異なっているので、胎生であるホニュウ類です。
鳥類・ホニュウ類は恒温動物、魚類・両生類・ハチュウ類は変温動物です。
表より、体温の変化が♢なのが3つあるので、♢は変温動物、♦は恒温動物です。
よって、(①)には♦が当てはまります。
また、Dは鳥類であることが分かります。
問3
解答: ふやし方:卵生、ちがい:(固い)殻があるかどうか
解説:
問2より、☆は卵生です。
魚類・両生類は水中にからのない卵を、ハチュウ類・鳥類は陸上にからのある卵を産みます。
卵の殻は、卵を乾燥から守る役目をし、水中生活から陸上生活への進化に欠かせないものです。
ハチュウ類・鳥類・ホニュウ類は肺呼吸のみするので、表の〇は肺呼吸です。
表より、Eは呼吸のし方が2つあるので、子がえら呼吸で親が肺呼吸(〇)する両生類です。
ゆえに、表の■はえら呼吸で、Cは魚類です。
魚類(C)と鳥類(D)の子のふやし方は、どちらも卵生ですが、魚類は水中にからのない卵を、類は陸上にからのある卵を産む点で異なっています。
問4
解答: E:両生類、なかま:①、⑧
解説:
問3より、Eは両生類です。
両生類の例としてカエルとイモリ(「いりょう」と覚える)を覚えましょう。
大問8
問1
解答: X:外とう膜、アサリ:B
解説:
動物は、背骨のあるセキツイ動物と、背骨のない無セキツイ動物に分類できます。
無セキツイ動物は、外骨格の有無で分類でき、外骨格がないものは、さらに外とう膜の有無で分類できます。
無セキツイ動物で、外骨格をもつ動物を節足動物といいます。
節足動物は、昆虫類(例:バッタ)、クモ類(クモ)、甲殻類(エビ)、多足類(ムカデ)に分類できます。
節足動物が持つ呼吸器官は、気管です。気管は、腹部の体表にある気門という穴につづく細い管です。
気管は体のすみずみまで網目状に広がり、その外側で体液と接しており、気管内の空気と体液との間で、直接ガス交換が行われます。
節足動物は、ヒトのように、ガス交換の際に毛細血管は必要がありません。
無セキツイ動物で、外骨格がなく外とう膜がある動物を、軟体動物(例:イカ、アサリ)といいます。
イカのからだのつくりのうち、外とう膜(X)とえらの場所は覚えましょう。
イカは外とう膜によって、内臓を守っています。
筋組織を持つ外とう膜は収縮し、ろうとからの噴水と、ひれ、外とう膜の収縮によって、前後に自在に泳ぐことができます。
アサリの外とう膜は、Bです。
無セキツイ動物で、外骨格がなく外とう膜もない動物は、棘皮動物(例:ウニ、ヒトデ)と刺胞動物(例:クラゲ、サンゴ)に分類できます。
問2
解答:軟体動物
解説:
問1解説参照。
問3
解答:①図1、②B
解説:
解答の通りです。
大問9
問1
解答:は虫類と鳥類
解説:
動物は、背骨のあるセキツイ動物と、背骨のない無セキツイ動物に分類できます。
セキツイ動物は、魚類・両生類・ハチュウ類・鳥類・ホニュウ類に分類できます。
化石が発見された地層の地質年代から、これらセキツイ動物は、
魚類→両生類→ハチュウ類→ホニュウ類→鳥類
の順に進化したと考えられています。
セキツイ動物の進化の証拠として、相同器官・痕跡器官があります。
相同器官とは、現在は形やはたらきが異なるが、基本的な骨格が同じため、もとは同じものが変化してできたと考えられる器官のことです。
例えば、カエルの前足・ワニの前足・スズメのつばさ・コウモリのつばさ・クジラの胸びれ・ヒトの腕が相同器官です。
相同器官の中には、ヘビやクジラの後ろ足のように、現在ははたらきを失い、形だけわずかに残る痕跡器官もあります。
セキツイ動物の進化の証拠は、相同器官の他に、ハチュウ類と鳥類の中間と考えられる始祖鳥があります。
始祖鳥の鳥類の特徴は、①羽毛をもち、くちばしがある ②前足の骨格がつばさとよく似ている
ハチュウ類の特徴は、①くちばしに歯、つばさに爪がある ②尾骨のある長い尾を持つ
問2
解答:翼をもち、爪のついた指がある。くちばしがあり、歯がある。
解説:
問1解説参照。
問3
解答:相同器官
解説:
問1解説参照。
大問10
問1
解答:ガラス管を水の中から取り出しておく。
解説:
物質そのものが別の物質に変化したり無くなったりする変化を、化学変化といいます。
それに対して、加熱や冷却による温度変化にともない、物質の状態が固体、液体、気体と変わるが、物質そのものが別の物質に変化したり無くなったりしない変化を、状態変化といいます。
化学変化のうち、1種類の物質から、2種類以上の物質ができる変化を分解といいます。
分解には、熱分解と電気分解などがあります。
本問は、炭酸水素ナトリウムの熱分解を題材にした問題です。
炭酸水素ナトリウムの熱分解の化学反応式は、以下の通りです。
2NaHCO3→Na2CO3+H2O+CO2
(炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+水+二酸化炭素)
炭酸水素ナトリウム(重そう)はアルカリ(水に溶けると水酸化物イオン(OH–)を放出する物質)です。
水中に水素イオン(H+)がなく、OH–のみ存在する状態をアルカリ性といいます。
炭酸水素ナトリウムを水に溶かすと、アルカリ性の水溶液になります。
しかし炭酸水素ナトリウムは、水に溶けにくい物質で、水中に水酸化物イオン(OH–)が多くないため、水溶液は弱アルカリ性です。
そのため、アルカリ性の性質を調べる指示薬であるフェノールフタレイン溶液は、うすい赤色に変化します。
炭酸ナトリウムもアルカリで、水に溶かすとアルカリ性の水溶液になります。
炭酸ナトリウムは水に溶けやすい物質で、水中に水酸化物イオン(OH–)が多くあるため、水溶液は強アルカリ性です。
そのため、フェノールフタレイン溶液は、濃い赤色に変化します。
炭酸水素ナトリウムの熱分解では水が発生しますが、塩化コバルト紙が青色から赤色に変化することを確認することで、水が発生したことが分かります。
発生した水が加熱部触れて急冷されると試験管が割れて危険なので、試験管の口を下げて実験を行います。
炭酸水素ナトリウムの熱分解では二酸化炭素が発生しますが、石灰水が白く濁ることを確認することで、二酸化炭素が発生したことが分かります。
二酸化炭素は空気より重く(空気の約1.5倍)水に溶けにくい気体なので、水上置換法や下方置換法で気体を捕集します。
炭酸水素ナトリウムの熱分解の実験を終えるとき、逆流防止のために、火を止める前にガラス管の先を水そうから抜きます。
火を止めると試験管内部が冷えて気圧が下がり、下がった気圧を補うために外気を取り込みます。火を止める前にガラス管の先を抜かないと、水がガラス管を通じて逆流してきてしまいます。
問2
解答: 気体:二酸化炭素、液体:水
解説:
炭酸水素ナトリウムの熱分解の化学反応式は、以下の通りです。
2NaHCO3→Na2CO3+H2O+CO2
(炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+水+二酸化炭素)
これより、炭酸水素ナトリウムの熱分解では、気体として二酸化炭素が、液体として水が発生します。
問3
解答: 物質:炭酸ナトリウム、特徴:ア
解説:
炭酸水素ナトリウムの熱分解では、固体として炭酸ナトリウムができます。
炭酸ナトリウムはアルカリで、水に溶かすとアルカリ性の水溶液になります。
炭酸ナトリウムは水に溶けやすい物質で、水中に水酸化物イオン(OH–)が多くあるため、水溶液は強アルカリ性です。
そのため、フェノールフタレイン溶液は、濃い赤色に変化します。
炭酸水素ナトリウムはアルカリで、水に溶かすとアルカリ性の水溶液になります。
しかし、炭酸水素ナトリウムは、水に溶けにくい物質で、水中に水酸化物イオン(OH–)が多くないため、水溶液は弱アルカリ性です。
そのため、アルカリ性の性質を調べる指示薬であるフェノールフタレイン溶液は、うすい赤色に変化します。
大問11
問1
解答:電流を流れやすくするため。
解説:
水の電気分解の化学反応式は、以下の通りです。
水→水素+酸素(2H2O→2H2+O2)
しかし純粋な水(H2O)は分子をつくる物質で、このままでは電気(電流)が流れにくく、電気分解をすることができません。
そこで、電気(電流)を流しやすくするために、水酸化ナトリウム(NaOH)を少量加えます。
水酸化ナトリウムは、水に溶けると、ナトリウムイオン(Na+)と水酸化物イオン(OH–)に電離する、電解質の物質です。
水中にイオンがあると電気(電流)が流れるので、水に水酸化ナトリウムを加えると、電気(電流)が流れて、電気分解をすることができるようになります。
問2
解答:①ア、②ア、③ア
解説:
まず、「+どうし−どうしは反発するが、+と−はくっつく」ことを必ず押さえましょう
水の電気分解の化学反応式は、以下の通りです。
2H2O→2H2+O2
水素(H2)のイオンは水素イオン(H+)で、水素イオン(H+)は+に帯電しているので、−極(陰極)に引きつけられ、−極(陰極)から水素(H2)が発生します。
酸素(O2)のイオンは酸化物イオン(O2-)で、酸化物イオン(O2-)は−に帯電しているので、+極(陽極)に引きつけられ、+極(陽極)から酸素(O2)が発生します。
水の電気分解の化学反応式の、水素(H2)と酸素(O2)の係数の比は2:1より、
水の電気分解により発生する水素(H2)と酸素(O2)の体積比は2:1となります。
水素(H2)は酸素(O2)の2倍発生します。
水素と酸素はともに水にとけにくい気体であるため、捕集できる量は、体積比と同じ2:1となります。
水素が発生したことの確認は、水素が可燃性をもつことを利用して、火のついたマッチを近づけると、「ポン」と音を立てて燃えることで分かります。。
代表的な気体の性質は、以下の通りです。
・酸素
酸素の性質として、以下の4つを押さえましょう。
①無色・無臭、②空気よりやや重い(空気の重さの約1.1倍)、③水にとけにくい、★④助燃性をもつ
このほかの気体の性質も、ここで押さえましょう。
・水素
水素の性質として、以下の4つを押さえましょう。
①無色・無臭、②最も軽い気体(空気の重さの約0.08倍)、③水にとけにくい、★④可燃性をもつ
水素は、亜鉛またはマグネシウムにうすい塩酸を加えると発生します。
また、水(H2O)や塩酸(HCl)を電気分解することでも発生します(水素イオンH+より、陰極で発生)
・二酸化炭素
二酸化炭素の性質として、以下の4つを押さえましょう。
①無色・無臭、★②空気より重い(空気の重さの約1.5倍)、③水に少しとける(H+を放出する酸より水溶液は酸性)、★④石灰水を白く濁らせる
・窒素
空気の約8割を占める窒素は、以下の5つの性質を持ちます。
①無色・無臭、②空気より少しだけ軽い、③水に溶けにくい、④助燃性(O2)・可燃性(H2)なし
★⑤常温では他の物質と結びついて化学変化を起こすことはほとんどない(この性質を利用した食品の酸化を防ぐ方法に、窒素充填がある)
・アンモニア
アンモニアの性質として、以下の4つを押さえましょう。
★①無色・刺激臭、★②空気より軽い、★③水に非常によく溶ける(20℃の水1cm3に702cm3溶ける)(OH–を放出するアルカリより水溶液はアルカリ性)→アンモニアの噴水実験、★④塩化水素と反応し、白煙(塩化アンモニウムの白色の固体)を生じる
問3
解答:(電気)分解
解説:
物質そのものが別の物質に変化したり無くなったりする変化を、化学変化といいます。
それに対して、加熱や冷却による温度変化にともない、物質の状態が固体、液体、気体と変わるが、物質そのものが別の物質に変化したり無くなったりしない変化を、状態変化といいます。
化学変化のうち、1種類の物質から、2種類以上の物質ができる変化を分解といいます。
分解には、熱分解と電気分解などがあります。
熱分解で覚えるのは、
・炭酸水素ナトリウムの熱分解
炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+水+二酸化炭素
・酸化銀の熱分解
酸化銀→銀+酸素(2Ag2O→4Ag+O2)
・炭酸アンモニウムの熱分解
炭酸アンモニウム→アンモニア+水+二酸化炭素
電気分解で覚えるのは、
・水の電気分解
水→水素+酸素(2H2O→2H2+O2)
・塩酸の電気分解
塩酸→水素+塩素(2HCl→H2+ Cl2)
・塩化銅の電気分解
塩化銅→銅+塩素(CuCl2→Cu+Cl2)