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大問1
問1
解答:状態(変化)
解説:
固体から液体への状態変化を融解、
液体から固体への状態変化を凝固、
液体から気体への状態変化を気化、
気体から液体への状態変化を液化、
固体から気体または気体から固体への状態変化を昇華といいます。
物質が融解し始めるときの温度を融点、
凝固し始めるときの温度を凝固点、
気化し始めるときの温度を沸点といいます。
天気の分野において、水蒸気が液化し始めるときの温度を露点といいます。
純粋な物質の融点と沸点は決まっており、また融点と凝固点は一致します。
問2
解答:蒸留
解説:
液体を沸騰させ、出てくる気体を冷やして、再び液体にして集める方法を蒸留といいます。
蒸留のポイントは、物質の沸点の違いを利用することで、混合物を純粋な物質に分けることができることです。
例えば、水とエタノールの混合物の蒸留では
純粋な水の沸点は100℃ですが、純粋なエタノールの沸点は78.3℃と、純粋な水の沸点より低いです。
それゆえ、蒸留を進めると、最初はエタノールを多く含む液体が得られ、徐々に水が多く出てきます。
問3
解答:イ
解説:
■蒸留の実験の注意点
水とエタノールの混合液の蒸留の実験について、
枝つきフラスコの形と名前は覚えて、さらに、蒸留の操作と注意点として、以下の4つを押さえましょう。
①沸騰石を入れて突沸を防ぐ
②ガラス管をたまった液につけない(※)
③試験管は水で冷却する
④ガラス管は火を消す前に試験管から出す(※)
※枝つきフラスコが冷えると、フラスコ内の気圧が下がり、外気を吸うため、試験管の中の液体が逆流することがあるから。炭酸水素ナトリウムの熱分解の実験も同様の理由で、ガラス管は火を消す前に試験管から出します。
問4
解答:ガラス管が、試験管の液体に入っていないこと
解説:
問3解説参照。
問5
解答:エタノールは、水より沸点が低いので、先に気体になって出てきたから。
解説:
問2解説参照。
大問2
問1
解答: ふくまれているもの:炭素、物質:有機物
解説:
物質は有機物と無機物に大別され、無機物はさらに、金属と非金属に分類されます。
プラスチックの原料は、ほとんどが石油(ナフサ)です。
石油は有機物であるので炭素(C)と水素(H)を含んでおり、燃やす(酸素O2と化合する)と二酸化炭素(CO2)と水(H2O)が発生します。
プラスチックの性質として、以下の4つがあります。
①軽くてしなやか
②熱や油、薬品に強い
③耐水性、可塑性(変形した物体が元の形に戻らない性質)にすぐれている
④生分解性プラスチックは、土のなかで微生物により分解される
プラスチックの種類として、以下の5種類を押さえておきましょう。
・ポリエチレンテレフタレート(PET):燃えにくいが多少のすすがでる
・ポリエチレン(PE):溶けながらよく燃える、水に浮く
・ポリスチレン(PS):すすを出しながら燃える
・ポリプロピレン(PP):溶けながらよく燃える、水に浮く
・ポリ塩化ビニル(PVC):燃えにくい
ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)以外は、4℃の水(密度 1.0g/cm3)より密度が大きいため、水に沈みます。
金属には、すべての金属に共通する3つの性質があります。
①みがくと光る(金属光沢)
②たたくとのびたり、広がったりする(延性・展性)
③電気や熱を通す(電気伝導性・熱伝導性)
すべての金属に共通しない性質として、「磁石につく」があります。
磁石につくのは、鉄・ニッケル・コバルトです。
問2
解答:ア
解説:
密度の単位は[g/cm3]より、質量[g]÷体積[cm3]です。
問3
解答: a:8、b:大きい
解説:
この立方体の物体は水に沈んですすが出たことから、ポリエチレンテレフタレート(PET)であると考えられます。
問われているのはこの立方体の質量と水の質量の大小関係です。
分かっているのは水の密度1.0g/cm3(4℃の水の密度)なので、水の密度を用いて質量を算出します。
この立方体の物体の体積は(2cm)3=8cm3より、この立方体が押しのけた水の体積も8cm3です。
密度の単位[g/cm3]に注意して解くと、8cm3の水の質量は、
1.0g/cm3×8cm3=8.0g
この立方体の物体の質量が8.0gより大きいとき、密度>8.0g÷8cm3=1g/cm3となり水に沈み、題意を満たします。
ゆえに、この立方体の物体の質量は8.0gより大きいです。
大問3
問1
解答:溶解度
解説:
溶質とは溶けるもの、溶媒とは溶かすもので、水は溶媒です。
溶解度とは、水100gに溶ける溶質の限界の質量です。
溶質が限界まで溶けている状態の水溶液を、飽和水溶液といいます。
問2
解答:20(%)
解説:
質量パーセント濃度の公式は、以下の通りです。
質量パーセント濃度(%)=塩(g)/水(g)+塩(g)×100=塩(g)/水溶液(g)×100
ただし、質量パーセント濃度は、溶けている物質に対しての濃度であることに注意です。
60℃の水100gに硝酸カリウム25gをとかしたとき、
水100gを用いているので、溶解度曲線のグラフをそのまま利用します。
硝酸カリウムは60℃の水100gに約110g溶けることができるので、
硝酸カリウム25gは60℃の水100gにすべて溶けます。
ゆえに、質量パーセント濃度は
質量パーセント濃度(%)=25g÷(100g+25g)×100=25/125×100=1/5×100=20%
問3
解答: 多くの結晶が現れる:ミョウバン、とり出すこと:再結晶
解説:
再結晶において、以下の2パターンの問題が出題されます。
①この温度ですべて溶けるか否か
→実験内容を溶解度曲線に合わせる。具体的には、実験で用いた水の質量を100gになるよう、水と溶媒の質量を等倍する。
②温度を下げたとき何gの結晶が析出するか
→溶解度曲線を実験内容に合わせる。具体的には、溶解度曲線の水の質量100gを、実験で用いている水の質量になるよう等倍する。
この問題では、60℃の水に硝酸カリウムとミョウバンを50g溶かしてから30℃まで冷やした後、析出する結晶の質量が最も多い物質が問われています。
具体的な質量の値ではなく、質量の大小関係が問われているので、「①この温度ですべて溶けるか否か」の方法で解きます。
グラフの横軸の60℃から、それぞれの物質の溶解度曲線に50gの棒線を引き、30℃まで左にスライドさせると、棒線が溶解度曲線を越えた部分が析出する結晶の質量です。
硝酸カリウムはおよそ5g(50g-45g)、ミョウバンはおよそ35g(50g-15g)析出するので、
水溶液の温度を60℃から30℃に下げると、ミョウバンの結晶が最も多く析出します。
問4
解答:水を蒸発させる。(例)
解説:
塩化ナトリウム水溶液の溶解度は50℃で35gより、塩化ナトリウム30gは100gの水にすべて溶けます。
しかし、水溶液の温度を下げていっても、塩化ナトリウムの結晶はあまり析出しないことが、溶解度曲線を読むと分かります。
このように、塩化ナトリウムのように、温度を下げても溶解度があまり変化しない物質の再結晶を行う場合、水溶液を蒸発させて取り出す方法が用いられます。
大問4
問1
解答:根毛
解説:
維管束とは、道管と師管の束のことです。
道管は、根から吸収された水や肥料分が通る管で、茎では維管束の内側にあります。
師管は、葉で光合成で作られた養分が通る管で、茎では維管束の外側にあります。
根の先端ちかくには根毛があり、表面積を広げる構造をしており、これにより水や肥料分を効率よく吸収できます。
問2
解答: ①面積、②養分(肥料分)
解説:
問1解説参照。
問3
解答:道管
解説:
問1解説参照。
大問5
問1
解答: a:酸素、b:二酸化炭素、c:呼吸、d:光合成
解説:
植物の葉には葉緑体があり、光合成は葉緑体で行われます。
根で吸収した水が茎の道管(維管束の内側)から葉の維管束である葉脈(維管束の上側)を通り葉緑体に届けられ、
孔辺細胞の隙間である気孔で吸収された二酸化炭素を日光(光エネルギー)を用いて、単糖類であるグルコース(ブドウ糖)と酸素に合成されます。
グルコースは水に溶けやすく、このままの形では葉に栄養分を貯蔵できないため、グルコースが多数つながった水に溶けにくいデンプンにつくり変えられます。
夜間に水に溶けやすい二糖類のスクロース(ショ糖)に変えられ、師管を通ってからだの各部へ運ばれて、呼吸や成長の材料として使われます。
植物は光合成と呼吸を同時に行います。
光合成では、葉の気孔から、二酸化炭素が入り酸素が出ます。
呼吸では、葉の気孔から、酸素が入り二酸化炭素が出ます。
植物の呼吸は、昼夜を問わず、一日中行われます。
対して光合成は、日光が必要であるため、光が当たる時間帯に行われます。
光の当たる場所では、光合成のはたらきの方が強くなるので、光合成で出入りする気体の量が、呼吸で出入りする気体の量より多くなり、あたかも二酸化炭素が吸収され、酸素が放出されているかのように見えます。
以上の知識をもとに、問題を解きます。
①では、置いた直後と2時間後を比較すると、酸素の割合が19.2%から20.5%に増加し、二酸化炭素の割合が1.8%から0.6%に減少していることが分かります。
①では、太陽の光が当たる、つまり強い光が当たるところに植物を置いているので、袋の中の植物は光合成をしており、呼吸で出入りする気体の量よりも光合成で出入りする気体の量の方が多いので、二酸化炭素の体積が減少し、酸素の体積が増加します。
②では、置いた直後と24時間後を比較すると、酸素の割合が19.1%から18.8%に減少し、二酸化炭素の割合が1.7%から2.2%に増加していることが分かります。
①では、光が当たらない暗所に植物を置いているので、袋の中の植物は光合成を行わず呼吸のみしているので、袋の中の酸素が消費され、二酸化炭素が増加します。
問2
解答:蒸散
解説:
植物の葉の表、葉の裏、茎には気孔(孔辺細胞の隙間)があり、気孔から酸素や二酸化炭素が出入りし、水蒸気が出て行きます。
植物体内の水が、気孔から水蒸気となって体外に放出される現象を蒸散といいます。
問3
解答: A:気孔、多い:裏側
解説:
蒸散が行われる気孔は孔辺細胞のすきまにできる小さな穴です。
多くの陸上植物は、葉の表側より裏側に気孔が多く分布しますが、オニユリなどでは葉の表と裏でほぼ同数の気孔が分布しています。
気孔は茎にもあることに注意してください。
大問6
問1
解答: 残ったカード:4(枚)、何でなかまを増やす:胞子
解説:
植物の分類の観点はまず、種子をつくるか否かで大別します。
種子を作る植物を種子植物といいます。
種子植物はさらに、胚珠が子房に包まれているか否かで分類し、胚珠が子房に包まれている植物を被子植物、胚珠がむきだしの植物を裸子植物といいます。
被子植物はさらに、子葉の枚数で分類し、子葉が1枚の植物を単子葉類、子葉が2枚の植物を双子葉類といいます。
双子葉類はさらに、花弁がくっついているか否かで分類し、花弁がくっついている植物を合弁花類(ツツジ)、花弁が離れている植物を離弁花類(アブラナ)といいます。
単子葉類として、イネ・トウモロコシ・スズメノカタビラ・ユリ・アヤメ・ツユクサ・チューリップを、
合弁花類として、ツツジ・タンポポ・アサガオを、
離弁花類として、サクラ・アブラナ・エンドウを、
裸子植物として、マツ、スギ、ヒノキ、イチョウ、ソテツを
それぞれ覚えましょう。
これに加えて、ホウセンカは双子葉類であることも覚えましょう。
双子葉類は、子葉が2枚、葉脈(葉の維管束)が網状脈、茎の維管束が輪状に並びます。
維管束とは、道管と師管の束のことです。
道管は、根から吸収された水や肥料分が通る管で、茎では維管束の内側にあります。
師管は、葉で光合成で作られた養分(デンプン→ショ糖)が通る管で、茎では維管束の外側にあります。
双子葉類の根は、主根と側根からなり、根の先端ちかくに根毛があり、表面積を広げる構造をしており、これにより水や肥料分を効率よく吸収できます。
単子葉類は、子葉が1枚、葉脈(葉の維管束)が平行脈、茎の維管束が全体に散らばっています。
双子葉類と同じく、茎では道管は維管束の内側に、師管は維管束の外側にあります。
単子葉類の根はひげ根で、根の先端ちかくに根毛があり、表面積を広げる構造をしており、これにより水や肥料分を効率よく吸収できます。
種子をつくらず、胞子で増える植物は、今度は維管束があるかどうか、または、根・茎・葉の区別かあるかどうかで大別され、
維管束がある植物をシダ植物、ない植物をコケ植物といいます。
イヌワラビはシダ植物です。
シダ植物の個体の増やし方は、
葉の裏にある胞子のうが乾いて裂けて胞子が飛び出て、胞子が発芽して前葉体となり、前葉体の造精器(雄器)から精子が雨の日に泳いで別の前葉体の造卵器(雌器)の卵までいき受精し、受精卵が成長し若いシダとなって増えます。
シダ植物は、無性生殖→有性生殖の順で個体を増やします。
スギゴケやゼニゴケはコケ植物です。
コケ植物は、雄株と雌株の区別があるものが多いです。
個体の増やし方は、
雄株の雄器で精子が、雌株の雌器で卵が作られ、雨の日などに精子が雌器の卵まで泳いで受精し、受精卵が育つと雌器に胞子のうができて胞子がつくられ、胞子のうが破れて胞子が飛び散り、発芽・成長して雄株と雌株になります。
コケ植物は、有性生殖→無性生殖の順で個体を増やします。
シダ植物の根は、種子植物ほど発達していないひげ根、
茎は、地中を横に走る地下茎、
葉は、地上に出ている部分全体が1枚の葉(複葉という)です。
シダ植物として、イヌワラビ・ゼンマイ・スギナを、
コケ植物として、スギゴケ・ゼニゴケを、
それぞれ覚えましょう。
以上の知識をもとに、問題を解きます。
①の「種子でなかまを増やすか否か」の観点でカード取ると、
机の上には、シダ植物かコケ植物に属する植物のカードつまり、イヌワラビとゼニゴケの2枚のカードが残ります。
よって、手元に残ったカードは4枚です。
机の上に残ったイヌワラビとゼニゴケの2枚のカードに共通するのは、胞子で仲間を増やす点です。
問2
解答:被子(植物)
解説:
問1解説参照。
胚珠が子房に覆われている植物は、被子植物です。
問3
解答:ウ
解説:
①の質問に該当する=種子植物は、サクラ・ツユクサ・マツ・アサガオの4枚のカードです。
②の質問に該当する=被子植物は、サクラ・ツユクサ・アサガオの3枚のカードです。
このうち、双子葉類はサクラ(離弁花類)とアサガオ(合弁花類)、単子葉類はツユクサです。
③の質問(観点)で手元に残ったカードが2枚になり、1枚がはじかれたことから、単子葉類であるツユクサがはじかれたことが分かります。
よって、③の質問は、双子葉類に該当する質問で、それに該当するのは、選択肢ウです。
選択肢アとエは、単子葉類に該当する質問で、これだと手元に残ったカードは1枚になってしまいます。
選択肢イは、①の質問と同じ内容です。
問4
解答: 残った植物:サクラ、何類:離弁花(類)
解説:
④の質問は、離弁花類であるか否かの質問です。
問3解説より、離弁花類はサクラなので、サクラのカードのみが残ります。
大問7
問1
解答: 像:実像、焦点距離:10cm
解説:
凸レンズとは、ガラス中央部分がまわりよりも厚いレンズのことです。
凸レンズの軸(光軸)に平行に入射した光がレンズで屈折して1カ所に集まる点を焦点(英語でfocusより、Fと書くことが多い)といいます。
点とみなせる光源から四方に出る光のうち、凸レンズに入射する光の進み方は、以下の4つです。
①光軸に平行に進む光線は焦点を通る
②レンズの中心を通る光線はそのまま直進
③焦点を通った光線は光軸に平行に進む
④それ以外の光線は、レンズまで直進し、レンズで屈折後、光の集合点に向かう。
像の作図は、①〜③のうちの2本を作図することでできます。
凸レンズを通った光が集まってできる像を、実像といいます。
このときに見える像は、スクリーン側から見ると、物体とは上下・左右が逆向きに見えるため、倒立実像といいます。
物体側から見た場合は、上下のみが逆の像が見えます。
光源とレンズ間の距離をa、焦点距離をfとおくと、
①a>2f(焦点距離の2倍):実物より小さい倒立実像
②a=2f:実物と同じ大きさの倒立実像
③f<a<2f:実物より大きい倒立実像。a=1.5fのとき、倒立実像の大きさは実物の2倍
④a=f:像ができない
⑤a<f(焦点の内側):実物より大きい正立虚像
以上の知識をもとに、問題を解きます。
スクリーンにうつった像は、凸レンズを通った光が集まってできているので、実像です。
凸レンズと物体との距離と、凸レンズとスクリーンとの距離が等しいとき、三角形の合同の観点から、物体と倒立実像の大きさが等しくなります。
このとき物体は、凸レンズの焦点距離の2倍の位置にあるので、その位置は表より20cmより、焦点距離はその半分の10cmです。
問2
解答:エ
解説:
倒立実像は、スクリーン側から見ると、物体とは上下・左右が逆向きに見えます(イ)。
物体側(凸レンズ側)から見た場合は、上下のみが逆の像が見えます(ウ)。
問3
解答: a:イ、b:イ
解説:
物体と凸レンズとの距離Aを大きくして、物体を凸レンズから遠ざけていくと、倒立実像は凸レンズに近づきながら小さくなっていきます。
逆に、物体と凸レンズとの距離Aを小さくして、物体を凸レンズから近づけていくと、倒立実像は凸レンズに遠ざかりながら大きくなっていきます。
大問8
問1
解答:(光の)屈折
解説:
太陽や豆電球など自ら光を出すものを光源といいます。
光源が見えるのは、光源からの光が直接目に入るからで、光源以外のものが見えるのは、光源から出た光が物の表面で反射し、その光が目に入るからです。
光は、さえぎるものがなければ同じ物質(空気やガラスなど)の中をまっすぐに進みます。これを光の直進といいます。
図において、光が空気のように密度低い物質から、水のように密度の高い物質にななめに入射するとき、あるいはその逆の場合も、光は屈折します。
空気→水の場合、入射角>屈折角となるように光は屈折します。
水→空気では、入射角<屈折角となるように光は屈折します。
入射角と屈折角は、法線とのなす角度です。法線は、光が入射する面に対して引いた垂線です。
問2
解答:
解説:
問1解説参照。
コインなど物が光を反射して屈折した光が目に届き、物が見えるとき、解答のような光線を書きます。
問3
解答:イ、ウ
解説:
ア:
全反射の説明です。
入射角が一定の角度になると、屈折角が90°になり、光は屈折できず全て反射します。
これを全反射といい、ちょうど全反射する入射角を臨界角といいます。
臨界角は、水→空気では約49°、ガラス→空気では約42°です。
光が屈折して出ていくと、一部の光は反射もするので、入射光線の光エネルギーより小さくなり、光が弱まります。
全反射では、光を弱めること無く遠くまで伝えることができます。これが全反射のメリットです。
全反射は、光ファイバーなどの通信装置に利用されています。
ウ:
光が集まらない像を虚像といい、スクリーンに映すことが出来ません。
物体を凸レンズの焦点の内側に置くと、凸レンズで屈折した光が目に入り、凸レンズを通して物体より大きな虚像が見えます(虫めがねの原理)。
エ:
光の反射の説明です。
大問9
問1
解答:ア、エ
解説:
おんさやモノコードの弦などを音源といいます。
おんさを叩いたり、モノコードを弾くなどすると、音源が振動し、その振動が波として広がり、空気などの音を伝える物質(媒質)に次々と伝わることで、音が伝わります。
このようにして広がる音の波を音波といいます。
空気の成分比率は、体積の割合で多い順から
窒素(約78%)、酸素(約21%)、アルゴン(約0.9%)、二酸化炭素(約0.04%)です。
このほか、ネオン、ヘリウムなども微量ですが含まれています。
これら空気を構成する原子や分子は質量[g]を持つ物体で、音波によって振動し、その振動が伝わっていくことで、音が伝わります。
同様に、水には水分子が、金属には銅原子や鉄原子などがあり、それらに音波の振動が伝わっていくことで、音が伝わります。
なお、音を伝える物質と音が伝わる速さは、気体<液体<固体の順に速くなります。
例えば、空気中での音が伝わる速さは約340m/s、水中での音が伝わる速さは約1500m/s、鉄の場合は約6000m/s、です。
音源が1回振動すると、音源のまわりの空気が押されたり引かれたりして密度が変化し、1組の山と谷ができます。
コンピューターを用いて波形を調べると、図1のような波形になります。
このとき、中央を横切る線であるベースラインから、山または谷までの幅を振幅といいます。
振幅が大きいほど音が大きく、振幅が小さいほど音が小さいです。
音波の波形は、左から右に動いています。
1つの波が通過すると1回振動したといいます。
振動数とは、1秒間あたりに通過する波の数で、単位はHz(ヘルツ)です。
振動数が多いほど音が高く、振動数が小さいほど音が低いです。
以上の知識をもとに、問題を解きます。
表より、ブザーAは空気中でも水中でも、ブザーBより振動数が少ないので、ブザーAはブザーBより音が低いです。
音の伝わる速さは、空気<水中<固体で、表を見ても、空気中より水中の方が音の伝わる速さが速いことが分かります。
音の大きさ=振幅は表からは分かりません。
問2
解答:0.02(秒)
解説:
表より、水中で音が伝わる速さは秒速1500m=1500m/sより、この速さで30m進むのにかかる時間は、単位に注意して、
30m÷1500m/s=3/150s=1/50s=2/100s=0.02s
問3
解答:エ
解説:
図1は、ブザーAの音の波形です。
この波形を見ると、振幅は1マス、下の山から山までの距離である波長は4マスです。
これよりも大きな音とは、振幅が大きい音であるので、ブザーBの振幅は1マスより大きくなります。
表より、ブザーBの振動数は空気中において、ブザーAの2倍なので、ブザーBの波長は2マスです。
これを満たすのは、選択肢エです。
大問10
問1
解答:4.7(cm)
解説:
変形した物体がもとの形に戻ろうとする力を弾性力といいます。
ばねは伸びたり縮んだりすると、自然長(元の長さ)に戻ろうとする力が働き、これをばねの弾性力といいます。
ばねにつるすおもりの質量を2倍、3倍・・・にすると、ばねの伸びも2倍、3倍・・・になり、ばねの弾性力も2倍、3倍・・・になります(伸びた分だけ弾性力が増していく)。
バネの伸び縮みした長さと、ばねの弾性力=ばねにかかる力の大きさは比例関係にあり、これをフックの法則といいます。
実際に表の値をグラフ化する(これをプロットするという)と、ばねを引く力の大きさが増すに従い、ばねの伸びは直線的に増加している、すなわち比例関係にあることが分かります。
このグラフの傾きをばね定数[N/m]といい、単位よりばね定数は、ばねを1m伸ばしたり縮めたりするのに必要な力の大きさとなります。
以上の知識をもとに、問題を解きます。
おもり1個の質量は50g、100gの物体に働く重力の大きさを1Nとしているので、おもりの重さは0.5Nです。
表より、このばね自然長は3.5cmで、0.5Nの力が加わると0.6cm伸びるので、1.0N=おもり2個分の力が加わると1.2cm
伸びます。
よって、ばねの長さXは、3.5cm+1.2cm=4.7cm
問2
解答: 関係:比例、法則:フック(の法則)
解説:
問1解説参照。
問3
解答:2(N)
解説:
表より、このばね自然長は3.5cmで、0.5Nの力が加わると0.6cm伸びるので、1.0N=おもり2個分の力が加わると1.2cm
伸びます。
これより、ばね定数[N/m]の考え方を用いて、このばねは1Nで1.2cmのびるので、1.2cm/Nと書けます。
ばねののびが2.4cmのとき、単位に注意して、
2.4cm÷1.2cm/N=2N
問4
解答: ①:300(g)、②0.5(N)、③0.6cm
解説:
1個のおもりの質量は50gより、6個のおもりの質量は300gです。
質量300gの物体を、力の大きさを調べる実験器具であるばねばかりと、質量を調べる実験器具である上皿てんびんではかると、
地球上では物体に3Nの重力が、月では物体に3N×1/6=0.5Nの重力が働くので、ばねばかりの値は、地球上では3N、月では0.5Nを示します。
このばねは1Nで1.2cmのびるので、0.5Nでは0.6cmのびます。
上皿てんびんでは分銅を使用しますが、分銅にかかる100gあたりの重力の大きさは、地球上と月とで同じなので、
質量は地球上で300gなら、月面上でも300gになります。
大問11
問1
解答: 矢印a:垂直抗力、大きさ:2(N)
解説:
力は矢印で表します。
このとき、力の三要素である力の大きさを矢印の長さで、力の向きを矢印の指す向きで、力が加わる点である作用点を矢印の視点として、それぞれ表します。
力の矢印がのっている直線を、作用線といいます。
なお、地球上で質量100gの物体に働く重力(作用点は物体の中心)の大きさを1N(ニュートン)とすることが多いですが、
正確には、地球上で質量100gの物体に働く重力の大きさは0.98Nです。
図1で力が加わる相手が本なので、本に加わる力を垂直方向と水平方向に分けて、全て洗い出します。
本は水平方向から力を受けていないので、水平方向部分は無視します。
垂直方向ですが、まず、本には重力が働きます。
力の大きさは2N、作用線は本の中心から垂直に引いた直線上、力の向きは本の中心から(鉛直)下向きです。
また本は、机と接しているので、机から垂直抗力を受けます。
作用線は本の中心から垂直に引いた直線上、力の向きは本と机が接している面の中心から(鉛直)上向きです。
本は机の上で静止しているので、本に働く重力のと、机から受ける垂直抗力が釣り合っています。
ゆえに、本が机から受ける垂直抗力の大きさは2Nです。
問2
解答:100(Pa)
解説:
ふれあう面の単位面積[m2]あたりに加わる垂直方向の力[N]を圧力といいます。
これから、圧力の単位は[N/m2]=[Pa]です。
圧力の単位に留意して解くと、本が机と接している面積は200cm2=200×1cm×1cm=200÷100m÷100m=2/100m2、です。
本は机と接しており、本は机を鉛直下向きの力を及ぼしており、その大きさは机に働く重力の大きさと等しく2Nです。
これより、本が机に加える圧力[N/m2]の大きさは、
圧力[N/m2]=圧力[Pa]=2N÷2/100m2=100N/m2=100Pa
問3
解答:
解説:
おもりには重力が働き、力の大きさは2N(2目盛り)、作用線は本の中心から垂直に引いた直線上、力の向きは本の中心から(鉛直)下向きです。
重力の大きさは、場所によらず常に一定であることに注意してください。
おもりは糸と接しており、接点において、おもりが糸を引く力(作用)と、糸がおもりを引く力(反作用)が同じ作用線上ではたらきます。
おもりは糸から鉛直上向きの力を受けて静止しているので、糸がおもりを引く力の大きさは2N(2目盛り)です。
なお、作用・反作用は同じ作用線上にあり、大きさが同じく向きが反対ですが、力が働く相手が異なるため、作用と反作用の2つの力は釣り合いとは無関係です。
問4
解答:ウ
解説:
問3の解答の図をよく見て、
おもりには重力(鉛直下向き)と、糸がおもりを引く力(鉛直上向き)と、2つの力(2力)がはたらきます。
この2力は、同一作用線上(同一直線上)にあり、向きが反対で、大きさが等しいため、釣り合って、おもりは静止しています。
おもりに着目すると、重力の作用点はおもりの中心、糸がおもりを引く力の作用点は、おもりと糸との接点より、力の釣り合いは、同一作用点である必要はありません。